利用者:Mr.R1234/sandbox/方程式の解法下書き

数学において、方程式を解く(とく、:solve)とは、まだわかっていない数(未知数)を含む等式で、その等式を成り立たせる未知数の値(解(かい、:solution))を求めるということである。方程式には、少なくとも1つの未知数が与えられ、解を元の方程式に代入すると、その式は等式となる。また、特に代数方程式では、方程式の根ともよばれる。このページでは、主な方程式の解法についてまとめる。

概要[編集]

方程式については、方程式を参照。

方程式は、数値的または代数的に解く事ができ、「数値的に解く」とは、数値のみが解として認められるということである。「代数的に解く」とは、与えられた方程式の係数から出発して四則演算冪根をとる操作を有限回繰り返し、方程式の根を表示することをいう。例えば、方程式の解は、数値的に解いて、x=-1,-5となる。また、を記号的に解くと、後述の2次方程式の解の公式が与えられる。さらに、解は1つとは限らない。先述の通り2次方程式の解は2つある。(1つの場合もある)また、は解がなく、(どの数を入れても成り立たない)解が無数にある不定方程式(後述)の整数解は、「(kは整数)」のような解となる。

解法[編集]

一元一次方程式の解法[編集]

一元一次方程式は、次数1の方程式で、a,bを実数定数とすると、またはの形である。
のとき、bを右辺に移項し、両辺をaで割ることで解はとなる。
のとき、なら解が定まらない「不定」となる。[1]なら、解は不能(解なし)[2]となる。

連立方程式[編集]

連立方程式は、以下の例のような未知数が2つ以上ある方程式である。
例:
未知数と同じ数の方程式があれば、解を求めることができる。方程式が足りないと、後述の不定方程式となり、方程式が多すぎると制約が過剰なので、解が存在しない。 解法でよく知られたものとして以下の方法がある。いずれの方法も変数を減らしていき、一変数の方程式に帰着させることによって解く方法であり、どの方法をとっても解は(x,y)=(1,2)となる。まずは、式を展開、計算して整理する必要がある。

代入法[編集]

いずれかの方程式を一つの変数について解き、他の方程式に代入することによって、変数を減らし、方程式を簡単にしてから解く方法。
例の場合は、と変形し、(xについて解くという)下の式に代入して、という式にすることで、xを消去できる。

代入法のメリットは、後述の加減法に比べて計算が簡単であることが挙げられるが、デメリットとして、係数が1でない場合に、(例の2x+3y=8のような場合)xやyについて解くと,分数が出てきて計算が難しくなってしまう。このような場合は加減法が良いとされる。[3]

等値法(等置法)[編集]

それぞれの方程式を、特定の変数について解いたときの値を等しいとして、変数を消去する方法。代入法の一種とも言える。[4]
例では、をxについて解き、となる。それぞれの方程式の右辺は等しいから、となり、xを消去できる。

加減法[編集]

方程式の両辺を定数倍したり、足し引きすることによって、変数を消去する方法。
上の方程式の両辺を2倍し、となり、上から下の式を引くと、y=2とわかる。これを、どちらかの式に代入して、xが求められる。加減法の長所として、どの連立方程式も解けることがある。一方、代入法に比べて計算量は多くなる。

グラフを使った解き方[編集]

2つの式を,yについて解く。この解いた式をグラフにすると、グラフの交点と連立方程式の解は一致する。[5]

グラフの交点と連立方程式の解は一致する。

例のグラフを書くと、右のように、交点の座標は(1,2)となる。解も(1,2)である。この方法では、解が整数でない場合に、正確に交点を読み取ることが出来ないので、この方法は使えない。

二次方程式[編集]

二次方程式は、次数が2の方程式で、ここでは、未知数が1個のものを中心に扱う。 一般形は、a,b,cを定数として、 である。(ただしa≠0)

因数分解[編集]

因数分解を使った解き方がある。
例として、を解く。
これを因数分解して、
ここで、2つの項をかけて0になるということは、どちらか一方は0で無くてはならない。よって、ここから
,の2つの方程式を導くことができ、これを解いて、x=-5,-1という2つの解が得られる。通常、2次方程式に解は2つある。

平方根を使った解き方[編集]

の形の場合は、cを移項し、a≠0であるため両辺をaで割って、
と解くことができる。すなわち、両辺の平方根をとり、 この方程式の解はとなる。この場合、解は1つで、重解となる。

平方完成[編集]

式が因数分解できない時に使う、平方完成は、左辺をの形にすることで見かけ的に一次の項を消去し、平方根を使って解けるようにする方法である。因数分解ができないときに用いられる。例として、を解く。
まず、3を移項する。
一次の項の係数の半分の2乗を加える。この場合は、6の半分の2乗で、9を両辺に加える。
左辺をの形にする。
両辺の平方根をとる。
3を移項する。 この方法だと、一次の項が奇数の場合は、「半分の2乗」は分数となるので、計算が複雑になる。

解の公式[編集]

因数分解できない方程式のときは、解の公式を使うことができる。 この公式を使うと、どの2次方程式も解くことができる。 2次方程式にはよく知られた解の公式があり、である。
これを導き出すには、一般形を解けば良い。
まず、両辺をaで割る。(a≠0)

次に、を右辺に移項する。

左辺を平方完成するために、両辺にを足す。

左辺をの形にする。右辺の2乗も展開し、通分する。

二乗を外す。

を右辺に移項する。

判別式[編集]

解の公式のルートの中の式を、2次方程式の判別式と言いで表す。この式で、解の数がわかる。

  • なら、解は2つある。方程式をグラフにすると、x軸と2点で交わる。
  • なら、解は1つある。方程式をグラフにすると、x軸と接する。
  • なら、実数解はない。(虚数解がある)方程式をグラフにすると、x軸とは接点も交点も持たない。
    判別式Dとグラフの交点の関係

三次方程式[編集]

三次方程式には、解はたいてい3つある。解の公式はカルダノの公式と呼ばれる。

四次方程式[編集]

四次方程式にはたいてい解が4つあり、解の公式はフェラーリの公式と呼ばれる。

五次以上の方程式[編集]

五次以上の方程式は、アーベル-ルフィニの定理から、「代数的に解く」ことができない。つまり、四則演算冪根をとる操作を有限回繰り返しても解が得られないということである。

不定方程式[編集]

不定方程式は、未知数が方程式の個数より多い状態の方程式である。この場合、解は1つの値を定めず、解が無数に存在する。そのため、整数解を求めることが多い。 例として、の整数解をすべて求める。ここで、(x,y)=(1,1)の解があるので、代入して、7×1+3×1=10となるので、始めの式からこれを引くことで、の式を得る。ここで、7と3は互いに素なので、右辺が3の倍数であるために、が3の倍数だということになる。したがって、(kは整数) と表せるので、xについて解いて、同様に解いて、となる。よって、解は(x,y)=(3k+1,3k+1)(kは整数)となる。

微分方程式[編集]

さまざまな種類の微分方程式を数値的にも解析的にも解くための多くの方法が存在する。ここに属すると考えられる問題は積分である。[6]

ディオファントス方程式[編集]

出典[編集]