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中内靖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中内 靖
(なかうち やすし)
人物情報
生誕 (1963-10-23) 1963年10月23日(61歳)[1]
出身校 慶應義塾大学
学問
研究分野 ロボット工学
研究機関 慶應義塾大学
防衛大学
カーネギーメロン大学
筑波大学
博士課程指導教員 安西祐一郎[2][3]
博士課程指導学生 長谷川孔明[4]、鈴木拓央[5]
学位 慶応義塾大学博士(工学)[2]
特筆すべき概念 水中ドローン
主な業績 株式会社「空間知能化研究所」の起業
主要な作品 スマートワトソン君、安心ランドセル
学会 計測自動制御学会日本ロボット学会日本機械学会人工知能学会IEEEACM[6]
主な受賞歴 日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス部門 部門功績表彰[7]、計測自動制御学会 システムインテグレーション部門 部門功績賞[8]
公式サイト
Human Robot Interaction Lab
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中内靖(なかうち やすし、1963年昭和38年)10月23日[1] - )は、日本ロボット研究者慶應義塾大学博士(工学)[2]防衛大学校を経て筑波大学大学院システム情報工学研究科教授[9]。2024年4月より、筑波大学副学長(産学連携担当)・国際産学連携本部長。専門はヒューマンインタフェース、ロボティクス、空間知能化技術。見守り・監視システムやIoTデバイス、環境モニタリングシステム「スマートワトソン君」、水中ドローンなどを手掛ける[10][11][12][13]。代表取締役として株式会社空間知能化研究所を起業し、社名変更した株式会社FullDepthでは取締役会長を務める[11][14]。「Future Convenience Store Contest」の創設にも携わり、組織委員会の副委員長を務め、自身の研究室からも出場している[3][15]。「Sensing Solution Ideathon Hackathon」を実行委員長として創設。

来歴・人物

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1988年慶應義塾大学理工学部電気工学科を卒業[6]安西祐一郎のもとで研究に取り組み[2][3]1993年大学院計算機科学専攻博士課程を修了。博士(工学)の学位を取得する[2]。同年、防衛大学校機械工学教室助手に就任し、翌年講師に昇進。制御工学を専門とする森泰親のもとで自律移動ロボットの研究に取り組む[1]1998年から1999年には、カーネギーメロン大学客員研究員を務める[9]

2003年筑波大学に異動。調理支援[16]や各種モニタリング機器の開発に取り組む[注釈 1]ランドセルGPS、カメラ、加速度センサーを搭載した「安心ランドセル」を開発[17][18]。また、高齢者向けに薬の飲み間違いを防ぐシステムを開発[19][20]

2011年日本ロボット学会フェローに認定。つくばチャレンジ委員会でも委員に加わる[21]。また、2014年から2015年度にかけて、計測自動制御学会でシステムインテグレーション部門長を務める[8]。つくば市で実証試験を行った環境モニタリングシステム「スマートワトソン君」の共同開発にも携わり[10]、服薬の指導や支援を行うインテリジェント・コップやシステムの開発を行う[13][22]

2014年、「株式会社空間知能化」を代表取締役として起業。後に取締役会長に就任[11][23](現在の代表取締役は吉賀智司[11][24])。同社は2016年スカパーJSATと連携し、水中ドローンによる海中事業者向けの事業を展開[23][25]2018年には「株式会社FullDepth」に社名変更し[14][26]内閣府の「オープンイノベーションチャレンジ2017」に認定[27][28][注釈 2]。2018年6月に水中ドローンサービスを開始し、深海1,000メートルへの到達を実現[30][31]

首都大学東京の和田一義とともに2016年より「Future Convenience Store Contest」を企画し、組織委員会の副委員長を務める[3][32]。このコンテストは後に「World Robot Summit」に組み込まれ、2017年に開催された「Future Convenience Store Callenge」には中内研究室も出場。マニピュレータ付きの移動ロボットタイプと異なり、中内研究室は唯一、棚が可動するタイプに挑戦した[15][33]

「Sensing Solution Ideathon Hackathon」を実行委員長として創設。

2024年4月より、筑波大学副学長(産学連携担当)・国際産学連携本部長。

社会的活動

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(学術団体)[6]

(ロボット競技会)

学位論文

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  • マルチエージェント・フレームワークに基づく協調作業支援システムに関する研究』慶應義塾大学博士学位論文(甲第1224号)、1993年3月23日、NAID 500000093880

著書

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(分担執筆)

学会誌解説

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知的財産

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(登録特許)

(出願特許)

脚注

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注釈

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  1. ^ #著作節の文献も参照。
  2. ^ 「オープンイノベーションチャレンジ」は内閣府が実施する事業で、国が提示したニーズに対する中小企業ベンチャー企業のソリューションを認定し、マッチングを支援する[29][27]。FullDepthは2017年のニーズのうち「海洋を航行する船舶のメンテナンス作業を軽減させる手法」に対して、「水中ドローンによる船底点検の簡易化」という事業を提案、認定をされた[27][28]
  3. ^ 共著者 - 山肩洋子、舩冨卓哉、上田博唯、辻秀典、美濃導彦、宮脇健三郎、中村裕一、椎尾一郎

出典

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  1. ^ a b c 中内靖、西田洋一郎、森泰親「発現行動型アーキテクチャによるアームロボットの制御」、『日本ロボット学会誌』第15巻第6号、1997年、934-942頁。
  2. ^ a b c d e 中内 1993.
  3. ^ a b c d e 中内 2017.
  4. ^ 長谷川孔明「沿革会議におけるテレプレゼンスロボットのための非言語的な意思伝達に関する研究」筑波大学博士論文〈甲第7297号〉、2015年3月25日、NAID 500000962875。(要旨
  5. ^ 鈴木拓央『環境知能化技術を応用した服薬管理支援システムに関する研究』筑波大学〈博士学位論文(甲第6454号)〉、2013年3月25日、NAID 500000581364
  6. ^ a b c 中内靖、松野文俊「論文特集号「レスキュー工学とシステムインテグレーション」巻頭言」、『計測自動制御学会論文集』第41巻第12号、2005年、945-946頁。
  7. ^ 2002年度”. 過去の受賞一覧(年度別). 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門. 2016年10月23日閲覧。
  8. ^ a b 2016年度 システムインテグレーション部門賞 受賞者”. 部門表彰. 計測自動制御学会システムインテグレーション部門. 2017年9月10日閲覧。
  9. ^ a b 中内 2017, p. 889.
  10. ^ a b 株式会社インテグラル (2013年3月). “つくば市 スマートワトソン君実証実験報告書(つくば環境スタイルサポーターズプログラム 承認番号平24第1号)”(Report). 2017年5月6日閲覧。
  11. ^ a b c d 会社概要”. 株式会社FullDepth. 2019年5月3日閲覧。
  12. ^ 土木学会異業種交流セミナー・シリーズ(第3回) IoTとビッグデータ解析による空間の知能化”(PDF). 土木学会. 2017年5月6日閲覧。
  13. ^ a b 健康長寿ネット.
  14. ^ a b 株式会社FullDepth (2018年4月18日).“日本初の水中ドローン専業メーカー、空間知能化研究所が社名変更。深海探査に進化と革新をもたらす「株式会社FullDepth」へ。”. PRTIMES. 2019年5月2日閲覧。
  15. ^ a b 森山和道 (2018年3月12日).“近未来のコンビニを創造する競技会「WRS Future Convenience Store Challenge(FCSC)」、セブンイレブンも期待”. ロボットスタート. 2019年5月2日閲覧。
  16. ^ 福田司、中内靖、野口勝則、松原隆「自律移動ロボットとタッチパネルを利用した調理作業支援システム」、『日本機械学会論文集C編』第72巻第716号、2006年、1215-1222頁。
  17. ^ かばんに小型装置「子供の安全監視」筑波大 カメラで状況把握」、『日経産業新聞』2009年12月17日、東京・首都圏版。
  18. ^ 青鉛筆」、『朝日新聞』2010年2月23日、社会面。
  19. ^ 薬の飲み間違い防ぐ 筑波大、高齢者向けシステム」、『日経経済新聞』2010年1月13日、首都圏経済・茨城版。
  20. ^ 特許2013.
  21. ^ a b つくばチャレンジ委員会”. ニューテクノロジー財団 (2011年7月13日) 2017年9月10日閲覧。
  22. ^ 長田拓也、鈴木拓央、中内靖「インテリジェント・コップによる服薬指導支援システムの提案」、『日本機械学会論文集』第83巻第853号、2017年、17-00118。
  23. ^ a b 筑波大学発ベンチャー空間知能化研究所とスカパーJSATの連携で海洋産業事業者向けサービスの実証に成功”. 筑波大学国際産学連携本部 (2016年10月26日) 2017年5月6日閲覧。
  24. ^ 伊佐治龍 (2019年2月7日).“水中ドローンで水深1000m到達!海の底から見えた水中調査ビジネス 株式会社FullDepth 代表取締役 伊藤昌平【前編】”. 2019年5月2日閲覧。
  25. ^ スカパーJSATと筑波大学発ベンチャー空間知能化研究所が連携 「水中ドローン」による遠隔海洋調査・監視サービスの実証に成功”. Dronetimes(2016年10月19日) 2017年5月6日閲覧。
  26. ^ FullDepth、小型水中ドローンでインフラ管理・資源探査”. 日本経済新聞 (2018年12月18日) 2019年5月2日閲覧。
  27. ^ a b c 内閣府オープンイノベーションチャレンジ2017における認定について”. 科学技術政策. 内閣府. 2019年5月3日閲覧。
  28. ^ a b 株式会社FullDepth 水中ドローンによる船底点検の簡易化”. 内閣府オープンイノベーションチャレンジ2017認定企業. 内閣府. 2019年5月2日閲覧。
  29. ^ 内閣府オープンイノベーションチャレンジ2017”. 科学技術政策. 内閣府. 2019年5月5日閲覧。
  30. ^ FullDepth、自社開発の水中ドローンロボットサービスを6月1日より開始”. DRONE explore future. PRONEWS Co., Ltd. (2018年5月18日) 2019年5月2日閲覧。
  31. ^ FullDepth、水中ドローンで深海1,000m域に到達。深海生物調査を実施”. DRONE explore future. PRONEWS Co., Ltd. (2018年6月21日) 2019年5月2日閲覧。
  32. ^ a b 組織委員会”. FUTURE CONVENIENCE STORE CONTEST. 2019年5月2日閲覧。
  33. ^ 中内 2018.
  34. ^ フェロー”. 計測自動制御学会. 2019年9月14日閲覧。
  35. ^ フェロー”. 学会案内. 日本ロボット学会. 2019年9月14日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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(研究者情報)