六甲有馬ロープウェー
六甲有馬ロープウェー(ろっこうありまロープウェー) は、兵庫県神戸市の六甲山と有馬温泉を結ぶ索道(ロープウェイ)である[1][2][3]。2023年4月からこうべ未来都市機構が運営している。かつては表六甲と六甲山上を結ぶ「表六甲線」が運行されていたが(現在の「六甲有馬ロープウェイ」は「裏六甲線」と呼ばれた)2004年に休止となり[1][4]、2024年に正式に廃止された[5]。
路線データ
[編集]ここでは、現在の区間について記載する。
- 全長(傾斜長):2764メートル[1][6]
- 高低差:441メートル[1]
- 最大勾配:28度17分[1]
- 走行方式:3線交走式(この方式では徳島県の太龍寺ロープウェイに続き日本で2番目の長さとなっている)[1]
- 最高運転速度:5メートル毎秒[1]
- 所要時間:12分[1]
- 支柱数:7基[1]
- 省エネシステム:回生ブレーキおよび大型蓄電装置[7]
ゴンドラ
[編集]ここでは、かつての裏六甲線で使用されたゴンドラについても記載する。
- 2代目
- 3代目(現行車両)
歴史
[編集]《主な出典:[9]》
- 1969年(昭和44年) - 神戸市、京阪神急行電鉄(現 阪急電鉄)、阪神電気鉄道、神戸電気鉄道(現 神戸電鉄)などの出資により六甲有馬ロープウェー株式会社設立[10]。
- 1970年(昭和45年)
- 1972年(昭和47年)4月 - 神戸市都市整備公社が事業を承継。
- 1973年(昭和48年) - 山上駅を表六甲駅に、カンツリー駅を六甲山頂カンツリー駅に改称[9]。
- 1995年(平成7年)
- 2004年(平成16年)12月19日 - この日を最後に表六甲線の運行を休止[12][1][4]。六甲山頂カンツリー駅を六甲山頂駅に改称[9][12]。
- 2013年(平成25年)1月1日 - 神戸市都市整備公社が神戸すまいまちづくり公社に社名変更。
- 2014年(平成26年)3月1日 - 回生電力を活用した日本初の省エネシステムを導入し営業再開[1][7]。
- 2020年(令和2年)
- 2022年(令和4年)5月1日 - 神戸すまいまちづくり公社から神戸住環境整備公社に改称[13]。
- 2023年(令和5年)4月1日 - 摩耶ロープウェー・摩耶ケーブルとともにこうべ未来都市機構に移管[14]
- 2024年(令和6年)9月 - 表六甲線の索道事業廃止届を近畿運輸局に提出[5]
- 2024年(令和6年)12月 - 2026年度末にかけて表六甲線を撤去[5]
駅一覧
[編集]有馬線(旧裏六甲線)
[編集]駅名 | 接続路線 | 所在地 | 位置 | ||
---|---|---|---|---|---|
六甲山頂駅 | 表六甲線(廃止) | 兵庫県 | 神戸市灘区 | 北緯34度45分58.8秒 東経135度14分49.4秒 | |
有馬温泉駅 | 神戸市北区 | 北緯34度47分27.4秒 東経135度14分44.4秒 |
六甲有馬ロープウェーの有馬温泉駅と神戸電鉄有馬線の有馬温泉駅間は隣接していない(徒歩約15分)[1]。なお、国土交通省への届出名称は、旧駅名の「六甲山頂カントリー駅」「有馬駅」となっている[6]。
表六甲線(廃止)
[編集]駅名 | 接続路線 | 所在地 |
---|---|---|
表六甲駅 | 神戸六甲鉄道:六甲ケーブル(六甲山上駅) | 兵庫県神戸市灘区 |
天狗岩駅 | ||
六甲山頂カンツリー駅 (現・六甲山頂駅) |
裏六甲線 |
マイカー利用者の増加でピーク時に比べて乗客数が半減したことや、老朽設備の更新に数億円の費用を要することなどの理由から、2004年(平成16年)12月19日をもって休止された[15]。なお、同日より六甲山上循環バス(現・六甲山上バス)の路線が六甲山頂駅まで延伸された。20年近く休止状態が継続したのは、路線が瀬戸内海国立公園の区域内にあるため、廃止すると自然公園法に基づき支柱の完全撤去などといった原状回復が必要になり、作業時の土砂崩れの危険性があることや莫大な費用がかかるためとされた[4]。施設の老朽化が進んでいることから、2024年9月に索道の廃止届が提出されて正式に廃止された。 また、同年12月以降には施設の撤去工事が実施される予定である[5]。
表六甲線は天狗岩駅で曲がるため表六甲駅 - 天狗岩駅と天狗岩駅から六甲山頂カンツリー駅間(現・六甲山頂駅)に路線がわかれており一つの路線に搬器が2台ずつ計4台ある。しかし曳索はつながっているため両路線とも一緒に動く珍しい仕組みになっていた[要出典][16]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 中島信『絶景!日本全国ロープウェイ・ゴンドラ コンプリートガイド』扶桑社、2017年9月10日、150-151頁。ISBN 978-4-594-07781-5。
- ^ a b c d e f “足元までガラスのスリル感 六甲有馬ロープウェーが一新”. 朝日新聞デジタル. (2019年12月19日). オリジナルの2019年12月19日時点におけるアーカイブ。 2022年3月14日閲覧。
- ^ a b c “六甲有馬ロープウェー、ガラス面広がりスリル感アップ”. Lmaga.jp (2020年3月20日). 2022年3月14日閲覧。
- ^ a b c “「あれ邪魔やな」六甲山上、鉄塔などが異様な存在感 放置のロープウエー跡、撤去できない理由があった”. 神戸新聞NEXT. (2021年6月3日). オリジナルの2021年6月3日時点におけるアーカイブ。 2022年3月14日閲覧。
- ^ a b c d “六甲有馬ロープウェー・表六甲線撤去のお知らせ”. 株式会社こうべ未来都市機構 (2024年11月20日). 2024年11月21日閲覧。
- ^ a b c d 国土交通省鉄道局 (監修)『令和三年度鉄道要覧』電気車研究会、2021年10月1日、375頁。ISBN 978-4-88548-134-5。
- ^ a b “六甲有馬ロープウェー再開 日本初、回生電力を活用”. 神戸新聞NEXT (2014年2月28日). 2014年2月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月14日閲覧。
- ^ a b c d “3代目ゴンドラは日本初導入のスイス製 六甲有馬ロープウェー”. 神戸新聞NEXT (2019年12月18日). 2019年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月14日閲覧。
- ^ a b c d e “ロープウェーの歩み”. 株式会社こうべ未来都市機構. 2023年10月8日閲覧。
- ^ 『温泉』1970年9月(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ a b 岩佐秀人「阪神大震災シリーズ(その14)――(4) 神戸市都市整備公社」『日本鉄道施設協会誌』第34巻第5号、社団法人日本鉄道施設協会、1996年5月、350頁、doi:10.11501/3255406。「〈運行状況〉◎表六甲線 1995年10月7日運行再開 ◎裏六甲線 1995年4月10日運行再開」
- ^ a b 「市民招き“さよなら運行”/六甲有馬ロープウェー」『四国新聞』2004年12月19日。
- ^ 『5月1日から法人名が変わります』(プレスリリース)神戸すまいまちづくり公社、2022年4月18日 。2022年10月31日閲覧。
- ^ ホームページ情報の一部移転のお知らせ - 神戸住環境整備公社、2023年4月1日
- ^ 「六甲有馬ロープウェー表六甲線の運行休止」『「こうべ」この一年――平成16年の主な出来事』(PDF)神戸市広報課、2004年12月、35頁 。
- ^ 塔本徹、坂口章「報告:六甲―有馬ロープウェイについて」『軽金属溶接』第97号、軽金属溶接協会、1971年1月、27-28頁、doi:10.11501/3344620。「山上駅―天狗岩駅間,天狗岩駅―カンツリー駅間,カンツリー駅―有馬駅間のそれぞれ独立した3つの路線より 成【原文ママ】されており……一方ゴンドラの懸架と走行は…52mmφロックドコイル製の支索(破断荷重278t)と2本の24mmφの曳索(破断荷重34t)によっている」