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ベーリック・ホール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベーリック・ホール
Berrick-Hall
ベーリック・ホール、2014年撮影
ベーリック・ホールの位置(横浜市内)
ベーリック・ホール
ベーリック・ホールの位置(神奈川県内)
ベーリック・ホール
ベーリック・ホールの位置(日本内)
ベーリック・ホール
情報
旧名称 ベリック邸
用途 観光施設、結婚式場
旧用途 住宅、寄宿舎
設計者 J・H・モーガン
建築主 バートラム・ロバート・ベリック
管理運営 横浜市緑の協会
構造形式 地上部木造、地下部鉄筋コンクリート構造
階数 地上2階、地下1階
竣工 1930年
開館開所 2002年
所在地 231-0862
神奈川県横浜市中区山手町72
座標 北緯35度26分15.5秒 東経139度39分2.6秒 / 北緯35.437639度 東経139.650722度 / 35.437639; 139.650722 (ベーリック・ホール
Berrick-Hall
)
座標: 北緯35度26分15.5秒 東経139度39分2.6秒 / 北緯35.437639度 東経139.650722度 / 35.437639; 139.650722 (ベーリック・ホール
Berrick-Hall
)
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ベーリック・ホール: Berrick-Hall)は、神奈川県横浜市中区山手町にある西洋館である。

歴史

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イギリス人貿易商バートラム・ロバート・ベリックの邸宅として、1930年に建設された。設計はアメリカ出身の建築家J・H・モーガンで、山手111番館と並び彼の住宅建築の代表作の一つである[1]。ベリックの没後はカトリック・マリア会に寄贈され、同会の運営するセント・ジョセフ・インターナショナル・スクール寄宿舎として使用された。「ベーリック・ホール」の名称は、マリア会の命名によるものである。2000年に同校が閉校となったのちは横浜市が敷地を取得し、建物も市に寄贈された。元町公園の一部として整備が行われ、2002年より一般公開されている[2]2001年には横浜市認定歴史的建造物に選定されている[3]

建築

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地上2階・地下1階建で、地下は鉄筋コンクリート構造、地上部分は木造である。山手地区に現存する、戦前からある住宅としては最大規模。スパニッシュ様式で、クリーム色の壁やオレンジ色のスパニッシュ瓦、アーチ型の玄関ポーチ、クワットレフォイル英語版と呼ばれる窓の様式などに特徴が現れている。1階は応接間食堂居間とこれに続くパームルームなど、2階は主に寝室として使われていた。食堂と居間には暖炉横浜港を見渡せるよう北側に作られたパームルームには獅子頭の壁泉が設えられている。2階は主人・婦人・子息と来客用の寝室、それぞれに附属する浴室が設けられている。ベリックの息子は、建物完成時には20歳であったが、山手地区の洋館で唯一子供用に設計された部屋であることから、子供部屋は小さな男の子の部屋として再現されている[4]。その室内の壁はターコイズブルーで、フレスコ技法で再現された[5]。主人の寝室では、寄宿舎として使用された経緯に関する資料が展示されている[4]

現在は元町公園の施設として館内と庭園を無料で見学できるほか、結婚式場として貸し出しも行われる[6]。同公園の付属施設として、エリスマン邸山手234番館も一般公開されている。みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩8分、JR根岸線市営地下鉄桜木町駅から神奈川中央交通バス11系統、「元町公園前」下車。第2水曜日休館。

バートラム・ロバート・ベリック

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施主のバートラム・ロバート・ベリック(Bertram Robert Berrick、1873年-1952年)はロンドン出身で、親族により経営されていた、文房具や機械、和紙、漆器などを扱う貿易商社「ベリックブラザー商会」を継ぐべく、1898年に25歳で来日。事業を順調に拡大し、1919年には商号を「ベリック商会」に改めた[2]。東京の駐日フィンランド大使館は彼の経歴に注目し、フィンランド領事への就任を要請。ベリックはこれを快諾し、このベリック邸で執務を行った。ここで10年ほど暮らしたが、第二次世界大戦が近付き、家族でカナダバンクーバーに移住。1952年にカナダで永眠した[5]。なお、長野県軽井沢町にはウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計によるベリックの別荘があったが、こちらは現存しない[7]

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ 『都市の記憶―横浜の近代建築(II)』p30
  2. ^ a b 『死ぬまでに見たい 洋館の最高傑作』p112-115
  3. ^ 横浜市認定歴史的建造物 ベーリック・ホール(横浜市都市整備局)
  4. ^ a b 『洋館さんぽ EAST』32-35
  5. ^ a b 【横浜の名建築】ベーリック・ホール”. はまれぽ (2011年11月6日). 2016年10月15日閲覧。
  6. ^ ウエディングガーデン
  7. ^ 大堀聰『続 心の糧(戦時下の軽井沢) Wartime Karuizawa Vol.2 終戦直後の光景を中心に』, 銀河書籍, 2022年.

参考文献

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  • 田中禎彦、青木祐介、金井健『死ぬまでに見たい 洋館の最高傑作』エクスナレッジ、2012年10月1日、108-111頁。ISBN 978-4-7678-1451-3 
  • インク・インコーポレーション『洋館さんぽ EAST』グラフィック社、2010年11月25日、32-35頁。ISBN 978-4-7661-2184-1 
  • 横浜市歴史的資産調査会『都市の記憶―横浜の近代建築(II)』横浜市、1996年2月、30頁。 

外部リンク

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