コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

利用者:Asturio Cantabrio/サブページ4

立岩

丹後の海岸地形」(たんごのかいがんちけい)は、京都府によって京都の自然200選に選定されている景勝地群。

丹後半島の北端部に位置する京都府京丹後市丹後町此代・筆石・間人・竹野などにまたがっており、城島、立岩、筆石海岸段丘、屏風岩、犬ケ岬、丹後松島の6の自然地形からなる。

選定・指定

[編集]

1968年(昭和43年)には海蝕景観を特徴とする丹後半島海岸部が若狭湾国定公園に追加編入された[1]。1993年(平成5年)8月、京都府によって京都の自然200選の地形・地質部門に選定された[2]。2007年(平成19年)8月3日にはこの地域を含む区域が丹後天橋立大江山国定公園として独立している。

城島、立岩、屏風岩、丹後松島は山陰海岸ユネスコ世界ジオパークのジオサイトに選定されている[3]。また、立岩、屏風岩、丹後松島は「丹後の立岩・屏風岩・丹後松島・経ヶ岬の海岸景観」として京都府景観資産に登録されている[4]

地形

[編集]

城島

[編集]
城島
  • 城島(城嶋、しろしま)
    • 京丹後市丹後町間人。間人市街地の西部に位置する小間漁港の港口部に浮かぶ小島であり[5]、間人市街地とは吊り橋で結ばれている。約1500万年前に海底で起こったマグマの活動によってドーム状構造と呼ばれる盛り上がった地層が見られる[6]。島の北西岸には波食棚英語版が広がり、北岸には甌穴(ポットホール)もみられる[6]。周囲長は約4km、高さは21m[6]
    • 戦国時代には一色氏に仕えた守護職の荒川武蔵守の居城があった[6]。江戸時代には北前船の中継地点となり、城島周辺には北前船をつないだ杭の痕跡がみられる[6]

立岩

[編集]
立岩
  • 立岩(たていわ)
    • 京丹後市丹後町間人。京丹後市の日本海岸には約1,500万年前の噴火の際の溶岩が固まった安山岩流紋岩火砕流が堆積した凝灰岩が多くみられ、その代表例が立岩と屏風岩である[4]竹野川の河口部の海中に位置する立岩は、溶岩が冷えて固まった際の柱状節理を有する玄武岩の岩塊であり[5]、同様の岩塊としては全国屈指の大きさを有する。陸繋砂州(トンボロ)で本土と繋がっており、丹後半島を代表する海岸地形とされる[7]
    • 用明天皇間人皇后の第3皇子である麿子親王が鬼退治を行った時、立岩に鬼を封じ込めたとする伝承がある[8]。間人(はしうど)皇后が争乱を避けてこの地に身を寄せたことが間人(たいざ)という地名の由来になったとする伝承がある。2018年(平成30年)3月23日、京丹後市指定文化財(天然記念物及び名勝)に指定された[9]。高さは約20mであり、周囲長は約1kmである[10]

筆石海岸段丘

[編集]
筆石海岸段丘
  • 筆石海岸段丘(ふでしかいがんだんきゅう)
    • 京丹後市丹後町筆石。京丹後市北部の日本海沿いには下位、中位、上位の段丘面を持つ海岸段丘が発達しており、最も連続性が見られる中位面は約13万年前の最終間氷期英語版の海進期に形成された[4]。日本海が迫る筆石の断崖上には柵状の田畑が広がっている[5]
    • 洋画家の須田国太郎は何度も写生旅行で丹後を訪れているが、1937年(昭和12年)12月には筆石を訪れ、1938年(昭和13年)の第3回京都市展には筆石海岸段丘上の集落を描いた『筆石村』を出品した[11]。1996年(平成8年)には静岡県立美術館で『筆石村』の読解を主体とする「検証・須田国太郎の“筆石村”」展が開催された[11]

屏風岩

[編集]
屏風岩
  • 屏風岩(びょうぶいわ)
    • 京丹後市丹後町筆石。屏風を立てたような姿をした岩[5]

犬ケ岬

[編集]
犬ケ岬
  • 犬ケ岬(いぬがさき)
    • 京丹後市丹後町筆石・此代。経ヶ岬などと同様に安山岩からなり、犬ケ岬付近では比較的大きな海触崖がみられる[1]、犬が寝そべっているように見えることから名づけられた[5]

丹後松島

[編集]
犬ケ岬
  • 丹後松島(たんごまつしま)
    • 京丹後市丹後町平。多数の海蝕島からなる島嶼群であり[5]日本三景松島(宮城県)に似ている事から丹後松島と名付けられた[12]
    • 1962年(昭和37年)6月14日に丹後半島一周道路が開通すると、丹後松島の美観が喧伝されるようになった[13]。1971年(昭和46年)には京都府によって「京の百景」に選定され、日本画家の国守克によって描かれた[14]。1982年(昭和57年)には丹後半島一周道路が国道国道178号)に昇格している[15]

脚注

[編集]
  1. ^ a b 『国立公園』自然公園財団、224号、1968年7月、p.26
  2. ^ 「京都の自然200選」選定一覧 京都府
  3. ^ ジオサイト 山陰海岸ユネスコジオパーク
  4. ^ a b c 第1章 京丹後市の概要 京丹後市
  5. ^ a b c d e f 丹後の海岸地形 京都府
  6. ^ a b c d e 間人海岸周辺 山陰海岸ユネスコジオパーク
  7. ^ 立岩(府指定文化財) 京丹後市
  8. ^ 立岩 京都府
  9. ^ 指定文化財(名勝・天然記念物)一覧 京丹後市
  10. ^ 立岩 巨石巡礼
  11. ^ a b 筆石村 静岡県立美術館 デジタルアーカイブ
  12. ^ 丹後松島 京都府
  13. ^ 京都地域研究会『京都地域研究 2』京都地域研究会、1987年、p.50
  14. ^ 『京の百景絵画集』京都府、1973年、111頁。 
  15. ^ 京都地域研究会『京都地域研究 2』京都地域研究会、1987年、p.52

外部リンク

[編集]

{{DEFAULTSORT:たんこのかいかんちけい}} [[Category:京都府の観光地]] [[Category:京丹後市の地理]]