コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

北薩横断道路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
地域高規格道路
(無料)
北薩横断道路
国道504号 バイパス
地図
地図
路線延長 約70 km
陸上区間 約70 km
制定年 1994年
開通年 2002年 -
起点 鹿児島県霧島市溝辺町麓
鹿児島空港
主な
経由都市
薩摩郡さつま町
出水市
終点 鹿児島県阿久根市折口
接続する
主な道路
記法
記事参照
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
霧島市・さつま町境(出水・阿久根方面)
永野IC付近(鹿児島県さつま町、霧島市方面)
北薩トンネル(出水・阿久根方面)

北薩横断道路(ほくさつおうだんどうろ)は、鹿児島県霧島市溝辺町麓にある鹿児島空港から、同県薩摩郡さつま町出水市を経て、同県阿久根市折口の南九州西回り自動車道阿久根北IC附近に至る予定の延長約70キロメートル (km) の地域高規格道路である。1994年(平成6年)12月16日計画路線に指定された。

道路利用者へ向けた案内標識上の道路名は北薩横断道路(英称:HOKUSATSU ODAN ROAD)または、国道504号(英称: Route 504)と表記される。一般国道504号のバイパスとして建設される。

野坂ICからさつま広橋ICまでおよびさつま泊野ICから高尾野ICまでの区間は自動車専用道路として供用されており、鹿児島空港付近から野坂ICまでの区間は自動車専用道路として、佐志IC(仮称は広瀬IC)からさつま泊野ICおよび高尾野ICから阿久根市[1]までは一般道路として建設されることが予定されている。

概要

[編集]

霧島市の鹿児島空港を起点とし、さつま町出水市を通り、阿久根市までを結ぶ地域高規格道路として建設されている。2024年(令和6年)3月17日現在、野坂ICから佐志ICまでの間および、さつま泊野ICから高尾野ICまでの間が開通済みとなっており、供用延長は約31.4キロメートル、全区間の約48パーセントが供用済みである[2]

有川ICから野坂ICまで(溝辺道路)、さつま広橋ICから佐志ICまで(広瀬道路)の間が自動車専用道路として事業中である。また、高尾野ICから南九州西回り自動車道阿久根北IC附近までの間の約9 kmが阿久根高尾野道路(一般道路規格)として2016年度から事業化されている[3][4]。佐志ICからさつま泊野ICまでの間は計画路線となっている。

開通区間の最高速度は指定最高速度である70 km/hである。

きららICから中屋敷ICまでの区間にある紫尾山を貫く北薩トンネルは全長4,850メートル (m) であり、鹿児島県の道路トンネルとしては最長である[5]。当該区間の開通により従来のルート経由できららICから高尾野ICまでの所要時間が25分であったものが、開通後は9分に短縮され、堀切峠の冬季の交通規制も回避可能となっている[6]

歴史

[編集]
  • 2002年平成14年)8月9日 : 野坂IC - 永野IC間が開通[7]
  • 2003年(平成15年)3月25日 : 中屋敷IC - 高尾野IC間が開通。
  • 2009年(平成21年)3月23日 : 永野IC - さつま観音滝IC間が開通。
  • 2012年(平成24年)2月14日 : さつま観音滝IC - さつま広橋IC間開通[8][9][10]
  • 2012年夏 : 佐志IC(当時の仮称は広瀬IC) - さつま泊野IC間が自動車専用道路から一般道路へ整備方針が変更される[11]
  • 2016年(平成28年) : 高尾野ICから阿久根市までの区間が阿久根高尾野道路として事業化される[12]
  • 2018年(平成30年)3月25日 : 北薩トンネルを含むきららIC - 中屋敷IC間が開通[13]
  • 2019年(平成31年)3月24日 : さつま泊野IC - きららIC間が開通[14]
  • 2020年令和2年)度:溝辺道路(鹿児島空港 - 野坂IC)が事業化される[15][16]
  • 2021年(令和3年)度 : 宮之城道路(佐志IC(当時の仮称は広瀬IC) - さつま泊野IC)が事業化される[17]
  • 2023年(令和5年)
    • 3月3日 : 広瀬IC(仮称)の正式名称を佐志ICとすることと、広瀬道路(さつま広橋IC - 佐志IC間)が2023年度(令和5年度)開通予定であることを、塩田鹿児島県知事が県議会の答弁上で明らかにする[18]
    • 11月28日 : 広瀬道路(さつま広橋IC - 佐志IC間)の開通予定日を2024年3月17日と公表[19]
  • 2024年(令和6年)
    • 3月17日 : さつま広橋IC - 佐志IC間が開通[2]
    • 7月25日:北薩トンネル内で湧水による路面隆起が約50メートルにわたって発生、さつま泊野IC - 高尾野IC間が全面通行止めとなる。この後、同月26日に壁面コンクリートが崩落、同月27日には土砂の流出が発生している[20]

インターチェンジなど

[編集]
  • IC番号欄の背景色がである部分については道路が供用済みの区間を示している。また、施設名欄の背景色がである部分は施設が供用されていない、または完成していないことを示す。未開通のIC/JCT名は仮称。
IC番号 施設名 接続路線名 距離
km
備考 所在地
- 空港入口交差点 国道504号 0.0 事業中[15] 霧島市
- 有川IC 県道56号隼人加治木線 事業中[15]
- 竹子IC 県道55号栗野加治木線 事業中[15]
野坂IC 国道504号
県道446号十三谷重富線
14.0
- 永野トンネル さつま町
永野IC 国道504号 20.0
さつま観音滝IC 国道504号
県道403号黒木新地線
22.5 鹿児島空港方面出入口のみ
さつま広橋IC 鹿児島県道396号薩摩祁答院線 24.0
- 佐志IC[18] 国道504号 30.0
- 宮之城IC[17] 国道328号 事業中
- さつま泊野IC[21] 国道504号 40.0
- きららIC[21] 国道504号 43.4 高尾野方面出入口のみ
- 北薩トンネル 43.4 全長4,850 m(鹿児島県最長)
中屋敷IC 国道504号 50.9 高尾野方面出入口のみ[6] 出水市
- 高尾野トンネル
高尾野IC 国道504号 54.3
この間事業中(阿久根高尾野道路)
阿久根北IC附近 E3A 南九州西回り自動車道
国道3号
63.3 阿久根市
島原天草長島連絡道路候補路線

事業区間

[編集]

車線・最高速度

[編集]
区間 車線
上下線=上り線+下り線
最高速度 管理者 備考
未開通区間
野坂IC - 佐志IC 2=1+1 70 km/h
(指定)
鹿児島県 永野IC付近は4車線
未開通区間
さつま泊野IC - 高尾野IC 2=1+1 70 km/h
(指定)
鹿児島県
未開通区間

トンネル

[編集]
  • 高尾野トンネル(全長2,605 m 高尾野IC - 中屋敷IC
  • 北薩トンネル(全長4,850 m 中屋敷IC - きららIC
    2009年に着手。2013年3月24日に貫通し、2017年現在では鹿児島県内の道路トンネルとしては最長[5]、日本国内においては30番目のトンネル延長となった。2018年3月25日にきららICから中屋敷ICまでが開通するのに伴い供用を開始。
  • 永野トンネル(全長172 m 永野IC - 野坂IC

接続する予定の道路

[編集]

通過する自治体

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 鹿児島】県、北薩横断道路整備/今年度32億円を投入 - 鹿児島建設新聞、2017年10月7日閲覧
  2. ^ a b c 北薩横断道路「広瀬道路」が開通 さつま広橋-佐志IC5.8キロ、空港アクセス向上に期待『南日本新聞』2024年3月18日付社会面。
  3. ^ 「南日本新聞」 2016年4月1日付(北薩横断道路・阿久根-高尾野着手へ 国交省、16年度事業化)
  4. ^ 新規事業採択時評価結果(平成28年度新規事業化箇所)国土交通省 2016-05-23閲覧
  5. ^ a b 南日本新聞』 2013年3月25日付 28面(北薩トンネル貫通、さつま-出水 県最長4850メートル)
  6. ^ a b 浦牛原健「有明北-東 3月4日開通 高規格道 北薩トンネルは25日」『南日本新聞』2017年11月29日付26面。
  7. ^ 開通 北薩横断道路 - 薩摩町(さつま町サイト内) 2011年12月19日閲覧。
  8. ^ 南日本新聞』 2012年2月15日付 28面(観音滝~広橋が開通)
  9. ^ 北薩横断道路「薩摩道路」さつま観音滝IC~さつま広橋IC間が開通します! - 鹿児島県 2012年1月14日閲覧。
  10. ^ 主な事業箇所の工事概要や供用目標など (PDF) - 鹿児島県 2011年9月24日閲覧。
  11. ^ 『南日本新聞』 2012年8月23日付 4面(広瀬-泊野は一般道 鹿県方針転換 費用限、早期整備へ)
  12. ^ 「南日本新聞」 2016年4月1日付(北薩横断道路・阿久根-高尾野着手へ 国交省、16年度事業化)
  13. ^ 南日本新聞『中屋敷-きららIC間6.9キロ開通 北薩横断道路』 2018年3月26日付、32面
  14. ^ 北薩横断道路(泊野道路)開通記念ウォーキング大会について”. 出水市 (2019年2月12日). 2019年2月24日閲覧。
  15. ^ a b c d 新規事業採択時評価結果(令和2年度新規事業化箇所)” (PDF). 国土交通省道路局 (2020年4月1日). 2020年5月16日閲覧。
  16. ^ 令和2年度 道路事業関係” (PDF). 国土交通省道路局. p. 23. 2020年5月16日閲覧。
  17. ^ a b 令和3年度予算概要(九州地方整備局関連分) 参考資料 道路②”. 国土交通省. 2021年3月30日閲覧。
  18. ^ a b c 野間優希乃「北薩横断道 広瀬道路、来年度開通 さつま広瀬 - 佐志6キロ」『南日本新聞』2023年3月4日付6面。
  19. ^ a b さつま広橋-佐志 来年3月17日開通 北薩横断道路」『南日本新聞』2023年11月29日24面。
  20. ^ 児玉奈々子「北薩トンネル内路面浮き上がる 通行止め、湧水が原因」『南日本新聞』2024年7月28日付25面(インターネット配信記事の見出しは「自動車専用道全長約5キロのトンネル内、50メートルにわたって路面が隆起、壁面剥がれや土砂流出も 北薩横断道路・さつま泊野-高尾野間が全面通行止め 復旧は未定 鹿児島県」。記載内容は紙面記事と同一)
  21. ^ a b 「北薩横断道など 6IC名称決定 鹿県」『南日本新聞』2015年12月2日付4面。
  22. ^ 新規事業採択時評価結果 (PDF)  : 国土交通省 2011年9月24日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]