上海博物館蔵戦国楚竹書
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上海博物館楚簡 | |
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上博楚簡『孔子詩論』 | |
正式名称 | 上海博物館蔵戦国楚竹書 |
通称 | 上博楚簡 |
作製年代 | 戦国・紀元前373年-紀元前278年 |
発見年月 | 1994年 |
出土地 |
不明 (一説に 中国湖北省荊門市沙洋県紀山鎮郭店村) |
入手経路 |
香港の古物市場より購入 (5月に上海博物館が購入、秋-冬に別の購入者が上博に寄贈) |
所蔵者 | 上海博物館 |
資料データ | |
種別 | 竹簡 |
数量 |
約1700枚(総計) 1200枚余り(上博購入分) 497枚(寄贈分) |
字数 | 約35000字 |
寸法 |
長さ23.8-57.2cm 幅0.6cm 厚さ0.1-0.14cm |
内容 | 『孔子詩論』『緇衣』などの先秦の古籍 |
書体 | 楚文字 |
上海博物館蔵戦国楚竹書(シャンハイはくぶつかんぞうせんごくそちくしょ)は、上博楚簡(じょうはくそかん)ともいい、中国の上海博物館の所蔵する戦国時代の楚の竹簡群である。儒家や道家の思想研究において重要な文献となっている。成書時期は紀元前373年から紀元前278年のあいだと見られている[1]。
概要
[編集]簡は1200枚以上、字数は約35000字におよぶ。1994年、香港大学教授の張光裕の仲介により、上海博物館館長の馬承源が入手した。正規の考古発掘を経ていない盗掘簡であり、出土地は不明である[1]。
80種類ほどの文献にわかれる。『周易』や『礼記』緇衣のように現存する文献もあるが、その多くは今まで知られなかった文献であり、儒家を中心とするが、道家・兵家・陰陽家的な内容の書物もある[1]。郭店楚簡と共通点が多い(成書時期も出土地も近い、思想書が多い、重複する文献がある等)[2]。
2001年以来、調査結果が『上海博物館蔵戦国楚竹書』の題で上海古籍出版社から出版されている。日本では浅野裕一・湯浅邦弘らの研究が公刊されている。
内容
[編集]- 『孔子詩論』
- 『緇衣』
- 『性情論』
- 『民之父母』
- 『子羔』
- 『魯邦大旱』
- 『従政』
- 『昔者君老』
- 『容成氏』
- 『周易』
- 『恒先』
- 『仲弓』
- 『彭祖』
- 『采風曲目』
- 『逸詩』
- 『昭王毀室 昭王与龏之𦞠』
- 『柬大王泊旱』
- 『内豊』
- 『相邦之道』
- 『曹沬之陳』
- 『競建内之』
- 『鮑叔牙与隰朋之諫』
- 『季庚子問于孔子』
- 『姑成家父』
- 『君子為礼』
- 『弟子問』
- 『三徳』
- 『鬼神之明 融師有成氏』
- 『競公瘧』
- 『孔子見季桓子』
- 『荘王既成 申公臣霊王』
- 『平王問鄭寿』
- 『平王与王子木』
- 『慎子曰恭倹』
- 『用曰』
- 『天子建州』甲乙
- 『武王践阼』
- 『鄭子家喪』
- 『君人者何必安哉』
- 『凡物流形』
- 『呉命』
- 『子道餓』
- 『顔淵問于孔子』
- 『成王既邦』
- 『命』
- 『王居』
- 『志書乃言』
- 『有皇将起』
- 『李頌』
- 『蘭賦』
- 『鶹鸝』
- 『成王為城濮之行』甲乙
- 『霊王遂申』
- 『陳公治兵』
- 『挙治王天下』
- 『邦人不称』
- 『史蒥問于夫子』
- 『卜書』
脚注
[編集]- ^ a b c “上博楚簡 | 中国出土文献研究会”. www.shutudo.org. 2020年12月15日閲覧。
- ^ 谷中信一「郭店(湖北省)と〈上博楚簡〉」 『地下からの贈り物 新出土資料が語るいにしえの中国』中国出土資料学会、東方書店、2014年。ISBN 978-4497214119
参考文献
[編集]- 中国出土資料学会編『地下からの贈り物 新出土資料が語るいにしえの中国』(2014年、東方書店)