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千代の海明太郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
千代の海 明太郎
基礎情報
四股名 濵町 → 千代の海
本名 濵町 明太郎
愛称 ハマ、メイタロ
生年月日 (1993-01-11) 1993年1月11日(31歳)
出身 高知県幡多郡黒潮町
身長 181.4cm
体重 136.0kg
BMI 41.3
所属部屋 九重部屋
得意技 突き・押し
成績
現在の番付 引退
最高位 西十両8枚目
生涯戦歴 237勝208敗47休(54場所)
優勝 三段目優勝1回
序二段優勝1回
序ノ口優勝1回
データ
初土俵 2015年5月場所
引退 2024年5月場所
(番付上は2024年7月場所)
趣味 ゲーム[1]
備考
2024年7月1日現在

千代の海 明太郎(ちよのうみ めいたろう、1993年1月11日 - )は、高知県幡多郡黒潮町出身で九重部屋に所属した元大相撲力士。本名は濵町 明太郎(はままち めいたろう)。身長181.4cm、体重136.0kg。最高位は西十両8枚目(2019年3月場所)。

来歴

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相撲との出会い

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2歳年上の兄が地元の佐賀少年相撲クラブに入っていた影響から保育園の頃から相撲を始める。

高校~大学卒業まで

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高知県立宿毛高校では相撲部に所属したものの目立った実績は残せなかった。 日本体育大学入学後に徐々に力をつけ、大学2年次(2012年度)の東日本インターカレッジの団体戦で当時日本大学4年生で後に幕内力士となる遠藤聖大を得意の突き押しで撃破した[2]。4年次(2014年度)の全国学生相撲選手権大会では副主将を務め、団体戦優勝に貢献した。大学4年生の時に教職に進んだ日体大出身者の2人から「プロに行っておけばよかった」という後悔の声を聞き、角界入りに心が傾いた[3]

入門後

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大学卒業から間もない2015年4月に記者会見を開き、九重部屋入門を表明。同年5月場所にて初土俵。同期生には霧島がいる。初めて番付に四股名(当初は本名の濵町)が載った7月場所では7戦全勝で序ノ口優勝を果たし、西序二段10枚目で迎えた翌9月場所でも7戦全勝で、千秋楽優勝決定戦に進出。ここでも勝利し、序ノ口・序二段の連続優勝を達成した。東三段目19枚目で迎えた翌11月場所以降、四股名を師匠の四股名を故郷の海に因んで千代の海の四股名を名乗る[4]。同場所は前半3連勝したものの、中日の4番相撲で水戸豊に敗れ18戦目で力士生活初黒星を喫し、その後も負けが込み4勝3敗。しかし三段目に留まった翌2016年1月場所は再び勝ち続け、3度目の7戦全勝で三段目優勝。しかし同場所後に右肘の手術を受け、リハビリに専念すべく翌3月場所から7月場所まで3場所連続で休場。東幕下13枚目の番付は東三段目94枚目まで下がってしまった。

復帰以降は再び順調に番付を上げ、東幕下22枚目で迎えた2017年7月場所を2勝5敗とした以外は全ての場所において勝ち越しを続け、2018年1月場所では長期休場前の自己最高位を更新し、東幕下10枚目に在位。ここでも勝ち越し、翌3月場所も自己最高位の東幕下5枚目で5勝2敗の好成績を修めた。同場所では千秋楽に新十両炎鵬との対戦が組まれ、初めて大銀杏姿で土俵に上がり、押し倒しで勝ったものの、他の力士の成績との兼ね合いから新十両は見送られた。続く5月場所は西幕下筆頭で4勝3敗と勝ち越し、場所後の番付編成会議で7月場所での新十両昇進が決定した。宿毛高校からは史上2人目の関取。新十両として迎えた7月場所は8勝7敗の成績で勝ち越し。翌9月場所も8勝を挙げて関取昇進後2場所続けての勝ち越しとなったが、東十両11枚目で迎えた11月場所は12日目に負け越しが決定。翌13日目も敗れて9敗となり、十両残留へ向けて後の無い成績となったが、残りの2番に勝利して辛くも関取の地位は守った。2020年7月場所前の栃煌山の引退により高知県出身唯一の関取となっていたが、同場所東十両14枚目の地位で6勝9敗と負け越したため、9月場所では土佐ノ海が十両に昇進した1994年11月以降26年間継続してきた高知県出身力士の関取在位が途絶えることになった。1場所で十両に復帰したが、4場所在位して再び幕下に陥落。幕下に下がった2021年7月場所は、場所前に左肘の手術をしたため全休となった[5]

2021年11月場所は13日目の7番相撲で竜電と対戦し、敗れて6勝1敗となり幕下優勝を逃した。取組後に「強いですね。物が違います。完敗です」「みんなは向こう(竜電)が勝つと思っていたと思うのでやりやすかった。向かっていくだけなので」とコメント[6]。東幕下6枚目で迎えた2022年3月場所は13日目の7番相撲で金峰山と対戦し、敗れて6勝1敗となり幕下優勝と十両復帰を逃した[7]。翌5月場所は東幕下筆頭で迎え、5番相撲を終えた時点で3勝2敗だったものの、残る2番に敗れ、負け越して十両復帰を逃した。2023年5月場所では4勝3敗とし、場所後に開かれた番付編成会議で、7月場所の再十両が正式に発表された[8]。再十両が決定した日は同期の霧馬山が大関昇進を決めた日であった。因みに千代の海は同期の縁で番付順に拘らずスポーツ新聞の取材で「ハグア」と愛称で彼を指しているぐらいなものである[9]。自身が幕下で負けると相手が「元十両に勝ちました。この子は力がついていますね」と評され、元十両として比較対象にされるようになったが、自分も幕下から十両に上がった頃はそういう相手を倒してきたのだなと思い、奮起した[9]。13場所ぶりの十両となった7月場所では、西十両14枚目で初日から4連敗した後、中日の段階で3勝5敗まで盛り返したものの、9日目から4連敗し11日目時点で負け越すと、最終2日も連敗し4勝11敗と大幅に負け越して終えた。

2024年5月場所後の6月3日、日本相撲協会に引退届を提出して受理された[10]。番付編成会議後に引退を表明したため、翌7月場所の番付には四股名が残る。引退の際の取材では、思い出の取組を「全部」と答えている[3]。大学時代に中・高の保健体育の教員免許を取得しており、今後は都内で教員を目指すことを表明[11]、同年10月、東京都立農産高等学校の保健体育科講師となった[12]

取り口

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鋭く当たってから突っ張りと身のこなしを活かすのが千代の海の相撲。 押し切れない場合は引きや叩きで仕留め、投げはあまり打たない。 取り口は兄弟子の千代の国譲りであり、千代の海の相撲は千代の国との稽古の産物である。

エピソード

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  • 2020年6月に公開された相撲協会公式YouTubeチャンネルの動画ではステイホーム中の過ごし方として部屋の掃除を挙げている[13]
  • 2021年4月29日、看護師の女性と結婚。「本当に支えてもらっている。勝つことが恩返し」と述べた。師匠の誕生日に合わせて婚姻届を提出している[14][15]
    • 2023年7月場所で十両復帰するまでの12場所、妻は看護師として働いて千代の海を援助した。妻、両親、義理の両親もみんな現役続投を後押しした[9]
  • 協会公式プロフィールによると、好きな歌手はASAKI、好きなYouTubeチャンネルはたっくーTVれいでぃお、趣味は昼飲み、好物は家で作ったカツオのたたき[16]
  • 白鷹山を大の苦手としており、2018年1月場所における初顔合わせ以来13連敗している。

主な成績

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通算成績

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  • 通算成績:237勝208敗47休(54場所)

各段優勝

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  • 三段目優勝:1回(2016年1月場所)
  • 序二段優勝:1回(2015年9月場所)
  • 序ノ口優勝:1回(2015年7月場所)

場所別成績

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千代の海明太郎
一月場所
初場所(東京
三月場所
春場所(大阪
五月場所
夏場所(東京)
七月場所
名古屋場所(愛知
九月場所
秋場所(東京)
十一月場所
九州場所(福岡
2015年
(平成27年)
x x (前相撲) 西序ノ口19枚目
優勝
7–0 
西序二段10枚目
優勝
7–0[17] 
東三段目19枚目
4–3 
2016年
(平成28年)
東三段目9枚目
優勝
7–0 
東幕下13枚目
休場
0–0–7
西幕下53枚目
休場
0–0–7
西三段目33枚目
休場
0–0–7
東三段目94枚目
6–1 
東三段目36枚目
5–2 
2017年
(平成29年)
東三段目7枚目
6–1 
東幕下32枚目
4–3 
西幕下26枚目
4–3 
東幕下22枚目
2–5 
東幕下39枚目
5–2 
西幕下27枚目
6–1 
2018年
(平成30年)
東幕下10枚目
4–3 
東幕下5枚目
5–2 
西幕下筆頭
4–3 
西十両12枚目
8–7 
西十両11枚目
8–7 
東十両11枚目
6–9 
2019年
(平成31年
/令和元年)
西十両14枚目
8–5–2[18] 
西十両8枚目
7–8 
西十両9枚目
7–8 
東十両10枚目
6–9 
西十両11枚目
2–13 
東幕下6枚目
4–3 
2020年
(令和2年)
西幕下3枚目
5–2 
東十両13枚目
7–8 
感染症拡大
により中止
東十両14枚目
6–9 
東幕下2枚目
4–3 
西十両14枚目
9–6 
2021年
(令和3年)
東十両11枚目
休場[19]
0–0–15
東十両12枚目
7–8 
東十両12枚目
4–11 
東幕下3枚目
休場
0–0–7
西幕下43枚目
4–3 
東幕下33枚目
6–1 
2022年
(令和4年)
東幕下13枚目
5–2 
東幕下6枚目
6–1 
東幕下筆頭
3–4 
西幕下4枚目
3–4 
西幕下6枚目
3–4 
東幕下11枚目
4–3 
2023年
(令和5年)
西幕下7枚目
4–3 
東幕下5枚目
4–3 
西幕下3枚目
4–3 
西十両14枚目
4–11 
東幕下4枚目
3–4 
東幕下7枚目
4–3 
2024年
(令和6年)
東幕下4枚目
2–6 
西幕下11枚目
4–3 
東幕下8枚目
0–5–2 
西幕下43枚目
引退
––[20]
x x
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。    優勝 引退 休場 十両 幕下
三賞=敢闘賞、=殊勲賞、=技能賞     その他:=金星
番付階級幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口
幕内序列横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列)

脚注

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  1. ^ 【おうち時間3】千代丸、玉鷲など、関取14名が登場! 日本相撲協会公式チャンネル YouTube 2020/06/18 (2020年8月25日閲覧)
  2. ^ “得意の突き押し磨く!日体大副主将・浜町が九重部屋へ入門”. サンケイスポーツ. (2015年4月16日) 
  3. ^ a b 千代の海が引退、今後は体育教員の道へ 来年2月2日に断髪式/一問一答 日刊スポーツ 2024年6月3日19時48分 (2024年6月4日閲覧)
  4. ^ 「花の新十両データバンク」『相撲』2017年7月号、ベースボール・マガジン社、24頁。 
  5. ^ 「相撲部屋聞き書き帖」『相撲』2021年12月号、ベースボール・マガジン社、84頁。 
  6. ^ 千代の海 竜電との全勝対決に敗れ幕下優勝を逃す「物が違います」と脱帽 日刊スポーツ 2021年11月26日15時3分 (2021年11月26日閲覧)
  7. ^ 【幕下】カザフスタン出身の金峰山が7戦全勝でV 千代の海を押し出し、来場所は幕下上位へ 日刊スポーツ 2022年3月25日15時13分 (2022年3月25日閲覧)
  8. ^ “獅司がウクライナ出身として初の関取、新十両3人と再十両2人を発表”. 日刊スポーツ. (2023年5月31日). https://www.nikkansports.com/m/battle/sumo/news/202305310000290_m.html?mode=all&utm_source=AMPbutton&utm_medium=referral 2023年5月31日閲覧。 
  9. ^ a b c 大関霧島が誕生した日、同期の千代の海が2年ぶりに関取復帰「新十両の時よりうれしい」 日刊スポーツ 2023年6月1日6時31分 (2023年6月2日閲覧)
  10. ^ 元十両千代の海が引退 最高位は西十両8枚目」『デイリースポーツ』2024年6月3日。2024年6月3日閲覧。
  11. ^ 元十両・千代の海が引退、保健体育の教員を目指す…「最後に関取の土俵に上がることができたので悔いはないです」7月に採用試験」『中日スポーツ』2024年6月3日。2024年6月3日閲覧。
  12. ^ 濵町先生(元十両・千代の海)が着任されました。』(プレスリリース)東京都立農産高等学校、2024年10月3日https://www.metro.ed.jp/nosan-h/news/2024/10/newsentry_150.html2024年10月4日閲覧 
  13. ^ 【おうち時間3】千代丸、玉鷲など、関取14名が登場! 日本相撲協会公式チャンネル YouTube 2020/06/18 (2020年8月25日閲覧)
  14. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2021年5月1日). “十両千代の海が結婚 28歳の看護師と”. 産経ニュース. 2021年5月2日閲覧。
  15. ^ 千代の海が看護師の女性と結婚 師匠九重親方の誕生日に合わせ婚姻届提出 - 大相撲 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com(2021年5月2日). 2021年5月2日閲覧。
  16. ^ 千代の海 明太郎 - 力士プロフィール 日本相撲協会 (2023年7月3日閲覧)
  17. ^ 決定戦で勝利
  18. ^ 左膝撓側側副靭帯損傷のため13日目から休場
  19. ^ 2019新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性があるため初日から休場
  20. ^ 6月3日付で引退

関連項目

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外部リンク

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