岩崎力
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人物情報 | |
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生誕 |
1931年8月12日 日本山形県 |
死没 | 2015年4月10日 (83歳没) |
出身校 | 東京大学 |
学問 | |
研究分野 | 文学(フランス文学) |
研究機関 | 東京外国語大学、プール学院大学 |
岩崎 力(いわさき つとむ、1931年8月12日 - 2015年4月10日)は、日本のフランス文学者、翻訳家。東京外国語大学名誉教授。
経歴
[編集]1931年、山形県生まれ。1954年、東京大学教養学部フランス科を卒業し、同大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化修士課程に進んだ。1957年、同大学大学院を修了。
卒業後は、東京外国語大学助教授となり、後に教授昇格。1966年4月28日、映画監督のジャン=リュック・ゴダールが初来日し[1]、日本フィルムライブラリー助成協議会は本国で公開されて間もないゴダールの新作の『男性・女性』の上映会を東京国立近代美術館で開いた。岩崎はその日に行われたインタビューや質疑応答の通訳を務めた[2]。
1971年から1972年には、パリ第7大学講師。1986年から1988年には、パリ国際大学都市日本館館長。1994年、東京外国語大学を定年退官し、名誉教授となった。その後はプール学院大学教授として教鞭をとった。2008年にプール学院大学を退職。
2015年4月死去、同年12月6日、東京外国語大学 総合文化研究所主催により、シンポジウム「 岩崎力の仕事 - 終わりなき言葉、終わりなき生」が開催された[3][4]。
研究内容・業績
[編集]数多くの翻訳を行い、特にフィリップ・ソレルス、マルグリット・ユルスナール[5]、ドミニク・フェルナンデスの翻訳で知られる。
著作
[編集]著書
[編集]翻訳
[編集]- 『フランス文明研究入門』(ジャン・ルキエ、東京日仏学院) 1956
- 『フランスの地理』(ジャン・ルキェ、東京日仏学院) 1957
- 『フランス文明史序説』(ジャン・ルキェ、造型社) 1958
- 『中国で経験したこと』(ジュール・ロワ、篠田浩一郎, 山崎庸一郎共訳、至誠堂)1966
- 『南太平洋美術』(ジャン・ギアール、新潮社〈人類の美術 6〉)1967
- 『忘却』(クロード・モーリアック、集英社)1968
- 『歴史』(クロード・シモン、白水社)1968
- 『新しい小説・新しい詩』(ジャン=ピエール・ファイユ他、竹内書店)1969 - 季刊文芸誌『テル・ケル』第17号の「新しい文学」特集部分の全訳
- 『名づけられぬもの』(サミュエル・ベケット、中央公論社、世界の文学43)1970
- 『ビュトールとの対話』(ジョルジュ・シャルボニエ、竹内書店)1970
- 『希望』(アンドレ・マルロー、新潮社、新潮世界文学)1970、のち新潮文庫(上・下)
- 『マルセル・プルースト伝記』上・下(ジョージ・D・ペインター、筑摩書房 )1971 - 1972、のち新装版
- 『晩餐会』(クロード・モーリアック、集英社)1973
- 『起源の小説と小説の起源』(マルト・ロベール、西永良成共訳、河出書房新社)1975
- 『オデオン通り』(アドリエンヌ・モニエ、河出書房新社)1975
- 『オデオン通り:アドリエンヌ・モニエの書店』復刻新版 2011
- 『絵画の教え』(マルスラン・プレーネ、朝日出版社)1976
- 『アントナン・アルトー論』(スーザン・ソンタグ、コーベブックス)1976
- 『夫婦の夜の大きな叫び』(マドレーヌ・シャプサル、集英社)1978
- 『人間の言葉』(ロジェ・ガローディ、新潮社)1978
- 『通勤路』(マリー=ルイーズ・オーモン、早川書房)1979
- 『空間と視線 西欧絵画史の原理』(ジャン・パリス、美術公論社)1979
- 『作家の仕事部屋』(ジャン=ルイ・ド・ランビュール、中央公論社)1979
- 『ダリとの対話』(サルバドール・ダリ, アラン・ボスケ、美術公論社)1980
- 『フロイトとプルースト』(ジャック・リヴィエール、弥生書房)1981
- 『全体主義の誘惑』(ジャン=フランソワ・ルヴェル、西永良成共訳、新潮社)1981
- 『楽しみと日々』(マルセル・プルースト、筑摩書房、プルースト全集11)1984、のち岩波文庫
- 『第二ルネサンス宣言』(アルマンド・ヴェルディリオーネ、リブロポート)1984
- 『ピカソの八面体』(ルネ・ミシャ、美術公論社)1984
- 『作家ソレルス』(ロラン・バルト、二宮正之共訳、みすず書房)1986
- 『祝祭と狂乱の日々 1920年代パリ』(ウィリアム・ワイザー、河出書房新社)1986
- 『都市ヴェネツィア 歴史紀行』(フェルナン・ブローデル、岩波書店)1986、のち岩波同時代ライブラリー
- 『バルテュス画集』(ジャン・レイマリー編、リブロポート)1989
- 『黒耀石の頭 ピカソ・仮面・変貌』(アンドレ・マルロー、みすず書房)1990
- 『屋根の上の牡牛の時代』(モーリス・サックス、リブロポート)1994
- 『私のジャン・コクトー 想像を絶する詩人の肖像』(ジャン・マレー、東京創元社)1995
- 『エリック・サティ文集』(オルネラ・ヴォルタ編、白水社)1997
- 『ふたつの旗』(リュシアン・ルバテ、国書刊行会)1997
- 『アルトーへのアプローチ』(スーザン・ソンタグ、みすず書房)1998
フィリップ・ソレルス
[編集]- 『公園』(フィリップ・ソレルス、新潮社)1966
- 『挑戦』(フィリップ・ソレルス、第三書房)1966
- 『ドラマ』(フィリップ・ソレルス、新潮社)1967
- 『数』(フィリップ・ソレルス、新潮社)1976
- 『ニューヨークの啓示 デイヴィッド・ヘイマンとの対話』(フィリップ・ソレルス、みすず書房)1985
- 『ロダン「デッサン・エロティク」』(フィリップ・ソレルス, アラン・キリリ、西野嘉章共訳、リブロポート)1987
- 『遊び人の肖像』(フィリップ・ソレルス、朝日新聞社)1990
- 『黄金の百合』(フィリップ・ソレルス、集英社)1994
- 『ゆるぎなき心』(フィリップ・ソレルス、集英社)1994
ヴァレリー・ラルボー
[編集]- 『バルナブースの日記』(ヴァレリー・ラルボー、現代出版社)1969
- 『罰せられざる悪徳・読書』(ヴァレリー・ラルボー、コーベブックス )1976 / みすず書房〈みすずライブラリー〉1998
- 『幼なごころ』(ヴァレリー・ラルボー、岩波文庫)2005
- 『A・O・バルナブース全集』上・下(ヴァレリー・ラルボー、岩波文庫)2014
マルグリット・ユルスナール
[編集]- 『黒の過程』(マルグリット・ユルスナール、白水社)1970、のち新装版 1990、のち改訳ユルスナール・セレクション2 2001、 のち新装版 2008
- 『アレクシスあるいは空しい戦いについて』(マルグリット・ユルスナール、白水社)1981
- 『とどめの一撃』(マルグリット・ユルスナール、雪華社)1985、のち岩波文庫、のち白水社、ユルスナール・セレクション3
- 『姉アンナ…』(マルグリット・ユルスナール、白水社)1987
- 『流れる水のように』(マルグリット・ユルスナール、白水社)1991、のちユルスナール・セレクション4
- 『空間の旅・時間の旅』(マルグリット・ユルスナール、共訳、白水社、ユルスナール・セレクション5)2002
- 『目を見開いて』(マルグリット・ユルスナール、聞き手マチュー・ガレー、白水社、ユルスナール・セレクション6)2002
- 『世界の迷路Ⅰ 追悼のしおり』(マルグリット・ユルスナール、白水社)2011
ドミニック・フェルナンデス
[編集]- 『木、その根まで 精神分析と創造』(ドミニック・フェルナンデス、朝日出版社)1977
- 『薔薇色の星』(ドミニック・フェルナンデス、早川書房)1983
- 『天使の手のなかで』(ドミニック・フェルナンデス、早川書房)1985
- 『天使の饗宴 バロックのヨーロッパ、ローマからプラハまで』(ドミニック・フェルナンデス、筑摩書房)1988
- 『ガニュメデスの誘拐 同性愛文化の悲惨と栄光』(ドミニック・フェルナンデス、ブロンズ新社)1992
参考
[編集]- 岩崎力 紹介 みすず書房
- 岩崎力教授略歴および主な著書・訳書 /『ふらんぼー』(東京外国語大学フランス語学科論集 1994)
脚注
[編集]- ^ 5月7日、日活はゴダールのために試写室で『にっぽん昆虫記』を上映。
- ^ 柴田駿、白井佳夫「ゴダール監督の日本の10日間」 『キネマ旬報』1966年6月上旬号、50-54頁。
- ^ 東京外国語大学 イベント情報 - ウェイバックマシン(2016年9月20日アーカイブ分)
- ^ 松浦寿夫「岩崎力の仕事」『総合文化研究』第19巻、東京外国語大学総合文化研究所、2016年3月12日、235-237頁、doi:10.15026/89095。
- ^ 岩崎 力. “敬虔な思い出たち マルグリット・ユルスナール”. (『ふらんす』2000年4月号〜2001年3月号掲載)白水社の「webふらんす」にて配信. 2024年1月6日閲覧。