一ノ瀬響
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一ノ瀬 響(いちのせ きょう、1972年6月26日 - ) は、東京都生まれの日本の作曲家。男性。父は作曲家・編曲家の一ノ瀬義孝、母はハワイアン歌手の日野てる子、姉は作曲家の一ノ瀬トニカ。
略歴
[編集]1972年、東京都生まれ。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学大学院音楽研究科修士課程修了。大学在学中に現代音楽の作曲家として活動を開始する。以降、アルバム発表やコンサートといったソロ活動に加え、ユニット活動、CM音楽の作曲、映像作品のサウンドトラック制作、各分野アーティストとのコラボレーション及び楽曲提供、編曲、空間デザインやインスタレーションにおけるサウンドプログラミング等、ジャンルを横断した多彩な活動を展開。その作品も、活動の場同様、手法やジャンル、カテゴリによっては分類されない独自の「音」及び「音楽」観によって構築され、特にソロ作品においては、作風も含めて一作ごとに新機軸を打ち出す。また、2004年に発表されたセカンドアルバム『Lontano』が英国の音楽雑誌 “WIRE” の特集 ‘Rewind 2005’ にて ‘50 Records Of The Year plus specialist charts’ の一枚に選出されるなど、ヨーロッパをはじめとした海外からの評価も高い。2022年より日本音楽著作権協会(JASRAC)編曲審査委員会の委員。
主な受賞歴
[編集]- 1992年 第16回神奈川芸術祭作曲コンクール入賞
- 1993年 第10回名古屋文化振興賞入選 (「Breathing for string sextet」作曲)
- 1994年 東京藝術大学安宅賞受賞(ソロヴァイオリンとオーケストラのための「COMMUNION」作曲)
- 2006年 英国音楽雑誌 “WIRE” の特集 ‘Rewind 2005’ にて ‘50 Records Of The Year plus specialist charts’ の一枚に選出 (ソロアルバム『Lontano』)
ディスコグラフィー
[編集]アルバム
[編集]- よろこびの機械 (F.R.D. Record、2002年)
- Lontano (CUBIC MUSIC、2004年)
- A DAY (リビングワールド・川崎義博と共作、2007年)
- Protoplasm (STARNET MUZIK、2007年)
- Earthrise 2064 (PLOP/mu-nest、2011年)
- よろこびの機械2015 (Novel Sounds、2015年)
シングル
[編集]コラボレーション
[編集]プロデュース
[編集]- MAXバラエティーショー!! (オムニバスアルバム、「The First Flight」収録、KAERU CAFE、1997年)
- yume (藤原道山ソロアルバム、コロムビアミュージックエンタテインメント、2002年)
アニメサウンドトラック
[編集]- CHAOS;HEAD (姉・一ノ瀬トニカとのユニット「tOkyO」名義、バップ、2009年)
参加作品
[編集]- FRONTECONTROFRONTIERA (「The First Flight」収録、Ars Publica、1999年)
- UTA (藤原道山ソロアルバム、日本コロムビア、2001年)
- touch 2 (CM曲集、ワーナーミュージック・ジャパン、2001年)
- COMPILATION MIMIKAKI Vol.2 (「Dear Resonance...(mimi-mix)」収録、KUWAGATA RECORD、2001年)
- 夏chai (CM曲集、ドリーミュージック、2003年)
- トキノコダマ2 (ALM RECORDS、2004年)
- We "hub" music! Vol. 01-04 (「Earthrise 2064(live version)」収録、MEGADOLLY、2011年)
- あまねく (Dual KOTO×KOTO アルバム、「あまねく」「I am here」収録、Studio N.A.T、2013年)
- スライド・パラノイア/Slide Paranoia (村田厚生アルバム、「Inner Mirror for trombone and electronics」収録、ENZO Recordings、2013年)
- ASPIDISTRAFLY
- 『A LITTLE FABLE』 (ストリングスアレンジ、2011年)
- 『Altar of Dreams』 (ピアノ、ストリングスアレンジ、2022年)
映画音楽
[編集]- 春のゆらぎ (横井真紀監督作品、2006年)
- 『名前のない道』 TOUR DE TSUMARI (企画 : 伊藤嘉朗、泉山朗土、相澤久美、制作 : silent voice、2014年)
- 物体-妻が哲学ゾンビになった- (伊刀嘉紘監督作品、2023年)
- ショートフィルム
- 「紫陽花の山」 (西川文恵監督作品、2019年)
- 「JOMON わたしのヴィーナス」 (西川文恵監督作品、2023年)
TVCM
[編集]- 大和証券 (2000年)
- オンワード組曲 (2000年・2001年)
- キユーピーマヨネーズ (2001年)
- ACジャパン「IMAGINATION/WHALE」(「鯨・イマジネーション」) - 2002年、本CMはカンヌ国際広告祭・アジア太平洋広告祭各部門・One Show・クレスタ賞・クリオ賞・ニューヨークADC賞・全日本CMフェスティバル等にて種々の賞を受賞
- ポカリスエット (2002年)
- ユニクロ
- Baby (2003年)
- エクストラファインメリノ(2019年)
- DTC/トリロジー (2003年-2005年)
- ソニー PlayStation 3 (2007年)
- ソニーモバイルコミュニケーションズ W62S (2008年)
- 資生堂 ホワイトルーセント (SHISEIDO WHITE LUCENT) (2009年)
- たかの友梨ビューティクリニック (2010年)
- プリンセス・クルーズ (2013年)
- JSR (2018年)他
楽曲提供・音楽担当
[編集]- NHK制作「ビッグウェーブサーファー ~世界最大の波を求めて~」DVD版(2018年)
- NHK BS1スペシャル「筋肉女子~スーパー美ボディへの道~」(2019年)
- NHK札幌放送局制作 BS8K「天塩川~氷の一本道の物語~」(2021年)
- 他
活動
[編集]委嘱作品
[編集]- 1999年 7月 東京の夏音楽祭 : 邦楽器グループ 糸 「夢がひとつ。」 (草月ホール/東京)
- 2000年11月 ギター×オーボエ×コンポーザー : 「Points & Lines」 (アサヒビールロビー/東京)
- 2006年
- 7月 螺鈿隊サマーコンサート : 「canon for 52 strings」 (MUSICASA/東京)
- 12月 成蹊大学ギターソサイエティコンサート : 「3 Canons for Guitar ensemble and double basses」 (中野ZERO小ホール/東京)
- 2009年11月 箏衛門ライブvol.24 : 「We Are Still All Connected」 (MUSICASA/東京)
- 2010年
- 7月 すみだ川アートプロジェクトSUPER JULY!! 「Ceremony」 : 聖歌隊 CANTUS 「Love Celestial」 (Asahiアートスクエア/東京)
- 12月 田中悠美子ミュージックパフォーマンス「たゆたうた」 : 「心の澄むものは」及びシアター音楽 (Asahiアートスクエア/東京)
- 2013年
- 2021年 3月 村田厚生トロンボーン・ソロリサイタル : 「あるいは修羅の十億年」 (杉並公会堂/東京)他
パフォーマンス
[編集]- 2002年 2月 The machinery of Joy : ソロアルバムリリースライブ (Uplinkファクトリー/東京)
- 2003年11月 Seigen Ono Plus : real time audio constructing (Comme des garcons/大阪)
- 2004年 1月 日本の作曲・21世紀へのあゆみvol.27「響きの東西II」 : 柴田南雄作品「閏月棹歌」の電子装置担当 (紀尾井ホール/東京)
- 2005年
- 1月 Lontano in concer : ソロアルバムリリースライブ (superdelux/東京)
- 2月 Music Night : 藤原道山と共演 (Apple Store Ginza/東京)
- 7月 Ooo オルガン・オルケストラ・オルガナイゼイション 「ひかり祭」 : 作曲、粟野ユミト、嶋田力他と共演 (牧郷ラボ/神奈川)
- 10月 Further Than ‘Lontano’ : マルチチャンネルイメージ&サウンドプログラミング、lontano strings quartet(花田和加子、古川仁菜、中島久美、徳澤青弦)と共作 (Asahi アートスクエア/東京)
- 2006年 6月 松井茂「ExFormation」の詩学 : 「てのおと、おとのて」 (UPLINK FACTOR/東京)
- 2007年
- 2月 音楽文化研究室主催orb vol.4 (川越市立美術館アートホール/埼玉)
- 3月 -光の鼓動- “ZAIM de FESTA” : サポート・石川高(笙) (Zaim/横浜)
- 8月 Protoplasm Concert : ソロアルバムリリースライブ、サポート・石川高(笙) (STARNET RECODE/栃木)
- 8月 金沢ソロ+IRON CODE リハーサル・セッション : 金沢健一、久保田晃弘と共演 (川越市立美術館市民ギャラリー/埼玉)
- 9月 ノシロナオコ「そこにある身体」 (Raft/東京)
- 9月 金沢健一「音のかけら」とパフォーマンス : 金沢健一、久保田晃弘と共演 (上野の森美術館ギャラリー/東京)
- 12月 フェリス音楽コンテンツフォーラム : ゲストアーティスト、 pianaと共演 (BankART 1929 Yokohama/神奈川)
- 12月 ピアノと音のかけらの間に : 金沢健一と共演 (東京藝術大学千住校/東京)
- 2008年
- 6月 Abnormal Echo vol.5 : 石川高(笙)と共演 (loop-line/東京)
- 8月 IRON CODE Session : 金沢健一、久保田晃弘、小野寺唯と共演 (川越市立美術館市民ギャラリー/埼玉)
- 2009年 1月 Lexus Xover Performance : 藤原道山、神田サオリと共演 (Lexus RX Museum/東京)
- 2010年12月 田中悠美子ミュージックパフォーマンス「たゆたうた」 : 作曲、音楽監修、田中悠美子をサポート (Asahiアートスクエア/東京)
- 2011年
- 2012年
- 1月 “Earthrise 2064” in Concert : ソロアルバムリリース記念コンサート、一ノ瀬響アンサンブル(一ノ瀬響+神田智子+花田和加子+CANTUS) (サローネ・フォンタナ/東京)
- 5月 イメージ・コンバージョン・ナイト -音による映像の〈改造〉実験- : ヲノサトル、鈴木治行と共演 (音楽実験室 新世界/東京)
- 9月 音のかけらと音楽のかたち「未知なる響きへ」 : 金沢健一、石川高と共演 (川越市立美術館アートホール/埼玉)
- 12月 Crosss Masayoshi Fujita × Kyo Ichinose Ensemble : Masayoshi Fujita、Kyo Ichinose Ensemble(一ノ瀬響+神田智子+花田和加子+徳澤青弦) (富士見丘教会/東京)
- 2013年
- 2016年11月 「Scores Live 1 CHORAL EXTENDED」 : 金沢健一、曽我部清典と共演 (川越市立美術館アートホール/埼玉)
- 2017年11月・12月 Scores ライブ・パフォーマンス 一ノ瀬響+曽我部清典+金沢健一 : 金沢健一、曽我部清典と共演 (東京アートミュージアム/東京)
- 2019年5月 Corey Fuller + Break Ensemble : Corey Fuller (Piano + Electronics) / 一ノ瀬響 (Piano) / 須原杏(Violin) / 波多野敦子(Viola) / 千葉広樹(contrabass) (WWW/東京)
- 2023年11月 「絵夢 ~ KITCHEN. LABEL 15 in Tokyo」 : ASPIDISTRAFLY Ensemble (with Kyo Ichinose / Shione Yukawa / Seigen Tokuzawa Quartet) (WWW/東京)
- 他
展示作品
[編集]- 2000年10月 Cyber Seed : サウンドデザイン、小阪淳と共作 (Sony Explora Science/北京)
- 2001年 8月 Shadow Rays : サウンドデザイン、奥村理絵と共作 (感覚ミュージアム/宮城)
- 2003年 4月 一日/A DAY(生命のリズム) 「日本科学未来館 時間旅行展」 : サウンドデザイン、Living World主制作作品の音楽担当 (日本科学未来館/東京)
- 2004年
- 2006年 8月 風を待つ部屋 : インスタレーション、Living Worldと共作 (STARNET ZONE/栃木)
- 2013年
- 2月 音楽家の写真展 : 写真及びサウンドトラック、安田寿之、伊藤秀樹と共同開催 (foo/東京)
- 11月 音のかけらと音楽のかたち2013 《“層-8枚の板による”120のヴァリエーション》の音楽 : 金沢健一の作品《“層-8枚の板による”120のヴァリエーション》、およびその制作規則に基づく音楽の展示 (川越市立美術館アートホール/埼玉)
- 2015年 7月‐9月 48th Sony Aquarium : ドキュメンタリー映像作品 “SIGNS OF LIFE” 音楽 (ソニービル/東京)
- 2016年11月 音のかけらと音楽のかたち2016 Scores 2 : 金沢健一の作品「Scores」に基づく音楽の制作 (川越市立美術館アートホール/埼玉)
- 2017年11月‐12月 Scores 彫刻 音楽 建築 Part 2 金沢健一+一ノ瀬響+曽我部清典 : 金沢健一(彫刻)、曽我部清典(トランペット)とのコラボレーション (東京アートミュージアム/東京)
- 2019年11月 金沢健一 + 一ノ瀬響 彫刻/音楽 抽象の方法論 (川越市立美術館アートホール/埼玉)
- 他
その他
[編集]- 田中悠美子DVD「ミュージックパフォーマンス」(2016年) - オリジナル公演の音楽監督等
- 飛騨高山美術館 Hida Takayama Museum of Art (2024年) - 音楽制作
外部リンク
[編集]- Kyo Ichinose Website
- 一ノ瀬響 (@kyoichinose) - Instagram
- 一ノ瀬響 (@kyo_ichinose) - X(旧Twitter)
- “loop” 2005年1月15日インタビュー記事
- “OTOTOY” 『Earthrise 2064』インタビュー記事
- “OTOTOY” 『よろこびの機械2015』インタビュー記事
- 一ノ瀬響 - 2011 - Earthrise2064 レビュー