二峰圳
二峰圳 | |
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来義国民小学校付近 | |
所在地 | |
位置 | 北緯22度31分38.81秒 東経120度39分2.37秒 / 北緯22.5274472度 東経120.6506583度 |
河川 | 林辺渓 |
ダム諸元 | |
利用目的 | 農業用水 |
事業主体 | 屏東県農田水利会 |
着手年 / 竣工年 | 1921年 / 1923年 |
二峰圳 | |
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中華民国 文化資産 | |
登録名称 | 來義鄉二峰圳 |
種類 | 水利施設 |
等級 | 文化景観 |
文化資産登録 公告時期 | 2008年1月3日 |
位置 | 台湾屏東県来義郷 |
建設年代 | 大正12年(1923年)竣工 |
詳細登録資料 |
二峰圳(にほうしゅう、アルフォンチェン)は台湾の屏東県来義郷にある地下ダムである。
1921年(大正10年)5月に着工し、1923年(大正12年)5月に竣工した。
台湾製糖に勤務していた鳥居信平が計画したもので、台湾製糖の社長であった山本悌二郎の雅号「二峰」にちなんで命名された[1]。
歴史
[編集]1912年(大正元年)、台湾総督府は、林辺渓の下流にある開拓地を洪水被害から守るため、林辺渓に大規模な石堤を建造した。
当時の屏東平野は、雨季には林辺渓の氾濫に悩まされるにもかかわらず、乾期には飲料水にも事欠くなど水利の劣悪な場所であった。地面は大小の礫に覆われて土は堅く締まり、開墾にも大きな困難が伴う屏東平野を開拓するには水の確保が不可欠であり、このために二峰圳が作られることになった[1]。
主要設備
[編集]二峰圳の施設は、取水部、導水部、分水部、灌漑水路の4つに分けることができる。取水部はさらに地下堰、正方形の取水塔、アーチ型トンネルおよび半円形の取水暗渠の4つに分かれている。
地下堰は屏東県来義郷にある来義橋の上流に位置しており、長さ328メートルのコンクリート製である。導水部には長さ528メートルの導水トンネル、450メートルの圧力暗渠、2,582メートルの石積の水路が含まれ、堰から萬隆農場の分水部に至る導水路の全長は3,436メートルに及ぶ [1]。灌漑用水路は幹線が7,783メートル、支線は実に577,197メートルにも及ぶ。取水量は6月から9月にかけての雨季には日量約252,000立方メートル、11月から4月の乾季には日量約68,000立方メートルである[2]。
近況
[編集]二峰圳は、河床の下を流れる伏流水を地下ダムで集めるつくりになっており、完工以来取水が中断されたことはない。しかし、近年では河床が下がって頻繁に浚渫が行われたために地下堰が損傷したり、水路が砂礫などで閉塞して給水に影響が出るようになっており、2017年には断水せざるを得なくなった。屏東県は、2017年の雨季が来る前に二峰圳を修復するため、直ちに1800万元の予算を割り当てた[3]。
出典
[編集]- ^ a b c =丁澈士 (2012-08). “《山中傳奇與水的牽絆—二峰圳》”. 科學發展 (行政院國家科學委員會) (476期). ISSN 0250-1651 .[リンク切れ]
- ^ 黃信茗 (2014年9月). “《隱藏在地下的水源隱藏在地下的水源──屏東二峰圳》”. 農田水利 (農田水利會聯合會) (61卷5期). ISSN 0258-0994{{issn}}のエラー: 無効なISSNです。. オリジナルの2019-02-21時点におけるアーカイブ。 2017年9月19日閲覧。.
- ^ “《94年來頭一遭 來義二峰圳停水了》環境資訊中心 ”. (2017年3月1日). オリジナルの2019年9月17日時点におけるアーカイブ。 2017年9月19日閲覧。
外部リンク
[編集]- 《9打開二峰圳 修復工程一窺伏流水取水奧祕》環境資訊中心 2017年4月11日 アーカイブ 2019年9月18日 - ウェイバックマシン