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鬼滅の刃

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鬼滅の刃』(きめつのやいば)は、吾峠呼世晴による日本漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて2016年11号から2020年24号まで連載。略称は「鬼滅」。

鬼滅の刃
ジャンル 少年漫画ダーク・ファンタジー
漫画
作者 吾峠呼世晴
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス
発表号 2016年11号 - 2020年24号
発表期間 2016年2月15日 - 2020年5月18日
巻数 全23巻
話数 全205話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

概要

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日本の大正時代を舞台に、主人公の少年と化した人間に戻すために鬼たちと戦う姿を描く、和風剣戟奇譚単行本(全23巻)の累計発行部数は、2021年2月時点で1億5000万部を突破している。

2019年にはufotable制作でテレビアニメ化され、物語の序章を描く第一期『竈門炭治郎 立志編』が放送された。

2020年には物語の中盤を描く劇場アニメ無限列車編』が公開された。同作品の日本国内での興行収入は404.3億円に達し、日本歴代興行収入第1位となった。2021年10月から2022年2月まで、テレビアニメ第二期として『無限列車編』の再編集版とその続編となる『遊郭編』が放送された。更に、『刀鍛冶の里編』のテレビアニメ化も決定されている。

その他、舞台化やゲーム化、玩具化など、メディアミックス化が多様に展開されている。

制作背景

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沿革

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『過狩り狩り』

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本作の源流は、吾峠呼世晴が2013年までに初めて描いた読み切り作品『過狩り狩り』であった。

同作は明治から大正ごろの日本を舞台とし、海外から来た吸血鬼、日本のと『鬼狩り』との戦いを描く作品であり、その一部の登場人物や技が本作『鬼滅の刃』に引き継がれている。

吾峠は同作について「どうせ評価されないだろう」と考えていたが、家族に「どうせなら一番好きな雑誌に投稿すればいい」と促され、後述の自身がファンでもあった「銀魂」が連載されている、週刊少年ジャンプへ投稿した。

同作はその扉絵で主人公が隠されているなどの特異な構成によって、ジャンプ編集部では「1ページ目から気になる漫画が来た」と話題になった。その結果、同作は第70回JUMPトレジャー新人漫画賞(2013年4月期、審査員:篠原健太)で佳作を受賞した。

吾峠の初代担当編集者である大西恒平は「ジャンプ志望の作家の中では珍しいタイプ。センスは感じたが、基本的な漫画づくりの基礎がまだできておらず、今後この才能をどう開花させられるか」と評した。

のちに本作の初代担当編集者となる片山達彦は「初見では分かりにくかったが、2度読んだときに構成や振りの巧みさに気づいた」、「圧倒的な才能は周りも認めていたし、私も感じていた」と評価した。

鬼殺の流』

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さらに吾峠は2015年、『呼吸』や『鬼殺隊』の設定を追加した連載作品『鬼殺の流』のネームを作成した。これが本作の前身である。しかし、「世界観のシビアさと主人公の寡黙さ」を理由に、編集部による連載会議で落選して雑誌掲載へは至らなかった。

同作の主人公は盲目隻腕、両足が義足であった。世界設定は「読みやすくなった」という評価を得たが、主人公のキャラクター性が課題とされた。

主人公の変更

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そこで、片山の先輩編集者が「『HUNTER×HUNTER』のように、主人公を普通の人物とし、その周囲に異常性のある人物を配置したほうが、読者が感情移入しやすく、また他の人物が引き立つのではないか」と提案した。

片山が吾峠へ「この物語にもっと普通の人物はいないか」と訪ねたところ、吾峠は脇役の構想として「炭売りの少年がいる。彼は家族全員を鬼に殺され、さらに妹が鬼になる。妹を人間へ戻すために『鬼狩り』になる」と考えていたことを明かした。片山はその人物こそ主人公にふさわしいと考え、「宿命を背負ったキャラクターは、物語を動かす推進力になる」として、主人公を変更することを提案した。吾峠はその提案を受け入れた。

連載直前

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そして吾峠は『鬼滅の刃』の連載へ向けたネームを執筆した。前作までと比べて主人公が親しみやすく、物語がわかりやすく調整されており、また第一話で主人公を兄貴分が叱責する場面などの台詞の力に片山は圧倒されたという。

そのネームは紙面掲載時の内容とほぼ同じで、完成されたものであったが、ある人物が和装であったことに対して片山は「大正らしさがほしい」と提案したところ、吾峠は「詰め襟羽織り」という現行のデザインを考案した。他の片山からの意見としては「目に留まるデザインは読者に受けるので、何かしらチャームポイントがあるといい」、「主人公の同期に、仲の悪い人物がいると面白い」という程度のみだった。その結果、『鬼滅の刃』は編集部から承認され、連載が開始された。

編集者の意見に対する姿勢

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吾峠と担当編集者との打ち合わせでは、編集者による意見・提案に対して、吾峠は自身の信念を譲らずに構想通りに描くこともあれば、意見を柔軟に取り入れて原稿を修正することもあった。これについて、「吾峠は『物語として成立しているかどうか』を最も大切にしている」と、初代担当編集者の片山達彦が推測している。

例えば、作中序盤における主人公が修行を重ねる場面について、片山は「序盤に置くには引きが弱い」と指摘したが、吾峠は「普通の人間がすぐに強くなることはない」という持論を譲らず、構想どおりに描いた。また、その後に主人公が試練を受ける際にも、片山は「兄貴分が主人公を見守る描写を追加してはどうか」と提案したが、吾峠は「兄貴分はそのような立場ではない」として断った。

一方で、主人公の師匠役の容姿について片山が「インパクトがない」と指摘したところ、吾峠はそれを受けて容姿を修正した。また、主人公が憎むべき仇敵を殺したあとに哀れんで優しく手を握る場面について、吾峠は描いたものの「少年誌らしくないから削除しようかな」と言っていたが、片山が感動して「ここだけは絶対に入れるべきだ。こんな主人公は見たことがない」と熱弁し、存続されたという。

影響を受けた作品

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本作が影響を受けている作品として、吾峠がファンだと公言する『ジョジョの奇妙な冒険』における「不死身の吸血鬼」や「波紋呼吸」というモチーフとの関連を、編集者の片山達彦が指摘している。また、吾峠は『銀魂』も大好きであることから、コメディ要素を好んで描くという。

ほか、上述のとおり『HUNTER×HUNTER』における「主人公は普通の人物で、周囲に異常性のある人物を置く」という要素を取り入れている。

読者人気

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本作は『週刊少年ジャンプ』2016年11号から2020年24号まで連載された。

第1話・第2話から高い評価を受け、第7話では人気の高さから急遽センターカラー作品になるほどであった。一部噂では「初期は不人気で打ち切り寸前であった」とする声があるが、実際にはそのような懸念はなかった。

人気が確立された時期は、序盤で主人公が試練を終えたところ、また主人公の同期二人が出揃ったところだったという。

アニメ化後の人気爆発

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その後、2019年にテレビアニメ化されたことで、さらに爆発的に人気が高まった。

過去の人気作品は連載最初から最後まで高い人気が続く例が多かったが、本作は右肩上がりでどんどん人気が加速していくという異例な存在だった。片山が入社して以来の10年間でもこのような例は見たことがなかったという。また、これほどの人気作品になることも片山は全く予想していなかった。

人気を獲得できた理由として、「小中学生でも理解できるわかりやすさと、作家性の両方を兼ね備えた作品であること。吾峠が連載を獲得するまでに何度も葛藤しながら培ったものと、もともと吾峠が備えていた才覚が重なり合った結果」と片山は分析している。

その他

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連載誌にはミニコーナー「鬼殺隊報」が掲載されている。ジャンプ公認ツイキャススクールオブジャンプ」では、本作の主要登場人物の年齢や裏エピソードなどが発表され、公式設定とされている。

2019年に週刊少年ジャンプ連載の電子版だけの特典としてJネットワークスの着色による当該話のカラー版が掲載されている。連載終了後の『週刊少年ジャンプ』2020年44号には炎柱・煉󠄁獄杏寿郎の初任務を描いた特別読切が掲載された。

あらすじ

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竈門炭治郎 立志編(1巻 - 6巻)

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鬼殺隊入隊(1巻 ー 2巻)
時は大正。主人公・竈門炭治郎は亡き父親の跡を継ぎ、焼きをして家族の暮らしを支えていた。炭治郎が家を空けたある日、家族は鬼に惨殺され、唯一生き残った妹・竈門禰󠄀豆子も鬼と化してしまう。禰󠄀豆子に襲われかけた炭治郎を救ったのは冨岡義勇と名乗る剣士だった。義勇は禰󠄀豆子を「退治」しようとするが、兄妹の絆が確かに残っていることに気付き剣を収める。
義勇の導きで「育手」鱗滝左近次の元を訪れた炭治郎は、禰󠄀豆子を人間に戻す方法を求め、鬼を追うため剣術の修行に身を費やす。2年後、炭治郎は命を賭けた最終関門である選別試験を経て、「鬼殺隊」に入隊する。
浅草:鬼舞辻󠄀無惨との邂逅(2巻 ー 3巻)
初仕事である沼鬼の討伐を完了し、次の仕事で浅草へ向かった炭治郎は、禰󠄀豆子が鬼になったときと同じ匂いを感じ取り、それをたどって鬼たちの祖である鬼舞辻󠄀無惨と接触する。無惨は人間に化けており、人ごみを盾にして逃れ、炭治郎は手出しできなかった。
その後、鬼でありながら無惨を殺そうと考える珠世愈史郎に出会うが、無惨もまた刺客を差し向け、戦いとなる。炭治郎は、珠世と協力関係を結び、無惨に近しい鬼の血液を採取するという新たな目的を持つ。
鼓屋敷:仲間との出会い(3巻 ー 4巻)
炭治郎は、同期の鬼殺隊剣士・我妻善逸と再会する。新たな指令を受け、醜態を晒す善逸を半ば強引に引き連れて行くが、屋敷では「稀血」の少年を巡り鬼同士が殺し合うという混戦状態となっていた。さらに、新たな鬼殺隊剣士・嘴平伊之助も乱入。善逸、伊之助がともに鬼を仕留め、炭治郎も元・十二鬼月である響凱を倒す。
那田蜘蛛山:蜘蛛の鬼(4巻 - 6巻)
一時の休息の後、炭治郎たち3人は那田蜘蛛山での戦いへ応援を命ぜられる。だが、先遣隊は蜘蛛の能力を使う鬼の一家を前に全滅寸前であった。鬼の強襲で剣士たちは散り散りに分断される。炭治郎は十二鬼月・と対峙する。その圧倒的な強さの前に追いつめられるが、父から伝承した「ヒノカミ神楽」と禰󠄀豆子の血鬼術で逆襲に転ずる。しかし累に間一髪で回避され、善逸・伊之助もそれぞれ命の危機に見舞われる。彼らを救ったのは、鬼殺隊最高戦力である「柱」・冨岡と胡蝶しのぶだった。
こうして那田蜘蛛山の戦いは終結するが、炭治郎と禰󠄀豆子は処遇を巡って「柱合裁判」にかけられる。「柱」たちの厳しい追及を受ける竈門兄妹だったが、禰󠄀豆子が血への欲望と怒りに耐えきったことで、鬼殺隊当主・産屋敷耀哉の元、その存在は公式に認められる。
蝶屋敷:機能回復訓練(6巻 ー 7巻)
先の戦いで重傷を負った炭治郎らは、胡蝶しのぶが所有する「蝶屋敷」で治療を受ける。屋敷にはその素質が認められ、「継子」に選ばれた同期の女剣士・栗花落カナヲがいた。治療は順調に進むが、機能回復訓練においてカナヲとの実力差を見せつけられ、炭治郎らは落ち込む。炭治郎は胡蝶の過去を聞き、決意も新たに「全集中・常中」の会得を目指す。
一方、「下弦の伍」が倒されたことに業を煮やした無惨は、下弦の四鬼を役立たずと粛清し、最後の下弦「下壱」を強化して、炭治郎への追手に放つ。

無限列車編(7巻 - 8巻)

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下弦の壱、上弦の参(7巻 ー 8巻)
炭治郎たちは、ヒノカミ神楽の手掛かりを求め、炎柱・煉󠄁獄杏寿郎を訪ねて無限列車に乗り込む。杏寿郎とは会えたもののヒノカミ神楽の情報は得られず、しかも列車は鬼絡みの事件の渦中にあるという。3人と杏寿郎は、「下弦の壱」眠り鬼・魘夢の術に嵌り、夢の中に閉じ込められる。何とか覚醒に成功し、乗客を守りつつ、魘夢を倒す。
だが直後に現れた「上弦の参」猗窩座との戦いで、杏寿郎は殉職するが炭治郎と禰󠄀豆子は杏寿郎に確かに認められる。杏寿郎が言い残した「心を燃やせ」の言葉は物語の最後まで炭治郎の胸に刻まれ続ける。また、猗窩座は炭治郎を標的視するようになる。

遊郭編(8巻 - 11巻)

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上弦の陸(8巻 - 11巻)
無限列車の事件から四か月後、音柱・宇髄天元の嫁が、遊郭「吉原」への潜入捜査中に消息を絶つ。天元は救出のために隊を組み、炭治郎・善逸・伊之助を女装させて潜入させる。炭治郎は「上弦の陸」堕姫と対峙し、潜入調査は一転して上弦の討伐任務となる。堕姫との実力差と自分に合わない水の呼吸・ヒノカミ神楽の技に、苦戦を強いられる。天元たちが合流し、なんとか堕姫の頸を落としたものの、死なないばかりかその体内からもう一匹の鬼・妓夫太郎が現れる。「上弦の陸」、その正体はお互いの命を共有する兄妹鬼だった。毒を操る妓夫太郎と堕姫の連携攻撃に、全滅必至の負傷を負わされた剣士たちだったが、限界を超えた闘志でこれを打ち破る。
これにより、鬼殺隊にとって百年目の勝利がもたらされた。歓喜する産屋敷と、怒りに震える無惨。両陣営の対立は激化の様相を呈していく。

刀鍛冶の里編(12巻 - 15巻)

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上弦の伍・肆(12巻 - 15巻)
幾度の強敵との戦いの度に刀を折ってくる炭治郎に、刀鍛冶・鋼鐵塚蛍は堪忍袋の緒が切れ刀を作らないと宣告する。鋼鐵塚に直談判するため炭治郎は秘匿されている刀鍛冶の里に足を延ばす。そこでたびたび夢に出てくる「耳飾りの剣士」についての足跡に触れる。
また、炭治郎は里を訪れていた恋柱・甘露寺蜜璃と霞柱・時透無一郎の二人の柱と、最後の同期にして風柱の弟である不死川玄弥と再会を果たす。
平穏だった刀鍛冶の里だが、無惨の命を受けて「上弦の伍」玉壺と「上弦の肆」半天狗が襲撃してくる。玉壺は刀鍛冶を狙い、半天狗は剣士を襲う。犠牲者が出るも、防衛戦の末に、無一郎が玉壺を討伐、炭治郎が半天狗を討伐する。
柱稽古(15巻 ー 16巻)
禰󠄀豆子が太陽を克服した。それを知るや無惨は歓喜し、標的を「青い彼岸花」から「禰󠄀豆子」に変える。彼女を食らうことで、自らも太陽を克服するというのである。無惨は鬼たちを退き、禰󠄀豆子を巡る総力戦へと備える。
一方、柱合会議。かつて戦国時代、無惨をあと一歩のところまで追い詰めた剣士たちには、ことごとく鬼の文様に似た「痣」が現れていたと産屋敷耀哉の妻・産屋敷あまねは語る。無一郎は、自分の体験から「痣」を出す条件を具体的に把握していた。これを受け岩柱・悲鳴嶼行冥は、全ての柱を動員した合同強化訓練「柱稽古」を提案する。隊員たちは能力の強化を、柱たちは「痣」の発現をそれぞれ目指す。

登場人物

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声はアニメ版の声優。演は舞台版の俳優。登場人物の名前は創作のほか、「奇抜に見えるが実在する」姓名が多用された。

主要人物

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竈門 炭治郎(かまど たんじろう)
声 - 花江夏樹佐藤聡美(幼少期)
演 - 小林亮太、髙原華乃(幼少期)
本作の主人公。年齢は13歳→15歳。炭焼の家系である竃門家の長男で、家族思いな少年。額左側の痣と、日輪が描かれた花札風の耳飾りが特徴的。額の痣は幼い時に弟を庇ってできた火傷跡で、最終選別での手鬼との戦闘で同じ箇所に傷を負ったことで更に色濃くなり、後の堕姫・妓夫太郎戦で炎の様な痣へと変化し、真の痣者となる。髪と瞳が赤みがかった「赫灼の子」であり、火仕事をする家系に生まれると縁起が良いという。頑固で石頭と二つの意味で頭が固く、生真面目過ぎてズレた言動をすることがある。
嗅覚が非常に優れており、相手の感情すら嗅ぎ取ることができる。これは戦闘時において敵の気配を読む力としても機能し、訓練後は「隙の糸」として可視化されるようになった。鬼と人間を嗅ぎ分け、仇である無惨を匂いで見抜く。他にも、戦闘に関して優れた直感や柔軟な思考力を発揮する。
反面、非常に心優しく、鬼を前にしても非情になりきれない。問答無用で鬼を斬り捨てる鬼殺隊の在り方にも公然と異を唱え、柱達からも異端視される。
隊服の上に市松模様の羽織を着用し、禰󠄀豆子を収納した鱗滝特製の霧雲杉製の箱を背負って行動する。現状は十二鬼月を倒し、その血液を珠世に送る事を最優先の目的としている。
炭売りの帰りに三郎(さぶろう)の宅に泊まり一晩家を不在にした夜、禰󠄀豆子以外の家族全員を無惨に殺される。鬼化して辛うじて生き残った禰󠄀豆子を人間に戻すため、冨岡義勇の紹介で鱗滝の元を訪れる。鬼を追う力を求め、2年間の訓練を経て「水の呼吸」を身につける。また、生家に伝わる「ヒノカミ神楽」を下弦の伍・累との戦闘から剣技に変換し、使用し始める。
担当の刀鍛冶は鋼鐵塚蛍。日輪刀の色は漆黒で、拵は日輪を思わせる透かし鐔の他、柄や鞘を含めて黒と銀を基調としている。水の呼吸は資質的に合っていないことから極めることが叶わず、伝承したヒノカミ神楽も技の威力に身体がついていかない。その自覚から、新たな自分の呼吸法を模索し、堕姫・妓夫太郎戦の中でヒノカミ神楽に水の呼吸の体捌きを組み合わせた複合型の呼吸を編み出した。刀は激戦で折れたり紛失したりしている。最新の刀は、縁壱零式の機体内に収納されていた戦国時代の刀を鋼鐵塚が研ぎ直したもの。鍔は煉󠄁獄杏寿郎の遺品。
戦後はこれまでの関係者とのやりとりや戦死した隊士たちの墓参りを済ませた後、善逸・伊之助・禰豆子と実家に戻って暮らす。右目と左腕は鬼の王となった際に再生はしたものの、感覚は戻らず後遺症を負っている。
当初は『鬼殺の流』に出す予定のサブキャラクターだったが、連載に向けて提出したネームが没となった後、主人公をより普通の人物に変える事となり、吾峠が「家族全員を殺され、鬼となった妹を人に戻すために鬼殺隊に入った炭売りの少年」の話をしたところ、担当が「宿命を背負ったキャラクター」だと感じ主人公に抜擢された。
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竈門 禰豆子(かまど ねずこ)
声 - 鬼頭明里
演 - 髙石あかり
本作のヒロイン。年齢は12歳→14歳。炭治郎の妹で、竃門家の長女。人間だったころは家族思いの心優しい性格で、聞き分けが良く、我が儘を言った事も無いという。炭治郎不在時に鬼舞辻󠄀無惨の襲撃を受けるが、その血が傷口から混入した事で鬼化して生き残る。鬼の習性で助けに来た炭治郎を襲うが、必死の呼び掛けで涙を流す、飢餓状態で人の血肉が必要な状態ながら冨岡に倒された炭治郎をかばう等、普通の鬼とは違う様子を見せたことで見逃される。以降は竹製の口枷がつけられ、意識が混濁している状態となる。
鬼の能力の一つとして、身長をある程度拡縮できる。普段は日差しを避け、身体を少し小さくして背負い箱に入った状態で炭治郎に運ばれているが、戦闘時には身体の大きさを戻して蹴りをメインに戦う様になる。また、累との戦闘時に死んだ母親と深層意識で出会ったことがきっかけで、血が燃えて爆ぜる血鬼術「爆血(ばっけつ)」が開花する。
普段は日差しを嫌うなど、鬼の本能の一部を見せるが、ぼーっとしていることが多い。しかし、炭治郎が危機に陥っていたり、強く呼びかけられたりすると活動的になる。鱗滝から暗示をかけられ、人間が自分の家族に見え、鬼を敵と認識するようになる。人間の血に対する欲求は強く残るが、強靭な自意識で無理やり押さえ込んでいる。しかし、自身の中にある無惨の血が呼応する事で成人女性ほどの体格となり、右側頭部に角が生えるほか、体の各所に枝葉の様な紋様が入った姿になる。この状態になると上弦並の戦闘力が覚醒するが、人間に対する食欲も高まり襲おうとしてしまう。刀鍛冶の里での上弦との死闘の後、太陽の光を克服し、片言ながら言葉を話せるようになる。
鱗滝は、通常の鬼が人間の血液で活力を得るところを、禰󠄀豆子は睡眠で代替していると見ている。肉体的な再生能力は通常の鬼より鈍いが、鬼化の進行が進めば「上弦の陸」の堕姫すら上回り、五体が切断されても凝結させた血を繋げ、それぞれを引き戻して復元できる。また、珠世は最初の二年間の睡眠中に、禰󠄀豆子の鬼としての性質が変質したと推測している。
また、当初は表情が少なかったが、炭治郎に頭を撫でて欲しくて寝ている彼に頭突きをし、その石頭から額が割れて泣き出したり、甘露寺に撫でられて嬉しそうにするなど、初期に比べて表情豊かになってきている。
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我妻 善逸(あがつま ぜんいつ)
声 - 下野紘
演 - 植田圭輔
炭治郎の同期に当たる鬼殺隊剣士。年齢は16歳。非常に臆病で、消極的・後ろ向き思考の利己的な面が強い少年。
金色(黄色)の髪と太い眉が特徴的。隊服の上に鱗文様の羽織を着用する。日輪刀は刀身に稲妻のような刃文が走っており、鐔は四ツ木瓜型で、拵は白を基調としている。彼のみなぜか、鎹ではなく「鎹雀のチュン太郎」をつけられている。師に才を評価され、それに見合った実力を持ちながらも、自分が強いはずがないという劣等感に縛られ、情緒不安定気味である。女性に対しての執着心が非常に強く、しばしば顔芸と迷台詞を披露する。禰󠄀豆子に惚れている。
雷の呼吸(かみなりのこきゅう)」で鬼を倒す。「雷の呼吸」の六つの型のうち、「壱ノ型 霹靂一閃」しか会得できなかったが、それのみを鍛え上げ、雷光に例えられる疾さに至っている。作中当初はプレッシャーに弱く、緊張や恐怖が極限まで高まると気絶するように眠ってしまうも、それによって半覚醒状態となり、緊張から開放されることで本来の強さを発揮する。作中で炭治郎達と共に戦闘経験や柱修行などで力を積んでいき、無限城での獪岳との戦闘では自意識覚醒のまま獪岳を単騎で討ち取るほどに技も判断力も成長していく。
聴覚が非常に優れ、その能力で他人の感情を読み取ることもできる。そのうえで「信じたいこと」を優先して信じるので、何度も騙されてきた。女に騙されて借金苦に陥った所を後の師である桑島に救われ、剣士としての訓練を受けた。修行中に雷に打たれたことで、生来の黒髪から金髪に変わった。最終選別に合格してからしばらく後、同期の炭治郎と再会し、以降は彼と行動を共にする。
己の弱さに対する嘆きは、誰かの役に立ちたいという願いの裏返しである。先述の経緯から、鬼への負の感情をモチベーションにはしていない。鬼に追われても子供を置いて逃げる事はせず、禰󠄀豆子が入った箱が伊之助に斬られそうになった際には毅然と相対し、炭治郎が鬼である禰󠄀豆子を連れている事を最初から分かっていたうえで、本人曰わく、「泣きたくなる様な優しい音」がするという炭治郎を信じて命懸けで箱を守り切るなどの一面も見せる。
蜘蛛山編、無限列車編、遊郭編に参戦。。
雷の呼吸(かみなりのこきゅう)
 壱ノ型 霹靂一閃(へきれきいっせん)
神速の踏み込みからの居合切り。直線状に突進するというだけのため、欠点もある。善逸は霹靂一閃しか使えないが、応用や成長により、連続技の六連八連、強化版の神速(しんそく)などを披露している。
 漆ノ型 火雷神(ほのいかずちのかみ)
善逸が編み出した新技。龍の形をした雷の斬撃をくり出す。この技で因縁の獪岳を倒した。
嘴平 伊之助(はしびら いのすけ)
声 - 松岡禎丞
演 - 佐藤祐吾
炭治郎の同期に当たる鬼殺隊剣士。年齢は15歳。猪に育てられた捨て子。名前は本名。「藤の家」の老婆・ひさ(声 - 谷育子)が作った天ぷらを食べてから好物となった。
奇怪なの被り物をしているが、素顔は非常に女性的で端整な顔立ちをしており、上半身は裸で、隊服はズボンのみ。腰や脛に毛皮を巻いている。日輪刀は最初は他の隊士から奪って手に入れた鍔と柄が無く、茎に布を直接巻き付けたのみの刃こぼれした2本の刀で、「千切り裂くような切れ味」と嘯く。鞘がなく非戦闘時は茎と同様、布を巻きつける。那田蜘蛛山の戦闘で折れた後、刀鍛冶・鉄穴森の手で伊之助用の日輪刀として正式に打ち直され、藍鼠色に変化するが、受領直後に石で叩いて最初の刀と同様、刃こぼれの形状に戻してしまい、鉄穴森の怒りを買った。
鬼殺隊隊員と力比べをして日輪刀を奪い、最終選別や鬼のことを聞きだした。育手の指導を介さず最終選別を生き残り、鬼殺隊に入隊した傑物。「稀血」の少年・清(きよし)(声 - 土岐隼一)を巡る響凱との戦いに、猛然と割り込む。炭治郎と同期ではあるが、最終選別にて生き延びて合格後に誰よりも早く下山した為にその時は炭治郎との面識はなく、初対面は鼓屋敷の闘いの時である。
戦いたいがゆえに戦うという好戦的な野生児で、高笑いしながら「猪突猛進、猪突猛進」と叫び、喧しく剣を振るう。常識に疎く文盲だが、語彙は豊富であり、突然難解な熟語を使う事がある。これは幼少のころ、一時期面倒を見てくれた老人の読み聞かせやその孫とのやり取りが影響している。他人の名前を覚えられず、勝手にあだ名をつけて呼ぶ。ちゃんと名前を言えるのは7回に1回ほど。
粗野粗暴だが、精神的には打たれ弱い部分があり、自分が手も足も出ず、負けると人が変わったように落ち込んでしまう。反面、自分より優勢の人物がいたり、他人から煽られると逆にやる気を出すなど、非常に負けず嫌いな一面もある。人の情けや、優しさを知らずに育ったため、それらが理解できていなかったが、炭治郎達と行動を共にすることで情緒が育ち始め、自らの変化に困惑する様になる。
我流の呼吸法である「獣の呼吸(ケダモノのこきゅう)」で鬼を倒す。触覚が非常に優れ、集中することにより空気のかすかな揺らぎすら感知し、直接触れていないものでも捉えられる。服を着ると触覚が鈍るため、常に上半身は裸になっている。毒や薬が効きにくい体質。関節の脱着による軟体化、内臓を移動させて致命傷を避けるといった芸当を見せる。
蜘蛛山編、無限列車編、遊郭編に参戦。
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鬼殺隊

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冨岡 義勇(とみおか ぎゆう)
声 - 櫻井孝宏
演 - 本田礼生
水の呼吸」を使用する水柱(みずばしら)。年齢は19歳→21歳。日輪刀は水の呼吸の適性を示す青みがかった刀身で、拵は鐔が亀甲型である他、全体的に白と黒、赤紫色を基調としている。
初登場は1話。禰󠄀豆子に襲われる炭治郎の前に現れ、鬼化した禰󠄀豆子を殺そうとする。しかし、妹を助けるために命懸けで勝とうとする炭治郎の意志や、飢餓状態でも兄を守ろうとする禰󠄀豆子を見たことで剣を引く。妹を助ける道として鬼殺隊としての訓練を受けるように勧め、鱗滝左近次に紹介状を送る。
現実的で冷めた雰囲気を見せ、感情を表に出すことはほとんどないが、炭治郎の生きる気力や覚悟を引き出すためにわざと厳しいことを言ったり、前述の経緯から禰󠄀豆子を見逃したりと、根は優しく情に厚い面がある。だが無表情で口下手なため、誤解を招き、しばしばトラブルを生む。嫌な奴といった印象を他人に与えがちで、胡蝶しのぶに「皆から嫌われている」と指摘されるが、自覚が無く強く否定している。
鱗滝と共に炭治郎と禰󠄀豆子を後援しており、柱合裁判で読み上げられた鱗滝の手紙により、「禰󠄀豆子が人を喰ったら切腹して詫びる」覚悟を持っていることが明らかになる。
隊服の上から、左右で違う柄を継いだような羽織を着用する。右半分が後述の蔦子の形見である色付きの無地、左半分は錆󠄀兎の形見である着物。
祝言間近の姉・蔦子を鬼に殺された過去を持つ。錆󠄀兎とは同じ時期に鱗滝に入門し、親友同士だった。作中での2度目の柱合会議の際、他の柱に対し「俺には関係ない」「俺はお前たちとは違う」と発言、柱稽古に出ないなどして顰蹙を買う。しかしこれは、最終選別を実力で突破したのではなく錆󠄀兎に守られ生き残っただけであるという負い目があったためである。「他の柱と肩を並べていていい人間ではない」と劣等感と自己嫌悪の念を抱えていたが、炭治郎に「錆󠄀兎が残したものを繋いでいかないのか」と問いかけられ、嘗て錆󠄀兎に自分自身を貶める言葉を張り手と共に叱咤された事を思い出し、柱稽古に参加する事を思いあらためる。
『冨岡義勇外伝』では主人公として描かれている。
初期案では着物を着用していたが、担当の片山から「大正感」が欲しいと要望を受け、詰め襟の隊服に羽織りという設定に変更された。
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胡蝶 しのぶ(こちょう しのぶ)
声 - 早見沙織
演 - 門山葉子
蟲の呼吸(むしのこきゅう)」を使用する蟲柱(むしばしら)。年齢は18歳。蝶の羽根を模した髪飾りや羽織を着用する。薬学に精通し藤の花から「鬼を殺せる毒」を作り出した。栗花落カナヲを継子に持つ。嘗てはカナヲ以外にも継子が三人いたが、全員鬼に殺害されている。
初登場は那田蜘蛛山編。蝶屋敷編の主要人物。
女性隊士の中でも特に小柄で華奢な人物であるが、その分瞬発力や移動速度に優れている。刀を振る筋力が弱いため柱の中で唯一鬼の頚を斬ることができない剣士だが、突く筋力が非常に強く、岩を貫通させるほど。日輪刀はその能力を活かすため、刀身は反りが少なく、の様な独特な形をしており、刺突技に特化した戦い方をする。刺突では鬼を殺せないため、鬼ごとに調合を変えた毒を刃に纏わせて毒殺する。担当の刀鍛冶は鉄地河原鉄珍。草履の踵部分に仕込み刃が施してある。
常に笑顔を絶やさず、誰に対しても敬語を崩さない物腰柔らかな女性。「鬼も人も仲良くすればいい」という持論を掲げており、命乞いをしてきた鬼を助け様とする素振りもみられるが、「殺した人の分だけ拷問することで仲良くできる」という条件を提示するなど、言動に見合わない苛烈さや歪んだ価値観を見せる事がある。
那田蜘蛛山にて初対面の禰󠄀豆子を殺そうとするも、冨岡に阻止される。柱合会議後は彼とならぶ炭治郎の数少ない理解者となる。「蝶屋敷」という鬼殺隊専門の病院のような施設を運営しており、重傷を負った隊員の治療やリハビリを受け持っている。屋敷の子供達を妹のように可愛がっている。
嘗ては姉カナエと両親と幸せに暮らしていたが、鬼によって両親を殺害され、悲鳴嶼に助けられた。まだ壊されていない誰かの幸福を守るため、姉と共に鬼殺隊士となった経緯を持つ。
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煉󠄁獄 杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)
声 - 日野聡伊瀬茉莉也(幼少期)
演 - 矢崎広
炎の呼吸(ほのおのこきゅう)」を使用する炎柱(えんばしら)。年齢は20歳。日輪刀は刀身が赤色で、拵は炎の様な形状の鐔を備えている。無限列車編の主要人物。
服装は隊服の上から、下方先端が炎を思わせる意匠の白いマントのような羽織を羽織っている。
隊律違反を犯した炭治郎と鬼である禰󠄀豆子の斬首を問答無用で主張するが、鬼に対する怨みや憎しみは見せず、正論を好んで語る。柱合裁判後、炭治郎の心意気に一人感ずる様子も見せ、後に再会した時には継子に勧誘する。また、最期には人間を守るために戦った禰󠄀豆子を鬼殺隊の一員として認める。
歴代「炎柱」を輩出している名家・煉󠄁獄家の出身。幼いころから父の指導の下、鬼狩りとしての腕を磨いていたが、突如剣を捨て無気力となった父より突き放され、深く傷つきながらも、表向きは常に快活な笑顔を浮かべ、弟・千寿郎を導きつつ柱の一人として鬼殺隊も支えた。
戦闘力は凄まじく、無限列車内では五両間を一瞬で移動、技の威力で横転の衝撃を和らげるほどの実力を持つ。リーダーシップと判断力も優れ、炭治郎達に列車の事態を収拾するための的確な指示を出す。他の柱達からも高評価されている。
無限列車の調査に赴き、炭治郎達と共闘して魘夢を倒すが、直後に上弦の参・猗窩座の強襲を受ける。彼からはその卓越した戦闘能力や剣技、精神性を絶賛され、鬼となる様、再三勧誘を受けるも、最後までこれを跳ね除けて人間として戦い抜いた。結果として自身は致命傷を負い、猗窩座を取り逃がすが、幾人もの柱を殺してきた上弦の鬼を相手に死力を尽くして渡り合い、自身以外の誰も傷つけさせずに守り切った。最期に炭治郎達へ遺言を残し、家族への想いを胸に抱きつつ笑顔で息絶える。今代の柱では最初の戦死者となったが、その戦う姿勢と信念は炭治郎達に多大な影響を与え、死後もなお、尊敬され続けている。
『煉󠄁獄杏寿郎 外伝』では主人公として描かれる。
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宇髄 天元(うずい てんげん)
声 - 小西克幸
演 - 辻󠄀凌志朗
音の呼吸(おとのこきゅう)」を使用する音柱(おとばしら)。年齢は23歳。「派手」が口癖で、宝石が散りばめられた額当てをはめ、左目の周囲に化粧をしている派手な出で立ちの大柄な剣士。自称「祭りの神」。素顔は非常に端正だが、本人は「地味だから」と嫌い、化粧で派手な容姿を作っている。三人の妻、須磨・まきを・雛鶴がいる。遊郭編の主要人物。
得物は鎖でつながれた大包丁の様に幅広の二本の日輪刀で、戦闘時以外は刀身に細い布を巻いて背負う。補助に火薬玉も使用する。
体格と腕力は柱の二番手。元であるため、大柄な体格に反する柱随一の俊敏さや隠密性を併せ持ち、毒への耐性も高い。聴覚に優れる(雷の派生が音。善逸は雷)。相手の攻撃動作の律動を読み、音に変換、相手の攻撃の癖や死角を把握する『譜面』という独自の戦闘計算式を立てる事もできるが、完成までに時間が掛かる。忍の一族として生まれるも、忍自体は時代遅れとなっており、焦った父による苛酷な訓練により、多くの兄弟を亡くしている。嫁たちも「道具」として扱われていたくノ一であった。父を拒否して忍をやめ、産屋敷輝哉と出会い鬼殺隊に居場所を得る。
柱合裁判の際は炭治郎の斬首を主張したが、根は豪快で気のいい性格。妻たちの安否を心から案じ、蝶屋敷の娘を守ろうとする炭治郎達の直訴も、あっさりと聞き入れる。柱の中では、自分は大したものではないと評している。
吉原・遊郭にて十二鬼月の上弦の陸である堕姫・妓夫太郎と戦うも、血鬼術の猛毒に冒される。禰󠄀豆子の血鬼術によって解毒され一命は取り留めるも、負傷は大きく、柱を引退する。
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時透 無一郎(ときとう むいちろう)
声 - 河西健吾
演 - 奥田夢叶
霞の呼吸(かすみのこきゅう)」を使用する霞柱(かすみばしら)。年齢は14歳。当代最年少の柱であり、刀を握って僅か2か月で柱となった天才。「日の呼吸の剣士」の子孫と伝わっているが、正確にはその双子の兄・継国巌勝(上弦の壱・黒死牟)の子孫。日輪刀は霞の様に白い刀身。担当の刀鍛冶は鉄井戸、後に鉄穴森鋼蔵。刀鍛冶の里編の主要人物。
一人称は「俺」と「僕」が混在し、不安定。常に無表情で他者への関心が希薄な茫洋とした性格。その場とは無関係な事を考えている場合が多く、柱合会議での竈門兄妹の処遇においても「すぐに忘れるのでどちらでも良い」と関心を示さなかった。反面、徹底的な合理主義を貫き、柱としての活動を妨げる者には実力行使もいとわないある種の冷酷さも併せ持つが、これは彼なりの責任感や正義感の裏返しでもあり、決して悪意はない。
記憶障害を患っており、刀を握る以前の記憶を持たず、隊士となってからも新たな事柄を長く覚えておく事ができない。マイペースな言動の一因である。
かつては父親と母親と双子の兄・有一郎の四人家族で、杣人であった父親の手伝いをしながら暮らしていたが10歳の時に両親を亡くし、以降は有一郎と共に生活を送っていた。11歳の春ごろに訪ねて来た産屋敷あまねから自分達が「始まりの呼吸の剣士」の子孫である事を伝えられ剣士に憧れを抱くが有一郎から猛反対され、有一郎があまねに水を浴びせたことで喧嘩をしたきり口を利かなくなる。しかし、同年の夏に鬼の奇襲を受け、深手を負った有一郎を前に放った鬼の言葉に激しい怒りを覚え、朝日が昇り鬼が塵になるまで交戦した。その後、瀕死状態の有一郎から本音を聞き、彼の死後は気を失っていた所をあまね達に保護される。この一件から記憶障害を患う。
刀鍛冶の里にて上弦の肆・半天狗と上弦の伍・玉壺の襲撃を受け、当初は炭治郎と共に半天狗と交戦するが、強風で飛ばされて離脱させられる。身を立て直し、最も優れた技術を持つ里長を最優先に救出しようと再び行動を開始。道中に玉壺の使い魔に襲われている小鉄を目撃するが、優先度の低い彼を見捨てようとする。しかし、「人のために行った事は巡り巡って自分に返ってくる」という炭治郎の言葉を思い出し、救出した。続いて、鋼鐵塚が刀を研ぐ小屋で、彼と小鉄を守りつつ、玉壺と交戦となる。呼吸を封じられ、成す術が無いと死を直感するが、命がけの小鉄の行動と機転により危機から脱出。嘗ての記憶を取り戻し、痣の者として覚醒した事で玉壺の頸を切り落とす。この時、痣の条件を把握した事で、柱達も知るところとなる。
記憶を取り戻して以降は朗らかな面も見せるようになり、特に記憶を取り戻す切っ掛けとなった炭治郎には深く感謝しており、柱稽古の上達の速さも相俟って非常に好意的に接している。一方で呑み込みの悪い隊士には相変わらず辛辣である。
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甘露寺 蜜璃(かんろじ みつり)
声 - 花澤香菜
演 - 川崎愛香里
恋の呼吸(こいのこきゅう)」を使用する恋柱(こいばしら)。年齢は19歳。元は煉󠄁獄の継子。
社交的で心優しく、無視されると泣きじゃくるほど、繊細な性格。非常に惚れっぽく、周囲のあらゆる人物に男女問わずときめいている。伊黒には特別視されている様子。刀鍛冶の里編の主要人物。
見た目こそ可憐な女性であるが、特異体質により常人の8倍の密度の筋肉を備え、容姿にそぐわぬ怪力を有する。この肉体は旺盛な食欲によって支えられている。長髪を三つ編みにしており、桜餅の食べ過ぎが原因で髪色は桜色と緑色に変色している。隊服は胸元が露出している。
戦闘では、鉄地河原が制作したウルミのようにしなる日輪刀を使用する。
柱の中では最も禰󠄀豆子に好意的であり、頭を撫でたり、くすぐって遊んだりと大変可愛がっており、禰󠄀豆子もまた甘露寺によく懐いている。復讐目的で戦っているわけではないが、人を傷付ける鬼には毅然と立ち向かう。
鬼殺隊に入った理由は「添い遂げる殿方を見つけるため」。家族は五人姉弟で仲が良く、鬼とは無縁である。17歳でお見合いをするが体質や髪色等により破談してからは、力の弱いふりをし髪色を黒く染め食事を我慢する等、結婚するために自分自身に嘘をつく様になる。しかし、途中で自分じゃない振りをするのはおかしいと思うようになり、人の役に立ちたいと鬼殺隊に入隊。ありのままの自分を受け入れてくれる鬼殺隊やその面々を大切に想っていたが、また拒絶されることを恐れて本領を発揮しきれずにいた。しかし、上弦の肆・半天狗との苦境において、炭治郎から「希望の光」と言われたことで力を抑えることを止め、憎伯天を足止めし、半天狗討伐に大きく貢献する。
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伊黒 小芭内(いぐろ おばない)
声 - 鈴村健一
演 - 宮本弘佑
蛇の呼吸(へびのこきゅう)」を使用する蛇柱(へびばしら)。年齢は21歳。左右で瞳の色が異なり、口元を包帯で隠した、比較的小柄な男性。右眼は弱視で、包帯の下は口元を裂かれている(理由は後述)。ネチネチした責める様なしつこい話し方をする。「鏑丸(後述)」という雄の白蛇を連れており、視力の弱い伊黒を補助している。蜜璃に好意を持っている。
日輪刀はフランベルジュのようなうねる刀身。抜刀できないため鞘は開閉式となっている。
蛇じみた女の鬼が支配する女系の一族に生まれる。一族は蛇鬼が殺して奪った金品で生計を立てており、自分たちが産んだ赤ん坊を生け贄として差し出していた。小芭内は370年ぶりに生まれた男で、左右違う色の目をしていた事から、食べる量を増やすため生贄として座敷牢で育てられた。小芭内は一度蛇鬼に会わされた際に、生き血を飲む為に口を割かれている。その後は生きる為に脱走を決意、盗んだ簪で毎日少しずつ座敷牢の木の格子を削る日々を送り、この時に鏑丸とも出会っている。脱走後に捕まり、煉獄槇寿郎に救われる。親族はおよそ50人位いたが、小芭内の脱走に怒った蛇鬼にほぼ全員が殺害された。唯一生き残った従姉妹には理不尽な理由で罵倒されている。
生い立ちが原因で、自分の血は汚れており死ぬまで消えないと考えている。蜜理に惹かれているが、釣り合うとも結ばれるとも思っておらず、想いを伝えるつもりもない。
柱合会議で炭治郎と衝突し、遊郭編でも駆けつけたがすでに戦闘が終わっていた。本格的な活躍は無惨戦までない。無惨との決戦では、赫刀で戦うも、両目を斬られ失明する。
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不死川 実弥(しなずがわ さねみ)
声 - 関智一
演 - 前田隆太朗
風の呼吸(かぜのこきゅう)」を使用する風柱(かぜばしら)。年齢は21歳。不死川玄弥の兄。短い白髪の青年で身体中に傷跡がある。非常に粗暴かつ苛烈な言動が目立ち、柱の中でも鬼への憎悪や敵意はずばぬけて強い。前の大きく開いた隊服を着る。日輪刀は緑色の刀身を持ち、拵は風車を思わせる鐔を備えている。
柱の中では禰󠄀豆子の存在を最も強く否定し、自身を傷付け血を見せることで鬼の本性を引き出そうとするが、禰󠄀豆子が理性を保ちきったため、逆に「人を襲わない証明」が公式になされることとなる。
稀血の中でも希少な匂いをかいだ鬼を酔わせる血を持つ。また、実戦経験豊富で無一郎を一瞬で切り刻んだ黒死牟の技にも対応できている。
鬼化した母に兄弟を殺され、唯一残った玄弥を守るために夜が明けるまで母と戦い続け手に掛けた過去を持つ。顔の大きな傷はその時についたもの。しかし、生き残った玄弥は母が死んだことに混乱し「人殺し」と実弥を罵倒した。その後、稀血と喧嘩殺法でひたすら夜明けまで足止めして殺すという無茶な戦い方で鬼を倒し続ける内に粂野匡近と出会い鬼殺隊の存在を知る。入隊し当時の下弦の壱を倒して柱入りしたが、その際に大恩ある粂野を失った。顔合わせするまでは、命令するばかりで前線に立たない輝哉に反感を抱いていたが、彼が亡くなった鬼殺隊員の名前を全て記憶していることを知って驚愕し、意識を改める。
玄弥に対しては、亡き母親や弟妹達の分も幸せになって欲しいという思いから、過去を悔やみ、謝ろうと自分を追って鬼殺隊に入隊してきた彼を「自分には弟はいない」と冷たく突き放して才覚の無さを理由に鬼殺隊を辞めるよう迫り、鬼を喰ってまで戦っていることを知ると激昂し、目を潰そうとするなど、常軌を逸した行動をとる。そこへ助けに入った炭治郎と乱闘騒ぎに発展し、彼との接近禁止が命ぜられた。義勇の事も言動や他の柱と協力しようとしない態度から嫌っている。
小説『風の道しるべ』では主人公として描かれる。
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悲鳴嶼 行冥(ひめじま ぎょうめい)
声 - 杉田智和
演 - チャンヘ
岩の呼吸(いわのこきゅう)」を使用する岩柱(いわばしら)。年齢は27歳。僧侶を思わせる風体で、盲目の大男。失明は幼少期の高熱によるもの。性格は穏やかで優しく涙脆い。
柱の中では最年長のまとめ役で、耀哉の信頼も厚い。体格と腕力は柱一で、心技体に優れ、総合的な戦闘力は突出して高い。複数の剣士たちから鬼殺隊最強と評価されるに留まらず、上弦の壱・黒死牟をして絶賛せしめる。玄弥は弟子として彼の許にいた。
戦闘時には修羅となり、最前線では毅然として戦闘指揮を執る。他者の恋愛の機微に敏い。
手斧と棘付き鉄球を鎖で連結した特製の日輪刀を武器に用いる。この鎖鉄球をぶつけて鬼の頭部を粉砕する。
「子供」の負の面をよく知っており、柱合会議の初対面時は、炭治郎を疑っていたが、柱稽古に至り炭治郎をはっきりと認めた。
病や飢えで両親と兄弟を全員失くした天涯孤独の身。寺で育ち、身寄りのない子供たち9人の世話をして生活していた。だが、鬼がやって来たことで、1人が自分が助かるために裏切り、4人がすぐ殺され、3人も言うことを聞かずに殺される。もはや最後の1人となった女児を守るべく、日が昇るまで鬼の頭を殴り潰し続け守り切るも、彼女はショックを受けており正確な説明ができず、不幸にもその証言が誤解され、殺人犯として投獄される。鬼の犯行であることに気づいた輝哉に助けられたことで、鬼殺隊に入隊する。
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当主家

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産屋敷 耀哉(うぶやしき かがや)
声 - 森川智之
演 - 廣瀬智紀
鬼殺隊の頭目で産屋敷家第97代当主。23歳。隊士達からは「お館様」と呼ばれ、鬼殺隊の剣士たちを「私の子供達」と呼ぶ。
代々短命の一族で病に冒され、顔面上部の皮膚が変質している。初登場の柱合会議時点では視力を失っている。さらに時間の経過とともに病が進行し、身体が衰弱している。声質は「1/fゆらぎ」(えふぶんのいちゆらぎ)を帯び、聴く相手を心地よく高揚させる。我と個性が強すぎて纏まりがつかない「柱」達も、全員が彼を心酔し敬っている。鬼・禰󠄀豆子の存在を知りつつ炭治郎の行動を黙認していたが、柱達の自主性・使命感からの反対意見を頭ごなしに否定することもなく、最終的には禰󠄀豆子を組織的に認めるに至る。また、柱達にも秘密裏に珠世の存在をも把握している。
実は千年前に鬼舞辻󠄀無惨を出した一族の末裔であり、一族の病を無惨を産み出した罪による呪いとみなし、執念で短命の血筋と鬼殺隊を千年維持してきた。病弱ながら知に優れ、築いた財で鬼殺隊を支えている。無惨の打倒こそが、一族の悲願である。彼ら2人の顔は「双子のように瓜二つ」だという。天元・炭治郎が「上弦の陸」を撃破した際には吐血しながらも歓喜した。
産屋敷 あまね(うぶやしき あまね)
声 - 佐藤利奈
産屋敷耀哉の妻。27歳。旧姓は神籬(ひもろぎ)。代々神職の家系の出身で、断片的な予知夢を見ることもあった。生まれ付きの白髪と美しい容姿から、初めて彼女と会った無一郎は「白樺の精」と彼女を称した。病状が悪化して人前に出られなくなった耀哉の代理を務める。耀哉とはお見合いを機に結婚。
産屋敷 輝利哉(うぶやしき きりや)
声 - 悠木碧
演 - 久家心
産屋敷夫妻の五つ子の内、一人だけいる黒髪の子供。唯一の男児で跡継ぎ。瞳孔が大きく、母や姉妹とよく似ている。父同様に病弱で、魔よけの風習から女児の着物を着ている。
炭治郎の時の最終選別では、姉妹と共に案内役を務めた。このときはおまけページで「二人のどちらかが男の子」と紹介されたが、後に耀哉の実子・跡継ぎの男児であることなどが判明する。父亡き後は齢8歳で第98代当主となる。。
産屋敷 ひなき(うぶやしき ひなき)、産屋敷 にちか(うぶやしき にちか)、産屋敷 くいな(うぶやしき くいな)、産屋敷 かなた(うぶやしき かなた)
声 - 花守ゆみり(ひなき)、小澤亜李(にちか)、井澤詩織(かなた)
演 - 柿澤ゆりあ(かなた)、髙原華乃、遙りさ
産屋敷夫妻の五つ子のうち、四人いる白髪の子供。全員が女児。ひなきとにちかが輝利哉の姉で、くいなとかなたが輝利哉の妹。姉2人は主に耀哉の世話を、妹2人は主に後継者である輝利哉の補佐を努めている。髪飾りの種類と位置以外では見分けがつかないほどによく似ている。炭治郎の時の最終選別では、妹かなたは長男の輝利哉と共に案内役を務めた。姉2人は両親と共に自爆し、妹2人は無限城で輝利哉の指揮を支援する。

剣士

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栗花落 カナヲ(つゆり かなお)
声 - 上田麗奈
演 - 舞羽美海(初演)、内田未来(其ノ弍 絆)
炭治郎の同期に当たる鬼殺隊の女剣士。年齢は16歳。才覚を認められ、蟲柱・胡蝶しのぶの「継子」となっている。胡蝶カナエと同じ「花の呼吸(はなのこきゅう)」の剣士。しのぶより体格と力に優れており、戦い方も異なる。
那田蜘蛛山では「隠」を率いて見事に指揮をとるも、蝶屋敷ではぼんやりとしており表情も乏しく、炭治郎でさえコミュニケーションがとれていなかった。
視覚が非常に優れており、特にずばぬけた反応速度と動体視力を持ち、潜在能力はしのぶをも上回るのではないかと見込まれている。炭治郎と禰󠄀豆子の処遇が決定された柱合会議後の時点で「全集中・常中」を会得しており、その後に行われた「カナヲに勝つ」という課題の機能回復訓練において、非実戦とはいえ炭治郎たちはまるで太刀打ちできていなかった。
全てにおいて「どうでもいいから何も決められない」という一種の虚無感を抱え、指示を受けたこと以外の行動は銅貨を投げた結果(コイントス)で決めていたが、炭治郎との出会いがその胸中に一石を投じる。炭治郎と出会ってからは、コイントスをせず自分の意思で行動することもみられるようになり、成長している。
幼少のころ、実の親からの虐待の末、何も感じなくなる。その後、親に売られ、人買いが連れ歩いているところを胡蝶カナエ・しのぶ姉妹が保護し、引き取った。カナエによって「カナヲ」と名付けられるが、前述の経緯から自己主張する事ができなくなってしまったため、カナエから銅貨を贈られる。
態度には出づらかったとはいえ、カナエとしのぶのことは自分の肉親と断言するほど心から慕っていた。また、アオイやきよ達の家族を殺し、優しくしてくれた隊士やしのぶの継子達も殺した鬼への怒りの感情を持つようになり、最終選別にもしのぶ達に無断で参加していた。
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不死川 玄弥(しなずがわ げんや)
声 - 岡本信彦
演 - 森田力斗
炭治郎の同期にあたる鬼殺隊剣士。年齢は16歳。風柱・不死川実弥の弟。悲鳴嶼行冥の弟子。刀鍛冶の里編の主要人物。
顔に大きな傷があり、目つきが鋭く、髪型はモヒカンにしている。無口で粗暴な性格に見られがちだが、実は意外に常識的で人が好く、変人だらけの周りに引く事もしばしば。選別後に女童を殴り日輪刀を催促したところを激怒した炭治郎に止められ、腕を折られた。選別時には炭治郎と同じくらいの背丈だったが、蝶屋敷で再会した際は劇的に体格が良くなっていた。刀鍛冶の里にて再び炭治郎と顔を合わせるが、前述の件を根に持っており、当初は敵意を剥き出しにしていた。しかし、戦いの中で和解し、以降はその人の好さが前に出るようになっている。突っ張っているが、根は女や子供に弱い。
体格は良いが、呼吸の才能が全く無い。戦闘では色変わりしていないやや短い唯の日輪刀と、特製大型弾を撃ち出す南蛮銃(水平二連式ソードオフ・ショットガン)を使う。また、特異体質を持ち、強力な顎と特殊な消化器官により、鬼の肉を喰い取り込む事で、その力を一時的に使う事ができる鬼殺隊にとって唯一無二の人材である。
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