井保三兎
井保 三兎(いほ さんと、1975年6月6日 - )は、日本の劇作家、役者、演出家。滋賀県高島市出身。
滋賀県立高島高等学校、桃山学院大学卒業。「劇団21世紀FOX」に所属した後、劇団「演劇制作体V-NET」を小金丸大和と共に旗揚げ。また、劇団「ラビット番長」の主宰でもある。日本劇作家協会所属[1]。
訪問介護員養成研修2級課程修了資格(ヘルパー2級)を持っており、介護士として在宅介護7年、特別養護老人ホームで3年勤務した経験を元に2010年から特別養護老人ホームを舞台にした「ギンノキヲク」シリーズを上演し続けている。
来歴
[編集]滋賀県高島市出身。高島高等学校在学中、高校演劇近畿大会に出場。桃山学院大学では演劇サークルに在籍。関西地区の劇団に数多く客演。 卒業後は関西でテレビ、ラジオ等の活動を始めたが、一念発起し上京。
2000年、「劇団21世紀FOX研修所」在学中、同研修所試演会で在学生としては異例の作・演出で「もういいかい まあだだよ」を恵比寿・エコー劇場にて上演。 後に、この作品は井保三兎の代表作となり「現代制作舎」[2]や「マネ協 第1回プロデュース公演」[3]等でも度々再演されている。
2001年、小金丸大和と共に「演劇制作体V-NET」を結成。同年8月、旗揚げ公演「翔」をアイビット目白にて上演。 以降、定期的に本公演を行なっている。その他にも2ヶ月に1度のアトリエ公演等、活動している。
2006年10月、主宰で演劇ユニット「ラビット番長」を旗揚げ。 以降、ラビット番長では年2回、井保三兎の書き下ろし作品を上演している。
代表作『きみとぼくのあしあと』は、滋賀県高島市主催「びわこ全国青少年演劇祭」に出場。 同作品は2009年、池袋の劇場・シアターグリーン主催の演劇祭「グリーンフェスタ2009」にて“BASE THEATER賞”を受賞した。
2008年、高島市で上演された市民劇「中江藤樹生誕400年記念市民劇『藤の樹と風と-中江藤樹物語-』」に参加する等、客演も積極的に行なっている。
2010年9月、ラビット番長の第9回公演「ギンノキヲク」で、 第22回池袋演劇祭【大賞】を受賞。
2011年9月、第11回公演「消える魔球」 にて第23回池袋演劇祭【大賞】受賞。史上初の2年連続大賞受賞団体となった。
2012年10月、水島裕プロデュース公演「BLIND THEATER」に作・演出で参加。
2013年2月、第15回公演「ギンノキヲク2」でグリーンフェスタ2013「BASE THEATER賞」受賞。
2013年9月、第17回公演「ギンノキヲク3」で第25回池袋演劇祭【豊島区民賞】を受賞。
2014年9月、第20回公演「ギンノキヲク FINAL」 で第26回池袋演劇祭【優秀賞】&【CM大会 優秀賞】を受賞。
代表作『ギンノキヲク』シリーズは全4作品、すべてが演劇賞を受賞した。
2014年2月、第18回公演「天召し~テンメシ~」ではそれまでの介護物作品とは一変。そしてグリーンフェスタ2014【GREEN FESTA賞】を受賞。 ラビット番長は池袋演劇界において、代表的な団体の一角となっている。
また、色々な場所でワークショップ講師としても活躍中。
自らの団体「ラビット番長」では、ワークショップ「井保ゼミ」を開講。卒業時には毎回アトリエ公演ながら300名程の観客動員数があり、成功を収めている。
舞台の仕事の関係で声優や俳優との親交が深く、「ラビット番長」では肝付兼太、柴田時江、田野聖子、乃下未帆(VIC:CESS)、山本正剛(BAN BAN BAN)、千代將太、木田健太、吉村和紘、出口亜梨沙、石橋陽彩などが出演している。また、「BLIND THEATER」では水島裕、坂口候一ら、「演劇制作体V-NET」では齋藤彩夏、百々麻子、茅原実里らとも親交がある。ラビット番長の公演フライヤーのイラストは松本渚(漫画「将棋めし」作者)が描いている。
作品
[編集]主な受賞歴
[編集]- 2009年1月 第5回公演「きみとぼくのあしあと」 グリーンフェスタ2009【BASE THEATER賞】
- 2010年9月 第9回公演「ギンノキヲク」 第22回池袋演劇祭【大賞】
- 2011年9月 第11回公演「消える魔球」 第23回池袋演劇祭【大賞】
- 2013年2月 第15回公演「ギンノキヲク2」 グリーンフェスタ2013【BASE THEATER賞】
- 2013年9月 第27回公演「ギンノキヲク3」 第25回池袋演劇祭【豊島区長賞】&【CM大会 審査員特別賞】
- 2014年2月 第18回公演「天召し-テンメシ-」 グリーンフェスタ2014【GREEN FESTA賞】
- 2014年9月 第20回公演「ギンノキヲク FINAL」 第26回池袋演劇祭【優秀賞】&【CM大会 優秀賞】
- 2016年3月 第24回公演「成り果て」 グリーンフェスタ2016【GREEN FESTA賞】
- 2016年9月 第25回公演「天召し-テンメシ-」(再演) 第28回池袋演劇祭【優秀賞】
- 2017年9月 第29回公演「成り果て」(再演) 第29回池袋演劇祭【大賞】
舞台
[編集]- ラビット番長 本公演
- 演劇制作体V-NET 本公演
【その他】
[編集]- 第1回マネ協プロデュース公演「もういいかい まあだだよ」 原作[3] (劇場:シアターVアカサカ)
- 水島裕プロデュース公演「BLIND THEATER」 演出 (劇場:ONE'S STUDIO)
- 演劇ユニットランニング公演 「私のひまわり」脚本・演出 (劇場:明石スタジオ)
- 演劇ユニットランニング第五回本公演「片恋。」/ザムザ阿佐谷提携公演 出演 (劇場:ザムザ阿佐谷)
- 中江藤樹生誕400年記念市民劇「藤の樹と風と-中江藤樹物語-」出演 (劇場:藤樹の里文化芸術会館)
- 萬屋錦之助一座「ざ☆よろきん」新春三館同時公演「汚泥河童」演出 (劇場:シアターグリーン BASE THEATER)
- 片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」第十二回本公演 「晒場慕情~恋慕の木遣り唄~」演出 (劇場:シアターグリーン BASE THEATER)
- 片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」第十三回本公演 「振袖大火~吉原木遣り唄」演出 (劇場:シアターグリーン BIG TREE THEATER)
- 片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」2016年 新春三館同時本公演 「人情寄場」演出 (劇場:シアターグリーン BASE THEATER)
- LEVELS公演「You Can Still Rock in Hospital Room」 脚本・出演 (劇場:下北沢シアター711)
- ACT GAME 第二回戦「赤と青」脚本/井保三兎(ラビット番長) 演出/桐野翼(天才劇団バカバッカ) (劇場:シアターシャイン)
- ACT GAME 第四回戦「はてさて」脚本/井保三兎(ラビット番長) 演出/谷碧仁(劇団時間制作) (劇場:シアターシャイン)
- ACT GAME 第五回戦「母に酷」脚本/谷碧仁(劇団時間制作) 演出/井保三兎(ラビット番長) (劇場:上野ストアハウス)
ほか
脚注
[編集]- ^ “日本劇作家協会会員一覧”. 一般社団法人日本劇作家協会. 2022年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月25日閲覧。
- ^ “路上音楽家の恋 もういいかいまあだだよ”. 演劇上演記録データベース. 早稲田大学文化資源データベース. 2022年4月3日閲覧。
- ^ a b “かくれんぼ”. 演劇上演記録データベース. 早稲田大学文化資源データベース. 2022年4月3日閲覧。