藤原道山
藤原道山 | |
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生誕 | 1972年7月10日(52歳) |
出身地 | 日本・東京都 |
学歴 | 東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業、東京藝術大学大学院音楽研究科邦楽専攻修了 |
ジャンル | 邦楽 |
職業 | 尺八演奏家、作曲家 |
担当楽器 | 尺八 |
事務所 | 株式会社DO |
公式サイト | 藤原道山オフィシャルサイト |
藤原 道山(ふじわら どうざん、1972年7月10日-)は、東京都生まれの尺八演奏家、作曲家。ニックネームは ”和楽器の貴公子"。
来歴・エピソード
[編集]箏曲家の祖母の影響を受けて10歳より尺八を始める。14歳から人間国宝山本邦山に師事、都山流師範となり以後、道山を名のる。
江戸川区立平井東小学校[1]、江戸川区立小松川第一中学校、東京都立小松川高等学校を経て東京芸術大学音楽学部邦楽科卒業。在学中に安宅賞を受賞。卒業の際、皇居にて上皇后美智子ほか皇族の前で演奏する。
大学時代には作曲専攻生との実験的な音楽への製作や、オーケストラとの共演を行うなど様々な音楽活動を行う[2]ほか、雅楽、能楽、狂言、囃子、箏曲などのさまざまな邦楽器にも興味を持ち研鑽を積む[3]。1997年 - 同大学院音楽研究科修了。その後、同大学の非常勤講師を2年間務める。
2000年 - みやざきみえこ(箏奏者)とユニット「East Current」を結成。2001年 - 日本コロムビアよりファーストアルバム「UTA」をリリース。2003年 - 江戸川区文化功績賞を受賞(江戸川区の中学校公演の普及活動の功績により)。2004年 - East Currentアメリカでツアーを行う[4]。
2006年 - 9月サントリーホール20周年コンサートに出演。武満徹作曲「ノヴェンバーステップス」のソリストとして、友吉鶴心(琵琶)、クリスティアン・アルミンク(指揮)、新日本フィルハーモニー交響楽団と共演。
2006年 - 山田洋次監督『武士の一分』 (木村拓哉主演 音楽:冨田勲)の劇中音楽にゲストミュージシャンとして参加。2007年 - 古川展生(チェリスト)、妹尾武(ピアニスト)とのユニット「KOBUDO -古武道-」(ユニット名は古川の古、妹尾の武、藤原の道から)を結成。これまでに6枚のアルバムと1枚のDVDをリリース。全国ツアーやレコーディング活動を行っている。
2008年 - 稲本響(ピアノ、作曲)、村治佳織(ギター)、三響会(邦楽囃子)、英哲風雲の会(和太鼓)とともに、珠響(たまゆら)を結成。芝・増上寺、サントリーホールで結成コンサートを行う。2010年には全国5都市でのツアーを行う。
2009年 - ウィーンフィルコンサートマスターのフォルクハルト・シュトイデ率いるシュトイデ弦楽四重奏団とコンサートツアー及びウィーンにてレコーディングを行う。
2009年 - 東京発・伝統WA感動(東京都・公益財団法人東京都歴史文化財団主催)邦楽コンサート「東都の秋 月を奏でる」にて千住明作曲「月光」を初演(指揮:千住明、箏:萩岡松韻、東京シティフィルハーモニック管弦楽団)。2011年 - 第32回松尾芸能賞・新人賞を受賞。5月28日公開の映画「手塚治虫のブッダ」ー赤い砂漠よ!美しくー(音楽:大島ミチル)に、ゲストミュージシャンとして参加。
2012年よりマリンビストSINSKEとユニット結成。全国コンサートツアー及びアルバムリリース。
2013年 - 東京芸術大学非常勤講師となる。
2014年 - いずみシンフォニエッタ大阪 第32回定期演奏会「邦楽器との響演」にて川島素晴作曲「尺八協奏曲」を初演。2015年 - アメリカ・シアトルのBenaroya Hallにて菅野祐悟作曲「箏と尺八と管弦楽のための協奏曲-Revive-」を遠藤千晶(箏独奏)、キャロリン・クアン(指揮)、シアトル交響楽団と共演[5]。
2015年 - 尺八アンサンブル「風雅竹韻」を結成。藤倉大作曲「ころころ~独奏尺八のための」を大阪いずみホールにて初演。
2015年8月24日 - サントリーホールにて15周年Anniversary concertを開催。山田和樹の指揮、横浜シンフォニエッタとの共演。高橋留美子原作のTVアニメ『境界のRINNE』のサントラにゲストミュージシャンとして参加[6]。
2018年7月 - 大島ミチル作曲「箏と尺八のための協奏曲 -無限の扉-」を遠藤千晶(箏独奏)、藤岡幸夫(指揮)、日本フィルハーモニー交響楽団と初演。
2018年9月開催 - 第60回熊本県芸術文化祭オープニングステージ「邦楽」の音楽監督を務める。
2018年 -コロムビアからリリースした古典アルバム「季(TOKI)〜冬〜」が平成30年度(第73回)文化庁芸術祭優秀賞を受賞[7]。2019年 -マリンバ奏者SINSKE氏と全国ツアーおよびイタリア公演を行う。
2019年9月開催 -第61回熊本県芸術文化祭オープニングステージ「民謡」の総合演出を務める。
2020年1月11日 -紀尾井ホール小ホールにて開軒30周年記念「第一回 道山会演奏会」を開催。
2020年 - KOBUDO-古武道-で編曲を担当した台湾のアーティスト「許哲珮(Peggy Hsu)」の楽曲「戰(Ikusa)」が、台湾・金曲奨(Golden Melody Awards)「最優秀編曲賞」を受賞。
2020年 - デビュー20周年を迎えアルバム及び譜面集「雙 -SO-」をリリース、東京、愛知、大阪、福岡にて記念コンサートを開催。2021年 - 令和二年度 第71回 芸術選奨文部科学大臣賞を受賞[8]。
2022年 - 東京藝術大学音楽学部准教授に就任。
2022年 - 藤倉大作曲「尺八協奏曲」をフランスにて世界初演。尾高賞を受ける 2022年11月開催 - 第64回熊本県芸術文化祭スペシャルステージ ONE PIECE×人形浄瑠璃 清和文楽「超馴鹿船出冬桜 ちょっぱあふなでのふゆざくら」の総合演出を務める。 2022年 - 第5回 服部真二音楽賞受賞[9]。
2023年 - 藤倉大作曲「尺八協奏曲」を杉山洋一指揮、NHK交響楽団と共演[10]。
現在までに、18枚のソロアルバム、KOBUDO-古武道-(9作)、藤原道山×SINSKE(12作)、齋藤孝監修の呼吸に関するアルバム『イキイキ』、映像作品ほかリリース。
純邦楽にとどまらず、様々な歌手、音楽家や美術家、俳優などとのコラボレートを積極的に行い、尺八の新境地を切り開く幅広い音楽活動を行っている。
都山流尺八楽会所属 都山流大師範[11]。
ディスコグラフィ
[編集]ソロアルバム
[編集]- UTA (2001年)
- yume (2002年)
- East Current (2003年・箏演奏家みやざきみえことの共演)
- 空 - Ku-(2004年・千住明のプロデュース)
- 壱 ICHI (2005年)
- かざうた (2006年・武部聡志のプロデュース)
- 響 kyo -藤原道山×冨田勲- (2008年)
- 故郷 〜日本の四季〜 (2009年)
- 天 ten(2010年)
- 山本邦山作品集 讃 SAN(2010年)
- 山本邦山作品集 讃 SAN Live盤(2011年)
- FESTA (2011年・ウィーンフィルコンサートマスター フォルクハルト・シュトイデとの共演)
- 季(TOKI)〜春〜(2014年)※古典アルバム(深海さとみ・山勢松韻・菊原光治・富山清琴ほか共演)
- 道 -michi- 藤原道山15th Anniversary BEST (CD+DVD)(2015年)
- 季(TOKI)〜夏〜(2015年)※古典アルバム
- 季(TOKI)〜秋〜(2016年)※古典アルバム
- 季(TOKI)〜冬〜(2018年)※古典アルバム 平成30年度(第73回)文化庁芸術祭優秀賞受賞
- 雙-SO- (2020年) ピアノとのデュオアルバム
藤原道山×SINSKE
[編集]- 藤原道山×SINSKE Fifth anniverSary iiiii(2016年)
藤原道山×SINSKE ツアーアルバム
[編集]- BOLERO (2012年)
- 風神雷神 (2013年)
- OPERA (2014年)
- 星月夜 (2015年)
- FIVE (2016年)
- 四季-春夏秋冬-(2017年)
- 花-FlowerS-(2018年)
- 和★showa(2019年)
- Classic!(2020年)
- 十年十色(2021年)
- Piazzolla(2022年)
- 東方見聞録(2023年)
KOBUDO -古武道-
[編集]- KOBUDO (2007年)
- 風の都 (2008年)
- 時ノ翼 (2009年)
- イツクシミ (2011年)
- OTOTABI-音旅-(2013年)
- cuisine de classic (2015年)
- KOBUDO -古武道- 10th Anniversary BEST ALBUM“十年祭”(2017年)
- HORIZON(2019年)
- 光(2022年)
風雅竹韻
[編集]- 風雅竹韻/藤原道山尺八アンサンブル(2018年) 藤原道山がプロデュースする若手尺八奏者との共演
音楽監修
[編集]- 「第二楽章 福島への思い」(2015年) 吉永小百合朗読アルバム
映像
[編集]- 古武道音絵巻 其の一 (2010年)DVD
- 藤原道山 15th Anniversary コンサート(2016年)Blu-ray+CD
- Clementia(2016年)DVD
楽譜
[編集]- 藤原道山「雙 -so-」デビュー20周年記念アルバムのマッチングスコア(YAMAHA)
テレビ・CM音楽
[編集]テレビ
[編集]- 和風総本家(テレビ大阪制作)KOBUDO -古武道-として挿入曲を制作演奏
- 心の都へスペシャル 栗山千明の“極める”京都(日本テレビ)KOBUDO -古武道-として番組テーマ曲を制作演奏
- 少年時代『東海テレビ開局50周年記念』番組(東海テレビ制作、フジテレビ系列2009年6月21日放送)KOBUDO -古武道-として音楽を担当
- NEWS23 (2009年3月末-2010年3月末、TBS) KOBUDO -古武道-として音楽を担当
- シリーズ 伝統芸能の若き獅子たち「一音一会・尺八奏者 藤原道山」(NHK BSプレミアム 2010年3月23日)
- ソロモン流 (2007年4月-10月) KOBUDO -古武道-の「Best Friend」が使用される
- 風雲児たち〜蘭学革命(れぼりゅうし)篇〜(NHK、2018年1月1日) - [一節切|演奏]
CM
[編集]映画音楽
[編集]- 武士の一分(音楽:冨田勲) ゲストミュージシャンとして参加(2006年)
- 手塚治虫のブッダ-赤い砂漠よ!美しく-(音楽:大島ミチル)ゲスト・ミュージシャンとして音楽に参加(2011年)
- BUDDHA2 手塚治虫のブッダ-終わりなき旅-(音楽:大島ミチル)ゲスト・ミュージシャンとして音楽に参加(2014年)
舞台音楽
[編集]- 天切り松 (浅田次郎 原作 / 中嶋しゅう 演出)2006年
- 怪談 (小泉八雲 原作)2007年
cast:橋爪功
- 華々しき一族 (森本薫原作 / 石井ふく子 演出) 2008年 KOBUDO -古武道-として音楽を担当
- 父と暮せば(井上ひさし原作 / 池内美奈子 演出)2009年
cast:中嶋しゅう、岡野真那美
- 狂言師、敦を語り読む「わが西遊記」の中 『悟浄出世』『悟浄歎異』(野村萬斎 演出)2009年
cast:野村万作、野村万之介、野村萬斎ほか
- ANJIN イングリッシュ・サムライ(グレゴリー・ドーラン演出 ) 2010年
- ろくでなし啄木 (三谷幸喜脚本・演出作品)2011年
- 金閣寺 (宮本亜門演出)※尺八指導 2011年
- 鶴 (ウィル・タケット演出・振付) 2012年
cast:首藤康之、クリストファー・マーニー、キャメロン・マクミラン、ナオミ・コビー、ヌーノ・シルバ、後藤和雄
- 春の雪(石井ふく子演出)2013年
cast:若尾文子、三田村邦彦
cast:市川猿之助、市川門之助、市川笑也、市川笑三郎、市川寿猿、市川弘太郎、市川春猿、市川猿弥、福士誠治、佐々木蔵之介 ほか
- Clementia (川崎悦子構成・演出・振付)2015年
- スーパー歌舞伎セカンド「ワンピース」(四代目市川猿之助主演) 2015年 ※音楽
cast:市川猿之助、市川右近(初代)、坂東巳之助、中村隼人、坂東竹三郎、平岳大、嘉島典俊、浅野和之 ほか
- マクベス(野村萬斎 演出)2016年
cast:野村萬斎、鈴木砂羽、小林桂太、高田恵篤、福士惠二
- ハムレット(ジョン・ケアード 演出) 2017年
cast:内野聖陽、貫地谷しほり、北村有起哉、加藤和樹、山口馬木也、今拓哉、壤晴彦、村井國夫、浅野ゆう子、國村隼ほか
- 黄昏(鵜山仁 演出)2018年 ※音楽
cast:八千草薫、朝海ひかる、松村雄基、若山耀人、伊藤裕一、村井國夫
- 九十歳。何がめでたい(佐藤愛子原作 / 石井ふく子 演出) 2018年 ※音楽
cast:三田佳子、井上順、石野真子、高田翔(ジャニーズJr.)
- スーパー歌舞伎セカンド「新版オグリ」(梅原 猛 原作 横内謙介 脚本 四代目市川猿之助・杉原邦生 演出)2019-2020年 ※音楽
cast:四代目市川猿之助、中村隼人、坂東新悟、市村竹松、市川男寅、市川笑也、中村福之助、市川猿弥、中村玉太郎、市川弘太郎、市川寿猿、市川右近(2代目)、市川笑三郎、市川男女蔵、市川門之助、石橋正次、下村青、石黒英雄、髙橋洋、嘉島典俊、浅野和之 ほか
- 「風の又三郎」2020年 ※音楽・出演 cast:名取裕子
- 「お伽の棺 2020」(横内謙介 脚本・演出)2020年 ※音楽監修
- 『MANSAI◉解体新書 その参拾弐 完 「檄」~初心不可忘~』2022年 ※音楽監修・出演
cast:野村萬斎、 MANSAI BAND(藤原道山、田嶋謙一、豊剛秋、山田文彦、辻祐、神田佳子)
- ムジカと生きる 2022年 (穴井豪 演出 石橋直也 脚本) ※音楽監修
- ハムレット (野村萬斎演出・出演作品)2023年 ※音楽監修
cast: 野村裕基/岡本圭人/藤間爽子/釆澤靖起/松浦海之介/森永友基/月崎晴夫/神保良介/浦野真介/遠山悠介/村田雄浩/河原崎國太郎/若村麻由美/野村萬斎
- 第1回 安達ケ原-鬼女の孤独 萬斎の伝統芸能ラボ Dengei-LAB(野村萬斎演出・出演作品)2023年 ※音楽監修
cast: 野村萬斎、大槻文蔵、野村裕基、大槻裕一 演奏:藤原道山、前川光範、日原暢子、増田義基
ライブ、レコーディングのサポート、ゲスト参加
[編集]坂本龍一、福山雅治、本田美奈子.、中島啓江、遊佐未森、坂本冬美、藤あや子、長山洋子、加藤登紀子、和田アキ子、姿月あさと、アディエマス、野村萬斎、上妻宏光、林英哲、一噌幸弘、千住明、葉加瀬太郎、高嶋ちさ子、溝口肇、SINSKE、松永貴志、春風亭小朝、柳家花緑、賈鵬芳、ウェイウェイ・ウー、アキコ・グレース、村治佳織、三響会、市川亀治郎、市川猿之助、国府弘子、吉永小百合、渡辺真知子、小原孝、友吉鶴心、小柳ゆき、大黒摩季
出演番組
[編集]テレビ
[編集]- にほんごであそぼ(NHK Eテレ)
- 仏法僧に捧げるシンフォニー(NHK)
- 課外授業ようこそ先輩(NHK 2008年9月21日放送)
- プレミアム8「伝統芸能の若き獅子たち・藤原道山」(NHK-BShi 2010年3月23日放送)
- SWITCHインタビュー 達人達(2015年4月4日、NHK Eテレ)女優吉永小百合と対談
ラジオ
[編集]受賞歴
[編集]- 安宅賞(1995年)
- 江戸川区文化功績賞(2003年)
- 松尾芸能賞(2011年)
- 文化庁芸術祭優秀賞(2018年)
- 台湾・金曲奨(Golden Melody Awards)「最優秀編曲賞」(2020年)
- 芸術選奨文部科学大臣賞(2021年)
- 服部真二音楽賞(2022年)
主な弟子
[編集]風雅竹韻
[編集]出典
[編集]- ^ NHK Eテレ課外授業 ようこそ先輩「壁また壁!だから尺八は面白い」(2008年9月21日放送) [リンク切れ]
- ^ 川島素晴「尺八(五孔一尺八寸管)のためのエチュード」解説
- ^ J-wave:ANA WORLD AIR CURRENT2005年3月12日記事より[リンク切れ]
- ^ office front HPより2004年3月、「国際交流基金」主催事業として「イーストカレント(箏:みやざきみえこ&尺八:藤原道山)」のアメリカ・ツアー(サンディエゴ、メキシコ/ティファナ、シカゴ、スポケン、シアトル、フェニックス)に舞台監督として帯同。[リンク切れ]
- ^ http://www.soysource.net/column/2015/02/interview-fujiwara-dozan/[リンク切れ]
- ^ https://www.barks.jp/news/?id=1000118299
- ^ “平成30年度(第73回)文化庁芸術祭賞受賞一覧”. 2019年1月28日閲覧。
- ^ “文化庁のホームページより”. 2021年3月19日閲覧。
- ^ “第5回服部真二音楽賞”. 2022年11月18日閲覧。
- ^ https://www.nhkso.or.jp/concert/20230627.html?pdate=20230627
- ^ “プロフィール”. 2019年1月28日閲覧。