ペパロニ
ペパロニ | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
パッケージに入ったペパロニ | |||||||
発祥地 | アメリカ合衆国 | ||||||
主な材料 | 豚肉と牛肉 | ||||||
その他お好みで | 香辛料 | ||||||
460 kcal (1926 kJ) | |||||||
|
ペパロニ (Pepperoni) は、アメリカ風のサラミの一種。豚肉と牛肉を混ぜ、パプリカやその他のチリペッパーで味付けし、乾燥熟成して作る[1][2]。
ペパロニの特徴としては、柔らかく、ややくすんで明るく赤みがかっている[2]。薄くスライスしたペパロニは、アメリカのピザ屋で売られるピザのトッピングの定番である[3]。
語源
[編集]「ペパロニ」はイタリア語で「ピーマン」を指す peperone の複数形 peperoni からの借用語である。ソーセージを指す言葉として初めて「ペパロニ」が使われたのは1919年である[2]。イタリア語で peperoncino(peperone の指小辞)という言葉は熱く辛いコショウを指す。
歴史
[編集]ペパロニはイタリア系アメリカ人が作り始めたもので[2]、乾燥熟成したソーセージである。それは、ナポリの香辛料入り乾燥ソーセージであるサルシッチャ・ナポレターナ・ピッカンテや[4]カラブリア州のソップレッサータのような[5]、香辛料をきかせた南イタリアのサラミに似ている。主な違いとして、ペパロニは(ミラノの香辛料抜きのサラミと同様)より細挽きで、より柔らかく、普通はケーシングを付けて作られる。ペパロニはその需要に応じて大量生産される[2]。アメリカでは、ペパロニはピザのトッピングとして広く使われるようになっている[3]。
生産
[編集]100 gあたりの栄養価 | |
---|---|
エネルギー | 1,940 kJ (460 kcal) |
4 g | |
40.2 g | |
20.35 g | |
| |
%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース |
ペパロニは通常、豚肉と牛肉を混ぜて作られる[1]。七面鳥の肉もよく代用に使われるが、アメリカではそうした家禽肉の使用はラベルで適切に表示しなければならない[6]。
ボツリヌス菌やその他の微生物による腐敗から製品を守るため現代の工場で通常行われる、硝酸エステルや亜硝酸エステルによる保存処理も、ペパロニの赤味がかった色の元であり、これは肉のタンパク質成分であるミオグロビンのヘムと反応するからである[7]。
消費
[編集]『Convenience Store Decisions』誌によると、アメリカでは一年に2億5170万ポンドのペパロニが消費されており、全国で作られるピザの36%で使われている[8]。ペパロニはピザのオーブンの熱で端がめくれ上がる癖がある。厚切りにしてわざと端がめくれるようにしたペパロニもある[9]。
ペパロニはペパロニロールの具としても使われる。これはウェストバージニアとその周辺で人気のご当地軽食である[10]。
カナダのノバスコシア州では、ペパロニ単体の揚げ物(通常、ハニーマスタードの漬け汁で食べる)はパブでよく見られるメニューである[11][12]。
-
ピザに乗ったペパロニ
-
端がはっきりめくれ上がったペパロニを乗せたピザ
脚注
[編集]- ^ a b “Pepperoni is Raw Meat?”. HOW FOOD WORKS.com (February 2009). 2017年6月7日閲覧。
- ^ a b c d e Moskin, Julia (2011年2月1日). “Pepperoni: America's Favorite Topping”. The New York Times 2013年4月22日閲覧。
- ^ a b “America's Most Popular Pizza Toppings”. Huffington Post. (2011年10月5日) 2013年4月22日閲覧. "According to a survey done by Technomic’s MenuMonitor from July to September 2011 based on 235 different pizza places in America pepperoni and plain cheese were the #1 and #2 most popular pizzas ordered."
- ^ “Salumi tipici italiani: Salsiccia - Salsiccia Napoletano - Salsiccia Siena - Salsiccia Toscana”. Agraria.org (2016-00-04). 2019年12月20日閲覧。
- ^ “Soppressata calabrese”. Ricette di Calabria (2016-00-04). 2013年4月22日閲覧。
- ^ Food Standards and Labelling Policy Book, USDA, pp. 133–134.
- ^ “A Recipe to Make Authentic Homemade Pepperoni”. The Spruce. 2017年12月12日閲覧。
- ^ “Pizza Palates Changing”. Convenience Store Decisions. (2009年6月1日) 2013年4月25日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “The Food Lab: Why Does Pepperoni Curl?” (英語). Serious Eats (December 2012). 2013年4月22日閲覧。
- ^ Edge, John T. (2009年9月29日). “United Tastes - Pepperoni Rolls, a Piece of West Virginia Culinary History: Fast Food Even Before Fast Food”. The New York Times (New York, NY): Style Section: Dining & Wine 2010年11月3日閲覧。
- ^ “Nova Scotia Food Profiles: Pepperoni”. Eat This Town (2016年2月1日). 2018年1月7日閲覧。
- ^ “You Must Try: Delicious Deep Fried Pepperoni in Halifax, Nova Scotia”. Travel Mindset (2013年4月2日). 2018年1月7日閲覧。
関連書籍
[編集]- Smith, Andrew F. (2007) "Pepperoni". The Oxford Companion to American Food and Drink. p. 447. ISBN 0195307968.
- Palumbo, S. A., et al. (January 1976). "Microbiology and Technology of the Pepperoni Process" (abstract). Journal of Food Science. Volume 41, Issue 1. pages 12–17. (要購読契約)
- Palumbo, S. A. et al. (July 1977). "Kinetics of Pepperoni Drying" (abstract). Journal of Food Science. Volume 42, Issue 4. pages 1029–1033. (要購読契約)