利用者:Snusmumrik000/合意は変えられる

ウィキペディアでは、共同して百科事典を編集するための議論にあたってWikipedia:合意形成を重視しています。ウィキ[1]はどんどん大きく発展していけるシステムであり、合意事項も後から変えることができます。もっとも、いったん決まったことを無視して良いと言う意味ではありません。そうではなく、ウィキ上にあるものはどのようなことであっても、将来、変わりうるという意味です。一旦決まった事項についても、時間が経てば異論が生じ、何らかの変更を検討する必要が出てくることがあるかも知れません[2]。これは、以前の合意形成が、投票によって行われたか、それ以外の方法で行われたかによらず同じです。その時点で可能な限り最善の決定を行うためには、次の点が重要であることに留意しましょう。つまり、反対意見に対してもお互いが注意深く耳を傾けること、そしてその上で、その論争でお互いが合意の上で是認できる解決策を見いだすように努めることです。また、投票を行うのは例外であって、常に行うような原則ではありませんし、行われたとしても結論を決して動かせないものではありません[3]

これは、ウィキペディアでは先例を重んじないとか、議論に関係する先の合意事項は無視してよいとかいうことではありません。たとえば、自分が削除したいと思う記事を、削除されるまで何度もWikipedia:削除依頼に提出し続けるようなことは、とても嫌がられます。ここで言いたいことは、そうではなく、過去に決定されたからといって、それについて議論してはいけない、と考えないでください、ということです。もし、あなたがコンセンサスにより決定された合意事項が現状にあわなくなっていると考えたときは、他のウィキペディアンが賛成するか、周りに尋ねてみるのが良いでしょう。例えば、Wikipedia:井戸端Wikipedia:コメント依頼、記事のノートページなどで尋ねることができます。全て自分一人だけで新しい「コンセンサス」を宣言することはできません。

永遠に変化し続けていることは、ウィキの本質です。毎日新しい人々が訪れ、彼らは新しい情報や新しいアイディアを持ってやってきています。彼らのおかげで我々は、それまでになかった発想を得ることができるかも知れません。だからこそ、過去の決定が今でも正しいのか尋ね、議論できるようになっていることが重要なのです。それは、投票によって決定されたのか、コンセンサスで合意されたのかを問いません。つまり、決定を変更・撤回することができないという意味での「動かせない決定事項」は、実質上ほとんど存在しません。

しかしながら、その決定を行った者が以前の決定を撤回しない限り動かせないものがいくつかだけあります。それは、Jimmy Walesuser:Jimbo Wales)、ウィキメディア財団の理事会 (the Board of the Wikimedia Foundation)、または、Wikipedia:Arbitration Committee[4](日本語版ウィキペディアでは未設置)によって「ban[5](「Wikipedia:追放の方針」は日本語版ウィキペディアでは草案)の決定が行われた場合です。これらの決定は、その決定を行った者(the source body)に対する不服申し立て (appeal) によって、決定を行った者が再審査 (review)する必要を認めた上でその決定を変更した場合に限りそれを動かすことができます[6]

関連項目[編集]

訳注[編集]

  1. ^ 原文 Wiki。ここでは、文字通り「ウィキシステム」を指しているものとして訳出。
  2. ^ "Later objections to a decision might represent a change in consensus that may need to be taken in account, "を少し意訳。
  3. ^ Polls are the exception and not the rule, and where they do exist they are not binding. の意訳。"binding"は「決定の変更・撤回の可能性がある」という意味であり、公式方針の持つ「すべての利用者が従うべき」拘束力または強制力 (force) がない(「無視して良い」)という意味ではないことを明示した。
  4. ^ 略称ArbCom。仮訳として仲裁(裁定)委員会とされているが、正式な日本語訳は未確定。一時「調停委員会」と訳されていた時期があるが、Wikipedia:Mediation Committeeの訳語との混同を避けるために、ArbComの日本語訳についても再議論が行われている。Wikipedia‐ノート:Mediation_CommitteeWikipedia‐ノート:Arbitration_Committee等も参照。
  5. ^ banの訳語を「追放」から変更する提案が行われている。ノート参照。
  6. ^ These decisions can be reviewed by and appealed to the source body."の行間の意味を補足して訳出。
  7. ^ 冒頭部に次のように説明されている。「この文書には公式方針やガイドラインのもつ拘束力 (force) はないものの、多くのウィキペディアのプロジェクト(特に英語版ウィキペディア)によって、頻繁に参照されている (heavily referenced) 。」日本語版のウィキペディアにおける「慣習による実効性を持つ草案」に近い位置づけか。