三元九運

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三元九運(さんげんきゅううん)とは、占術で20年毎に変わる気の流れ[1]。洛書元運、行星運ともいう[2]。周期は540年間[2]

概要[編集]

古代中国の理論である河図洛書が基になっており、玄空派風水などで用いられる理論であり、区分である大元・正元・単元・九運が存在する[2]

  • 「大元」とは全周期のことであり、540年間で一周する[2]
  • 「正元」とは大元の三区分であり、上元180年間・中元180年間・下元180年間となる[2]
  • 「単元」とは更に正元を三区分した区分であり、前期60年間・中期60年間・後期60年間である[2]
  • 「九運」とは20年毎に切り替わる9個の大運であり、前期の60年間が「一運・二運・三運」、中期の60年間が「四運・五運・六運」、後期の60年間が「七運・八運・九運」となる[2]。また単に九運を「三元九運」と呼ぶこともある[3]

「運」ではなく「ピリオド」(一運はピリオド1)と呼ぶ流派も存在する[4][5]

切り替わりは必ず甲年で発生するが、切り替わりの月に関しては様々な年界説があり、立春冬至で切り替わるとされている。

三元九運理論は地球と密接な関係である木星と土星の運行に基づく[2]。木星は太歳星ともいい、約12年間で太陽の周りを一周し、土星は約30年間で太陽の周りを一周する[2]。木星と土星は20年毎に会合し、これが1つの運周期となる[2]。12年と30年の最小公倍数は60年であり、60年毎に木星と土星は同じ地点で会合し、この60年間が1元となる[2]

各運に切り替わると、その現行運が象徴する象意が強くなると言われている(例:第一運なら数字の「1」の霊力が強くなる)[4][5]。また現行運が自分の九星にとっての吉運であり、更に陰陽五行思想四柱推命などで元命の日干支や月干支と相性五行や用神であれば吉となる。

現在の風水鑑定では三元九運を用いて家の建築年を基に家運を調べる[3][6]。占術家であるリリアン・トゥーや多くの中国・香港などの中華圏の占術家は、屋根・外壁・家の中の床を現行運で変えるとその現行運の運気を吸収できるとしている[4]

逸話[編集]

  • 戦国武将の真田幸村三国志諸葛亮などは三元九運や三元奇門遁甲などの占術を駆使したとされている[3][7][8]
  • 中国では古代王朝、殷・周・漢・唐などの滅亡、または滅亡の原因となった出来事は全て後期60年間(七運・八運・九運)の時代に発生している[9]。日本でも九運に黒船来航など江戸時代が終了した原因が発生している。
次の運への移行月は多説有(年界を参照)。
大元 正元 単元 九運 九星 五行 十二支 方位 有名な出来事
540年間 上元 60年間 一運 1504年-1524年

2044年-2064年

一白水星
二運 1524年-1544年 二黒土星 火金土 裏鬼門 南西
三運 1544年-1564年 三碧木星
60年間 四運 1564年-1584年 四緑木星 木火土 南東
五運 1584年-1604年 五黄土星 中央
六運 1604年-1624年 六白金星 土金水 北西
60年間 七運 1624年-1644年 七赤金星 西
八運 1644年-1664年 八白土星 木土水 鬼門 北東
九運 1664年-1684年 九紫火星
中元 60年間 一運 1684年-1704年 一白水星
二運 1704年-1724年 二黒土星 火金土 裏鬼門 南西
三運 1724年-1744年 三碧木星
60年間 四運 1744年-1764年 四緑木星 木火土 南東
五運 1764年-1784年 五黄土星 中央
六運 1784年-1804年 六白金星 土金水 北西
60年間 七運 1804年-1824年 七赤金星 西
八運 1824年-1844年 八白土星 木土水 鬼門 北東
九運 1844年-1864年 九紫火星
下元 60年間 一運 1864年-1884年 一白水星
二運 1884年-1904年 二黒土星 火金土 裏鬼門 南西
三運 1904年-1924年 三碧木星
60年間 四運 1924年-1944年 四緑木星 木火土 南東
五運 1944年-1964年 五黄土星 中央
六運 1964年-1984年 六白金星 土金水 北西
60年間 七運 1984年-2004年 七赤金星 西
八運 2004年-2024年 八白土星 木土水 鬼門 北東
九運 2024年-2044年 九紫火星

脚注[編集]

  1. ^ 占い用語集『三元九運』 - コトバンク
  2. ^ a b c d e f g h i j k 三元九運論”. www.hanachi.jp. 2023年3月10日閲覧。
  3. ^ a b c 占い用語集. “三元九運(さんげんきゅううん)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2023年3月10日閲覧。
  4. ^ a b c リリアン・トゥー 著、田中 道朗 訳『リリアン・トゥーのフライングスター風水占い』小学館、2006年12月7日。ISBN 978-4093103978 
  5. ^ a b リリアン・トゥー 著、小林 祥晃 訳『図説 風水大全』東洋書林、1998年8月1日。ISBN 978-4887213210 
  6. ^ 都市・土地・建物に影響を及ぼす「三元九運」とは?|リビンマガジンBiz”. リビンマガジンBiz. 2023年3月10日閲覧。
  7. ^ 北条 一鴻『諸葛孔明の占術 三元奇門遁甲―為政者たちが禁書にした恐るべき的中率』徳間書店、1985年6月1日。ISBN 978-4195030974 
  8. ^ <奇門遁甲>たった5分の散歩で開運? | DAILYSUN NEW YORK”. www.dailysunny.com (2021年1月28日). 2023年4月7日閲覧。
  9. ^ 風水と三元九連 | 風水家相の間取り鑑定・設計専門のタオ家相設計工房” (jp). 風水家相の間取り鑑定・設計専門のタオ家相設計工房 | 風水家相の間取り鑑定・設計専門のタオ家相設計工房。住宅(玄関、インテリア、トイレ、寝室)、間取り診断、方位転居、住宅・店舗・病院の新築・リフォーム設計など風水家相の全てをサポートします。四柱推命学による運命鑑定をベースにした41年の研究実績 (2011年7月2日). 2023年3月10日閲覧。