コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

リクガメ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リクガメ科
ギリシャリクガメ
保全状況評価[1]
ワシントン条約附属書II
地質時代
始新世 - 現代
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 潜頸亜目 Cryptodira
上科 : リクガメ上科 Testudinoidea
: リクガメ科 Testudinidae
学名
Testudinidae Batsch, 1788[2]
模式属
Testudo Linnaeus, 1758
和名
リクガメ科[3][4]

リクガメ科(リクガメか、Testudinidae)は、爬虫綱カメ目に分類される

分布

[編集]

オーストラリア大陸南極大陸を除く世界各地[3]

形態

[編集]
アルマット農場の生息地でくつろぐカメ

現生の最大種はアルダブラゾウガメA. g. hololissaを亜種とした場合)で最大甲長138センチメートル[5]。化石種も含めた最大種はColossochelys atlasで甲長約200センチメートル[5]。最小種はシモフリヒラセリクガメで最大甲長9.6センチメートルとカメ目全種でも最小種[4]背甲はドーム状やアーチ状に盛り上がる傾向がある[3][4]

頭部は中型でやや分厚く、縦幅は短いが幅広い[4]。吻端はあまり突出しない傾向がある[4]。咬合面や顎を覆う角質(嘴)は幅広い[4]。種によっては嘴に鋸状の突起や畝があり、歯のように植物を切断したりすることができる[4]。舌は発達するが、舌を支える骨格(舌弓)は軟骨質であまり発達しない[4]。頸部はやや短い[4]。四肢は太くて短く、指趾は退化して短い[4]。趾骨が2個以上ない[3]。頭部や四肢は大型鱗で覆われる[4]

分類

[編集]

始新世の北アメリカやヨーロッパで出現したと考えられている[6]。核DNAやミトコンドリアDNAの分子系統的解析からイシガメ科に最も近縁とされ、単系統群を形成すると考えられている[4]

以下の分類・英名は、Turtle Taxonomy Working Group(2017)に従う[2]。付記のない・分類に変更のないかぎり、和名は安川(2008)に従う[4]

生態

[編集]

カメ目で唯一陸棲種のみで構成されるが、セオレガメ属の一部やムツアシガメ属などのように頻繁に水に漬かるような生活を送る種もいる[4]

食性は植物食(一部は植物食傾向の強い雑食)だが、昆虫、陸棲の貝類、動物の死骸などを食べることもある[4]

人間との関係

[編集]

生息地では、食用とされることもある。

開発による生息地の破壊、食用やペット用の乱獲などにより生息数が減少している種もいる[4]

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。主に平面的な活動を行うため、床面積の広いケージを用意する[4]

画像

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ I, II and III (valid from 22 June 2021)<https://cites.org/eng> [Accessed 05/07/2021]
  2. ^ a b Turtle Taxonomy Working Group [A. G. J. Rhodin et al,]. 2017. Turtles of the World: Annotated Checklist and Atlas of Taxonomy, Synonymy, Distribution, and Conservation Status (8th Ed.). In: A. G. J. Rhodin et al. (Eds.). Conservation Biology of Freshwater Turtles and Tortoises: A Compilation Project of the IUCN/SSC Tortoise and Freshwater Turtle Specialist Group. Chelonian Research Monographs 7: Pages 1 - 292. https://doi.org/10.3854/crm.7.checklist.atlas.v8.2017. (Downloaded on 05 July 2021.)
  3. ^ a b c d Edward O. Moll 「カメ類の13科」松井孝爾訳『動物大百科12 両生・爬虫類』深田祝監修 T.R.ハリディ、K.アドラー編、平凡社、1986年、94 - 98頁。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 安川雄一郎 「ペットとしてのリクガメの飼育と分類」『エクストラ・クリーパー』No.3、誠文堂新光社、2008年、6 - 80頁。
  5. ^ a b 安川雄一郎 「ゾウガメと呼ばれるリクガメ類の分類と自然史(前編)」『クリーパー』第32号、クリーパー社、2006年、12 - 42頁。
  6. ^ 青木良輔 「2億年前から巧妙な進化をとげたワニ。陸棲に適応、多くが雑食のリクガメ。」『動物たちの地球 両生類・爬虫類5 リクガメ・ワニほか』第5巻 101号、朝日新聞社、1993年、130 - 131頁。
  7. ^ 安川雄一郎 「旧リクガメ属の分類と自然史1」『クリーパー』第59号、クリーパー社、2011年、40 - 74頁。
  8. ^ a b c d e 安川雄一郎 「旧リクガメ属の分類と自然史3」『クリーパー』第61号、クリーパー社、2012年、18 - 46頁。

関連項目

[編集]