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メーヴェ (競走馬)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
メーヴェ
欧字表記 Mowen[1][2]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1][2]
毛色 黒鹿毛[1][2]
生誕 2008年5月8日(16歳)[1][2]
抹消日 2013年8月30日[2]
Motivator[1][2]
Top Table[1][2]
母の父 Shirley Heights[1][2]
生国 イギリスの旗 イギリス[1][2]
生産者 D.D. and Mrs Jean P. Clee[1][2]
馬主 岡田牧雄[1][2]
調教師 栗田博憲美浦[1][2]
競走成績
生涯成績 22戦5勝[1]
獲得賞金 8719万4000円[1][2]
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メーヴェ(欧字名:Mowen2008年5月8日 - )は、イギリスで生産された日本競走馬繁殖牝馬[1]

競走馬としてはオープン特別戦を勝利したが、重賞競走のタイトルには届かなかった。引退後は繁殖牝馬となり、受胎率の低さに悩まされながらもタイトルホルダーメロディーレーンと2頭のステイヤーを出した。

馬名の由来は、ドイツ語においてカモメを意味する、風の谷のナウシカに登場する架空の飛行用装置(メーヴェを参照)[3][2]

経歴

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出生

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モティヴェーターは無敗でエプソムダービーを制した馬[4]。母トップテーブルはイギリスで8戦未勝利であった[5]。メーヴェもイギリスで生産され、岡田牧雄によって日本へ持ち込まれた。

競走馬時代

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2010年8月14日札幌競馬場第4競走の2歳新馬戦で、横山典弘を鞍上にデビュー。芝1500m戦のこのレースではのちにGIを2勝するグランプリボスの5着に敗れる。その後、鞍上と距離を試行錯誤しながら、年が明けた2011年の6戦目の未勝利戦ではダート1200m戦に出走。2着に半馬身差をつけて、ここでようやく初勝利を挙げた。続く重賞初参戦のクイーンカップでは10番人気ながらホエールキャプチャの5着と健闘するも、チューリップ賞、カルミア賞(500万下)ではどちらも着外に終わる。だが次走の3歳500万下を三浦皇成とともに勝利すると、さらに2戦目を挟み立冬特別(1000万下)を三浦とのタッグで勝利。このまま勝ち上がると思われたが、福島牝馬ステークスを含む5連戦をするも勝てない競馬が続き、特に常総ステークス(1600万下)は9頭立て8着というブービーの結果に終わり、フリーウェイステークス(1600万下)3着のあとに降級してしまう。しかし、降級2戦目のマレーシアカップ(1000万下)では3番人気から半年以上ぶりの勝利を掴み、さらにその流れで丹頂ステークス(OP)も制し[6]、一気にオープン馬へと登りつめた。だが、続けて挑んだ府中牝馬ステークスアルゼンチン共和国杯でどちらも惨敗。このレースをもって競走馬を引退することとなった。

繁殖牝馬時代

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引退後は岡田スタッドで繁殖入り。初年度はヴィクトワールピサを種付けしたものの、不受胎であった。

翌年はオルフェーヴルを種付けし、ここで誕生したのがメロディーレーンであった。メロディーレーンは生まれつき非常に体格が小さく、競走馬になれるかも危ぶまれており、デビュー戦時の馬体重も336kgと競走馬としては規格外といえる小ささであった。しかし、10戦目の未勝利戦をテン乗りの岩田望来と共に9馬身差の圧勝で勝利。JRAにおける史上最軽馬体重勝利の記録を更新した。その後の活躍も目を見張るものがあり、菊花賞では12番人気という低評価ながら5着となり、1995年ダンスパートナーの5着ぶりとなる牝馬の菊花賞入着を果たした。その後、2021年の古都ステークスを勝利し、ついにオープン馬となった。

この翌年はディープインパクトを種付けしたが、死産となった。

その翌年はドゥラメンテを種付けし、受胎。無事出産し、誕生した仔がタイトルホルダーである。タイトルホルダーはデビュー戦を1番人気に応え制し、東京スポーツ杯2歳ステークスホープフルステークスダノンザキッドの2、4着と好走する。そして年が明けた2021年の弥生賞ディープインパクト記念では、1番人気に支持されていたダノンザキッド、NHKマイルカップを制することになるシュネルマイスターらを破って勝利。タイトルホルダー自身の重賞初制覇、そしてメーヴェも2頭目の仔にしてようやく初の産駒の重賞制覇を果たした。その後も皐月賞ではエフフォーリアの2着となるなど活躍し、同年の菊花賞ではスタートからハナを切り、見事に逃げ切り勝ちを収めGⅠ初制覇を果たした[注 1]。その後、有馬記念ではメロディーレーンと初共演。タイトルホルダーは5着であった。2022年日経賞1着を挟み、天皇賞・春に再びメロディーレーンともに出走。ここでも逃げの戦法を取り、圧倒的1番人気のディープボンドに7馬身も差をつけ圧勝した。

このように産駒は長距離を中心に活躍を見せるものの、メーヴェ自身は受胎率が圧倒的に低い状況が続き、ドゥラメンテをつけた翌年は圧倒的な受胎率を誇るゴールドシップを種付けしたものの不受胎。更に翌年はヴィクトワールピサを付けるもまた不受胎となる。

2020年に至っては、キズナを種付けして不受胎であったため、その翌月にドゥラメンテを種付けするも不受胎。2021年もドゥラメンテを種付けしたものの不受胎であり、同月のうちにキズナを種付けしている。

この受胎率の悪さゆえに、2019年に死亡したディープインパクトとの仔の誕生、タイトルホルダーの活躍直後に死亡したドゥラメンテとの仔(タイトルホルダーの全兄弟となる)の誕生は叶わなくなってしまっている。

2022年にはエピファネイアを付けたが不受胎で、ベンバトルを付け直し[7]、5年ぶりの受胎となった。

2023年、5年ぶりに牝馬の子供が誕生した。岡田牧雄代表は「ファンの方々からのお守りやお手紙のおかげで、元気な仔が生まれました」とコメントした[8]

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.com[9]およびJBISサーチ[10]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 馬場・距離
馬場状態
頭数 枠番 馬番 オッズ
(人気)
着順 タイム
上がり3F
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2010.08.14 札幌 2歳新馬 芝1500m(良) 12 1 1 4.7(3人) 5着 1:30.8 (36.0) 1.3 横山典弘 54 グランプリボス 462
0000.08.29 札幌 2歳未勝利 芝1200m(良) 10 7 7 6.6(2人) 3着 1:10.6 (35.3) 0.3 横山典弘 54 テイエムジョニクロ 454
0000.11.28 東京 2歳未勝利 芝1400m(良) 18 2 4 14.7(5人) 2着 1:22.5 (34.1) 0.2 C.ルメール 54 ダンシングロイヤル 448
0000.12.19 中山 2歳未勝利 芝1600m(良) 16 1 1 2.6(1人) 5着 1:38.4 (35.5) 0.3 C.ルメール 54 ドラゴンライズ 452
0000.12.25 中山 2歳未勝利 芝1200m(良) 16 7 13 3.7(2人) 2着 1:10.9 (35.0) 0.0 蛯名正義 54 アポロフィオリーナ 452
2011.01.15 中山 3歳未勝利 ダ1200m(良) 16 8 15 3.9(2人) 1着 1:12.6 (37.8) -0.1 蛯名正義 54 (フェアユース) 454
0000.02.12 東京 クイーンC GIII 芝1600m(稍) 16 1 2 86.4 (10人) 5着 1:35.7 (34.4) 0.3 蛯名正義 54 ホエールキャプチャ 450
0000.03.05 阪神 チューリップ賞 GIII 芝1600m(良) 12 8 12 41.7(5人) 7着 1:35.8 (35.1) 1.3 四位洋文 54 レーヴディソール 446
0000.05.28 新潟 カルミア賞 500万下 芝1400m(良) 16 2 3 3.1(1人) 10着 1:24.5 (36.2) 1.9 丸山元気 54 サトノフローラ 454
0000.06.11 東京 3歳500万下 芝1800m(重) 11 8 11 7.5(5人) 1着 1:49.8 (34.9) -0.0 三浦皇成 54 (プレミアムテースト) 450
0000.09.10 中山 紫苑S OP 芝2000m(良) 15 3 4 38.0(10人) 4着 1:58.6 (34.7) 0.4 木幡初広 54 カルマート 454
0000.10.15 京都 堀川特別 1000万下 芝1800m(稍) 16 1 1 13.0(5人) 5着 1:46.7 (34.5) 0.7 藤田伸二 53 ビッグスマイル 456
0000.11.06 東京 立冬特別 1000万下 芝1800m(良) 9 8 8 2.6(1人) 1着 1:47.3 (34.3) -0.1 三浦皇成 52 (ヤマカツゴールド) 456
0000.11.27 東京 東京ウェルカムプレミアム 1600万下 芝2000m(良) 16 7 14 23.7(9人) 4着 2:00.4 (34.0) 0.9 丸山元気 53 フェデラリスト 452
2012.03.25 中山 常総S 1600万下 芝2000m(稍) 9 3 3 13.4(6人) 8着 2:03.9 (34.5) 0.4 三浦皇成 53 タムロスカイ 464
0000.04.21 福島 福島牝馬S GIII 芝1800m(良) 16 5 9 38.7(10人) 9着 1:46.8 (35.3) 0.8 宮崎北斗 53 オールザットジャズ 458
0000.05.20 東京 フリーウェイS 1600万下 芝1400m(良) 17 8 17 16.5(7人) 3着 1:20.4 (33.9) 0.8 浜中俊 53 ミトラ 458
0000.06.09 東京 江の島特別 1000万下 芝1600m(重) 9 5 5 11.8(5人) 4着 1:38.8 (36.0) 1.0 北村宏司 55 ルルーシュ 456
0000.08.12 札幌 マレーシアC 1000万下 芝2000m(良) 9 6 6 5.8(3人) 1着 2:00.3 (34.9) -0.1 宮崎北斗 55 (ホッコーガンバ) 448
0000.09.02 札幌 丹頂S OP 芝2600m(良) 14 2 2 10.6(6人) 1着 2:40.6 (35.7) -0.0 宮崎北斗 50 (コスモロビン) 456
0000.10.13 東京 府中牝馬S GII 芝1800m(良) 17 5 10 51.4(12人) 13着 1:46.3 (33.6) 0.8 宮崎北斗 54 マイネイサベル 460
0000.11.04 東京 アルゼンチン共和国杯 GII 芝2500m(良) 15 8 14 71.6(11人) 9着 2:31.3 (35.2) 1.4 宮崎北斗 52 ルルーシュ 458

繁殖成績

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馬名 誕生年 毛色 厩舎 馬主 戦績 出典
(2014年 不受胎) ヴィクトワールピサ
初仔 メロディーレーン 2016年 鹿毛 オルフェーヴル 栗東森田直行 岡田牧雄 36戦4勝(繁殖) [11]
(死産) 2017年 ディープインパクト
2番仔 タイトルホルダー 2018年 鹿毛 ドゥラメンテ 美浦栗田徹 山田弘 19戦7勝(種牡馬) [12]
(2018年 不受胎) ゴールドシップ
(2019年 不受胎) ヴィクトワールピサ
(2020年 不受胎) キズナ
ドゥラメンテ
(2021年 不受胎)
キズナ
(2022年 不受胎) エピファネイア
3番仔 (メーヴェの2023) 2023年 ベンバトル (デビュー前) [13]
  • 2024年12月18日現在

血統表

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メーヴェ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サドラーズウェルズ系
[§ 2]

Motivator
2002 鹿毛
父の父
Montjeu
1996 鹿毛
Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Floripedes Top Ville
Toute Cy
父の母
Out West
1994 黒鹿毛
Gone West Mr. Prospector
Secrettame
Chellingoua Sharpen Up
Uncommitted

Top Table
1989 鹿毛
Shirley Heights
1975 鹿毛
Mill Reef Never Bend
Milan Mill
Hardiemma *ハーディカヌート
Grand Cross
母の母
Lora's Guest
1984 栗毛
Be My Guest Northern Dancer
What a Treat
Lora Lorenzaccio
Courtessa
母系(F-No.) 9号族(FN:9-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer S4×M4 = 12.50% [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ[14]netkeiba.com[15]
  2. ^ netkeiba.com[15]、競馬ラボ[16]
  3. ^ JBISサーチ[14]、netkeiba.com[15]
  4. ^ JBISサーチ[14]、netkeiba.com[15]


脚注

[編集]

注釈

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  1. ^ なお、この菊花賞では牝馬のディヴァインラヴが3着となっており、順位で見ればメロディーレーンに先着しているにとどまらず、グレード制導入後の菊花賞としては牝馬の最高着順となった。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o メーヴェ(GB)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年4月3日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 競走馬情報 (外) メーヴェ Mowen(GB)”. jra.go.jp. 日本中央競馬会. 2023年4月3日閲覧。
  3. ^ メーヴェ(GB)”. インターネット血統書データベースサービス. 公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2023年4月3日閲覧。
  4. ^ Motivator | Race Record & Form | Racing Post” (英語). racingpost.com. Racing Post. 2022年5月5日閲覧。
  5. ^ Top Table I | Race Record & Form | Racing Post” (英語). racingpost.com. Racing Post. 2022年5月5日閲覧。
  6. ^ 【丹頂S】(札幌)〜軽量メーヴェ 僅かに凌いで5勝目”. ラジオNIKKEI. 株式会社日経ラジオ社 (2012年9月2日). 2022年7月17日閲覧。
  7. ^ 【天皇賞・春】タイトルホルダーの馬主山田弘氏「次は状態を見て宝塚記念が目標」”. サンスポZBAT!. 株式会社産経デジタル (2022年5月2日). 2022年5月5日閲覧。
  8. ^ タイトルホルダーの母メーヴェに5年ぶりの産駒誕生 父ベンバトルの牝馬 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2023年3月30日). 2023年4月3日閲覧。
  9. ^ メーヴェの競走成績 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年5月2日閲覧。
  10. ^ 競走成績:全競走成績|メーヴェ(GB)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年5月2日閲覧。
  11. ^ メロディーレーン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会 (2022年6月19日). 2022年6月26日閲覧。
  12. ^ タイトルホルダー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会 (2022年6月19日). 2022年6月26日閲覧。
  13. ^ 繁殖牝馬情報:牝系情報|メーヴェ(GB)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2023年4月2日閲覧。
  14. ^ a b c 血統情報:5代血統表|メーヴェ(GB)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年5月1日閲覧。
  15. ^ a b c d メーヴェの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年7月17日閲覧。
  16. ^ メーヴェ - Mowen(GB) - 競走馬データベース”. 競馬ラボ. 株式会社do Innovation. 2022年7月17日閲覧。

外部リンク

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