ホツツジ
ホツツジ | ||||||||||||||||||||||||
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2008年9月 福島県会津地方
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Elliottia paniculata (Siebold et Zucc.) Hook.f. (1876)[1] | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ホツツジ(穂躑躅)、 ヤクシマホツツジ[1]、ヒロハホツツジ[1] |
ホツツジ(穂躑躅[6]、学名: Elliottia paniculata )はツツジ科ホツツジ属の落葉低木。和名はツツジの仲間で、花が細長い円錐状の穂につくことに由来する[6]。日当たりのよい山地に生え、秋に紅葉がみられる。昔、細い枝から蓑や箒が作られたことから、ヤマワラやヤマボウキの別名もある[7]。
分布と生育環境
[編集]日本の北海道南部、本州、四国、九州に分布する[6]。日当たりのよい山地の岩場などに自生する[6][7]。
特徴
[編集]落葉広葉樹の低木で、高さは1 - 2メートル (m) くらいになる[6]。枝はよく分枝する[6]。樹皮は茶褐色で縦長に裂け目が入る[7]。一年枝は褐色で細く、翼状に発達した3稜がある[7]。葉は枝に互生し、葉の形は倒卵形で長さ3 - 7センチメートル (cm) 、先端は尖り、葉縁は全縁[6]。秋になると美しく紅葉する[6]。
花期は8月から10月[6]。枝先に円錐花序をだして直立して、小さな花を多数つける[6]。花弁の色はやや赤みを帯びた白色で、直径15ミリメートル (mm) ほど、3個の裂片に分かれて先は反り返って丸まる[6]。雄しべは6個[6]。雌しべが長くほぼまっすぐに伸びて、花外に突き出すのが特徴で、花柱の長さは約7 mmある[6]。ミヤマホツツジの雌しべは、弓状に象の鼻のように曲がる。果実は蒴果で、直径3 mmほどの扁球形をしている[6]。冬まで枝先に枯れた果序が残ることが多い[7]。
冬芽は卵形で先がとがり、5 - 7枚の芽鱗に包まれている[7]。頂芽はふつう枝先に3個集まってつく[7]。葉痕は三角形で、中央から下に翼状の稜が伸びており、維管束痕が1個つく[7]。
毒性
[編集]グラヤノトキシンⅠ~Ⅲなどを含み、有毒。誤食すると、嘔気、頭痛、発汗、酩酊昏睡、痙攣などを引き起こす。これらの毒は花粉にも含まれ、蜂蜜に混入して食中毒を起こすことがある。
脚注
[編集]- ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Elliottia paniculata (Siebold et Zucc.) Hook.f. ホツツジ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月23日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Tripetaleia paniculata Siebold et Zucc. var. latifolia Maxim. ホツツジ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月23日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cladothamnus bracteatus (Maxim.) T.Yamaz. ホツツジ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月23日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Botryostege bracteata (Maxim.) Stapf ホツツジ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月23日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Tripetaleia paniculata Siebold et Zucc. ホツツジ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 西田尚道監修 志村隆・平野勝男編 2009, p. 239.
- ^ a b c d e f g h 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 80
参考文献
[編集]- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、80頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
- 西田尚道監修 志村隆・平野勝男編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 フィールドベスト図鑑〉、2009年8月4日、239頁。ISBN 978-4-05-403844-8。
関連項目
[編集]- スティーブン・エリオット - 属の学名の由来となったアメリカの植物学者