コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

伊号第三百六十七潜水艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
伊号第三六七潜水艦から転送)
回天を搭載して出撃する伊367 (呉、1945年7月19日(推定)[1])
回天を搭載して出撃する伊367
(呉、1945年7月19日(推定)[1]
基本情報
運用者 大日本帝国海軍
艦種 潜水艦
級名 伊三百六十一型潜水艦
艦歴
計画 昭和18年度計画(改⑤計画
起工 1943年10月22日
進水 1944年4月28日
就役 1944年8月15日
除籍 1945年11月30日
その後 1946年4月1日海没処分
要目
基準排水量 1,440トン
常備排水量 1,779トン
水中排水量 2,215トン
全長 73.50 m
最大幅 8.90 m
吃水 4.76 m
機関 艦本式23号乙8型ディーゼル2基2軸
出力
  • 水上:1,850馬力
  • 水中:1,200馬力
速力
  • 水上:13.0 kt
  • 水中:6.5 kt
燃料 重油:282トン
航続距離
  • 水上:5,000海里 / 10 kt
  • 水中:120海里 / 3 kt
乗員 55名
兵装
  • 40口径14cm単装砲1門
  • 25mm単装機銃2挺
  • 53cm魚雷発射管 艦首2門、魚雷2本
その他
  • 安全潜航深度:75 m
  • 物資搭載量:艦内65トン、艦外20トン[2]
テンプレートを表示

伊号第三百六十七潜水艦(いごうだいさんびゃくろくじゅうななせんすいかん)は、大日本帝国海軍潜水艦伊三百六十一型潜水艦の7番艦。回天攻撃隊に参加、戦後海没処分。以下、日本海軍の潜水艦名は「伊367潜」等と略記する。

艦歴

[編集]

1942年の改⑤計画第5467号艦[3]。1943年10月22日、三菱重工業神戸造船所にて起工[3]。1944年4月28日に進水[3]。同年8月15日、竣工[4]佐世保鎮守府籍。同日、第十一潜水戦隊に編入[4]

10月15日、第七潜水戦隊に編入[5]

10月31日、横須賀を発し、南鳥島へ輸送任務に従事[5]。11月6日に揚陸を行い、11月12日に横須賀に帰投[5]。揚陸物件は糧食、弾薬61トン[5]、または糧秣61トン[6]

12月4日、横須賀を発し、ウェーク島への輸送任務に従事[5]。12月17日に揚陸を行い、1945年1月1日に横須賀に帰投[7]。揚陸物件は糧食、弾薬81トン[8]

その後、回天搭載艦へ改装される[9]。3月20日、第七潜水戦隊が解隊され、「伊367潜」は第十五潜水隊に編入[10]

5月3日、「伊366潜」と「伊367潜」で回天特別攻撃隊振武隊を編成[11]。「伊367潜」は回天5基を搭載して5月5日に大津島基地を出撃[11]。サイパン北西400浬へ向かったが回天を発進させられる機会はなく5月26日に帰投命令を受けた[11]。しかし、回天乗員の要望により作戦を続行し、翌日船団を発見[12]。3基に不具合が発生したため、2基の回転を発進させた[13]。戦果は不詳[14]。6月4日に大津島に帰投し、翌日呉着[14]、または6月4日に呉に帰投[15]

次いで「伊367潜」は回天特別攻撃隊多聞隊に加わり、7月19日に大津島を出撃して沖縄南東400浬へ向かった[16]。帰投中、豊後水道で終戦の報を受けた[17]。8月16日、呉着[18]

11月30日、除籍。

1946年4月1日、五島列島沖で海没処分[18]

歴代艦長

[編集]

※『艦長たちの軍艦史』445-446頁による。

艦長

[編集]
  1. 篠原茂夫 少佐:1944年8月15日 -
  2. 武富邦夫 少佐:1944年11月15日 -
  3. 今西三郎 大尉:1945年6月14日 -

脚注

[編集]
  1. ^ 『ハンディ判 日本海軍艦艇写真集20巻』69頁。
  2. ^ 数値は『写真 日本の軍艦』の解説より。『艦長たちの軍艦史』によると伊361型の搭載量は艦内65トン、艦外40トンで合計105トン
  3. ^ a b c 輸送潜水艦伊号第361型列伝、138ページ
  4. ^ a b 輸送潜水艦伊号第361型列伝、140ページ
  5. ^ a b c d e 戦史叢書第98巻 潜水艦史、381ページ
  6. ^ 輸送潜水艦伊号第361型列伝、141ページ
  7. ^ 戦史叢書第98巻 潜水艦史、381-382ページ
  8. ^ 戦史叢書第98巻 潜水艦史、382ページ
  9. ^ 輸送潜水艦伊号第361型列伝、142-143ページ
  10. ^ 輸送潜水艦伊号第361型列伝、143ページ
  11. ^ a b c 輸送潜水艦伊号第361型列伝、144ページ
  12. ^ 輸送潜水艦伊号第361型列伝、144-145ページ
  13. ^ 輸送潜水艦伊号第361型列伝、145-146ページ
  14. ^ a b 輸送潜水艦伊号第361型列伝、146ページ
  15. ^ 戦史叢書第98巻 潜水艦史、430ページ
  16. ^ 戦史叢書第98巻 潜水艦史、431ページ、輸送潜水艦伊号第361型列伝、149ページ
  17. ^ 輸送潜水艦伊号第361型列伝、149-150ページ
  18. ^ a b 輸送潜水艦伊号第361型列伝、150ページ

参考文献

[編集]
  • 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。ISBN 4-7698-0462-8
  • 雑誌「丸」編集部『ハンディ判 日本海軍艦艇写真集20巻』潜水艦伊号他、光人社、1998年。
  • 外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。ISBN 4-7698-1246-9
  • 福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1
  • 防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書第98巻 潜水艦史』朝雲新聞社
  • 吉野泰貴『輸送潜水艦伊号第361型列伝 命を繋いだ12隻の航跡』大日本絵画、2020年、ISBN 978-4-499-23303-3

関連項目

[編集]