森の情景
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(予言の鳥から転送)
『森の情景』作品82 | |
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ドイツ語: Waldszenen, op.82 | |
ジャンル | ピアノ独奏曲集 |
作曲者 | ロベルト・シューマン |
『森の情景』(もりのじょうけい、Waldszenen)作品82は、ロベルト・シューマンが作曲した全9曲からなるピアノ独奏曲集。
ロマン主義においては森林が重要な要素のひとつであるが(ドイツの森)、シューマンのピアノ曲で森を題材にしたものはこの作品のみである[2]。西原稔は作曲にあたってのヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフからの影響を指摘している[2]。
曲の構成
[編集]各曲が変種調(変記号の調性)を主調にしているのが特徴であり、作曲当時は各曲に短い詩が載せられていたが、出版に際して第4曲以外の詩が除かれた。予定されていた詩はそれぞれ、第1曲と第9曲がグスタフ・プファリウスの『森の歌』(Waldlieder)、第2曲と第8曲がハインリヒ・ラウベの『狩の文集』(Jagdbrevier)、第7曲はアイヒェンドルフの『詩集』から「薄明」(Zwielicht, 「リーダークライス」作品39の第10曲に用いられた)、からの抜粋である[3]。
- 森の入口 (Eintritt)
- 待ち伏せる狩人 (Jäger auf der lauer)
- 寂しい花 (Einsame Blumen)
- 2/4拍子、変ロ長調。
- 「単純に(Einfach)」と指示された曲。タイトルの「Blumen」は複数形であることから、対話風の書法を織り込んだ優雅な趣をもっている。冒頭の中心動機は他の曲でも用いられ、曲集の核となる[1]。
- 気味の悪い場所 (Verrufene Stelle)
- 4/4拍子、ニ短調。
- 「かなりゆっくりと(Ziemlich langsam)」と指示されたこの曲の冒頭部分には、ドイツの詩人フリードリヒ・ヘッベルの詩が掲げられており、曲は晩年のシューマンの怪異さと暗さを示す典型的なものといえる。
- なつかしい風景 (Freundliche Landschaft)
- 2/4拍子、変ロ長調。
- 「急速に(Schnell)」と指示された三部形式の曲。
- 宿屋 (Herberge)
- 4/4拍子、変ホ長調。
- 「モデラート(Mässig)」と指示された三部形式の曲。
- 予言の鳥 (Vogel als Prophet)
- 4/4拍子、ト短調。
- 「ゆるやかに、きわめて柔かに(Langsam, sehr zart)」と指示されており、全曲中最も有名な曲。
- 狩の歌 (Jagdlied)
- 6/8拍子、変ホ長調。
- 「急速に、力強く(Rasch kräftig)」と指示された三部形式の曲。この曲集の中で唯一複合拍子で書かれている。
- 別れ (Abschied)
- 4/4拍子、変ロ長調。
- 「急がずに(Nicht schnell)」と指示された長い結尾を持つ三部形式の曲。「別れ」というタイトルだが、森を去って元の場所へ帰ることであり、感傷味や淋しさをみせない。
出典
[編集]参考文献
[編集]外部リンク
[編集]音楽・音声外部リンク | |
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全曲を試聴する | |
Schumann Waldszenen - イェルク・デームスによる演奏。YouTube。 |
音楽・音声外部リンク | |
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全曲を試聴する | |
R. Schumann Waldszenen, op. 82 - Georgy Tchaidze による演奏。奏者公式YouTube。 |
- 森の情景 - ピティナ・ピアノ曲事典
- 森の情景の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
- Ausführliche Erläuterungen zu den Waldszenen (PDF; 262 kB)