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伊丹三樹彦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

伊丹 三樹彦(いたみ みきひこ、1920年3月5日[1] - 2019年9月21日)は、日本の俳人写真家。本名は岩田 秀雄(いわた ひでお)。別号・写俳亭。

略歴

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兵庫県伊丹町(現伊丹市)に生まれ[1]、同三木町(現三木市)で育つ[1]三木市立三樹小学校[1]兵庫工業高等学校卒業[1]。13歳から長谷川かな女の俳誌「水明」にて俳句を始める[1]。高校卒業後は神戸大学工学部を受験するも失敗、神戸市役所に採用される[1]。1937年、日野草城の「旗艦」に投句[1]、のち「旗艦」が統合された「琥珀」同人[1]。戦後、同門の桂信子楠本憲吉らと「まるめろ」を創刊[1]。また「太陽系」に参加。1949年、日野草城主宰の「青玄」創刊に参加し[1]、編集・発行を行う。1956年の草城没後は「青玄」を継承し主幹となる[1]。以後、第二次「青玄」においてリアリズム・リリシズム・リゴリズムの「三リ主義」を標榜し、超季、分かち書き俳句を推進した。1970年、写真と俳句の相乗による「写俳」運動を創始した[1]

半どんの会文化功労賞(1970年)、尼崎市民芸術賞(1971年)、兵庫県文化賞(1980年)、大阪市民文化功労賞(1988年)、文部大臣地域文化功労者表彰(1994年)、神戸市文化賞(1999年)、現代俳句大賞(2003年)など、数多くの賞を受賞[1][2]。2006年、脳梗塞で倒れたが奇跡的に元気を回復、高齢ということもあり自重して「青玄」を607号にて終刊。

妻の伊丹公子(2014年12月15日没の89歳)[1]、娘の伊丹啓子はともに俳人。啓子が2006年に創刊した季刊誌「青群」顧問、現代俳句協会顧問などを務めた。門下に坪内稔典松本恭子ら。

2019年9月21日、肺炎のため伊丹市の病院で死去[3]。享年99。

著書・編著

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著書

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  • 『伊丹三樹彦集』八幡船社 1971 私版・短詩型文学全書
  • 『人中 伊丹三樹彦戦後句集』ぬ書房 1976
  • 『神戸・長崎・欧羅巴 伊丹三樹彦西方句集』沖積舎 1978
  • 『磁針彷徨』現代俳句選集 牧羊社 1981
  • 『夢見沙羅』現代俳句協会 1981 現代俳句の一〇〇冊
  • 『樹冠』現代俳句選集 牧羊社 1985
  • 『隣人有彩 Asian part2 伊丹三樹彦写俳集』牧羊社 1985
  • 『伊丹三樹彦集』自解100句題 牧羊社 1986
  • 『隣人洋島 伊丹三樹彦写俳集 Oceanian』牧羊社 1987
  • 『巴里パリ 伊丹三樹彦写俳集』ビレッジプレス 1989
  • 『天竺五大 伊丹三樹彦写俳集』ビレッジプレス 1990
  • 『ナマステネパーリ 伊丹三樹彦写俳集』ビレッジプレス 1991
  • 『花仙人 伊丹三樹彦句集』牧羊社 1991 現代俳句18人集
  • 『伊丹三樹彦 自選三百句』春陽堂書店 1992 俳句文庫
  • 『伊丹三樹彦全句集』沖積舎 1992
  • 『伊丹三樹彦全文叢 第7巻 (俳句読解術)』沖積舎 1993
  • 『写俳亭の自作案内』牧羊社 1993
  • 『日野草城』編著 蝸牛社 1994 蝸牛俳句文庫
  • 『伊丹三樹彦 花神コレクション 俳句』花神社 1995 
  • 『伊丹三樹彦全文叢 第8巻 (句集のすすめ)』沖積舎 1995
  • 『伊丹三樹彦自筆百句選』沖積舎 1996
  • 『伊丹三樹彦全文叢 第6巻 (俳句現代派秀句)』沖積舎 1996
  • 『伊丹三樹彦全文叢 第9巻 (俳句現代派秀句 続)』沖積舎 1996
  • 『バンクーバー夏物語 伊丹三樹彦写俳集7』ビレッジプレス 1996
  • 『伊丹三樹彦全文叢 第5巻 (俳句現代派秀句 続続)』沖積舎 1997
  • 『阿檀 句集』角川書店 1998
  • 『伊丹三樹彦全文叢 第3巻 (俳句縦横談)』沖積舎 1998
  • 『内外 第20句集』角川書店 1999
  • 『瞬機の中欧 伊丹三樹彦写俳集』ビレッジプレス 2000
  • 『伊丹三樹彦全文叢 第1巻 (俳句エッセイ)』沖積舎 2001
  • 『伊丹三樹彦自筆百句選 新編』沖積舎 2002
  • 『メコン沃地 伊丹三樹彦写俳集』ビレッジプレス 2002  
  • 『ギリシアイタリア写俳便 伊丹三樹彦写俳集』ビレッジプレス 2003
  • 『自筆青玄前記抄』沖積舎 2003
  • 『おおオージーワールド 伊丹三樹彦写俳集』ビレッジプレス 2004
  • 『日本春景 伊丹三樹彦写俳集』ビレッジプレス 2004
  • 『日本秋彩 伊丹三樹彦写俳集』ビレッジプレス 2005  
  • 『日本夏色 伊丹三樹彦写俳集』ビレッジプレス 2005
  • 『一気 第21句集』角川書店 2006
  • 『知見 第22句集』沖積舎 2007
  • 『続知見 第23句集』沖積舎 2009
  • 『続続知見 第24句集』沖積舎 2010
  • 『伊丹三樹彦写俳集18 黄土の国びと(中国篇)』青群俳句会 2014
  • 『存命』KADOKAWA 2015
  • 『写俳亭の書写句文集《梅》』青群俳句会 2016
  • 『花縁の写俳亭』青群俳句会 2018

編著

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  • 『青玄秀句』第1集-第3集 青玄俳句会 1965-70 青玄叢書
  • 『青玄秀句』第4集 青玄俳句会 1973 青玄叢書
  • 『青玄秀句 第8集(1986年版) 青玄俳句会 1986 青玄叢書
  • 『青玄秀句 第9集(1991年版) 青玄俳句会 1991 青玄叢書
  • 『大阪句集』沖積舎 1995
  • 『神戸句集』沖積舎 1995
  • 『青玄史アルバム 青玄500号記念写真集』青玄俳句会 1996
  • 『旅路句集』沖積舎 1996
  • 『百花句集』沖積舎 1996
  • 『旅路句集 2』沖積舎 2000

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 伊丹 三樹彦 | 兵庫ゆかりの作家”. ネットミュージアム兵庫文学館 : 兵庫県立美術館. 2022年6月27日閲覧。
  2. ^ 平成15年度第3回受賞者
  3. ^ "「青玄」を主宰 俳人・伊丹三樹彦さん死去". 神戸新聞. 神戸新聞社. 21 September 2019. 2019年9月21日閲覧

参考文献

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外部リンク

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