北朝鮮の勲章
表示
北朝鮮の勲章では、朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮)で制定されている勲章について記す。
概要
[編集]大日本帝国領だった朝鮮半島では、後に北朝鮮政府高官となる人物が多数ソビエト連邦へ亡命していた。すべての人物というわけでは無いが、その中の多くはソ連軍に勤務し、ソビエトの栄典制度を学んでいた。
第二次世界大戦が終結するとソビエト連邦とアメリカ合衆国による朝鮮半島分割に伴い、ソ連に亡命していた者が北朝鮮(ソ連占領区)に帰還した。そのため、北朝鮮では独立後僅か一か月で栄典制度が形成されたのである。当初、北朝鮮の勲章はソビエトで製造されており、材質や形式などもソビエトの勲章に倣っていた。
栄典一覧
[編集]称号
[編集](日本語/朝鮮語) |
|||
공화국영웅 |
共和国英雄は1972年に金日成勲章が制定されるまで、国内で最高位の勲章であった。主に朝鮮戦争での多大な功績に対して贈られていたこの称号は、受章の際国旗勲章1等も同時に贈られており、受章者の故郷には個人の銅像も建立されていた。
朝鮮民主主義人民共和国英雄はソ連邦英雄を基にしている。 | ||
로력영웅 |
労力英雄も1972年に金日成勲章が制定されるまでは最高位勲章に付けていた。朝鮮労働党のために社会的活動を行った人民に対し広く授与される。授与の際は国旗勲章も贈られる。
朝鮮民主主義人民共和国労力英雄は社会主義労働英雄を基にしている。 |
勲章
[編集](日本語/朝鮮語) |
|||
김일성 훈장 |
現時点で北朝鮮最高位の勲章である。革命に対する貢献や、国内外で北朝鮮の尊厳を高める活動をした者に贈られる。通常は金日成の誕生日である4月15日付近で授与される。最初の受章者は金正日[1]。 | ||
김정일 훈장 |
金正日70回目の誕生日を記念して、彼の死後制定された。主に朝鮮労働党の発展に貢献した人物や団体に贈られる。 | ||
第1級 국기훈장 제1급 |
北朝鮮で初めて制定された勲章である。法令により、国内最高位とされている勲章(共和国英雄や金日成勲章など)授与の際には同時に贈られる。主に党や軍、科学や芸術、文化などあらゆる北朝鮮への功労が授与対象となる。 | ||
第2級 국기훈장 제2급 |
|||
第3級 국기훈장 제3급 |
|||
조선로력훈장 |
特筆すべき労働に対して授与される。 | ||
(左: 第1級、右: 第2級) (第1級) (第2級) |
第1級 전사영예훈장 제1급 |
戦時下における軍功に対して授与される。 | |
第2級 전사영예훈장 제2급 |
|||
第1級 리순신장군훈장 제1급 |
海軍の将官や指揮官に対して授与される。 | ||
第2級 리순신장군훈장 제2급 |
|||
(左: 第1級、右: 第2級) (第1級) (第2級) |
第1級 자유독립훈장 제1급 |
自由独立勲章はもともと朝鮮戦争での武勲に対し授与されていた。当初はピンで衣服に佩用する勲章であったが、金正日により首許への佩用形式に変更された。
現在では政治的な面での功績に対して贈られる。 | |
第2級 자유독립훈장 제2급 |
朝鮮戦争時、朝鮮・中国双方の兵士に授与された。こちらも金正日により首許佩用へ変更された。 | ||
第1級 군사복무영예훈장 제1급 |
|||
第2級 군사복무영예훈장 제2급 |
|||
第3級 군사복무영예훈장 제3급 |
|||
第1級 석탄광업복무영예훈장 제1급 |
|||
第2級 석탄광업복무영예훈장 제2급 |
|||
第3級 석탄광업복무영예훈장 제3급 |
|||
勤続10年 군수공복무영예훈장 10 |
|||
勤続20年 군수공복무영예훈장 20 |
|||
勤続30年 군수공복무영예훈장 30 |
|||
第1級 수산복무영예훈장 제1급 |
|||
第2級 수산복무영예훈장 제2급 |
|||
第1級 철도복무영예훈장 제1급 |
|||
第2級 철도복무영예훈장 제2급 |
|||
第3級 철도복무영예훈장 제3급 |
|||
第1級 조선민주주의인민공화국친선훈장 제1급 |
外国人に対して授与される勲章である。 | ||
第2級 조선민주주의인민공화국친선훈장 제2급 |
外国人に対して授与される勲章である。 アレハンドロ・カオ・デ・ベノス [2] | ||
3대혁명붉은기훈장 |
記念勲章
[編集](日本語/朝鮮語) |
|||
조선인민군창건기념훈장 |
この勲章は朝鮮人民軍創建20周年を記念して制定された。 | ||
조선민주주의인민공화국창건20주년기념훈장 |
この勲章は1968年9月9日に一度だけ授与された。主に北朝鮮の建国や、それからの20年間における発展に貢献した者を授与対象とした。 | ||
조선민주주의인민공화국창건기념훈장 |
この勲章は北朝鮮創建30周年を記念して制定された。のち40周年記念の際にも授与されたので、最大で2回受章できる可能性があった。 | ||
조국해방전쟁승리40돐기념훈장 |
|||
3월5일기념훈장 |
|||
조선인민군창건60돐기념훈장 |
|||
수도건설기념훈장 |
|||
조선민주주의인민공화국창건50돐년기념훈장 |
|||
조국해방전쟁승리60돐기념훈장 |
2016年6月現在最も新しい勲章である。 |
メダル
[編集](日本語/朝鮮語) |
|||
군공메달 |
軍功に対して贈られる。 | ||
공로메달 |
称賛される功労に対して贈られる。 | ||
군사복무영예메달 |
|||
농업공로메달 |
|||
조선민주주의인민공화국친선메달 |
|||
조국통일상 |
記念メダル
[編集](日本語/朝鮮語) |
|||
조선 1945.8.15 |
|||
조국해방전쟁 기념메달 위대한 조국해방전쟁을 기념하여 1950–1953 |
朝鮮戦争に参戦したすべての兵士に授与された。 | ||
조국해방전쟁참전기념메달 1950–1953 |
朝鮮戦争に参戦したすべての兵士に授与された。 | ||
조국해방기념메달 |
|||
조선민주주의인민공화국창건기념메달 |
|||
20총련기념메달 |
|||
정강산발전소건설기념메달 |
|||
수도건설기념메달 |
|||
평양-남포고속도로건설기념메달 |
|||
열병식기념메달 |
閲兵式に参加した部隊に授与される。 | ||
희천발전소건설기념메달 |
2011年10月23日 | ||
백두산청년발전소건설기념메달 |
2016年 |
バッジ
[編集](日本語/朝鮮語) |
|||
조선인민군창건20주년기념휘장 |
|||
전리마 영예 휘장 |
脚注
[編集]- ^ Yonhap News Agency (27 December 2002). North Korea Handbook. Seoul: M.E. Sharpe. p. 132. ISBN 978-0-7656-3523-5
- ^ “Democratic People's Republic of Korea_Juche Korea”. korea-dpr.com. 17 January 2014閲覧。
- ^ “Past news”. kcna.co.jp. 17 January 2014閲覧。
- ^ “Ellsworth Culver honored by North Korea for life's work | Mercy Corps”. mercycorps.org. 17 January 2014閲覧。
- ^ “DPRK awards friendship medal to Chinese ambassador CCTV-International”. english.cctv.com. 17 January 2014閲覧。
参考文献
[編集]- Boik, William A. (2008). Orders, Decorations, and Medals of the Democratic People's Republic of Korea. Springfield, VA: DBMPress.com. ISBN 978-0-615-19087-7
- Cabral, David L. (1994). Orders and Decorations of the Democratic Peoples Republic of Korea. [Glassboro, N.J.]: Orders and Medals Society of America. OCLC 35914051
- Sessler, Warren E.; McDaniel, Paul (2009). Military and Civil Awards of the Democratic People's Republic of Korea (DPRK). Henderson, Nevada: Sessler Incorporated. ISBN 978-0-615-28482-8