コンテンツにスキップ

利用者:Gyulfox/下書2

中国名[編集]

中国では参宿第七星(參宿七)。

和名[編集]

『日本星名辞典』に掲載された図と注釈の再現

リゲルの和名は「源氏星」(げんじぼし)とされている [1][2] [3][4][5] [6]

1950年(昭和25年)、野尻抱影が平家星・源氏星という岐阜県揖斐郡横蔵村(現揖斐川町)の方言を入手し[注 1]、 1955年(昭和30年)の『星三百六十五夜』をはじめ、1957年(昭和32年)の『星の方言集 - 日本の星』等でこれを紹介している。野尻はこの方言について、ベテルギウスの赤色とリゲルの白色を源氏平家の旗色になぞらえた表現に由来したと解釈している。 さらに野尻は、農民の星の色を見分けた目の確かさに感心し、それ以後は渋谷のプラネタリウムで解説する際には、平家星・源氏星という名称を使用するようになった [7] [8] [9]

天文誌や図鑑、野尻抱影や藤井旭の著書など、多くの書籍で岐阜県の方言として、リゲルの和名を「源氏星」としている [5][7][8] [10] [11]。 これは多数説であるが、民俗学的視点から異論もある(後述) [12]

1985年(昭和60年)、増田正之は、富山県高岡市の市立伏木小学校において、リゲルを源氏星とした方言を見つけている [13]

日本にはこの他にもリゲルに関する方言が様々に見つかっている。滋賀虎姫でリゲルを銀脇(ぎんわき)とする方言が発見されている。これは、オリオン座の三つ星の脇にある関係とベテルギウスの金色とリゲルの白色とを見分けた表現から来ている。このように星を色で見分けた表現は、世界的に類を見ないと言われている[7]

その他、リゲルが含まれたアステリズムの方言は各地に存在する。 詳細はリゲル関係の方言を参照。

北尾浩一の見解
(北尾浩一は天文同好会である東亜天文学会の課長を務める研究家である[14]。)
2005年(平成17年)、北尾は東亜天文学会の会報『天界』の中で、岐阜県周辺の西美濃で赤は源氏の色と古老から教えられたという香田氏の証言を根拠に、平家星と源氏星は、平家の落人集落で故意に反対に伝承されたとする仮説を発表している[12]
多くの書籍で、源氏星がリゲルを示す岐阜の方言とされている事について、北尾は、野尻抱影の著書における村の古老の証言と逆[注 1]であると指摘している。 さらに北尾は、村の古老の存在を野尻に伝えた香田に連絡を取り、当時の記憶が曖昧でないことと、発見地とされる揖斐地方では、源氏と平家の旗印の色は、広く逆に伝承されているという意見を聞き取っている[12]
北尾は香田より「わざと反対に伝承するというのは面白いご指摘で、もとはそうしたものであったかとも思います。[12]」というコメントを受けている[12]
(中略)
2006年(平成18年)、北尾浩一は、『天文民俗学序説』を著し、揖斐地方で発見された「平家星」(へいけぼし)をリゲルとして表中に分類し、発見者を香田とした[15]
北尾浩一の見解は少数説であり、今のところ民俗学的には注目されていない。

出典・注釈[編集]

注釈

  1. ^ a b 香田まゆみ(または寿男)は野尻氏に手紙で、平家星をリゲルと特定した古老の存在を報告している。香田は岐阜周辺の星の和名を野尻に報告した人物である。(『日本星名辞典』154-155項、『星の方言集 - 日本の星』265-266項)

出典

  1. ^ 三省堂『大辞林』810項
  2. ^ 日本大百科全書』23巻リゲル項
  3. ^ 野尻抱影著『新星座巡礼』19項
  4. ^ 野尻抱影著『星三百六十五夜』上巻(1978年)38項
  5. ^ a b 『月間天文ガイド2007年2月号』134項
  6. ^ 講談社『日本語大辞典』(リゲル項)2063項/平凡社『マイペディア』(リゲル項)1502項/ポプラ社『ポプラディア』第10巻(リゲル項)/学研の図鑑『星・星座』75項
  7. ^ a b c 野尻抱影 『日本星名辞典』 東京堂出版、1973年、154-155頁
  8. ^ a b 野尻抱影 『星の方言集 - 日本の星』 中央公論社、1957年、265-269頁
  9. ^ 野尻抱影著『星三百六十五夜』上巻(1955年)
  10. ^ 藤井旭著 『宇宙大全』441項/同著『全天星座百科』150項/同著『星座大全』35-36項
  11. ^ 講談社,林完次著『21世紀星空早見ガイド』50項
  12. ^ a b c d e 北尾浩一 「『源氏星』と『平家星』」 - 星・人・暮らしの博物館,東亜天文学会『天界』2005年11月号648頁
  13. ^ 増田正之『ふるさとの星 続越中の星ものがたり』15項および、巻末 富山県星の一覧表3項
  14. ^ 東亜天文学会
  15. ^ 学術出版会 北尾浩一著 『天文民俗学序説 - 星・人・暮らし』39項の表より