ラウル・アルカンタラ
阪神タイガース時代 (2021年10月10日) | |
基本情報 | |
---|---|
国籍 | ドミニカ共和国 |
出身地 | バラオーナ州サンタ・クルス・デ・バラオナ |
生年月日 | 1992年12月4日(32歳) |
身長 体重 |
6' 4" =約193 cm 220 lb =約99.8 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2009年 アマチュアFA |
初出場 |
MLB/ 2016年9月5日 KBO/ 2019年3月30日 NPB/ 2021年5月16日 |
年俸 | 80万ドル+出来高(2023年) |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
| |
この表について
|
ラウル・アルカンタラ(Raúl Alcántara, 1992年12月4日 - )は、ドミニカ共和国バラオーナ州サンタ・クルス・デ・バラオナ出身のプロ野球選手(投手)。
経歴
[編集]プロ入りとレッドソックス傘下時代
[編集]2009年にボストン・レッドソックスと契約し、プロ入り。
2010年に傘下のルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・レッドソックスでプロデビュー。
アスレチックス時代
[編集]2011年11月29日にアンドリュー・ベイリーとライアン・スウィーニーとのトレードで、ジョシュ・レディック、マイルズ・ヘッドと共にオークランド・アスレチックスへ移籍した[1]。
2014年はAA級ミッドランド・ロックハウンズでプレーしたが、3試合に投げたところでトミー・ジョン手術を受けることになった[3]。
2015年もメジャーデビューはならなかった。マイナー(A+級ストックトン・ポーツ)では15試合に先発登板して防御率3.88を記録したが、勝ち星なしに終わった。
2016年は開幕をAA級ミッドランドで迎え、7月にAAA級ナッシュビル・サウンズへ昇格。2球団合計で25試合に先発登板して9勝6敗・防御率3.58・105奪三振の成績を残した。9月5日にメジャー初昇格を果たし[4]、同日のロサンゼルス・エンゼルス戦で先発してデビューしたが、3回5失点で敗戦投手になった[5]。メジャーでは5試合に先発登板したが、22.1イニングで9本も本塁打を打たれ、1勝3敗・防御率7.25・WHIP1.57と結果を残せなかった。
2017年はメジャーの開幕ロースター入りした。ところが、3試合に登板して防御率16.71と結果を残せず、4月25日にDFAとなった[6]後、29日に40人枠を外れる形でAAA級ナッシュビル・サウンズへ配属された[7]。9月5日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[8]。
2018年はAAA級ナッシュビルで登板し、メジャーリーグ昇格はなかった。
KT時代
[編集]2018年11月19日にKBOリーグのKTウィズと契約した[9]。登録名は알칸타라(アルカンタラ)。
2019年、KTでは11勝を記録するも同年限りで退団。
斗山時代
[編集]2020年よりKBOリーグの斗山ベアーズと契約する[10]。同年は5月5日に開幕投手を務めた。9月1日のハンファ・イーグルス戦では先発投手として7回無失点の好投を見せた。そして中継ぎの朴治国、李映河が無失点に抑えたことで韓国プロ野球における同年初の全球団勝利を達成した[11]。同年は20勝2敗、防御率2.54を記録し、最多勝投手となった[12]。
阪神時代
[編集]2020年12月23日に阪神タイガースとと翌シーズンの契約に合意したことが発表された[13]。背番号は44[13]。2年契約で推定年俸2億1000万円[14]。
2021年5月16日の読売ジャイアンツ戦(東京ドーム)でNPB初登板初先発を果たし、6回5失点ながらも勝利投手となり、来日初勝利を挙げた[15]。東京オリンピック明けの後半戦開幕後は中継ぎに配置転換され[16]、主に7回のマウンドを任せられるようになった。最終的に24試合に登板して3勝3敗6ホールド、防御率3.49を記録した。
2022年、キャンプ中の2月に左足関節を捻挫した[17]。3月31日、中継ぎとして一軍に復帰した[18]。また岩崎優の代役として[19]、6月17日の横浜DeNAベイスターズ戦(阪神甲子園球場)で来日初セーブを記録[20][21]。しかし、夏場以降は不調に陥り、9月以降は二軍で過ごした。オフの12月2日に自由契約公示された[22]。
斗山復帰
[編集]2022年12月9日、古巣の斗山ベアーズと契約[23]し、3年ぶりの韓国球界復帰となった。推定年俸総額1億2240万円(年俸80万ドル、出来高10万ドル)での契約となり、「幸せに野球をしていた斗山ベアーズに戻れて嬉しい」とコメントした[24]。
2024年7月4日、ウェーバー公示され[25]、7月11日、自由契約選手となり退団した。
投球データ
[編集]球種 | 配分 % |
平均球速 km/h |
---|---|---|
フォーシーム | 51 | 152 |
スライダー | 22 | 139 |
スプリット | 14 | 137 |
シンカー | 9 | 151 |
カーブ | 2 | 128 |
チェンジアップ | 1 | 138 |
最速158km/h・平均150km/h台前半の速球(主にフォーシーム)を軸に、スライダーやスプリットなどを使用する。(2020年シーズン)
詳細情報
[編集]年度別投手成績
[編集]年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016 | OAK | 5 | 5 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | .250 | 103 | 22.1 | 31 | 9 | 4 | 0 | 4 | 14 | 1 | 1 | 18 | 18 | 7.25 | 1.57 |
2017 | 8 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | .333 | 108 | 24.0 | 22 | 5 | 12 | 1 | 3 | 12 | 0 | 1 | 21 | 19 | 7.13 | 1.42 | |
2019 | KT | 27 | 27 | 0 | 0 | 0 | 11 | 11 | 0 | 0 | .500 | 724 | 172.2 | 189 | 15 | 27 | 0 | 8 | 100 | 2 | 0 | 80 | 77 | 4.01 | 1.25 |
2020 | 斗山 | 31 | 31 | 0 | 0 | 0 | 20 | 2 | 0 | 0 | .909 | 795 | 198.2 | 174 | 12 | 30 | 0 | 9 | 182 | 3 | 0 | 58 | 56 | 2.54 | 1.03 |
2021 | 阪神 | 24 | 7 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0 | 6 | .500 | 243 | 59.1 | 55 | 6 | 14 | 1 | 0 | 48 | 3 | 0 | 25 | 23 | 3.49 | 1.16 |
2022 | 39 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 1 | 17 | .250 | 156 | 38.1 | 38 | 5 | 8 | 0 | 1 | 29 | 0 | 0 | 21 | 20 | 4.70 | 1.20 | |
MLB:2年 | 13 | 9 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 0 | 0 | .286 | 211 | 46.1 | 53 | 14 | 16 | 1 | 7 | 26 | 1 | 2 | 39 | 37 | 7.19 | 1.49 | |
KBO:2年 | 58 | 58 | 0 | 0 | 0 | 31 | 13 | 0 | 0 | .649 | 1519 | 371.1 | 363 | 27 | 57 | 0 | 17 | 282 | 5 | 0 | 138 | 133 | 3.22 | 1.13 | |
NPB:2年 | 63 | 7 | 0 | 0 | 0 | 4 | 6 | 1 | 23 | .400 | 399 | 97.2 | 93 | 11 | 22 | 1 | 1 | 77 | 3 | 0 | 46 | 43 | 3.96 | 1.18 |
- 2022年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
年度別守備成績
[編集]年 度 |
球 団 |
投手(P) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2016 | OAK | 5 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1.000 |
2017 | 8 | 0 | 1 | 1 | 0 | .500 | |
2019 | KT | 27 | 8 | 24 | 2 | 0 | .941 |
2020 | 斗山 | 31 | 1 | 23 | 0 | 0 | 1.000 |
2021 | 阪神 | 24 | 2 | 10 | 0 | 1 | 1.000 |
2022 | 39 | 1 | 5 | 0 | 0 | 1.000 | |
MLB | 13 | 0 | 3 | 1 | 0 | .750 | |
KBO | 58 | 9 | 47 | 2 | 0 | .966 | |
NPB | 63 | 3 | 15 | 0 | 1 | 1.000 |
- 2022年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
記録
[編集]NPB
[編集]- 初記録
- 投手記録
- 初登板・初先発登板・初勝利・初先発勝利:2021年5月16日、対読売ジャイアンツ9回戦(東京ドーム)、6回5失点で勝利投手[15][27]
- 初奪三振:同上、1回表にゼラス・ウィーラーから見逃し三振
- 初ホールド:2021年8月15日、対広島東洋カープ13回戦(京セラドーム大阪)、8回表に4番手で救援登板、1回無失点[28][29]
- 初セーブ:2022年6月17日、対横浜DeNAベイスターズ8回戦(阪神甲子園球場)、9回表に5番手で救援登板・完了、1回無失点[21]
- 打撃記録
- 初打席:2021年5月16日、対読売ジャイアンツ9回戦(東京ドーム)、3回表に今村信貴から一前犠打
- 初安打・初打点:2021年5月27日、対千葉ロッテマリーンズ3回戦(阪神甲子園球場)、2回裏に佐々木朗希から右前適時打[30]
タイトル
[編集]- KBO
- 最多勝利:1回(2020年)
- 最高勝率:1回(2020年)
表彰
[編集]- KBO
- ゴールデングラブ賞:1回(2020年)
背番号
[編集]- 50(2016年 - 2017年)
- 45(2019年)
- 43(2020年、2023年 - 2024年)
- 44(2021年 - 2022年)
登場曲
[編集]- 「Mi Ciudad」Chucky73(2021年 - )
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ A's ship Andrew Bailey to Boston
- ^ A's add RHP Raul Alcantara to 40-man roster
- ^ Garcia, Jacob (2014年7月28日). “5 A's Prospects Who Billy Beane Should Not Trade”. Bleacher Report. 2016年9月13日閲覧。
- ^ Slusser, Susan (September 4, 2016). “A’s confirm Raul Alcantara, Jharel Cotton promotions”. San Francisco Gate. September 5, 2016閲覧。
- ^ Angels hold off Oakland comeback, power past Athletics
- ^ Slusser, Susan (April 25, 2017). “Rajai Davis on A's DL; Raul Alcantara DFA'd”. San Francisco Gate. May 1, 2017閲覧。
- ^ MLB公式プロフィール参照。2017年5月1日閲覧。
- ^ Jane Lee (2017年9月5日). “Nunez leads next wave of Oakland's callups” (英語). MLB.com. 2017年9月7日閲覧。
- ^ “kt wiz¸ 외국인 투수 라울 알칸타라 영입s” (朝鮮語). KT wiz (2018年11月19日). 2018年11月19日閲覧。
- ^ http://www.joynews24.com/view/1231044
- ^ https://twitter.com/doosanbears1982/status/1300774988102868992
- ^ “韓国プロ野球で7年ぶりに“15勝達成”の国内投手現れず…外国人投手が最多勝レースを独占”. スポーツソウル日本版 (2020年12月23日). 2021年5月16日閲覧。
- ^ a b “外国人選手との契約合意について”. 阪神タイガース (2020年12月23日). 2020年12月23日閲覧。
- ^ “阪神 アルカンタラ獲得発表 16年ぶりVへ最強先発陣”. サンスポ.com (2020年12月23日). 2021年2月27日閲覧。
- ^ a b “阪神アルカンタラ初登板初勝利「オハヨウゴザイマス」ファンの心もつかむ”. 日刊スポーツ. 株式会社日刊スポーツ新聞社 (2021年5月16日). 2021年5月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月16日閲覧。
- ^ “阪神・アルカンタラが1軍合流 中継ぎ任せろ「与えられたポジションで貢献」”. デイリースポーツ (2021年8月6日). 2021年9月20日閲覧。
- ^ “阪神・アルカンタラは左足関節のねんざ「しっかり治すことに集中」”. デイリースポーツ online (2022年2月17日). 2022年2月17日閲覧。
- ^ “阪神・アルカンタラが昇格即1回0封 緊急昇格も何のその 中継ぎ陣の救世主になれるか”. デイリースポーツ online (2022年3月31日). 2022年3月31日閲覧。
- ^ “【阪神】代役守護神アルカンタラが“所信表明”「任されたイニングでしっかり自分の仕事」”. 日刊スポーツ. 日刊スポーツ新聞社 (2022年6月16日). 2022年6月20日閲覧。
- ^ “神7-5D(17日)阪神4連勝、青柳8勝目”. デイリースポーツ online (2022年6月17日). 2022年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月17日閲覧。
- ^ a b “阪神が4連勝! 大山2発&青柳ハーラー単独トップ8勝目 アルカンタラは来日初セーブ”. サンスポ. 産業経済新聞社 (2022年6月17日). 2022年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月17日閲覧。
- ^ “2022年度 自由契約選手 公示”. NPB.jp 日本野球機構 (2022年12月2日). 2022年12月4日閲覧。
- ^ “今季限りで阪神退団のアルカンタラ 古巣・斗山に3年ぶり復帰と韓国メディア報道”. スポニチ Sponichi Annex 野球. 株式会社スポーツニッポン新聞社 (2022年12月9日). 2022年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月10日閲覧。
- ^ “阪神退団の助っ人が韓国球界に復帰 2年で4勝止まりも「幸せだった斗山に戻れて嬉しい」”. Full-Count. (2022年12月9日) 2022年12月10日閲覧。
- ^ “新外国人選手ジョーダン・バラゾビック投手と契約 アルカンタラ(元阪神)はウェーバー公示”. Daily Korean Pro Baseball. (2024年7月4日) 2024年7月4日閲覧。
- ^ “알칸타라 - STATIZ”. statiz.co.kr. 2020年11月14日閲覧。
- ^ “2021年5月16日 【公式戦】 試合結果 (読売vs阪神)”. NPB.jp 日本野球機構. 2022年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月17日閲覧。
- ^ “阪神アルカンタラ、初連投も「問題なかった」主軸3人斬りで来日初ホールド”. 日刊スポーツ. 株式会社日刊スポーツ新聞社 (2021年8月15日). 2021年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月17日閲覧。
- ^ “2021年8月15日【公式戦】試合結果(阪神vs広島東洋)”. NPB.jp 日本野球機構. 2022年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月17日閲覧。
- ^ “衝撃の来日初安打! 阪神アルカンタラ、佐々木朗希からタイムリー”. 日刊スポーツ. 株式会社日刊スポーツ新聞社 (2021年5月27日). 2021年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月17日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Raul Alcantara stats MiLB.com
- 個人年度別成績 ラウル・アルカンタラ - NPB.jp 日本野球機構
- Raul Alcantara (라울 알칸타라) (@alcantararaul26) - Instagram