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台北捷運371型電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
台北捷運C371型電車から転送)
台北捷運371型電車
基本情報
運用者 台北捷運公司
製造所 日本の旗川崎重工
中華民国の旗台灣車輛(4系のみ)
製造年 3系:2005年 - 2007年
4系:2008年 - 2009年
製造数 53.5編成321両
(6連52編成+3連3編成)
運用開始 2006年 -
投入先 松山新店線小碧潭支線中和新蘆線新北投支線
主要諸元
編成 [1]6(4M2T)、3(2M1T)
軌間 [1]1,435 mm
電気方式 直流750V/第三軌条集電
最高運転速度 [1]80 km/h
設計最高速度 [1]90 km/h
起動加速度 [注釈 1]3.6 km/h/s
減速度(常用) [注釈 3]3.6 km/h/s
減速度(非常) [注釈 4]4.68 km/h/s
編成定員 [注釈 2]約1,900~2,200人
全長 [1]23,500 mm
全幅 [1]3,180 mm
全高 [1]3,585 mm
床面高さ [1]1,150mm
車体 ステンレス鋼[1]
台車 川崎重工製[5](p2) ボルスタレス台車[1]
車輪径 [注釈 5]850 mm
固定軸距 [1]2,300 mm
台車中心間距離 [1]16,500mm
主電動機 三菱電機MB-5113-A[5](p60)
主電動機出力 [1]175kW
駆動方式 WN駆動方式
三菱電機 WN-1601-AF[5](p60)
歯車比 [1][5](p56)101:16 (6.31:1)
編成出力 [注釈 6]6連:2,800kW
[注釈 7]3連:1,400kW
制御方式 IGBT VVVFインバータ制御[1]
制御装置 三菱電機 MAP-184-75VD139
制動装置 ナブテスコ[5](pp61-69) 発電ブレーキ回生ブレーキ[1]
保安装置 ATO(ATC)、ATPATS)
備考 所有者は台北市政府捷運工程局
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台北捷運371型電車(たいぺいしょううん371がたでんしゃ)またはC371型電車2006年から台北都会区大衆捷運系統(台北捷運)で運用されている通勤型電車。 捷運車両としては台湾国内で本格生産された初の形式となる。

概要

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文湖線を除く路線で運用されている通常規格の高運量電車としては4世代目にあたり、301型に次ぐ日本製(川崎重工業製)。運用路線は松山新店線、中和新蘆線、新北投支線 (3両編成) 、小碧潭支線(3両編成) 。

沿革

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2003年に複数の路線を対象とする車両入札で川崎重工業に一括発注されたが[6][7]、投入時期によって2世代に大別され、2007年までに製造された台北捷運公司自身による追加調達用24編成144両(入札番号TA001)および小碧潭・新北投支線用の3連版が3編成9両(CH321A)と、2008年以降に製造された南港線延伸用4編成24両(CE361)、2010年代の蘆洲線用4編成24両(CE601)、新荘線用20編成(CK371)からなる[8]。同仕様ながら車番の2桁目が前者159両が「3」(371-3型あるいは371型3系)、後者が「4」(371-4型あるいは371型4系)となっていて、後者のうち162両は台湾車輌による現地生産[8]

形式名はこれら台北市政府捷運工程局の機電工程入札番号のうち新荘線用のCK371が由来であり[9][注釈 8]、形式番号と車両番号とは必ずしも一致しない(下記#編成参照)。

台灣車輛ステンレス車体製造技術の向上のために、12両がセミノックダウン方式で[注釈 9]、25編成150両が完全ノックダウン方式で生産された[10][11]

2005年11月22日に川重兵庫工場で落成式典が行われ[12](p10)、12月に出荷された[13]

2006年7月22日より短編成タイプが小碧潭支線で、8月22日より6連タイプが淡水新店線で運用に入り始め[14]、当時淡水線で運用されていた321型を置き換え、321型は全車板南線に転属となった。 321型電車がアンチロールバー取り付け座に亀裂、修繕の為運用ができなくなった2010年には[15]、371型3編成が平日のラッシュ時のみ板南線の救済にあたった[16]

仕様

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中正紀念堂駅に到着する列車

外観上は先に導入された301型と同一だが、主要機器、車内設備等が改良されている。電装品は三菱電機製のIGBT VVVFインバーター制御に、MGSIVボルスタレスの空気ばね台車を採用し尾灯もLED式になっている。車内はセミクロスシートだが、先頭車両のみオールロングシートとなっている。座席は台湾企業の佳豊機械設計工業が製造している[17][18]

客室内の床面から天井までの高さは中間車が2,060mm、両端(DMC)が2,000mm[1] 運転台のTCMS(運転情報管理システム、三菱電機製)の記憶容量は301型の24時間分から57時間分へと大幅に増加している[5](pp36-37)

2017年7月末から全車両に無料Wi-Fi「.TPE-Free AD WiFi」が[19]、翌2018年5月からは速度を向上した車内専用の「.TPE-Free AD WiFi-Car」のサービスを開始した[20]

中間車客室 先頭車(DM)客室
中間車客室
先頭車(DM)客室
転落防止ロープがある連結部 ドアと行先表示
転落防止ロープがある連結部
ドアと行先表示

編成

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制御電動車 - 中間付随車 - 中間電動車の3連ユニットで2ユニットを前後に連結して4M2Tの6両編成としている。号車表記は当欄における便宜的なものであり、xxは奇数、yyは偶数を示す。

  371型 備考
号車 1
DM1
2
T
3
M2
4
M2
5
T
6
DM1
;範例
形式 13xx
(Mc)
14xx
23xx
(T)
24xx
33xx
(M2)
34xx
33yy
(M2)
34yy
23yy
(T)
24yy
13yy
(Mc)
14yy
客室設備 バリアフリー・アクセス, バリアフリー・アクセス,
搭載機器[5](pp24-26) VVVF,BC,HSCB CP,Mtr,SIV VVVF,BC,HSCB,CP VVVF,BC,HSCB,CP CP,Mtr,SIV VVVF,BC,HSCB
車体重量(t)[1] 40 35 39 39 35 40
座席定員[1] 22 66 66 66 66 22
川崎重工 1301
:
1337
2301
:
2337
3301
:
3337
3302
:
3338
2302
:
2338
1302
:
1338
1
DM1
2
T
3
DM2
1397
:
1399
2397
:
2399
3397
:
3399
1419
:
1429
2419
:
2429
3419
:
3429
3420
:
3430
2420
:
2430
1420
:
1430
台湾車輌[1] 1401
:
1417
2401
:
2417
3401
:
3417
3402
:
3418
2402
:
2418
1402
:
1418
1431
:
1465
2431
:
2465
3431
:
3465
3432
:
3466
2432
:
2466
1432
:
1466
431/432は外観色を除いてほぼ日本車両で完成
1次車の車両銘板 2次車の車両銘板 2次車の製造銘板
1次車の車両銘板
2次車の車両銘板
2次車の製造銘板

配属・運用

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北投機廠中国語版[22](p12)[23]
新店機廠中国語版[22]
中和機廠蘆洲機廠中国語版[22][23]

その他

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特別仕様車

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北投温泉仕様399編成 内装
北投温泉仕様399編成
内装
  • 新北投支線用の399編成には内装、外装とも北投温泉をテーマにしたラッピングが施されている[24]

脚注

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注釈

[編集]
  1. ^ 1.0m/s/s。[1]
  2. ^ 捷運局では立席定員を1両当たり310人、ピーク時の編成総定員を2,220人と[2]、捷運公司では1平方メートルあたりの立客を6人で算出し、編成総定員を1,936人としている[3]。(厳密には通常時5人/平米で259人/両、ラッシュ時6人/平米で310人/両[4]。)
  3. ^ 1.0m/s/s。[1]
  4. ^ 1.3m/s/s。[5](p63)
  5. ^ 初期値。摩耗時は775mmまで。[1]
  6. ^ 動力台車ごとに2台、6連で計16台[5](p40)
  7. ^ 動力台車ごとに2台、3連で計8台[5](p40)
  8. ^ 同仕様だが入札区分は別々。
  9. ^ 車体は日本車輌製造が製造し、現地で組み立て。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w (繁体字中国語)臺北捷運371電聯車(新莊、蘆洲線)”. 台灣車輛公司. 2019年6月1日閲覧。 アーカイブ 2022年1月4日 - ウェイバックマシン
  2. ^ (繁体字中国語)捷運百科>捷運高運量與中運量系統之比較 アーカイブ 2022年4月13日 - ウェイバックマシン 台北市政府捷運工程局
  3. ^ (繁体字中国語)台北捷運公司. “關於我們>路網簡介>系統簡介”. 2019年6月1日閲覧。 アーカイブ 2022年4月9日 - ウェイバックマシン
  4. ^ (繁体字中国語)白崑成 (2018). 108年大眾捷運概論(含捷運系統概論、大眾運輸規劃及管理、大眾捷運法及相關捷運法規). 千華數位文化. p. 216. ISBN 9789864873708. オリジナルの2023年4月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230404120508/https://books.google.com/books?id=qjJhDwAAQBAJ&pg=PA216 2023年4月4日閲覧。 
  5. ^ a b c d e f g h i j (繁体字中国語)臺北大眾捷運股份有限公司 (2006年4月). “高運量電聯車 CK371 國外承商合約訓練”. 台北市政府. 2019年6月1日閲覧。[リンク切れ]
  6. ^ (繁体字中国語)捷運採購案決標 日本川崎重工得標 アーカイブ 2022年4月8日 - ウェイバックマシン 2003-09-01 TVBS
  7. ^ 台北市向け地下鉄電車を受注 アーカイブ 2015年4月26日 - ウェイバックマシン 2003-09-02 川崎重工業
  8. ^ a b (繁体字中国語)捷運新莊線 明年3月通到輔大 2011-09-01 中央通訊社
  9. ^ (繁体字中国語)台北都會區大眾捷運系統路網中,各路線所採購之列車數為何?”. 台北市政府捷運工程局 (2018年12月13日). 2019年6月1日閲覧。 アーカイブ 2020年8月13日 - ウェイバックマシン
  10. ^ (繁体字中国語)台北捷運電聯車車體將在台進行全車組裝 アーカイブ 2022年4月13日 - ウェイバックマシン 2005-04-19 大紀元
  11. ^ 台湾地下鉄 アーカイブ 2019年4月27日 - ウェイバックマシン 日本車輌製造
  12. ^ (繁体字中国語)臺北大眾捷運股份有限公司 (2006年1月3日). “「新莊、蘆洲支線、南港東延段、新店小碧潭站以及臺北捷運公司二十四列電聯車工程原型車驗證測試」海外檢測出國報告”. 台北市政府. 2019年6月1日閲覧。[リンク切れ]
  13. ^ 台北市向け地下鉄電車の初編成を出荷 アーカイブ 2015年4月23日 - ウェイバックマシン 2005-12-05 川崎重工業車両カンパニー
  14. ^ (繁体字中国語)95年8月施政報告” (2006年8月31日). 2019年6月1日閲覧。 アーカイブ 2022年4月14日 - ウェイバックマシン
  15. ^ (繁体字中国語)Chi-Hua Chang (2018年). “防滾桿故障分析探討 Failure Analysis of an Anti-Rolling Bar”. 国立台北科技大学. 2020年3月14日閲覧。
  16. ^ (繁体字中国語)北捷板南線列車晃動 影響舒適度將檢修 アーカイブ 2023年4月4日 - ウェイバックマシン 2010-06-29 自由時報
  17. ^ (繁体字中国語)C98A02261 371型電聯車3人座椅採購 決標公告 アーカイブ 2023年4月4日 - ウェイバックマシン2009-06-19,行政院公共工程委員会 政府電子採購網
  18. ^ (繁体字中国語)P09602395 371型電聯車座椅等3項採購 決標公告 アーカイブ 2023年4月4日 - ウェイバックマシン2007-06-22,行政院公共工程委員会 政府電子採購網
  19. ^ 台北メトロの全駅・全車内で無料WiFiへの接続が順次可能になります! アーカイブ 2019年6月4日 - ウェイバックマシン 2017-07-24 台北ナビ
  20. ^ (繁体字中国語)告別斷線 北捷月台車廂即起開放免費WiFi上網 アーカイブ 2019年6月4日 - ウェイバックマシン 2018-05-18 自由時報
  21. ^ “通勤族哀嚎! 北捷列車免費WIFI今起退場”. TVBS. (2019年6月25日). オリジナルの2019年7月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190715221604/https://news.tvbs.com.tw/life/1155471 2020年3月20日閲覧。 
  22. ^ a b c (繁体字中国語)台北捷運新進人員甄試 應考須知”. 社團法人考友社 (2018年3月). 2019年6月1日閲覧。 アーカイブ 2019年6月4日 - ウェイバックマシン
  23. ^ a b (繁体字中国語)台北捷運北投和蘆洲機廠 分遭闖入塗鴉破壞車廂 アーカイブ 2023年4月4日 - ウェイバックマシン 2018-04-09 中国時報
  24. ^ “捷運彩繪列車開往秋天”. Peopo公民新聞. (2009年10月22日). オリジナルの2022年4月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220415193406/https://www.peopo.org/news/41192 2021年2月12日閲覧。 

外部リンク

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