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利用者:Toshie-rage/劇場版シティーハンター 天使の涙

※このページは「シティーハンター_(アニメ)」の項目分割と内容整理のための試案です。
分割に向けた議論は現在、「ノート:シティーハンター (アニメ)」にて行っております。(2023年9月)


本項では本作ならびに関連作品について、状況に応じて括弧内の略号を用いる。

  • テレビアニメ
  • 劇場版アニメ
    • 劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉 (SPE)
    • 劇場版シティーハンター 天使の涙エンジェルダスト (AD)(本作)

概要[編集]

劇場版シティーハンター
天使の涙エンジェルダスト
監督 こだま兼嗣(総監督)、竹内一義
脚本 むとうやすゆき
原作 北条司
製作 「2023 劇場版シティーハンター」製作委員会
出演者 神谷明伊倉一恵沢城みゆき関智一木村昴ほか
音楽 岩﨑琢
主題歌 ※主題歌節を参照
制作会社 サンライズ
アンサー・スタジオ
配給 アニプレックス
公開 日本の旗 2023年9月8日
上映時間 94分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
前作 劇場版シティーハンター_新宿プライベート・アイズ
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劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト) 』は、アニメ版『シティーハンター』通算5作目の劇場版アニメとして、2023年9月8日に公開された[1]メインキャスト・総監督ともに前作『SPE』をおおむね継承している。

本作は、原作に登場する重要なキーアイテム「エンジェルダスト」を副題としており、アニメ版に「エンジェルダスト」が登場するのは初めてとなる。公式サイト「INTRODUCTION」や、公式パンフレットP.3でも「『シティーハンター』は遂に最終章〈ファイナルチャプター〉へ!」と記載されており、本作以降、アニメ版としてのクライマックスを描くことが示唆されている。

本作アニメ版を当初から長年手掛けていたアニメ制作会社・サンライズが2022年にバンダイナムコフィルムワークスの映像制作ブランドとなってから初めて制作されるアニメ版『シティーハンター』であり、アニメ制作会社であるアンサー・スタジオとの共同制作となっている。

本作のためにTM NETWORKがオープニング曲「Whatever Comes」、挿入曲「DEVOTION」など複数の曲を新規に書き下ろしている。

主要な配役[編集]

、香、海坊主、美樹、冴子などの主要キャラクターは、アニメ版『1』から参画するオリジナルの声優陣が続投している。

アニメ版『1』の第5話において非業の死を遂げたの元相棒にして親友、そして香の義兄である槇村秀幸が本作で初めて劇場映画版に登場することが決定し、担当声優も田中秀幸が続投する。

フランス制作の実写映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』の日本語吹き替え版で香(演 - エロディ・フォンタン[注釈 1][注釈 2]の吹き替えを担当した沢城みゆきが、本作のゲストヒロイン兼メインヴィランのアンジー役で出演している。

また、本作でたちと敵対する犯罪組織「ユニオン・テオーペ」の暗殺者チーム「ウェットワークス」の暗殺者「ピラルクー」「エスパーダ」役にそれぞれ関智一木村昴が起用され[注釈 3]、本作で初めてアニメ版シティーハンターに登場する「海原神」役には、過去にテレビシリーズに端役で出演していたベテラン声優の堀内賢雄が起用された。

「エンジェルダスト」がアニメ版に初登場するに至った経緯[編集]

本作の上映前後にアニメ制作側から初めて公表された事実であるが、アニメ化当初から、制作側がテレビアニメ版で麻薬の話題を出すことを自主規制していた。そのため、原作の中でストーリー上重要な「エンジェルダスト」の絡む話と犯罪組織「ユニオン・テオーペ」ならびにその首領(メイヨール)の「海原神」(かいばら・しん)は、アニメ版『シティーハンター』には一切登場しなかった[注釈 4]。しかし、本作は映画版アニメの「最終章」に向けた作品ということで、作品を前に進めるため思い切ってこれらの要素をストーリーに入れ込むことを決めたという[2]

「海原神」を本作で登場させた経緯について総監督のこだまは、原作者の北条司と会話をするたびに、北条が海原の名前を出していたため、もし次回作があるなら海原を登場させることや、の過去にも触れざるを得ないと考えたと述べている[2]

原作者の北条は今回のアニメ制作側の判断について、「原作で海原が登場することで物語が終盤へと向け動き出すし、TVシリーズでは海原やエンジェルダストの設定を省く形で制作されていたので、今このタイミングで原作の物語に寄せるのもありじゃないかなと思いました。」と述べている[3]

「エンジェルダスト」関連設定の原作からの変更点[編集]

原作では槇村が死に至った背景に「エンジェルダスト」が関与しているが、本作において直接の死に至った経緯はテレビアニメ版の設定に準拠している。原作では、槇村を死に至らしめたのはエンジェルダストの開発元である「ユニオン・テオーペ」であるが、アニメ版での槇村は、犯罪組織「赤いペガサス」からの依頼を断ったため、組織が雇った殺し屋・ジェネラルに撃たれて致命傷を負い、の腕の中で息絶えるという設定に変更されている。「赤いペガサス」は「ユニオン・テオーペ」をアニメ向けにアレンジした組織であったが[4]、本作では「ユニオン・テオーペ」の下部組織という新設定が取り入れられている。

さらに、本作では「エンジェルダスト」は原作と異なり、麻薬ではなく「ナノマシンテクノロジーを用いて、人体の能力を極限まで引き上げる薬」に設定変更されている[注釈 5]。また、本作の中で「麻薬」というセリフは一切使用されていない[注釈 6]

本作では「従来型」のエンジェルダスト[注釈 7]と、「赤いペガサス」の依頼を受けて「ゾルティック社」というバイオ企業が改良した新型の「ADM(アダム)」[注釈 8]の2種類が登場する。ADMは本作のキーアイテムとなっており、針無しで注射ができる「ジェットインジェクター」になっている[注釈 9]

本作の設定は若干複雑で、「従来型」が第2世代、「ADM」が第3世代とされている。第2世代(本作では「従来型」)のエンジェルダストは第1世代よりも副作用が抑えられているものの、効果は落ちたことになっている[注釈 10]。本作の描写によると、第1世代のエンジェルダストは副作用が激しく、投与された者で生き延びることができたのはだけであった。

あらすじ[編集]

冒頭、キャッツ・アイ三姉妹と海坊主の5人は「ゾルティック社」というバイオ企業に潜入し、ある絵画を盗み出そうとする。その絵画には「ADM(アダム)」いう薬の試作品1セットが貼り付けられていた。しかし突然、と同じコルト・パイソンを持った、仮面を付けた謎の人物が現れ、ADMを奪い去る。

場面は変わって、いつもの新宿にはこのところずっと仕事の依頼がなく、生活資金も尽きかけては困り果てていた。そんなときに舞い込んできた突然の依頼。それは、アンジーという海外の動画投稿者[注釈 11]で、自分が飼っていた「キャリコ」[注釈 12]という三毛猫を見つけてくれれば巨額の報酬を前払いで全額払うという、破格の依頼だった。

アンジーと一緒に、新宿中の三毛猫を探しまわると香。しかし、彼らを付け狙う男たちが突然出現。彼らは犯罪組織「ユニオン・テオーペ」の暗殺者チーム「ウェットワークス」が送り込んだピラルクーエスパーダの2名であった。

アンジーの正体は「ウェットワークス」の一員であり、彼女の真の目的は自らが崇拝する「メイヨール」海原神が傭兵として育て、「最高傑作」と評価すると直接対決することであった。猫探しの依頼は、アンジーがに接近するための口実であった。ただし、アンジーは「ウェットワークス」3名の中で唯一「エンジェルダスト」の使用を拒否しており、危険なADMを葬り去ろうとしていた。

組織の裏切り者となったアンジーを執拗に追いかけ、壮絶なADM奪還戦を仕掛けるピラルクーとエスパーダ。アンジーは化学プラント[注釈 13]でエスパーダと一騎討ちを繰り広げるも、従来型の「エンジェルダスト」を既に体内に注入していたエスパーダの猛攻に押される。しかし、香のバズーカ砲による援護射撃によりプラントの煙突が倒壊し、エスパーダが身動き出来なくなった隙に、アンジーが止めを刺す。

その後、全員が川崎港貨物ターミナルへと移動。そこでは「赤いペガサス」が港湾の管理システムをハッキングし、組織が送り込んだ多数の工作員に占拠されており、さらに「ユニオン・テオーペ」首領の海原が乗るクルーズ船が密入港していた。ガントリークレーンの上でピラルクーと戦ったはADMを奪い取り[5]、アンジーにADMのケースを投げ渡す。アンジーは「礼は言う。だが決着は付ける」と述べ、モーターボートで海へと去っていった。

アンジーがとの決戦の場に選んだのは、千葉県木更津市海ほたるであった。海ほたるまで追跡してきたピラルクーと対峙したアンジーはADMを破壊しようとするが、海原側の組織のヘリが乱入[注釈 14]。ヘリの機関砲の銃撃により倒壊した海ほたるの巨大モニュメント「カッターフェイス」からアンジーを庇ったピラルクーは味方のヘリに撃たれ、絶命する。

「ユニオン・テオーペ」と首領の海原に強い忠誠心を持つアンジーは、にバトルを挑むが、に敗北。勝敗は決したかに思われたが、ADMを奪い返した海原はボルトアクションライフルでクルーズ船から、アンジーの体内に遠距離狙撃でADMを撃ち込む。海原にADMを投与されたアンジーは身体能力が驚異的に向上し、の反撃を全て見切り、はアンジーに重傷を負わされる。しかし、ADMの副作用によりアンジーは心身ともに異常をきたし、瀕死の状態になってしまう。アンジーは自死を望むが、ADMによって自らの意志を支配された上に、銃弾を跳ね返す能力まで持ってしまったため、どうやっても死ねない状態になっていた。

は、コルト・パイソンのマグナム弾を複数回同じ場所に撃ち込むピンホールショットによって、自死を願うアンジーの心臓を撃ち貫いた。倒れ込んだアンジーは、の胸の中で絶命する。それを見ていた海原のクルーズ船は東京湾を出港する。

川崎港では「赤いペガサス」の構成員たちが一斉検挙され、ADMも警視庁により回収されたが、冴子は今後、と海原神の戦いが始まることを予感していた。

アンジーの墓前に佇むと香。そこに花束を抱えた海原が現れる。は、「それ(花束)を置いたら、お前を撃つ」と威嚇するが、海原は「彼女(アンジー)を殺したのはお前だろ?」と皮肉を口にしながら踵を返す。海原は「“冴羽”という名前を気に入っているみたいだな?いずれまた逢おう」と意味深な発言をし、その場を立ち去る。エンドロール終了後、最後のシーンでは香に「俺は死なない」と決意を述べる[注釈 15]

ゲストキャラクター[編集]

アンジー
声 - 沢城みゆき
本作のゲストヒロインにしてメインヴィラン。フルネームは「アンジェリーナ=ドロティーア・オーシアノス」と名乗っているが、この名前はに「仕事」を依頼する際に、アンジー自身がつけたものである[注釈 16]。「オーシアノス(オーケアノス)」(英語:Oceanus、ギリシャ語:Ωκεανός)は、ギリシャ神話の「海神」である。
海外で活躍する動画投稿者[注釈 11]と自称しているが、その正体は「ユニオン・テオーペ」の暗殺者チーム「ウェットワークス」の一員であり、冴子によるとこれまでに世界各地の要人数十人を殺害している。アンジーの「ユニオン・テオーペ」内のコードネームは、ラテン系の言語で「名無し」を意味する「アノーニモ[注釈 17]
「ユニオン・テオーペ」内での在籍時期はとずれているため、互いに面識はないが、尊敬する海原に「冴羽」という名前をつけられたの存在を知り、嫉妬している。
海原と出会う以前、彼女の父親はとある国の国軍幹部であったが、海原が率いていた傭兵部隊によって殺害されたことがノベライズ版で明かされた。この一件の後に海原に引き取られるが、子供の頃から傭兵として育てられたため、食事の作法など日常生活の知識が欠落している。
前述の通り、が結果的に自らの手で殺めた「美女の依頼人」であるが、北条は制作サイドがこの展開についてだいぶ悩んでいたことを明かしたうえで、「僕は(が依頼人を手にかける展開は)『ありじゃないかな』と。それだけシビアな戦いならだってやらざるを得ないときもあるでしょう。『キャッツ♥アイ』の三姉妹には殺しはさせないと決めているんですが、『シティーハンター』は少年誌のラインをちゃんと押さえるという程度で、その点は緩めに考えています。」と、本作の脚本に肯定的な見解を述べている[3]
原作者の北条はアンジーのデザイン原案について、「アンジーは髪が長いイメージはなかったので短めに、とやり合うくらいなので鍛え上げられた体型をしています。」と述べている[3]
ピラルクー
声 - 関智一
「ウェットワークス」の一員で、接近戦を得意とする。思慮深く落ち着いた性格であり、仲間を大切にする。それは、ADMを巡って敵となった以前の仲間、アンジーに対しても全く同様であった。「海ほたる」におけるアンジーとの戦いの最中に、味方のヘリに撃たれて絶命する。
名前は世界最大の淡水魚であるピラルクーから。
原作者の北条はピラルクーのデザイン原案について、「難しかったのはピラルクー。エスパーダとは違う方向で彼はしっかりした顔つきに。僕のイメージではもっとブサイクなんですけど…ちょっといい男にしすぎちゃったかな(笑)。」と述べている[3]
ピラルクーの声を演じる関は、神谷と大地丙太郎作品での共演[注釈 18]が縁で親交があり、新作への出演を熱望していた。
エスパーダ
声 - 木村昴
ピラルクー同様「ウェットワークス」の一員で、長い手足を駆使した体術や、刃物の扱いを得意とする。三日月型ナイフ、折りたたみナイフ、ナイフ型爆弾などを使用する。好戦的で暴走しやすく、話が通じにくい。「エンジェルダスト」の常用者で、注射器で頻繁にエンジェルダストを使用する。完全に中毒状態であり、組織から奪還を命じられた「ADM」にまで手を出そうとして、ピラルクーに止められる。口癖は「ヒャッハー!」。同じ「ウェットワークス」の仲間であるアンジーのことを嫌っており、「ずっと小賢しくて仕方がなかった」と言っている。川崎市のコンビナートにおけるアンジーとの一騎打ちで、自らのナイフでアンジーに刺され、絶命する。
名前はメカジキ(英語名「ソードフィッシュ」)のスペイン語から。
原作者の北条はエスパーダのデザイン原案について、「エスパーダは脚本を一読しただけでサラサラと出来上がったキャラで、「たぶん死ぬ時はこんな顔だろうな。」と思いながら死に際の絵も描きました。」と述べている[3]
来生瞳きすぎ ひとみ来生泪きすぎ るい来生愛きすぎ あい
声 - 戸田恵子(瞳)、深見梨加(泪)、坂本千夏(愛)
北条の過去作品『キャッツ♥アイ』のヒロインを務める怪盗三姉妹で、『SPE』に引き続き登場。現在はアメリカ・ロサンゼルスに在住しているが、エンジェルダストの改良型であるADMがゾルティック社に隠されているという身元不明のメールが届いたことから[注釈 19]、ADMを奪って闇に葬るために日本に一時帰国したことが、ノベライズ版P.30で明らかにされている。映画本編では、この点に関する描写は省略されている。とある情報を入手し、日本に一時帰国して冒頭のゾルディック社への侵入へとつながったことがノベライズ版P.30で明らかにされている。
海原神かいばら しん
声 - 堀内賢雄
本作における事件の黒幕。別名「首領(メイヨール)」。孤児となっていたを戦士として育て上げた男。これまで原作にしか登場しておらず、アニメ作品では本作が初登場となる。
下山田誠しもやまだ まこと
声 - 桐本拓哉
前作『SPE』に引き続き登場する警視庁公安部外事三課所属の公安捜査官。
ゾルティック社が開発したエンジェルダストの最新型を押収する手筈でいたが、達が必要以上に事を荒立てたため、ぶち壊しにされたとに怒りをぶつける。しかし、からADMを作ったのは「赤いペガサス」の上部組織の「ユニオン・テオーペ」であり、日本の警察の手に負える相手ではないので自分たちがADM奪還を試みたと、軽くあしらわれる。
ヒステリックで威圧的だが、無能な警官として描かれている。前作に登場していたが、から「あんた、誰?」と言われるぐらいに印象の薄い人物[注釈 20]
海小坊主うみこぼうず
声 - 北川里奈
ドミナテックにより開発された喫茶キャッツアイの接客用ロボットで、前作『SPE』に引き続き登場。本作では新たな機能が追加されている。
ナンパ好きの男
声 - 山里亮太南海キャンディーズ
言葉の通りナンパ好きな男で、東京モノレールの車内でアンジーに声を掛ける。山里は「ナンパばかりしている先輩たちを思い浮かべながら、役作りをして挑みました」[6]と述べている。キャラクターの造形・動きは、山里と同じ吉本興業オリエンタルラジオ藤森慎吾に似せてある[注釈 21]
モヒカンの容疑者
声 - 世界FANTASTICS from EXILE TRIBEEXILE
冴子の回想シーンに登場する取り調べを受ける男。声を担当した世界は「この作品に出演したい。」と直談判したことを明かしている。(出典あり)
船着き場の男
声 - 伊藤遼(日本テレビアナウンサー)
アンジーにモーターボートを奪われた男。伊藤は本作の出演について「日本テレビの「遼」が、シティーハンターの「」と同じ世界に入れることを誇りに思います」と述べている[6]

カメオ出演[編集]

ルパン三世次元大介
声 - 栗田貫一(ルパン)、大塚明夫(次元)
いずれも『ルパン三世』から登場[7]。愛車のフィアット・NUOVA 500[注釈 22]で走行中、ルパンはピラルクーやエスパーダとのカーチェイス中のや香を目撃し、彼らとすれ違う際には香のことをよく知っている様子を見せる[7]
本作に先駆けて発表された『ルパン三世』と『キャッツ・アイ』のクロスオーバー作品『ルパン三世VSキャッツ・アイ』に隠れキャラクターとしてカメオ出演した件(詳細は作品記事を参照)を受け、本作にもルパンと次元が登場することとなったという[7]『ルパンVSキャッツアイ』では『ルパンTV第3シリーズ』のピンク色のジャケットを着ていたが、本作では赤ジャケットと青のワイシャツ、ピンクのネクタイという『ルパンTV第2シリーズ』に準じた服装デザインとなっている。先述の通り、直接の絡みはない為、神谷は完成試写を見るまで知らなかった。
なお、TVアニメ版『シティーハンター』のメインスタッフには、東京ムービー新社(現・トムス・エンタテインメント)の『新ルパン三世』班が数多く参画していた(シティーハンター_(アニメ)の項目を参照)。本作総監督のこだま兼嗣もそのうちの一人である。
タマ
タマ&フレンズ 〜うちのタマ知りませんか?〜』から登場[7]。飼い猫の捜索の最中に香がチェックしていた猫たちの1匹として、タブレットの画面に一瞬だけ登場する[7]
バナージ・リンクス
声 - 内山昂輝
声だけのカメオ出演。がお台場の観覧車でアンジーと同乗した際にアンジーに手を出そうとしたため、香の超跳躍からのハンマー天誅を受け、縄と布団です巻きになった状態で飛ばされた。実物大ユニコーンガンダムの頭部アンテナにかろうじて引っかかっただが、「バナージ・リンクス、ユニコーンガンダム、行きます!」という内山の声とともに頭部アンテナが開き、縄が切断して地上に落下する[注釈 23]

スタッフ(天使の涙)[編集]

※ 各スタッフ出典 → [8]

  • 原作:北条司
  • 総監督:こだま兼嗣
  • 監督:竹内一義
  • 脚本:むとうやすゆき
  • キャラクターデザイン:高橋久美子、北澤精吾
  • メカニックデザイン:鹿島功光
  • 美術:谷口淳一
  • 色彩設計:久力志保
  • CG監督:五島卓二
  • 撮影監督:齋藤真次
  • 編集:今井大介
  • 音楽:岩﨑琢
  • 音響監督:長崎行男
  • 音響制作:AUDIO PLANNING U
  • 制作:サンライズ、アンサー・スタジオ
  • 配給:アニプレックス

主題歌(天使の涙)[編集]

オープニングテーマ「Whatever Comes
歌 - TM NETWORK
※意外にも、TM NETWORKが『シティーハンター』のオープニング曲を担当するのは本作が初めてである[注釈 24]小室哲哉は2023年6月13日に開催されたプレスイベントで、「OPとEDの両方とも(担当)できるのは最高」と述べる一方で、「(伝説の名曲となった)Get Wildに負けないオープニングを作らなければならない」という強い思いがあったことを語っている[9]
エンディングテーマ「Get Wild
歌 - TM NETWORK
※これまではアニメ用にカットされたバージョンがエンディングに使用されてきたが、本作のエンディングではフルコーラスで流れる。また、他の曲はエンディングで一切流れない。
挿入歌
DEVOTION」歌 - TM NETWORK
君の空を見ている」歌 - TM NETWORK
「Angie」歌 - TM NETWORK ※本作のための書き下ろし挿入歌、現時点でCD未発売曲。
RUNNING TO HORIZON」歌 - 小室哲哉 ※「シティーハンター3」のオープニング曲
CAT'S EYE」歌 - AMAZONS
「Never go away」歌 - 北代桃子
他多数

主な舞台[編集]

公式パンフレットP.24~25に掲載された地図から、本作の舞台を以下の表に示す。公式パンフレットには地図の位置だけ示してあり、あえて固有名詞は記載されていない。番号は、公式パンフレット記載の数字に準じる。

番号 場所 内容
新宿
(1) 新宿西口商店街(通称「思い出横丁」) 香とが、アンジーの愛猫「キャリコ」探しで奔走したエリア
(2) TOHOシネマズ新宿付近(通称「トー横」) 香が猫探しのビラを配ったエリア
(3) 新宿ルミネ がアンジーのためにセクシー下着を買いに行こうとした場所
(4) JR新宿駅東口前広場 エスパーダがアンジーにナイフを投げつけた場所[注釈 25]
(5) 花園神社 エスパーダとピラルクーがアンジーを襲撃した神社
(6) 新宿区立四谷第五小学校跡地 エスパーダとピラルクーがアンジーを襲撃した廃校[注釈 26]
お台場
(7) お台場海浜公園の展望デッキ付近 がボディーガードとしてアンジーを連れ出した場所
(8) アクアシティお台場の「LOVE」モニュメント とアンジーが記念撮影した人気スポット
(9) パレットタウンの観覧車[注釈 27] とアンジーが乗った観覧車
(10) 実物大のユニコーンガンダム像 す巻きにされたが観覧車から飛ばされ、引っかかって吊るされた像
(11) ダイバーシティ東京プラザ アンジーがに贈るセクシー下着を購入したモール
(12) お台場海浜公園の水上バス乗り場 とアンジーが海に落ちた船着き場
川崎周辺
(13) 首都高速1号羽田線 ピラルクーが運転する装甲車がのミニクーパーを攻撃した場所
(14) 東京貨物ターミナル駅 ピラルクーが貨物列車を強奪した場所
(15) 多摩川スカイブリッジ エスパーダが渡った建設中の橋[注釈 28]
(16) 川崎貨物駅 ピラルクーが強奪した貨物列車が通過する駅
(17) 川崎コンビナートの千鳥町ヤード アンジーがエスパーダと死闘を繰り広げた場所
(18) 川崎港貨物ターミナル とピラルクーが交戦した場所
東京湾アクアライン
(19) 海ほたる アンジーがに最終決戦を挑んだ場所

主要な登場車両[編集]

公式パンフレットでは商標などの関係で車名が一切記載されていないが、車種が明確に判別できるレベルで描画されているため、本項にて説明する。なお、本作から作中の自動車の描画に3Dレンダリングが用いられている。

モーリス・ミニクーパー1275S Mk.I
冴羽の愛車である赤いミニクーパー。原作以来、この設定は常に踏襲されている。ちなみにMT車である。
「SPE」に引き続き、本作のミニクーパーのナンバーは「新宿300 あ 19-19」[注釈 29][注釈 30][注釈 31]。ミニは本来、車体サイズ・排気量のいずれも日本の5ナンバー登録であり、改造などを行わない限り3ナンバー登録にはならない[注釈 32]
トヨタ・ランドクルーザー(200系)
海坊主と美樹が乗る車で「SPE」に引き続いての登場。ナンバーは「新宿330 う 07-24」[注釈 29][注釈 33][注釈 34]。車体色は黒。前後は大きく改造されており、一見しただけではランドクルーザーとはわからない[注釈 35]フロントグリルはレクサスが近年採用しているスピンドルグリルのような形状になっており、ヘッドライトは多数のプロジェクターランプに変更されている。各種通信用アンテナなど、様々な戦闘用装備を有する。サンルーフを装備しており、車内から身を乗り出して重火器で外部を攻撃することが可能となっている。
ポルシェ911ターボ(930型)
冴子の愛車の赤いポルシェ。ナンバープレートは「新宿33 の 60-03」[注釈 29][注釈 36]。フロントにクレマー・レーシングのスポイラーが装着されておりいる[12]、前作の「SPE」からはポルシェのチューナーとして有名なシュトロゼックの5穴ホイールと類似した形状のホイールを履いている。
トヨタ・パッソ(2代目)
ピラルクーとエスパーダがアンジーを尾行するため、隠密行動用に使用していた薄黄色の車。大柄な2名にはかなり窮屈なようだが、(彼らにとって)狭い車内の中でインスタントラーメンをすすっていた[注釈 37](後述の「タイアップ」の項目も参照)。
クーガー装甲車
ピラルクーとエスパーダが攻撃用に、自動車整備工場「小山自動車」の中に隠し持っていた巨大な6輪装甲車。車体色は黒。
フィアット・NUOVA 500
カメオ出演するルパン三世と次元大介が乗っている車。車体色は薄黄色。宮崎駿が『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』の後期、『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)でルパン三世の愛車として設定したもので、今ではフィアット本社ならびに日本法人も認める[13]、ルパン三世のアイコンとなっている。
その他の車両
背景に映り込む車両として、トヨタ・プリウスPHV(2代目)スズキ・キャリイ(11代目)三菱ふそう・スーパーグレート(初代後期型)ホンダ・フィット(初代)などが登場している。また、ピラルクーとエスパーダが使用していたものと色違いのトヨタ・パッソ(2代目)も背景車両として出てくる。

タイアップ[編集]

アニメ版『シティーハンター』は、当初から作中にスポンサー企業のロゴや製品を登場させる「プロダクトプレイスメント」の取り組みが行われていた(「シティーハンター_(アニメ)#概要」を参照)。近年のアニメ映画では、制作資金を調達する上で重要なプロダクトプレイスメントは半ば常識となっている。本作では、映画内のスポンサーとともに、映画外のタイアップも多数実施されている。以下に、タイアップの例を示す。

  • エースコックの「鴨だし中華そば」を、ピラルクーとエスパーダがトヨタ・パッソの車内ですするシーンがある。
  • サッポロビールの「サッポロ生ビール黒ラベル」を、香が飲むシーンがある。
  • 2023年8月7日には、ラーメンチェーン店「天下一品」とのコラボレーションキャンペーン「あっさり!こってり!!もっこり!!!」が翌8月8日から9月18日まで実施されることが発表された[14]

その他のタイアップの詳細は、公式サイトのリンク[15]に記載されている。

出典[編集]

  1. ^ 『劇場版シティーハンター』公開日は9・8に決定 沢城みゆき・堀内賢雄ら新キャストも発表【コメントあり】”. ORICON NEWS (2023年6月13日). 2023年6月13日閲覧。
  2. ^ a b ぴあ (2023-08-21), シティーハンターアニメ全史ぴあ, ぴあ, pp. 14-15, ISBN 978-4835644486 
  3. ^ a b c d e f アニプレックス (2023年9月8日), 劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)公式パンフレット, アニプレックス, pp. 17 
  4. ^ 公式パンフレットP.26
  5. ^ 公式ノベライズP.138
  6. ^ a b アニプレックス (2023年9月8日), 劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)公式パンフレット, アニプレックス, pp. 16 
  7. ^ a b c d e “『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』と『ルパン三世』『タマ&フレンズ ~うちのタマ知りませんか?~』がコラボ! 本編にルパン三世、次元大介、タマが登場”. アニメイトタイムズ (アニメイト). (2023年8月30日). https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1693297907 2023年9月1日閲覧。 
  8. ^ “「劇場版シティーハンター」新作は"エンジェルダスト"、香が2023tハンマー振り回す特報も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年2月22日). https://natalie.mu/comic/news/513837 2023年6月13日閲覧。 
  9. ^ オリコン (2023年6月13日). “TM NETWORK『シティーハンター』OPテーマ担当で小室哲哉がまさかの自虐「Get Wildが最大のライバル」 『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』プレス発表イベント”. YouTube. オリコン. 2023年9月18日閲覧。
  10. ^ 公式ノベライズ P.53
  11. ^ 新宿区公式サイト “「新宿シンちゃん」について やなせたかしさんの言葉”
  12. ^ 遠藤イヅル (2020年2月20日). “【図説で愛でる劇中車 第10回】実写映画化で人気も再燃!? 「シティーハンター」に登場する車たち”. カーセンサー. リクルート. 2023年9月13日閲覧。
  13. ^ フィアット クライスラー ジャパン(現:ステランティス ジャパン) (2018年8月3日). “ルパンがフィアットを愛する理由。『ルパン三世 PART5』浄園祐プロデューサーインタビュー”. fiat magazine CIAO!. ステランティス ジャパン. 2023年9月12日閲覧。
  14. ^ “「劇場版シティーハンター」×「天下一品」コラボ特製どんぶりが抽選で100名に当たるキャンペーンが8月8日より開催”. GAME Watch (インプレス). (2023年8月7日). https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1521797.html 2023年8月7日閲覧。 
  15. ^ TIEUP |「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」公式サイト

注釈[編集]

  1. ^ フランスでの香の名前はローラ・マルコーニである。
  2. ^ エロディ・フォンタンは、フランス版実写映画の監督で冴羽役を務めたフィリップ・ラショーの妻である。
  3. ^ 既にお気づきの方も多いと思うが関智一はスネ夫役、木村昴はジャイアン役の声優であり、期せずしてドラえもんの声優が本作で共演したことになる。廃校でのアンジーとのバトルの後のエスパーダの捨てゼリフに、ジャイアンネタをこっそり忍び込ませてある。
  4. ^ ユニオン・テオ―ペがアニメ版に登場しない理由については、ファンの間で長年にわたり様々な憶測がなされてきたが、制作側が公言したのは今回が初めてである。
  5. ^ 作中、冴子が「ナノマシンによって身体能力を強化し、人間の痛覚や恐怖心を麻痺させて、超人兵士へと変える闇のテクノロジー。」と発言している。
  6. ^ は本作で、エンジェルダストのことを「あれは人間を人間でなくしてしまう“モノ”だ」と述べている。
  7. ^ 本作でエスパーダが頻繁に打っている注射が従来型エンジェルダストであるが、あえて視聴者にわかりにくくしてあり、本作の公式パンフレットでもP.31に「従来型エンジェルダスト」としてひっそりと注射器の設定画が掲載されるのみとなっている。
  8. ^ Angel Dust Mod.=「エンジェルダスト改良型」の略称
  9. ^ ADMはジェットインジェクターのため、海原のライフルによる遠距離狙撃でアンジーにADMを投与することが可能であった。
  10. ^ 原作でも、エンジェルダストは改良型など複数のバージョンが存在する。
  11. ^ a b 商標などの関係で「動画投稿者」という設定になっているが、要するにYouTuberのことである。
  12. ^ 三毛猫は英語で「キャリコ(Calico)」と呼ばれる。詳しくは三毛猫の項目を参照。
  13. ^ 公式パンフレットP.24の地図によると、場所は川崎コンビナートの千鳥町ヤード
  14. ^ ストーリー的には「ユニオン・テオーペ」の下部組織の「赤いペガサス」のヘリと思われるが、パンフレットや公式ノベライズにヘリの所属先が明記されていないため、このような曖昧な表現とした。
  15. ^ なお、このセリフは、原作者の北条司の要望によって追加されたものであり、前半の香の「は死なないわ」というセリフとバランスを取ることが目的であった[3]
  16. ^ ノベライズ版P.143とP.179
  17. ^ ノベライズ版P.101では、アンジーは「メイヨール」海原本人以外の命名を拒んだため、コードネームが「アノーニモ」になってしまったことが明らかにされている。公式ノベライズによると、海原は原則として傭兵に名前をつけることはなく、唯一の例外がであった。「ピラルクー」「エスパーダ」は「ユニオン・テオーペ」の、海原以外の誰かが命名した名前である。
  18. ^ 花のずんだ丸』(2013年)と『DD北斗の拳』(2013年、2015年)の2作品。
  19. ^ 差出人が誰であるかは、メカやITに詳しい愛でも突き止められなかったという。
  20. ^ なお、前作『SPE』でと初めて会った際、公安から情報を提供したことを公言できないため、「下山田なんて男は存在しない」と言っていた。
  21. ^ ただし、芸人として藤森は山里の後輩に当たる。
  22. ^ テレビアニメ第1シリーズの後期より、ルパンの愛車として登場した車。
  23. ^ 小説版ではこの場面はオミットされている。小説版では、がアンジーを観覧車に連れ込もうとする前に、香がを張り倒し、香がアンジーと観覧車に同乗するという形に変更されている。
  24. ^ 本作でも挿入歌として使用されている「RUNNING TO HORIZON」(『シティーハンター3』オープニング曲)は小室哲哉のデビューシングルであり、TM NETWORKの作品ではない。
  25. ^ エスパーダのナイフで切り裂かれた風船を配っていた着ぐるみのキャラクターは、故・やなせたかしがデザインした新宿区の防犯マスコット「新宿シンちゃん」である[10][11]
  26. ^ 実世界では吉本興業東京本社や新宿区役所第二分庁舎などが入居している。
  27. ^ 実世界のパレットタウンは2022年8月31日に閉館
  28. ^ 実世界では2022年3月12日開通
  29. ^ a b c 「新宿」ナンバーは実在しない。
  30. ^ 自家用車登録の場合、普通乗用車で「あ」は使用されない。
  31. ^ 以前の作品では「歌舞伎町69 あっ 19-19」というナンバーを付けていたこともあった。
  32. ^ エンジン換装を行ったという設定が続編で新たに出てくる可能性も考えられる。
  33. ^ 自家用車登録の場合、普通乗用車で「う」は使用されない。
  34. ^ 日本のナンバープレートでは、1962年の様式変更以後は「0」が最初に来ることはなく、「・」となる。また、3桁以下の数字にはハイフンが入らないため、現実の世界では、このナンバーは「07-24」ではなく「・7 24」と表示される。
  35. ^ ノベライズ版では「ランドクルーザー」と明記されている。
  36. ^ 日本のナンバープレートの分類番号は1998年に3桁化されたため、冴子のポルシェは1998年以前の登録ということになる。
  37. ^ 制作側から公式には公表されていないが、映画『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)でルパンと次元がフィアット500の狭い車内でインスタントラーメンを食べていたシーンをオマージュした可能性が考えられる。

※このページは「シティーハンター_(アニメ)」の項目分割と内容整理のための試案です。
分割に向けた議論は現在、「ノート:シティーハンター (アニメ)」にて行っております。(2023年9月)
--Toshie-rage会話) 2023年9月27日 (水) 00:25 (UTC)