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利用者:PMmgwwmgmtwp'g/クラッシャージョウ (アニメ)

クラッシャージョウ > PMmgwwmgmtwp'g/クラッシャージョウ (アニメ)
クラッシャージョウ
ジャンル スペースオペラ
映画:クラッシャージョウ(CRUSHER JOE)
原作 高千穂遙
監督 安彦良和
脚本 高千穂遙、安彦良和
キャラクターデザイン 安彦良和
メカニックデザイン 河森正治
音楽 前田憲男
制作 日本サンライズ
製作 吉井孝幸
配給 富士映画
封切日 日本の旗 1983年3月12日
上映時間 132分
OVA:クラッシャージョウ
原作 高千穂遙
監督 滝沢敏文
脚本 五武冬史
キャラクターデザイン 安彦良和
メカニックデザイン 河森正治、石津泰志
音楽 奥慶一
アニメーション制作 サンライズ
発売日 1989年2月5日、1989年6月5日
話数 2話
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ映画
ポータル アニメ映画

クラッシャージョウ』は、高千穂遙によるSF小説シリーズ『クラッシャージョウ』を原作としたアニメ作品。1983年3月  に安彦良和が監督を務める劇場アニメーションが公開された。また、1989年2月から同年6月にかけてOVAが制作された。

映画版[編集]

劇場版『クラッシャージョウ』は、1983年3月12日松竹富士系にて公開された[1]。原作のイラストも手掛ける安彦良和の初監督作品であり、監督・キャラクターデザイン・脚本・絵コンテ・作画監督の5役を担当[2]

内容[編集]

バードやコワルスキーの設定など、原作とは一部設定が異なる。高千穂は、「映画版は小説をもとに、映画用のストーリーをあらたに構成した」「同じチームを主人公にした別の世界の物語と思って読んでいただけるとよいかもしれない」と映画版のノベライズ版『虹色の地獄』のあとがきでコメントしている。メカニックデザインもスタジオぬえ河森正治が映画用にリファイン・新設定を行った[注釈 1]。これらのプラモデルがタカラ(現タカラトミー)と日東科学教材から発売された。巡洋艦コルドバが宇宙で回頭するシーンの作画は、デザインの細かさに、作画スタッフだった佐藤元が泣かされたという。

物語の本筋には無関係だが、入国審査の対象者やディスコの客、海賊などスタッフが係わったアニメのパロディーや関係者をモデルにしたモブキャラなど、「業界ネタのお遊び」がちりばめられているのも特徴である。衣装・生き物など有名漫画家達が提供したスペシャルデザインも話題作りに一役買った。

劇中でジョウらがダーティペアが登場する映画「ダーティペアの大冒険」を見る場面がある[3]。この劇中映画の声優は後年のアニメとは異なり、2人のモデルとなった元スタジオぬえの女性スタッフが演じている[4]

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

キャスティングについて、高千穂遥は映像化に際しての原作者の意志が尊重されるべきという考えを持っており、キャストは彼のイメージを重視して決定されている。小原乃梨子納谷悟朗は『クラッシャージョウ大研究』で高千穂から指名があったとコメントしている。竹村拓は当時すでに役者を廃業していたが、以前所属していた劇団薔薇座で作成したデモテープが選考に紛れ込んでおり、それを聴いた高千穂がジョウ役に抜擢した。このことが、竹村が演技の世界に復帰するきっかけとなった。

制作[編集]

画面サイズの比較。緑色の四角形がスタンダード・サイズ。赤がビスタ・サイズ、青がスコープ・サイズである。

安彦良和の初監督作品である同作は、企画から2年がかりで製作された[6]

通常の劇場アニメはビスタサイズに対応した動画用紙を使うが、当時のサンライズの場合は通常の動画用紙の上下を切った「貧乏ビスタ」を使っていた[7]。本作も同様で、オリジナル・フィルムはまず地上波アナログTVの横縦比4:3に近いスタンダード・サイズ(横縦比が1.37:1または1.33:1)で制作され、劇場公開では上下部分をクロップ加工することで横長であるビスタ・サイズ(1.66:1程度)で上映された。なお、2013年7月に日本映画専門チャンネルHDにて放送された際には、オリジナル・フィルムに、縦黒帯を左右に付加加工するピラーボックス処理を施すことで、画質がほとんど維持されたまま16:9化された。

安彦を中心に設立された作画スタジオ・九月社が本作の作画の中核を担った。九月社には安彦の信頼が厚いアニメーターが籍を置いて作画に当たり、実に全体の半分を手がけたとのことである[8]。なお、九月社の設立は劇場用映画『機動戦士ガンダムII 哀・戦士』の作画作業に当たっていた1981年で、『巨神ゴーグ』の製作終了まで存在していた[8]

九月社で作業をするアニメーターにはそれぞれ担当キャラクターが割り当てられ、そのキャラクターが活躍するシーンでは担当アニメーターが原画をメインで手がけるというスタイルが取られた。例えばヒロイン・アルフィンが画面を占めるシーンの原画は佐藤元が主に手がけており、佐藤は、アルフィンがキーボードを叩くシーンでは女性らしい手や指の動きを心がけて作画したことを語っている[9]。また部分的にCGも導入されており、この際使用されたコンピュータは、佐藤の私物の日立ベーシックマスターレベル3[9]

反響[編集]

同時期に『幻魔大戦』『宇宙戦艦ヤマト 完結編』(1週遅れて3月19日公開)と公開が重なり、「1983年春のアニメ映画興行戦争」と呼ばれた。この3作品で興行成績は『幻魔大戦』がトップで、次いで『宇宙戦艦ヤマト 完結編』となり、本作は3位だった。本作の配給収入は6.6億円[10]。アニメファンの支持を集め、『アニメージュ』が主催する第6回アニメグランプリ大賞を獲得した。なお、同誌では、公開まで佐藤元や吉永尚之ら所属スタッフの描く漫画やイラスト、そしてコメントで九月社での出来事や制作エピソードを毎号紹介していた。

サウンドトラック『クラッシャージョウ』(JBX-25012)はオリコンLPチャートで最高9位[11]を記録した。

原作者高千穂遙の意向により、完成前に急逝した当時の日本サンライズ前社長の岸本吉功も制作者としてクレジットされている。

公開から1年後の1984年4月3日(火曜) 19:30 - 21:48(日本標準時)には、テレビ朝日系列で『春のアニメスペシャル』として放送された[12]

音楽[編集]

主題歌
  • 「飛翔〈NEVER END〉」
    作詞 - 藤原月彦 / 作曲 - 西松一博 / 編曲 - ARAGON / 歌 - 西松一博 by ARAGON
挿入歌
  • 「BLOODBATH HIGHWAY」
    作詞 - LEO / 作曲 - 西松一博 / 編曲 - ARAGON / 歌 - 西松一博 by ARAGON

関連書籍(劇場アニメ版)[編集]

  • クラッシャージョウ(講談社アニメコミックス 全5巻)、各1983年刊。
  • クラッシャージョウ(講談社ポケット百科27 アニメスペシャル1)
  • クラッシャージョウ大研究(朝日ソノラマアニメ文庫23)
  • クラッシャージョウの美術世界(朝日ソノラマ)
  • クラッシャージョウ大百科(ケイブンシャの大百科147)

関連書籍(劇場アニメ版およびOVA版)[編集]

  • ENTERTAINMENT BIBLE.6 スタジオぬえ メカニックデザインブック PART.1 機動兵器編(バンダイ、1989年)- 本作に登場したロボット、戦闘機、装甲車の設定が掲載されている。
  • ENTERTAINMENT BIBLE.9 スタジオぬえ メカニックデザインブック PART.2 宇宙戦艦編(バンダイ、1990年) - 本作に登場した宇宙船の設定が掲載されている。また、OVA版に登場した宇宙戦艦についても触れられている。
  • クラッシャージョウ デザイナーズノート(SBクリエイティブ、2016年)- 劇場版の設定資料集、イラスト集、ほかに安彦良和・高千穂遙対談などを収録。

模型[編集]

  • 劇場版公開当時、タカラからプラモデルシリーズが発売された。ミネルバ、ファイター、ガレオンなど13アイテムが模型化された。また、日東科学からもコルドバや突撃艇、ミサイル戦闘艇など26アイテムが模型化されている。
  • タカラからは、ホワイトメタル製のフィギュアも発売された。ジョウ、アルフィン、タロス、マーフィー・パイレーツのキャッツアイ・ノーマがキット化された。
  • 2019年にハセガワからプラモデルシリーズが発売された。ミネルバ、ファイター、ガレオン、コルドバなどが模型化された。アルフィンのフィギュアが付くものもある。

OVA[編集]

クラッシャージョウ - 氷結監獄の罠[編集]

1989年2月5日にバップから発売。

スタッフ
キャスト
イメージングソング

クラッシャージョウ - 最終兵器アッシュ[編集]

1989年6月5日にバップから発売。第7回『日本アニメ大賞』の「オリジナルビデオアニメ最優秀作品賞」受賞。

スタッフ
キャスト

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 宇宙巡洋艦コルドバは、原作では400メートル級だったが、映画版では1000メートル級に設定された。
  2. ^ 正確には、マーフィ・パイレーツのボス、ビッグ・マーフィがペットに付けた名前。生物の種類としては「アズマジロ」。

出典[編集]

  1. ^ クラッシャージョウ:人気SF小説がコミカライズ 「イブニング」で連載へ”. MANTANWEB. 毎日新聞 (2017年8月22日). 2021年5月26日閲覧。
  2. ^ WORLD”. アニメ「クラッシャージョウ」HP. サンライズ (2017年8月22日). 2021年5月26日閲覧。
  3. ^ 『クラッシャージョウ大研究』の118ページの「野外映画館」の解説より。
  4. ^ ケイが瑞原芽理、ユリが秋津ユリ。『クラッシャージョウ大百科』(ケイブンシャの大百科147)より。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x クラッシャージョウ”. allcinema. 2023年8月26日閲覧。
  6. ^ 安彦良和(インタビュアー:安彦良和氏オフィシャルインタビュアー)「クラッシャージョウBD-BOX発売記念、安彦良和氏インタビュー」『アニメイトタイムズ』https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=14806642042021年3月14日閲覧 
  7. ^ GREAT MECHANICS 21
  8. ^ a b 古林英明(編)「安彦良和・板野一郎対談」『月刊ガンダムエース』2011年4月号、角川書店、2011年2月26日、28-29頁、雑誌 12401-04。 
  9. ^ a b 製作当時の『アニメージュ』の記事より。[要文献特定詳細情報]
  10. ^ 「邦画フリーブッキング配収ベスト作品」『キネマ旬報1984年昭和59年)2月下旬号、キネマ旬報社、1984年、115頁。 
  11. ^ 『オリコン・チャートブック LP編 昭和45年-平成1年』オリジナル・コンフィデンス、1990年、333頁。ISBN 4-87131-025-6
  12. ^ 下野新聞縮刷版』下野新聞社、1984年4月3日。 同日付のテレビ欄より。
  13. ^ a b c d e f g h i j k l m n クラッシャージョウ - 氷結監獄の罠”. allcinema. 2023年8月26日閲覧。
  14. ^ a b c d e f g h i j k l m n クラッシャージョウ - 最終兵器アッシュ”. allcinema. 2023年8月26日閲覧。

外部リンク[編集]