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ベンズアルデヒド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベンズアルデヒド
識別情報
CAS登録番号 100-52-7
ChemSpider 235
KEGG D02314
特性
化学式 C7H6O
モル質量 106.12 g mol−1
示性式 C6H5CHO
外観 無色液体
密度 1.0415 g/mL
融点

−56.5 °C, 217 K, -70 °F ([1])

沸点

179 °C, 452 K, 354 °F ([1])

への溶解度 難溶
(0.6 w/w%、20 ℃)
屈折率 (nD) 1.5456 (20 ℃, D)[1]
粘度 1.4 cP (25 ℃)
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −86.8 kJ/mol
標準燃焼熱 ΔcHo −3525.1 kJ/mol
危険性
EU分類 Harmful (Xn)
NFPA 704
2
2
0
Rフレーズ R22
Sフレーズ S2, S24
引火点 63 ℃ (Closed Cup)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ベンズアルデヒド (benzaldehyde) は、芳香族アルデヒドに分類される有機化合物のひとつ。IUPAC系統名は、ベンゼンカルバルデヒド (benzenecarbaldehyde) 。ベンゼン水素原子一つが、ホルミル基で置換された構造を持つ。

無色の液体。苦扁桃油(アーモンドの一種から取った薬用油)様の香気を持ち、揮発しやすい。芳香族アルデヒドは特異な臭いを有するものが多いが、ベンズアルデヒドはアーモンド、杏仁(アンズの種)の香り成分である。安価な香料として用いられるほか、抗炎症作用が認められている。酸化されやすく、酸化されると安息香酸になり、表面に膜状様物質として浮かぶ。

製法

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トルエンを60%硫酸二酸化マンガンによって穏やかに酸化することで得られる(酸化力が強い場合には安息香酸まで反応が進む)。ジクロロメチルベンゼン(塩化ベンザル)の加水分解によっても得られる。

1995年の実績では年間7000トンが生産され、大半は化学合成によるものであるが、天然品も100トンほど生産されている。ヤニタケ属Ischnoderma benzoinumにL-フェニルアラニンを添加し培養すると、培養液1リットルあたり1グラムのベンズアルデヒドと3-フェニル-1-プロパノールが生じる[2]

反応

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銀鏡反応に対しては陽性、フェーリング液に対しては陰性を示す。水酸化ナトリウムなどの強塩基とともに加熱すると、カニッツァーロ反応によりベンジルアルコール安息香酸とに不均化する。触媒量のシアン化カリウムの存在下に加熱すると、ベンゾイン縮合によりベンゾイン(C6H5C(=O)CH(OH)C6H5)に変わる。

出典

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  1. ^ a b c Merck Index 13th ed., 1057.
  2. ^ 井上重治『微生物と香り ミクロの世界のアロマの力』フレグランスジャーナル社、2002年8月1日、165頁。ISBN 4-89479-057-2 

外部リンク

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