ミシェル・ビュトール
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ミシェル・ビュトール(Michel Butor, 1926年9月14日 - 2016年8月24日[1])は、フランスの小説家、詩人、批評家、ブック・アーチスト(livre d'artiste)。ヌーヴォー・ロマン(nouveau roman)の作家の旗手のひとりと目される。
生涯
[編集]フランス北部モン=ザン=バルールで生まれる。1956年、小説第2作『時間割』でフェネオン賞(le Prix Fénéon)を受賞、翌年1957年第3作目の『心変わり』(La Modification)でルノードー賞(le Prix Théophraste Renaudot)を受賞し注目を集めた(主人公に二人称代名詞「あなたは」<vous>を採用した小説作品として有名)。1960年に4作目の『段階』(Degrés')を発表後は小説作品から離れ、1962年『モビール -アメリカ合衆国の表現のためのエチュード』(Mobile. Étude pour une représentation des États-Unis)を皮切りに空間詩とよばれる作品を次々と発表し始める。
画家とのコラボレーション作品が数多く、書物を利用した表現の可能性を追究し続けている。文学をはじめ絵画、音楽などを論じた批評集『目録』がある。
2013年、アカデミー・フランセーズ文学大賞受賞。
主要作品など
[編集]※(発表年順。『』内は邦題ないし仮題。右記の訳書がある場合はそれによる)
- 1954年 『ミラノ通り』(Passage de Milan , Ed.Minuit).松崎義隆訳、竹内書店、1971年
- 1956年 『時間割』(L’Emploi du temps, Ed.Minuit).
清水徹訳、河出文庫、2006年 / 中公文庫、1975年 / 中央公論社『世界の文学49 サルトル・ビュトール』に所収、1964年 - 1957年 『心変わり』(La Modification, Ed.Minuit).
清水徹訳、岩波文庫、2005年 / 旧版・河出書房新社、1959年、1971年 - 1958年 『地霊』(Le Génie du lieu , Bernard Grasset).邦訳は一部『現代フランス文学13人集 / 4』収録「エジプト」清水徹訳、新潮社、1966年
- 1960年 『目録』(全5巻)Répertoire I 〜V, Ed.Minuit, 1960, 1964, 1968, 1974, 1982.
- 1960年 『段階』(Degrés, Ed.Gallimard).
中島昭和訳、竹内書店、1971年 / 『世界の文学25 ロブ=グリエ・ビュトール』所収、中島昭和訳、集英社、1977年 - 1961年 『ボードレール』(Histoire extraordinaire, essai sur un rêve de Baudelaire , Ed.Gallimard).高畠正明訳、竹内書店、1970年
- 1962年 『モビール―アメリカ合衆国の表現のためのエチュード』(Mobile, étude pour une représentation des États-Unis, Ed.Gallimard)、『航空網』( Réseau aérien, Ed.Gallimard)
- 1963年 『サン・マルコ寺院の記述』(Description de San Marco, Ed.Gallimard)
- 1964年 『イラストレーションI~IV』(Illustrations I - IV, Ed.Gallimard, Ⅱ巻目からは各、69/73/74年発表)
- 1965年 『毎秒水量681万リットル』( 6 810 000 litres d’eau par seconde, Ed.Gallimard)
- 1967年 『仔猿のような芸術家の肖像 綺想曲』:(Portrait de l’artiste en jeune singe , Ed.Gallimard). 清水徹・松崎義隆訳、筑摩書房、1969年
- 1967年 『ビュトールとの対話』(Georges Charbonnier, Entretiens avec Michel Butor , Ed.Gallimard,1967).
シャルボニエとの共著、岩崎力訳、竹内書店、1970年 - 1968年 『モンテーニュ論:エセーをめぐるエセー』(Essais sur les essais, Ed.Gallimard). 松崎義隆訳、筑摩書房「筑摩叢書」、1973年
- 1970年 『羅針盤』(La Rose des vents, 32 rhumbs pour Charles Fourier, Ed.Gallimard)
- 1971年 『ディアベリ変奏曲との対話』(Dialogues avec 33 variations de Ludwig van Beethoven sur une valse de Diabelli, Ed.Gallimard). 工藤庸子訳、筑摩書房、1996年
- 1971年 『土地の精霊 どこでもない』(Le Génie du lieu II : où, Ed.Gallimard)
- 1973年 『合い間』(Intervalle, Ed.Gallimard). 清水徹訳、岩波書店、1984年
- 1975年 『夢の素材』(Matière de rêves, Ed.Gallimard)
- 2006年 『ビュトール全集 I. 小説』(Œuvres complètes de Michel Butor : Volume I – Romans , Ed. La Différence)
- 『ビュトール全集Ⅱ. 目録1』(Œuvres complètes de Michel Butor : Volume II – Répertoire 1 ,Ed. La Différence)
- 『ビュトール全集Ⅲ. 目録2』(Œuvres complètes de Michel Butor : Volume III – Répertoire 2 , Ed. La Différence)
- 『ビュトール全集Ⅳ. 詩 』(Œuvres complètes de Michel Butor : volume IV – Poésie 1 , Ed. La Différence)
- 2007年 『ビュトール全集 V. 土地の精霊1』(Œuvres complètes V – Le Génie du lieu 1 ,Ed. La Différence)
出典
[編集]- ^ “M・ビュトール氏死去、フランス小説家”. 産経新聞. (2016年8月25日) 2016年8月25日閲覧。
外部リンク
[編集]- butorweb-Index ビュトール事典
- 伝記
- Institut virtuel ミシェル・ビュトール講演会「書き留められた運動:映画との関わりについて」於東京日仏学院(動画:2008年9月21日撮影)