コンテンツにスキップ

利用者:ポルナレフ/sandbox

コロナ問題

数学において、コロナ問題とは有界正則関数のなす単位的可換バナッハ代数に関する問題である。

内の領域 上の有界正則関数のなす 上の単位的可換代数へsupノルムにより位相を入れたものを で表す。 はバナッハ代数であり、 は次のように 指標空間( から への非零な代数準同型全体のなす集合) の部分集合と自然にみなすことが出来る:各点 について、 を各 における値を返す関数として定める(すなわち、 と定める)。指標空間は より定まる弱位相によりコンパクトハウスドルフ空間となり[1]、この位相に関して開集合である。

コロナ問題とは、次の問題を指す:「 の中で稠密である」という主張は成立するだろうか?

この問題は、成立する/しない領域が共に存在することは分かっているが、完全な理解には至っていない:

  • 正則凸でない領域では成立しない。
  • のとき全ての領域は正則凸だが、成立する領域も成立しない領域もどちらも存在する:
    • 単位円盤(つまり、 の単位球)のとき、成立すると1941年に角谷静夫により予想され、1962年にカルレソンにより証明された[2]
    • カルレソンの手法を拡張し、単位円盤の他に成立する領域がいくつか存在することが示されている。
    • 成立しない領域が構成された。

類似したものとして、境界まで連続な正則関数のなす単位的可換バナッハ代数に関する同様の問題が考えられるが、

  1. ^ Hörmander, Lars. (1989). An introduction to complex analysis in several variables (3rd ed ed.). Amsterdam: North-Holland. ISBN 0-444-88446-7. OCLC 20491372. https://www.worldcat.org/oclc/20491372 
  2. ^ Carleson, Lennart (1962-11). “Interpolations by Bounded Analytic Functions and the Corona Problem”. The Annals of Mathematics 76 (3): 547. doi:10.2307/1970375. https://www.jstor.org/stable/1970375?origin=crossref.