ルネッサンス (バンド)
ルネッサンス Renaissance | |
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全盛期のラインナップ(1979年、左奥:Tサリヴァン、Mダンフォード、左前:Jタウト、Aハズラム、Jキャンプ) | |
基本情報 | |
出身地 | イングランド ロンドン |
ジャンル | |
活動期間 | |
レーベル | |
公式サイト | renaissancetouring.com |
メンバー | |
旧メンバー |
ルネッサンス(Renaissance)は、イングランド出身のプログレッシブ・ロック・バンド。同ジャンルの中でもシンフォニックな叙情派として広く知られる。
1969年に結成され、メンバー構成により大きく2つの時期に分かれる。印象的な女性ボーカリストを擁し、歌姫のアニー・ハズラムらを輩出した。
概要・略歴
[編集]※出典[4]。
1969年 - 1971年(オリジナル・ルネッサンス)
[編集]ブルースロック・バンド「ヤードバーズ」のメンバーだったキース・レルフ(ボーカル、ギター)とジム・マッカーティ(ドラムス)は、1968年にヤードバーズを脱退して、フォーク・デュオ「トゥゲザー」を結成した[5]。彼等はヤードバーズを1966年に脱退したポール・サミュエル=スミスをプロデュ―サーに迎えて、シングルを1作発表した[6]。
翌1969年、彼等は元ザ・ハードのルイス・セナモ(ベース)、元ナッシュヴィル・ティーンズのジョン・ホウケン(キーボード)、レルフの妹ジェーン・レルフ(ボーカル)を迎えて、5人編成の「ルネッサンス」を結成する。同年、サミュエル=スミスのプロデュースでデビュー・アルバム『ルネッサンス』を発表。ヤードバーズ時代のブルースとは大きく異なった、フォーク・ロックにクラシック音楽を加味したサウンドだった。
1970年、彼等は新作アルバムの制作に着手して数曲を録音したが、徐々に分裂し始め、やがてレルフとマッカーティは降板した。しかしアルバム契約の履行の為に、2人は引き続いてプロデューシングと曲作りに関与し、メンバーはホウケンと同じく元ナッシュヴィル・ティーンのマイケル・ダンフォード(ギター)らを迎えて、制作を継続した。翌1971年、レルフのプロデュースの下で紆余曲折を経て完成した2ndアルバム『幻想のルネッサンス』を発表した。
レルフとマッカーティが結成したルネッサンスは、1971年以後にダンフォードが主導したルネッサンスと区別して、俗に「オリジナル・ルネッサンス」とも呼ばれている[7]。その音楽は、後に元メンバーが「もう一つのルネッサンス」として結成した「イリュージョン」(Illusion)に受け継がれた。このバンド名は『幻想のルネッサンス』の原題である。
1971年 - 1987年(新生ルネッサンス)
[編集]アルバム『幻想のルネッサンス』完成後、ダンフォードに主導権が移行。流動的な編成を経て、1972年頃にはアニー・ハズラム(ボーカル)、ジョン・キャンプ(ベース)、ジョン・タウト(キーボード)、テレンス・サリヴァン(ドラムス)の新しいラインナップで固まり刷新。オリジナルとは似て非なる、新たなルネッサンスが再興された。通常、ルネッサンスというバンド名は、1971年以後のバンドを指すことが多い。
ダンフォードは主導権を握りつつも、オリジナル・ルネッサンスとの諸事情で正式メンバーとしては参加せず裏方に徹した。また2ndアルバムの収録曲に歌詞を提供したベティ・サッチャーが、引き続き作詞提供者として支援して6人目のメンバーと呼ばれるようになった。このラインナップで3rdアルバム『プロローグ』(1972年)、4thアルバム『燃ゆる灰』(1973年)をリリースする。
その後、新興レーベル「BTM」に移籍。第一弾の5thアルバム『運命のカード』(1974年)から、ダンフォードもプレイヤーとして正式メンバーに名を連ねた。このラインナップで6thアルバム『シェエラザード夜話』(1975年)、大手レーベル「ワーナー・ブラザース・レコード」から7thアルバム『お伽噺』(1977年)8thアルバム『四季』(1978年)などの作品を残している。『四季』からシングル・カットされた「北の輝き(Northern Lights)」は、全英シングルチャートで最高10位を記録した[8]。
1979年、9thアルバム『碧の幻想』発表後、サリヴァンとタウトが脱退。ワーナー・ブラザーズからも契約を解消され活動が停止してしまう。
残されたハズラム、ダンフォード、キャンプは別行動を取った後、再び集まって活動を継続。新作アルバム『カメラ・カメラ』『タイム・ライン』を発表するが、当時の流行に影響を受けたヴィジュアルになり、1970年代に築いたスタイルから徐々に掛け離れていった。
1985年にはキャンプも離れ、行き詰まったバンドは1987年に解散する。
1998年 - 現在(再始動以降)
[編集]解散後、ハズラムはソロ活動に移行。1990年代よりダンフォードの音楽活動「マイケル・ダンフォーズ・ルネッサンス」も活発化し、2000年に両者が合流。サリヴァンも復帰して正式に活動を再開し、同年に17年ぶりの新作になる12thアルバム『トスカーナ』を発表した[4]。翌2001年に初の日本公演を開催するなど、2002年まで活動を続ける。
その後しばらく活動が途絶えたが、2009年のデビュー40周年を契機に再び始動する。断続的にライブを行い、翌2010年には日本公演を開催。制作活動も再開する。
2012年11月、1971年のルネッサンスの結成時からの主導者だったマイケル・ダンフォードが脳内出血により死去[9]。当時からの在籍メンバーはハズラムだけになる。
2013年、ダンフォードの遺作で約12年ぶりの新作になる13thアルバム『消ゆる風』をリリース[10]。
2015年5月、全盛期時代のキーボーディスト ジョン・タウトがロンドンにて死去[11]。また再始動後から長年在籍していたベーシストのデヴィッド・キーズが、病気による事情で降板。本年以降、メンバーの出入りが多くなる。
2019年、結成50周年を銘打った北米ツアーを開始。50周年記念の特別公演には、オリジナル・ルネッサンスを創設したジム・マッカーティが客演した[13]。また、旧譜の最新リマスター盤発売も大々的に展開する。同年7月、闘病中だったデヴィッド・キーズが死去[14]。
2024年、オリジナル・ルネッサンスの創設メンバー ジョン・ホウケンが死去[15]。
影響
[編集]シェラザードやノヴェラのメンバーである平山照継がルネッサンスに大きな影響を受けて、その名残をバンド名や楽曲名に残している。
メンバー
[編集]※2022年11月時点
現ラインナップ
[編集]- アニー・ハズラム (Annie Haslam) - ボーカル (1971年- )
- マーク・ランバート (Mark Lambert) - ベース (1985年-1987年)、ギター (2015年- )
- レオ・トラバーザ (Leo Traversa) - ベース (2015年-2018年、2022年- )
- フランク・パガーノ (Frank Pagano) - ドラムス (2009年- )
- レイヴ・テーザー (Rave Tesar) - キーボード (2001年- )
- ジェフリー・ラングレー (Geoffrey Langley) - キーボード (2016年- )
旧メンバー
[編集]- キース・レルフ (Keith Relf) - ボーカル、ギター (1969年-1970年) ♰RIP.1976年
- ジェーン・レルフ (Jane Relf) - ボーカル (1969年-1970年)
- ルイス・セナモ (Louis Cennamo) - ベース (1969年-1970年)
- ジム・マッカーティ (Jim McCarty) - ドラムス (1969年-1970年、客演2019年)
- ジョン・ホウケン (John Hawken) - キーボード (1969年-1970年) ♰RIP.2024年
- マイケル・ダンフォード (Michael Dunford) - ギター (1970年-2012年) ♰RIP.2012年
- テリー・スレイド (Terry Slade) - ドラムス (1970年-1972年)
- ニール・コーナー (Neil Korner) - ベース (1970年-1971年)
- テリー・クロウ (Terry Crowe) - ボーカル (1970年-1971年)
- ビンキー・カロン (Anne-Marie "Binky" Cullom) - ボーカル (1970年-1971年)
- ジョン・タウト (John Tout) - キーボード (1970年-1980年、1998年-1999年) ♰RIP.2015年
- ダニー・マッカロウ (Danny McCulloch) - ベース (1971年) ♰RIP.2015年
- フランク・ファレル (Frank Farrell) - ベース (1971年) ♰RIP.1997年
- ジョン・ウェットン (John Wetton) - ベース (1971年-1972年) ♰RIP.2017年
- ジョン・キャンプ (Jon Camp) - ベース (1972年-1985年)
- ミック・パーソンズ (Mick Parsons) - ギター (1972年) ♰RIP.1972年
- ジンジャー・ディクソン (Ginger Dixon) - ドラムス (1972年)
- テレンス・サリヴァン (Terence Sullivan) - ドラムス (1972年-1980年、1998年-2002年)
- ロブ・ヘンドリー (Rob Hendry) - ギター (1972年-1973年)
- ピーター・ファイナー (Peter Finberg) - ギター (1973年)
- ピーター・ゴスリング (Peter Gosling) - キーボード (1980年-1983年)
- ピーター・バロン (Peter Baron) - ドラムス (1980年-1983年)
- マイク・テイラー (Mike Taylor) - キーボード (1983年-1984年)
- ギャヴィン・ハリソン (Gavin Harrison) - ドラムス (1983年-1984年)
- ラファエル・ラッド (Raphael Rudd) - キーボード (1984年-1987年) ♰RIP.2002年
- グレッグ・カーター (Greg Carter) - ドラムス (1984年-1985年)
- チャーリー・デスカーフィーノ (Charles Descarfino) - ドラムス (1985年-1987年)
- ミッキー・シモンズ (Mickey Simmonds) - キーボード (2001年-2002年)
- デヴィッド・キーズ (David J. Keyes) - ベース (2001年-2015年) ♰RIP.2019年
- トム・ブリスリン (Tom Brislin) - キーボード (2009年-2010年、2015年–2016年)
- ジェイソン・ハート (Jason Hart) - キーボード (2010年-2015年)
- ライク・シャランダ (Ryche Chlanda) - ギター (2013年-2015年)
- ジョン・アルボ (John Arbo) - ベース (2018年-2021年)
ディスコグラフィ
[編集]スタジオ・アルバム
[編集]- 『ルネッサンス』 - Renaissance (1969年)
- 『幻想のルネッサンス』 - Illusion (1971年)
- 『プロローグ』 - Prologue (1972年)
- 『燃ゆる灰』 - Ashes Are Burnning (1973年)
- 『運命のカード』 - Turn Of The Cards (1974年)
- 『シェエラザード夜話』 - Scheherazade And Other Stories (1975年)
- 『お伽噺』 - Novella (1977年)
- 『四季』 - A Song For All Seasons (1978年)
- 『碧の幻想』 - Azure D'or (1979年)
- 『カメラ・カメラ』 - Camera Camera (1981年)
- 『タイム・ライン』 - Time Line (1983年)
- 『トスカーナ』 - Tuscany (2000年)
- 『消ゆる風』 - Grandine il vento (2013年) / Symphony of Light (2014年) ※後者は再発盤
ライブ・アルバム
[編集]- 『カーネギー・ホール・ライヴ』 - Live At Carnegie Hall (1976年) ※旧邦題『ライヴ・アット・カーネギー・ホール』
- 『ライブ・イン・ジャパン 2001』 - In The Land Of The Rising Sun:Live In Japan (2001年)
- 『ツアー2011 -運命のカード/シェエラザード夜話-完全再現ライヴ-』 - Tour 2011 – Turn of the Cards and Scheherazade & Other Stories Live In Concert (2011年) ※CD2枚組 + DVD。ただし、CDの内容はDVDの音声のみ。※旧邦題『2011 ライヴ・イン・コンサート』
- 『ライヴ・アット・ジ・ユニオン・チャペル』 - Live at the Union Chapel (2016年)
- 『シンフォニック・ジャーニー:ライヴ・イン・USA』 - A Symphonic Journey (Live In Concert) (2018年) ※With The Renaissance Chamber Orchestra名義
- Ashes Are Burning An Anthology Live In Concert (2021年)
その他
[編集]- In the Beginning (1978年) ※『プロローグ』『燃ゆる灰』のコンピレーション
- Tales of 1001 Nights (1990年) ※2枚組ベスト・アルバム
- 『ダ・カーポ - ベスト・オブ・ルネッサンス』 - Da Capo (1995年) ※2枚組ベスト・アルバム
- 『キング・ビスケット・ライヴ』 - Live at the Royal Albert Hall : King Biscuit Flower Hour (1997年) ※1977年のライブ発掘盤
- Songs from Renaissance Days (1997年) ※1979年–1988年のアウトテイク集
- The BBC Sessions 1975–1978 (1999年) ※BBCセッション集
- Day Of The Dreamer (2000年) ※1978年のライブ発掘盤
- 『ライヴ・アット・ジ・アカデミー・オヴ・ミュージック・フィラデルフィア』 - Unplugged Live at the Academy of Music (2000年) ※1985年のライブ発掘盤
- 『ライヴ&ダイレクト』 - Live + Direct (2002年) ※1970年のライブ音源と1968年 -1976年のデモ音源等を収録
- Innocents and Illusions (2004年) ※『ルネッサンス』『幻想のルネッサンス』のコンピレーション
- 『ブリティッシュ・ツアー 1976』 - British Tour '76 (2006年) ※1976年のライブ発掘盤
- 『ドリームス&オーメンズ』 - Dreams & Omens (2008年) ※1978年のライブ発掘盤
- 『ライヴ・イン・シカゴ1983』 - Live in Chicago (2010年) ※1983年のライブ発掘盤
- 『ザ・ミスティック・アンド・ザ・ミューズ』 - The Mystic and The Muse (2010年) ※EP
- 『パスト・オービッツ・オブ・ダスト』 - Past Orbits of Dust (2012年) ※1969年 - 1970年のライブ音源とリマスター・スタジオ音源を収録
- 『ディ・レーン・リー・スタジオ 1973』 - De Lane Lea Studio (2014年) ※1973年のライブ発掘盤
- 『アカデミー・オブ・ミュージック 1974』 - Academy of Music (2015年) ※1974年のライブ発掘盤
- 『フィルモア・ウェスト1970』 - Live Fillmore West 1970 (2016年) ※1970年のライブ発掘盤
- 『ライヴ・アット・ザ BBC』 - Live at the BBC Sight & Sound (2017年) ※BBCセッション集の拡大版
マイケル・ダンフォーズ・ルネッサンス
[編集]マイケル・ダンフォーズ・ルネッサンス(Michael Dunford's Renaissance)は、ダンフォードとステファニー・アドリントン(Stephanie Adlington)によるコラボレーション。
- 『もう一人の私』 - The Other Woman (1994年) ※ルネッサンス名義
- 『オーシャン・ジプシー』 - Ocean Gypsy (1997年) ※過去のルネッサンス楽曲の新録。日本盤はルネッサンス名義
- Trip To The Fair (1998年) ※アルバム上記2枚の編集盤
脚注
[編集]- ^ a b c Eder, Bruce. Renaissance | Biography & History - オールミュージック. 2021年5月28日閲覧。
- ^ Trevelise, Steve (2021年5月26日). “Renaissance's Annie Haslam on 50th Anniversary release, Ed Sciaky”. New Jersey 101.5 (Townsquare Media, Inc.) 2021年5月29日閲覧。
- ^ “Bandヒストリー”. ルネッサンス公式サイト. 2021年5月28日閲覧。
- ^ a b RENAISSANCEバイオグラフィ - AVALON
- ^ “Discogs”. 2024年3月9日閲覧。
- ^ “Discogs”. 2024年3月9日閲覧。
- ^ オリジナル・ルネッサンスの作品群が拡張版リマスターで再発 - CDjournal
- ^ “RENAISSANCE - full Official Chart History”. Official Charts Company. 2019年1月30日閲覧。
- ^ ルネッサンスのマイケル・ダンフォードが死去 - amass
- ^ 消ゆる風 ルネッサンス - billboard JAPAN
- ^ 元ルネッサンスのキーボード奏者ジョン・タウトが死去 - amass
- ^ “ルネッサンス、8年ぶりの来日公演決定”. BARKS (2018年7月5日). 2018年9月14日閲覧。
- ^ “ルネッサンス 50周年記念公演のライヴ作品『Ashes Are Burning』発売 創設メンバーのジム・マッカーティ共演”. amass (2021年3月1日). 2021年5月12日閲覧。
- ^ “ルネッサンスで活躍したベーシストのデイヴィッド・J・キーズが死去”. amass (2019年7月15日). 2021年5月29日閲覧。
- ^ “オリジナル・ルネッサンス/イリュージョン/ストローブス等で活躍 キーボード奏者のジョン・ホウケン死去”. amass (2024年5月17日). 2024年5月21日閲覧。