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マロノニトリル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マロノニトリル
識別情報
CAS登録番号 109-77-3 チェック
PubChem 8010
ChemSpider 13884495 ×
EC番号 203-703-2
国連/北米番号 2647
MeSH dicyanmethane
ChEBI
RTECS番号 OO3150000
バイルシュタイン 773697
Gmelin参照 1303
特性
化学式 C3H2N2
モル質量 66.06 g mol−1
示性式 H2C(CN)2
外観 無色の結晶
密度 1.049 g mL−1
融点

32 °C, 305 K, 89 °F

沸点

220 °C, 493.2 K, 428 °F

熱化学
標準生成熱 ΔfHo 188 kJ mol−1[2]
標準燃焼熱 ΔcHo −1654 kJ mol−1[2]
標準モルエントロピー So 130.96 J K−1 mol−1[2]
標準定圧モル比熱, Cpo 110.29 J K−1 mol−1[2]
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 1466
GHSピクトグラム 急性毒性(高毒性) 水生環境への有害性
GHSシグナルワード DANGER
Hフレーズ H301, H311, H331, H410
Pフレーズ P261, P273, P280, P301+310, P311
EU分類 有毒 T 環境への危険性 N
EU Index 608-009-00-7
Rフレーズ R23/24/25, R50/53
Sフレーズ (S1/2), S27, S45
引火点 86 °C
半数致死量 LD50
  • 19 mg kg−1 (oral, mouse)
  • 350 mg kg−1 (dermal, rat)
関連する物質
関連するアルカンニトリル
関連物質 DBNPA
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

マロノニトリル (malononitrile) とは有機化合物の一種で、マロン酸から誘導されるジニトリルアセトアミドに似た軽い臭いを示す。シアノ基の強い電子求引性によりメチレン基の酸性は高く、活性メチレン化合物としての性質を持ち、有機合成の中間体とされる。毒物及び劇物取締法の劇物に該当する[3]

合成

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シアノアセトアミドの脱水により合成する。脱水剤は、リン酸トリクロリド (POCl3)[4]五塩化リン (PCl5)[5]を用いることができる。

反応

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活性メチレン化合物として、塩基により容易にカルバニオン (NCCHCN) を発生させることができる。クネーフェナーゲル縮合の基質となる。

臭素によりジブロモ化したのちに銅粉で還元的に二量化させると、テトラシアノエチレン (TCNE) が得られる[6]

出典

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  1. ^ dicyanmethane - Compound Summary”. PubChem Compound. USA: National Center for Biotechnology Information (26 March 2005). 7 June 2012閲覧。
  2. ^ a b c d Propanedinitrile”. NIST. 2021年3月8日閲覧。
  3. ^ 毒物及び劇物指定令(昭和40年1月4日政令第2号)第2条第32号 - e-Gov法令検索
  4. ^ Surrey, A. R. (1945). "Malononitrile". Organic Syntheses (英語). 25: 65.; Collective Volume, vol. 3, p. 535
  5. ^ Corson, B. B.; Scott, R. W.; Vose, C. E. (1930). "Malononitrile". Organic Syntheses (英語). 10: 66.; Collective Volume, vol. 2, p. 379
  6. ^ Carboni, R. A. (1959). "Tetracyanoethylene". Organic Syntheses (英語). 39: 64.; Collective Volume, vol. 4, p. 877

外部リンク

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