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ペガスス座イオタ星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ペガスス座ι星
ι Pegasi
星座 ペガスス座
見かけの等級 (mv) 3.77 / 6.45[1]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  22h 07m 00.6620572743s[2]
赤緯 (Dec, δ) +25° 20′ 42.376138495″[2]
視線速度 (Rv) -4.65 km/s[3]
固有運動 (μ) 赤経: 298.420 ± 0.893 ミリ秒/[2]
赤緯: 26.161 ± 0.739 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 84.7637 ± 0.3596ミリ秒[2]
(誤差0.4%)
距離 38.5 ± 0.2 光年[注 1]
(11.8 ± 0.05 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 3.56 / 6.24[1]
ペガスス座ι星の位置(丸印)
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 0.11914 AU[3]
離心率 (e) 0.001764[3]
公転周期 (P) 10.21303 日[3]
軌道傾斜角 (i) 95.83°[3]
近点引数 (ω) 272.8°[3]
物理的性質
半径 1.320 / 0.7499 M[1]
質量 1.3241 / 0.8251 R[4]
表面重力 23 / 38 G[1][注 2]
自転速度 7.6 / 7.2 km/s[4]
スペクトル分類 F5 V + G8 V[5]
光度 3.041 / 0.3148 L[1]
表面温度 6,642 / 4,991 K[1]
金属量[Fe/H] 0.0 ± 0.1[1]
年齢 4 - 663 ×106[3]
他のカタログでの名称
ペガスス座24番星, BD+24 4533, FK5 831, HD 210027, HIP 109176, HR 8430, SAO 90238[2]
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ペガスス座ι星(ペガススざイオタせい、ι Pegasi、ι Peg)は、ペガスス座連星である。地球からは、およそ約38.5光年離れた位置にある[2]

特徴

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ペガスス座ι星は、視覚的には分離できないが、スペクトルを観測すると線が二重になっていることで、恒星が2つあることがわかる分光連星である[3]。連星であることは、1899年キャンベルが発見した[6]。発見当時の観測装置の性能では、スペクトル線は単一成分にしかみえなかったが、視線速度の時間変化を調べることで、公転運動の存在が明らかになり、1904年にはカーティスが初めて軌道要素を推定した[7]

主星のペガスス座ι星Aは、黄白色の主系列星で、太陽よりやや明るい[1]。主星と、伴星のペガスス座ι星Bとは、約10.2日周期で共通重心の周りを公転している[3]金属量は、太陽とほぼ同じと考えられているが、リチウムは主星も伴星もかなり過剰で、これは星系がかなり若いことを示唆しており、年齢は数千万年から数億年とみられる[5][3]

主星は、40億年くらい後には、進化して主系列星から巨星へ移行するだろうと考えられる。そうなると、主星はロシュ・ローブからあふれ、伴星へと物質が流れ込むようになる。これによって、主星と伴星の質量がいずれ逆転し、伴星の進化が加速して、80億年くらい先には、白色矮星同士の連星系になるものと考えられる[8]

名称

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中国では、ペガスス座ι星は、という星官を、はくちょう座μ1英語版ペガスス座κ星ペガスス座32番星英語版と共に形成する。ペガスス座ι星自身は、臼三つまり臼の3番星と呼ばれる[9]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 出典での表記は、(主星)、(伴星)

出典

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  1. ^ a b c d e f g h Morel, P.; et al. (2000-02), “Calibration of ι Pegasi system”, Astronomy & Astrophysics 354: 636-644, Bibcode2000A&A...354..636M 
  2. ^ a b c d e f g iot Peg -- Spectroscopic binary”. SIMBAD. CDS. 2018年8月12日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j Konacki; Maciej; et al. (2010-08), “High-precision Orbital and Physical Parameters of Double-lined Spectroscopic Binary Stars—HD78418, HD123999, HD160922, HD200077, and HD210027”, Astrophysical Journal 719 (2): 1293-1314, arXiv:0910.4482, Bibcode2010ApJ...719.1293K, doi:10.1088/0004-637X/719/2/1293 
  4. ^ a b Behr, Bradford B.; et al. (2011-07), “Stellar Astrophysics with a Dispersed Fourier Transform Spectrograph. II. Orbits of Double-lined Spectroscopic Binaries”, Astronomical Journal 142 (1): 6, Bibcode2011AJ....142....6B, doi:10.1088/0004-6256/142/1/6 
  5. ^ a b Fekel, F. C.; Tomkin, J. (1983-12), “The double-lined spectroscopic binary ι Pegasi”, Publications of the Astronomical Society of the Pacific 95: 1000-1005, Bibcode1983PASP...95.1000F, doi:10.1086/131281 
  6. ^ Campbell, W. W., “The variable velocity of ι Pegasi in the line of sight”, Astrophysical Journal 9: 310, Bibcode1899ApJ.....9..310C, doi:10.1086/140596 
  7. ^ Curtis, H. D. (1904-04), “Definitive orbit of the spectroscopic binary ι Pegasi”, Astrophysical Journal 19: 212-219, Bibcode1904ApJ....19..212C, doi:10.1086/141103 
  8. ^ Fuhrmann, Klaus (2008-02), “Nearby stars of the Galactic disc and halo - IV”, Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 384 (1): 173-224, Bibcode2008MNRAS.384..173F, doi:10.1111/j.1365-2966.2007.12671.x 
  9. ^ 中國古代的星象系統 (67): 危宿天區”. AEEA 天文教育資訊網. NMNS 國立自然科學博物館 (2006年7月6日). 2018年8月13日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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座標: 星図 22h 07m 00.6620572743s, +25° 20′ 42.376138495″