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光岡自動車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
北海道BUBUから転送)
株式会社光岡自動車
Mitsuoka Motor Co., Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 光岡
本社所在地 日本の旗 日本
939-8212
富山県富山市掛尾町508-3
北緯36度39分46.4秒 東経137度12分34.0秒 / 北緯36.662889度 東経137.209444度 / 36.662889; 137.209444座標: 北緯36度39分46.4秒 東経137度12分34.0秒 / 北緯36.662889度 東経137.209444度 / 36.662889; 137.209444
設立 1979年昭和54年)11月
業種 輸送用機器
法人番号 8230001003153
事業内容 開発車事業
正規新車ディーラー事業
中古車事業
代表者 光岡章夫代表取締役会長
大野貢(代表取締役社長
資本金 1億円
売上高 231億円
(2017年度12月期:国内グループ実績)
純利益 3億2337万6000円
(2023年12月期)[1]
総資産 195億9527万円
(2023年12月期)[1]
従業員数 480名
(2020年度12月末:国内グループ全体)
主要部門 正規輸入車ディーラー事業
主要子会社 株式会社ファーレン富山
ミツオカモータースアメリカInc.
外部リンク https://www.mitsuoka-motor.com/
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株式会社光岡自動車(みつおかじどうしゃ、英語:Mitsuoka Motor Co., Ltd.)は、富山県富山市に本社を置く日本の自動車メーカーおよび中古車・輸入車ディーラーである。

他の自動車メーカーの乗用車の外観や内装を取り替えるなどした改造車を自社工場で生産している。ベースとなる車両の供給元としては、国内メーカーではトヨタマツダ日産ホンダの4社、国外メーカーではフォードがある。また、三菱ふそうバス製造(富山市)とトノックス神奈川県平塚市)に製造を委託している[2]

概要

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創業は1968年昭和43年)2月[3]。創業者の光岡進(みつおか・すすむ、1939年〈昭和14年〉 -)は富山日産自動車を経て富山日野自動車のディーラー勤務だった[3]1966年(昭和41年)に日野自動車トヨタ自動車と業務提携により商用車専業となり、乗用車担当だった進は接待漬けの商用車販売が肌に合わず、不本意ながら退職・独立を決意する。

創業当初は市内の馬小屋を借り受けて板金塗装自動車整備業を生業としていたが、「中古車を価格の安価な他地域から仕入れてきて販売する」現在の中古車販売業のさきがけとなるビジネスモデルを展開し、BUBU(ブブ)の店舗名称を用い全国展開するまでに事業を成長させた。その後、社長の自動車への思いが昂じて1979年(昭和54年)に法人化[3]して、開発部を設置。1982年(昭和57年)2月に50 ccエンジンを搭載して二輪免許・原付免許で運転が可能なゼロハンカー「BUBUシャトル」を発表。富山市にあるタケオカ自動車工芸に開発を依頼してBUBUシャトル50を販売してゼロハンカーシリーズを展開した。

1985年(昭和60年)に道路交通法が改正されてゼロハンカーは二輪免許・原付免許で運転できなくなり、製造工場を閉鎖し[3]、一切の在庫を専門学校に寄付するなどして処分した。一方でアメリカ車並行輸入販売を開始し、訪米視察で訪れたロサンゼルスで見かけたレプリカカーに興味を持ち、フォルクスワーゲン・タイプ1をベースとした1台を日本に持ち帰る。これを公道で走らせるべくパイクカーの開発を開始。これがタイプ1の改造車として認可され、1987年(昭和62年)に「光岡・BUBUクラシックSSK」を発表した。この改造ノウハウが後の「ラ・セード」「ビュート」「ガリュー」などに繋がる。

1994年平成6年)に、「ニア・セブン」などと呼ばれるロータス・スーパーセブンを模したオリジナル車「ゼロワン」を発表して組立車として認可され[3]、その後1996年(平成8年)4月10日に運輸省(現・国土交通省)の形式認定所得(型式指定)を受けたことにより、光岡自動車は10番目の国産自動車メーカーとして認められる[4][3]。並行してパイクカーの販売も継続展開。「優雅」(ユーガ)、「凌駕」(リョーガ)、「我流」(ガリュー)など、独特のスタイリングを持った和名の車を続々と発表した。

オロチ・ヌードトップロードスター(2005東京モーターショー)

2001年(平成13年)に、参加基準が緩和された東京モーターショーへ初出展した。デザインスタディのショーカーとして大蛇(オロチ)を発表すると、独特のデザインが注目され、少ないながらも要望を受け市販化に繋がる。

福岡市博多区金の隈にあるBUBU MITSUOKA福岡ショールーム

2003年(平成15年)に商用車ショーも含めて3回目となる東京モーターショーで、大蛇のロードゴーイングバージョン、新型ミドルクラスセダン「ヌエラ」、「ゼロワン・コンセプト」をそれぞれ出展した。オロチのエンジンは、当初予定したV6エンジンが排ガス規制強化に対応できないことなどから、ホンダから供給を受けられず、トヨタ製となった。2005年(平成17年)の東京モーターショーでオープンカー版「オロチ・ヌードトップロードスター」を発表している。

現在製造する車は、ベース車両の設定によりAT仕様が中心だが、2008年(平成20年)発売の「ガリュー2-04」「ヌエラ6-02セダン/ワゴン」、2014年(平成26年)発売の「リューギ(セダン)」、2016年(平成28年)発売の「リューギワゴン」、そして2023年(令和5年)発売の「ビュート ストーリー」は、それぞれMT仕様が設定された[注釈 1]。ほかに市場で流通しているアコードユーロRの中古車をベースとしてMTのヌエラを製造した事例もある。

受注台数は2006年 - 2017年が400台前後、2018年は500台を超え、2021年は1120台で23年ぶりの1千台超えとなった[2]

自社の製造販売以外に、新車・直輸入車・中古車の販売を行うBUBUグループを経営する。グループは、2000年(平成12年)にロンドンタクシーインターナショナル社の総輸入元となり、2004年(平成16年)にマレーシアTDカーズMGレプリカカーの扱いを開始した。

ライク(雷駆)-T3

部門別売上比は、開発車事業7%、正規輸入車ディーラー事業54%、ブブ中古車事業39%である。

2010年(平成22年)に電気自動車(EV)「雷駆」を発表。

2011年(平成23年)に三輪EV「雷駆-T3」の実証試験を実施し、2012年(平成24年)に販売開始。

2012年(平成24年)3月28日 - 4月8日までタイ王国で開催された第33回バンコク・インターナショナル・モーターショーで16台を受注した。

グループ会社

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  • (株)ファーレン富山:富山・岐阜県フォルクスワーゲン・アウディの正規ディーラーを運営。
  • ミツオカモータースアメリカInc.
  • ミツオカモータータイランドCo.,Ltd.
  • ミツオカモーターセールスタイランドCo.,Ltd.
関連会社
  • (株)MID ALFA(旧・北海道ブブ):北海道で各種輸入車の正規ディーラーを運営。
1982年、「光岡自動車札幌支社」として設立。1992年、「株式会社ブブ札幌」として分離し輸入車ビジネスに切り替える。2011年に光岡自動車より完全独立し別資本とする。2021年3月、グループ統括会社「株式会社MIDアルファホールディングス」を設立して持株会社制に移行。2023年7月、北海道ブブの社名を「株式会社 MID ALFA」に変更する。
  • (株)M.I.D.:MIDアルファホールディングスのグループ会社。首都圏で各種輸入車の正規ディーラーを運営。

拠点(グループ)

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キットカー K-1

北海道、宮城県栃木県群馬県千葉県埼玉県東京都、神奈川県、愛知県、富山県、大阪府兵庫県福岡県、米国(ロサンゼルス)、タイ(バンコク)

キットカー

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光岡では「キットカー」と呼ばれる、自分で組み立てる50 ccクラスの小型車も手がけていた。キットカーについては会長の光岡進と社長の光岡章夫(みつおか・あきお、1951年-)との間で意見の相違があり、章夫は利益の上がらないキットカーの販売は取りやめるべきとしていた一方、会長の進はキットカーこそが光岡自動車の創業の意義であるとし継続を主張していた。結局、進のほうが折れ、最終的に光岡自動車はキットカーから撤退した。

50 ccのキットカー「K-3」を100台限定生産し、2006年11月にキットカー「K-4」の受注を開始、限定220台で発売したのが最後となった。

車種一覧

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現行モデル

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車種 初登場年 現行型 備考
発表 マイナーチェンジ
セダン/ステーションワゴン

Ryugi EX
リューギ(流儀)EX 2019年
(2014年)
2019年11月19日 トヨタ・カローラアクシオEXがベース

Ryugi WAGON EX
リューギ ワゴンEX 2019年
(2014年)
2019年11月14日 リューギEXのステーションワゴン版
トヨタ・カローラフィールダーEXがベース
クーペ/コンバーチブル

Himiko
ヒミコ(卑弥呼) 2008年 2018年2月22日(2代目) マツダ・ロードスターがベース
ハッチバック

Viewt Story
ビュート(美遊人) ストーリー 2023年
(1993年)
2023年9月21日
(2023年2月17日プレ発表)
ビュートのハッチバック版及び

ビュートなでしこ後継
トヨタ・ヤリスがベース

SUV/クロスオーバーSUV

Buddy
バディ 2020年 2020年10月26日 トヨタ・RAV4がベース[2]

認定中古車モデル

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  • ヒミコ(初代)(2008年 - 2018年)
  • ビュート(3代目)(2012年 - 2023年)
  • リューギ(2014年 - 2021年)
  • ビュート なでしこ(2015年 - 2023年)
  • ガリュー(5代目)(2015年 - 2020年)
  • リューギ ワゴン(2016年 - 2021年)

生産・販売終了モデル

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BUBU502

光岡オリジナル車両

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ミニカー
  • BUBU301,BUBUシャトル50,BUBU501,BUBU502,BUBU503,BUBU504,BUBU505-C,BOY,LIME
  • マイクロカー : K-1(MC-1),K-2,K-3,マイクロタイプF,K-4,ME-1,CONVOY 88
原付カー・乗用車
車種 初登場年 廃止年 備考

BUBU 505-C
BUBU505-C 1985年 1986年 ジャガー・SS100レプリカの原付カーである。

Zero One
ゼロワン 1994年 2000年 ロータス・セブンとよく似ているが、プラットフォームを自社製造し、マツダ・ロードスターなど様々な車から部品を流用して製作されている。
当初は「組立車」だったが、1996年に型式の認証を受けたことで、光岡が10番目の国産乗用車メーカーとして認可された。

Orochi
オロチ(大蛇) 2007年 2014年 「ファッションスーパーカー」として開発された、ゼロワン以来の型式認証車。
パワートレインはトヨタからの提供であり、ほかにも数多くの車の部品を流用して完成している。

改造車

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車種 初登場年 廃止年 備考
セダン/ステーションワゴン

Ryoga
リョーガ(凌駕) 1998年 2004年 初代は日産・プリメーラ、2代目は日産・サニーがベース

Galue I
ガリュー(我流)I 1996年 2001年 ロールス・ロイス・シルヴァークラウドIIをモチーフとしたデザインで、日産・クルーサルーンがベース。
末尾に数字がついたのは、ガリューIIと並売されたときから。

Galue II
ガリューII 1996年 2001年 日産・セドリック/グロリアがベース

Nouera
ヌエラ 2004年 2008年 ホンダ・アコードがベース
バリエーションに「ヌエラユーロR」、「ヌエラワゴン」がある。

Galue III
ガリューIII 2005年 2010年 日産・フーガがベース

Galue Classic
Galue 2-04
ガリュークラシック
ガリュー2-04
2008年 2012年 トヨタ・カローラアクシオがベース

NOUERA 6-02
ヌエラ6-02 2008年 2012年 トヨタ・カローラアクシオ/カローラフィールダーがベース

Galue
ガリュー 2010年 2020年 日産・ティアナがベース

Ryugi
リューギ(流儀) 2014年 2021年 ロールス・ロイス・シルヴァークラウドIIをモチーフとしたデザインで、トヨタ・カローラアクシオがベース。2021年に改称された。

Ryugi Wagon
リューギワゴン 2019年 2021年 トヨタ・カローラフィールダーがベース。2021年に改称された。
クーペ/コンバーチブル

BUBU Classic SSK
BUBUクラシックSSK 1987年 1989年 フォルクスワーゲン・タイプ1がベースの、
メルセデス・ベンツ・SSKのレプリカ。
光岡初のパイクカー改造車である。

BUBU 356 Speedster
BUBU356スピードスター 1989年 1990年 フォルクスワーゲン・タイプ1がベースの、
ポルシェ・356スピードスターのレプリカ。

Le-Seyde
ラ・セード 1991年 1993年 日産・シルビアがベース

Dore
ドゥーラ 1991年 1993年 フォード・マスタングがベース

Galue Convertible
ガリューコンバーチブル 2007年 2016年 フォード・マスタングがベース

Himiko
ヒミコ(卑弥呼) 2008年 2018年 マツダ・ロードスターがベース。
2018年まで生産された初代モデルはNC型がベースになっている。

Rock Star
ロックスター 2018年 2022年 マツダ・ロードスターがベース。
ヒミコと違ってシボレー・コルベット(C2)を彷彿とさせる外観が特徴。
ハッチバック

Viewt
ビュート(美遊人) 1993年 2023年 ジャガー・Mk2をモチーフとしたデザインで、
日産・マーチがベース。
2022年12月25日にベース車両が販売終了となったことから、ベース車両をトヨタ・ヤリスに変えた上で名前を変更した。

Ray
レイ(麗) 1996年 2012年 軽自動車。初代および2代目はマツダ・キャロル、3代目はダイハツ・ミラジーノがベース。

Yuga
ユーガ(優雅) 2000年 2004年 日産・キューブがベース。
ロンドンタクシーをモチーフとしてデザインされた。

cute
キュート(喜遊人) 2009年 2013年 日産・マーチがベース。
ビュートとは違って、後ろ半分がK12型マーチそのままである。

Like
ライク(雷駆) 2010年 2012年 電気自動車三菱・i-MiEVがベース。
光岡では珍しい、パイクカーではない改造車である。
全長が大幅に延長されたことによって小型乗用車扱いになった。

Viewt Nadeshiko
ビュートなでしこ 2015年 2023年 日産・マーチがベース。
立ち位置としては、キュートの後継車に近い。

輸入車

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特販課

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ミツオカリムジンタイプV

電動三輪車

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コンセプトカー

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関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ リューギのベースとなるトヨタ・カローラアクシオ、およびトヨタ・カローラフィールダー、ビュート ストーリーのベースとなるトヨタ・ヤリスの各2WD車はそれぞれMTの設定がある。
  2. ^ テレビ朝日系。当社本部のある富山県では北日本放送にて毎週日曜日6:30から時差放送

出典

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  1. ^ a b 株式会社光岡自動車 第45期決算公告
  2. ^ a b c 光岡自、23年ぶり受注1000台超え/21年、SUV「バディ」けん引『日経産業新聞』2022年4月27日ものづくり面
  3. ^ a b c d e f 日本自動車界の「曲者」 光岡自動車はなぜ半世紀輝き続けているのか?”. ベストカーWeb (2019年2月3日). 2020年1月24日閲覧。
  4. ^ 『新聞に見る20世紀の富山 第3巻』(2000年11月26日、北日本新聞社発行)256頁。
  5. ^ “光岡が霊柩車に力を入れるワケ 自動車メーカーで唯一製造、海外展開も その強みとは(乗りものニュース)”. メディア・ヴァーグ. (2018年9月17日). https://trafficnews.jp/post/81464 2020年1月24日閲覧。 
  6. ^ “霊柩車もミニバンの時代?出棺で映える迫力 光岡自動車”. 朝日新聞デジタル. (2016年8月29日). https://www.asahi.com/articles/ASJ8S46YHJ8SUEHF00Q.html 2020年1月24日閲覧。 
  7. ^ 株式会社インプレス (2023年11月16日). “光岡、創業55周年記念モデル「M55 CONCEPT」 麻布ショールームと富山ショールームで期間限定特別展示”. Car Watch. 2024年3月1日閲覧。
  8. ^ 株式会社インプレス (2024年2月29日). “光岡、創業55周年記念コンセプトモデル「M55 CONCEPT」市販化決定 2025年内に市場投入を検討”. Car Watch. 2024年3月1日閲覧。
  9. ^ TV番組『爆上戦隊ブンブンジャー』車両協力ならびにキャンペーン協力のお知らせ

外部リンク

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