ホットブラウン
| ホットブラウン | |
|---|---|
 ケンタッキー州バーズタウンのレストランで提供されたホットブラウン。 | |
| 種類 | サンドイッチ |
| 発祥地 |
 アメリカ合衆国 |
| 地域 | ケンタッキー州ルイビル[1] |
| 考案者 | フレッド・K・シュミット |
| 主な材料 | ターキー、ベーコン、モルネーソース |
| 派生料理 | ハム、ピメント、トマトなどを利用するものがある。 |
ホットブラウン（英: Hot Brown sandwich）はアメリカ合衆国のホットサンドイッチ。1926年にケンタッキー州ルイビルにあるブラウン・ホテルでフレッド・K・シュミットによって考案された。ルイビル・ホットブラウン、ケンタッキー・ホットブラウンとも。古典料理ウェルシュ・レアビットのバリエーションである。ブラウン・ホテルが1923年に創立された直後に作られたオリジナル・サンドイッチで、当初はハムエッグに代わる夜食メニューとして提供されていた[2]。
原料
[編集]ターキーブレストとベーコンをパンに乗せ、クリーム状のモルネーソースをかけ回したオープンサンドイッチで、食べる前にオーブンで焼いてパンをカリっとさせ、ソースに焦げ色をつける[3]。ソースにはチェダーかアメリカンチーズを加えることもある。付け合わせの選択肢にはトマトやマッシュルームの薄切りがあり、ごくまれに缶詰のモモも用いられる[4]。
ターキーのほかにハムを追加したり、ピメントやトマトをソースの上に乗せたものもある[5]。モルネーソースではなくチーズソースを代用したホットブラウン風の食品もある[6]。
フレッド・K・シュミットがホットブラウンを考案したころ、ターキーは祝日の晩餐にしか食べないのが普通で、ローストターキーをサンドイッチにするのは珍しかった。オリジナルのホットブラウンはホワイトブレッドのトースト一枚の上にターキーを乗せ、モルネーソースをかけ回してパルメザンチーズを少量振り、オーブンの強火でソースが泡立つまで焼いて仕上げていた。最後にピメントとベーコンを添えた。ブラウン・ホテルのレストランのメニューに載ると短期間で客のほとんどが注文する人気メニューとなった[2][4]。
現在はルイビル地域の名物・定番料理となっており、ケンタッキー州一帯に広まっている。ブラウン・ホテルは1971年から1985年にかけて営業しておらず、その間は元祖のホットブラウンは食べられなかった[2]。
バリエーション
[編集]ブラウン・ホテルではホットブラウンと同時期に「コールドブラウン」というメニューも作られていた。鳥肉（チキンもしくはターキー）、固ゆで卵、レタス、トマトをライ麦パンに乗せ、サウザンドアイランド・ドレッシングをかけたオープンサンドイッチである。現在ではほとんど食べられていない[2]。
セントルイスには1920年代にメイフェア・ホテルで作り出されたプロスパリティ・サンドイッチという似た料理がある[7]。同市では現在も食べられているが、「ホットブラウン」という名で呼ばれることがある[8]。
1930年代にペンシルベニア州ピッツバーグで初めて作られたターキー・デヴォンシャーはホットブラウンに似た料理として紹介されることがある[9]。
受容
[編集]ホットブラウンはフード・ネットワークの番組『スローダウン! ウィズ・ボビー・フレイ』で取り上げられた。発祥地ルイビルの料理人がホストのフレイと料理勝負を行うという内容だった[10]。同ネットワークの『ザ・レイチェル・レイ・ショー』や[11]、『サザン・フライド・ロード・トリップ』でも紹介されている[12]。トラベル・チャンネルでは『テイスト・オブ・アメリカ』[13]、『 マンvsフード・ネーション』でルイビルを訪れる回[14]、『フード・パラダイス』のエピソード「サンドイッチ・ヒーローズ」（2018年）で取り上げられている[15]。
米国公共放送サービスではドキュメンタリー『サンドイッチズ・ザット・ユー・ウィル・ライク』に登場した[16]。『ザ・マインド・オブ・ア・シェフ』ではシェフのアレンジ版ホットブラウンが紹介された[17]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ 畑中徹 (2016年9月15日). “（地球を食べる）熱々のホットブラウン”. 朝日新聞デジタル. 2016年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月4日閲覧。
- ^ a b c d Thomas D. Clark (1992). “Hot Brown”. In John E. Kleber. The Kentucky Encyclopedia. University Press of Kentucky. p. 443 2021年12月4日閲覧。
- ^ Flexner, Marion (1949). Out of Kentucky Kitchens. University Press of Kentucky. p. 32
- ^ a b John E. Kleber, ed (2001). “Hot Brown”. Encyclopedia of Louisville. University Press of Kentucky. p. 404 2021年12月4日閲覧。
- ^ Don Prues and Jack Heffron (2003). Writer's Guide to Places. Writer's Digest Books. p. 129. ISBN 1582971692
- ^ Tiffany Home (2012年9月27日). “Kentucky Hot Brown Bake”. Eat At Home Cooks. 2021年12月4日閲覧。
- ^ Patricia Treacy (2005). The Grand Hotels of St. Louis. Arcadia Publishing. p. 72. ISBN 978-0-7385-3974-4 10 September 2013閲覧。
- ^ “Prosperity sandwich is a longtime favorite in St. Louis”. St. Louis Post-Dispatch. (August 3, 2011) 2013年9月10日閲覧。
- ^ “Food fight: Pittsburgh, Green Bay recipes go head to head”. The Oklahoman (2011年2月2日). 2021年12月4日閲覧。
- ^ “Hot Browns”. Food Network. 2021年12月4日閲覧。
- ^ “Recipes: Hot Browns”. CBS Interactive Inc. (2016年2月4日). 2021年12月4日閲覧。
- ^ Ron Mikulak (2015年8月10日). “SMOKETOWN USA, THE CAFÉ TO BE FEATURED ON FOOD NETWORK TONIGHT”. Food & Dining Magazine. 2021年12月4日閲覧。
- ^ “Taste of America with Mark Decarlo: Season 1, Episode 22 Green Chiles, Hot Brown, Pecan Pie”. TV Guide. (2005-08-02).
- ^ “Man vs. Food Staffel 4: Man v. Food Nation Episodenguide”. fernsehserien.de. [[:de: Imfernsehen|]]. 2021年12月4日閲覧。
- ^ M, M (2018年6月15日). “When does the Stella's episode air on Travel Channel?” (英語). Ace Weekly 2018年6月18日閲覧。
- ^ Becky Mercuri (2009). American Sandwich. Gibbs Smith 2021年12月4日閲覧。
- ^ “Season 1 Episode 8: Gluttony”. PBS (2015年9月28日). 2021年12月4日閲覧。
外部リンク
[編集]- Hot Brown Recipe — Archived on the Wayback Machine. Original came from the Brown Hotel (includes some history)
- Hot Brown Recipe — Recipe for Hot Brown On the Brown Hotel website
- The Hot Brown was on the cover and listed as #10 for being the South's Richest Sandwich of Saveur magazine's Top 100 Issue #81 January/February 2005.