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メアリー・ペルトラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
メアリー・ペルトラ
アカレク
Mary Peltola
Akalleq
生年月日 (1973-08-31) 1973年8月31日(51歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
アラスカ州の旗 アラスカ州アンカレッジ
出身校 ノーザンコロラド大学(1991年-1993年)
アラスカ大学フェアバンクス校(1994年-1995年)
アラスカ大学サウスイースト校(1995年-1997年)
アラスカ大学アンカレッジ校(1997年-1998年)
所属政党 民主党
配偶者 ジョナサン・カプスナー(離婚)
ジョー・ネルソン(離婚)
ジーン・ペルトラ(2023年死別)
子女 7人(連れ子3人を含む)
公式サイト 下院公式サイト

選挙区 アラスカ全州区
在任期間 2022年9月13日 -

在任期間 2020年 - 2021年

選挙区 第38区(2003年-2009年)
第39区(1999年-2003年)
在任期間 1999年1月19日 - 2009年1月19日
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メアリー・サトラー・ペルトラMary Sattler Peltola[1], 出生時姓: サトラーSattler); ユピック語名: アカレクAkalleq[2]); 旧姓: カプスナーKapsner); 1973年8月31日 - )は、アメリカ合衆国の政治家、元部族判事である。2022年9月よりアラスカ州全州区連邦下院議員を務めている。連邦下院議員以前はオルツァラルミウト先住民評議会英語版部族裁判所判事、クスコクウィム川部族間魚類委員会事務局長、アラスカ州下院議員を務めていた。

民主党所属のペルトラは、2022年3月に死去したドン・ヤングの後任を選出する補欠選挙英語版で元アラスカ州知事サラ・ペイリンアラスカ州政策フォーラム英語版理事のニック・ベギーチを相手に番狂わせの勝利を果たした[3]。これにより彼女は史上初のアラスカ先住民連邦議員かつ唯一のロシア正教徒英語版[4]かつ、アラスカ州史上初の女性連邦下院議員となった。また、アラスカ州で民主党の連邦下院議員が誕生するのは1972年のニック・ベギーチ・シニア以来のことであった。その後、2022年11月に行われた通常選挙英語版でもペイリンとベギーチに勝利し再選を果たした[5]

生い立ちと教育

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ペルトラは西アラスカ出身のユピック族である。彼女は1973年8月31日にアラスカ州アンカレッジで生まれた[6][3]。父はネブラスカ州出身のドイツ系アメリカ人のウォード・サトラー(Ward Sattler)であり、パイロット及び教師として働くためにアラスカ州へと移った身であった[7][8]。母のエリザベス・"リズアン"・ピシガク・ウィリアムズ(Elizabeth "LizAnn" Piicigaq Williams)はクウェスルック英語版出身のユピック族であった[9]。ペルトラはクウィスルク 英語版タンタチューリアック英語版プラティナム英語版ベセルのコミュニティで育った[10]。幼少期はドン・ヤング下院議員の選挙運動に参加する父と共にアラスカ州中を旅していた[3]。大学時代はアラスカ州魚類狩猟局英語版でニシンとサケの技術者として働いた[3]。彼女は1991年から1994年まで北コロラド大学英語版で初等教育を学び、さらに1994年から1995年までアラスカ大学フェアバンクス校、1995年から1997年までアラスカ大学サウスイースト校英語版、1997年から1998年までアラスカ大学アンカレッジ校英語版で受講した[7]

1995年に彼女はミス・アメリカインディアン国民会議のページェントで勝利した。大会で彼女はユピック族の踊りを2つ披露し、リス皮のパーカー、オオカミの毛の頭飾り、ムックルック英語版といった伝統的衣装を着用した[11]

キャリア

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上院インディアン問題委員会英語版で証言するペルトラ(2018年)

アラスカ州下院議員 (1999年-2009年)

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1996年、ペルトラはアラスカ州議会のインターンであった。その後ベセル地域で立候補したが、現職のイヴァン・イヴァン英語版に56票差で破れた[3]。ペルトラは本選挙ではアイヴァンの対抗馬である無所属候補のウィリー・カサユリー英語版の選挙事務長を務めた[12]。その後は記者として活動した[3]

1998年の民主党予備選挙でイヴァンとの再戦に勝利したペルトラはアラスカ州下院議員となった[3][13]。当時の彼女はジョナサン・カプスナー(Jonathan Kapsner)と結婚していたが、投票用紙は旧姓であった[14]。彼女は多くのあいだ無投票か最小限の反対票で再選を果たし、最も接戦であったのは2002年の予備選挙で復帰を賭けて挑んできたイヴァンとの争いであった[15]

下院でペルトラは税務、資源、保健・社会福祉といった様々な常任委員会に所属していた[要出典]。彼女は地方やオフロードのコミュニティを代表する超党派の上下院議員で構成されるブッシュ・コーカス英語版の再建に貢献した[3][16]

その後のキャリア (2009年-2022年)

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2010年にペルトラは連邦上院議員選挙英語版に出馬する共和党リーサ・マーカウスキーを支援した[3]。2008年から2014年まではドンリン・クリーク・マインの地域開発および持続可能性担当マネージャーとして働いた。2011年にベセル市評議会に選出され、2013年の任期満了まで務めた。2015年から2017年までは州のロビイストとして活動した[17]。2017年からはクスコクウィム川部族間魚類委員会の事務局長を務めた[18][3]。2020年から2021年まではオルツァラルミウト先住民評議会英語版の部族裁判所判事を務めた[19][20]

連邦下院議員 (2022年-現在)

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プランド・ペアレントフッドの集会でのペルトラ(2022年7月)

選挙

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アメリカ合衆国第117議会英語版でのペルトラ

2022年特別選挙

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ペルトラは任期途中で亡くなったドン・ヤングの後任となる州昇格以来5人目の連邦下院議員を選出する2022年アラスカ州全州選挙区特別選挙英語版に出馬し、本選挙に残った3人の候補者のうちの1人となった[21]。彼女は本選挙に残った唯一の民主党候補者であり、4位での進出となった。予備選で3位だった無所属のアル・グロス英語版は本選挙を辞退したため、彼女の対抗馬は共和党のサラ・ペイリン元知事とニック・ベギーチ3世英語版の2人となった[22]。グロスは辞退後にペルトラの支持に回った[20]。またアラスカ州の有権者3人が予備選5位で共和党のタラ・スウィーニー英語版の本戦進出が認められなかったことに異議を唱えたが、敗訴した[23]。スウィーニーはその後、出馬を取り下げた[24]。ペルトラは優先順位投票英語版の集計によりペイリンとベギーチを破った。

2022年選挙

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ペルトラは2022年の通常選挙での当選を目指した[25]。彼女は得票率1位の36.8%で予備選を突破した[26]。上院4期目を目指しているアラスカ州共和党のリーサ・マーカウスキーアラスカ先住民連盟英語版大会の議員に2022年選挙ではペルトラに投票する意向を明かした[27]。マカウスキーは「私は党指導者に頼まれたからといってその方針に従うことはしない。(中略)私の第一の義務はアラスカ州の人々に対して負っている」と述べた[27]

2022年11月の選挙に先立ち、ペルトラはドン・ヤングの娘のジョニ・ネルソンとドーン・ヴァレリー、さらに彼の元コミュニケーション・ディレクターのザック・ブラウンから支持を受けたことを発表した[28]。その他、ヤングの様々な友人や元スタッフが正式な推薦状を以てペルトラを支持した[29]。ペルトラは最初の投票で49%弱の票を得た。11月23日、落選した3位候補のニック・ベギーチ3世にペルトラが2位として投じられた票が加算され、優先順位投票が54.9%となってペイリンを破って当選が確定した[30]

任期

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夫ジーン(中央)が見守る中、ナンシー・ペロシ下院議長(左)に宣誓するペルトラ

ペルトラは2022年9月13日にアラスカ州代表の連邦下院議員として宣誓した[31]。彼女の宣誓により、連邦議会にはアラスカ先住民(ペルトラ)、ネイティブ・アメリカンシャリス・デイビッズイヴェット・ヘレル英語版マークウェイン・モーリン英語版トム・コール)、ハワイ先住民カイ・カヘレ)が同時に就任した[32]。彼女はデイビッズ、ヘレル、デブ・ハーランドに続く4人目の先住民系の女性議員であった。

2022年9月29日、ペルトラは自身初の法案を下院で可決した。この法案は退役軍人省食料安全保障局を設置するというものである。ペルトラは退役軍人はアラスカ州の人口の約10%を占め、その多くが食糧難に苦しんでいると述べた。ペルトラの法案は376対49で下院を通過した[33]

2022年鉄道労働争議英語版の際、ペルトラは鉄道労働者に新たな契約を課す法案に反対票を投じた8人の民主党下院議員のうちの1人であった。彼女は有給休暇が含まれない契約は支持できず、「医者にかかること、病欠すること、そして失職したり厳罰を受けることが無いということは人権や生活の質の問題のように思えるのです」と述べた[34][35]

委員会

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私生活

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ペルトラは史上初のアラスカ州生まれの連邦下院議員である。夫はインディアン事務局アラスカ地区事務所長であったジーン・ペルトラ(Gene Peltola)であり、アラスカ州西部のベセルで共に生活していたが、2023年9月12日にジーンが不慮の飛行機事故に巻き込まれたため死別[10][37][38][39]。実子4人と継子3人がいる[38][40]アラスカ先住民であるペルトラはオルツァラルミウト先住民評議会英語版の部族会員である[9]。彼女はアラスカ州ロシア正教会英語版の信者である[4]

選挙戦歴

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1996年アラスカ州下院第39地区民主党予備選挙結果[41]
政党 候補者 得票数 得票率 (%)
民主党 イヴァン・イヴァン英語版 1,228 39.6
民主党 メアリー・K・サトラー 1,172 37.8
西アラスカ独立民主党 ウィリー・カサユリエ英語版 701 22.6
総得票数 3,101 100
1998年アラスカ州下院第39地区民主党予備選挙結果[42]
政党 候補者 得票数 得票率 (%)
民主党 メアリー・サトラー 1,667 53.41
民主党 イヴァン・イヴァン (現職) 1,233 39.51
西アラスカ独立党 ダリオ・ノッティ 221 7.08
総得票数 3,121 100
1998年アラスカ州下院第39地区選挙結果[43]
政党 候補者 得票数 得票率 (%)
民主党 メアリー・サトラー 3,287 72.18
西アラスカ独立党 ダリオ・ノッティ 1,210 26.57
記入候補 57 1.25
総得票数 4,554 100
2000年アラスカ州下院第39地区民主党予備選挙結果[44]
政党 候補者 得票数 得票率 (%)
民主党 メアリー・カプスナー (現職) 1,201 100
総得票数 1,201 100
2000年アラスカ州下院第39地区選挙結果[45]
政党 候補者 得票数 得票率 (%)
民主党 メアリー・カプスナー (現職) 4,321 97.5
記入候補 111 2.5
総得票数 4,432 100
2002年アラスカ州下院第38地区民主党予備選挙結果[46]
政党 候補者 得票数 得票率 (%)
民主党 メアリー・カプスナー (現職) 918 64.51
民主党 イヴァン・イヴァン 505 35.49
総得票数 1,423 100%
2002年アラスカ州下院第38地区選挙結果[47]
政党 候補者 得票数 得票率 (%)
民主党 メアリー・カプスナー (現職) 3,419 97.28
記入候補 93 2.72
総得票数 3,419 100
2004年アラスカ州下院第38地区民主党予備選挙結果[48]
政党 候補者 得票数 得票率 (%)
民主党 メアリー・カプスナー (現職) 1,538 100
総得票数 1,538 100
2004年アラスカ州下院第38地区選挙結果[49]
政党 候補者 得票数 得票率 (%)
民主党 メアリー・カプスナー (現職) 3,935 97.84
記入候補 87 2.16
総得票数 3,935 100
2006年アラスカ州下院第38地区民主党予備選挙結果[50]
政党 候補者 得票数 得票率 (%)
民主党 メアリー・カプスナー (現職) 1,451 100
総得票数 1,451 100
2006年アラスカ州下院第38地区選挙結果[51]
政党 候補者 得票数 得票率 (%)
民主党 メアリー・カプスナー (現職) 3,553 97.40
記入候補 95 2.60
総得票数 3,648 100
2022年アラスカ州全州地区補欠選挙結果[52][53]
政党 候補者 第1ラウンド 最終ラウンド
得票数 得票率 加算票数 得票数 得票率
民主党 メアリー・ペルトラ 74,817 39.66% +15,467 91,266 51.48%
共和党 サラ・ペイリン 58,339 30.92% +27,053 86,026 48.52%
共和党 ニック・ベギーチ3世 52,536 27.85% -52,536 敗退
記入候補英語版 2,974 1.58% -2,974 敗退
総得票数 188,666 100.00% 177,423 94.04%
無効票 0 0.00% +11,243 11,243 5.96%
民主党が共和党から議席奪還
2022年アラスカ州全州地区選挙結果[54]
政党 候補者 第1ラウンド 第2ラウンド 最終ラウンド
得票数 得票率 加算票数 得票数 得票率 加算票数 得票数 得票率
民主党 メアリー・ペルトラ (現職) 128,329 48.68% +1,038 129,433 49.20% +7,460 136,893 54.94%
共和党 サラ・ペイリン 67,732 25.74% +1,064 69,242 26.32% +43,013 112,255 45.06%
共和党 ニック・ベギーチ3世 61,431 23.34% +1,988 64,392 24.48% -64,392 敗退
リバタリアン党 クリス・バイ 4,560 1.73% -4,560 敗退
記入候補英語版 1,096 0.42% -1,096 敗退
総得票数 263,148 100.00% 263,067 100.00% 249,148 100.00%
無効票 2,193 0.83% +906 3,097 1.16% +14,765 17,016 5.55%
民主党が議席維持

参考文献

[編集]
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関連項目

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外部リンク

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議会
先代
イヴァン・イヴァン英語版
アラスカ州下院第39選挙区選出
1999年-2003年
次代
リチャード・フォスター英語版
先代
リチャード・フォスター
アラスカ州下院第38選挙区選出
2003年-2009年
次代
ボブ・ヘロン英語版
名誉職
先代
トム・ブライス
アラスカ州下院の最年少議員
1999年-2007年
次代
スコット・カワサキ英語版
アメリカ合衆国下院
先代
ドン・ヤング
アラスカ州選出
2022年-現在
現職
アメリカ合衆国の儀礼席次英語版
先代
ブラッド・フィンスタッド英語版
就任順のアメリカ合衆国下院議員英語版
428位
次代
パット・ライアン英語版