嘔吐1979
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概要
[編集]初出 | 『IN★POCKET』1984年10月号 |
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収録書籍 | 『回転木馬のデッド・ヒート』(講談社、1985年10月) |
村上は『IN★POCKET』1983年10月号(創刊号)から1984年12月号まで隔月で、聞き書きをテーマとする[1]連作の短編小説を掲載した。副題は「街の眺め」。本作品は1984年10月号に発表されたその7作目である[2]。
英訳
[編集]タイトル | Nausea 1979 |
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翻訳 | ジェイ・ルービン |
初出 | 『Blind Willow, Sleeping Woman』(クノップフ社、2006年7月) |
あらすじ
[編集]彼は若手のイラストレーターで、「僕」と同じように50年代から60年代前半にかけてのジャズ・レコードのコレクションをしていた。けれども互いに対象エリアが微妙にずれているので、ときどき互いのレコードを交換していた。「僕」はウェスト・コーストの白人のバンドのものが中心であり、彼はコールマン・ホーキンズだとかライオネル・ハンプトンといった中間派に近いものの後期のレコードを集めていた。
彼がその吐き気の話をしてくれたのはそんな交換会のあとだった。彼の吐き気は1979年6月4日にはじまり、同年の7月14日まで続いた。さらに6月5日から7月14日まで見知らぬ男から毎日電話がかかってきた。時間はでたらめだったが、ベルが鳴って、彼の名前を言って、ぷつんと切れるのは同じだった。
脚注
[編集]- ^ 『村上春樹全作品 1979〜1989』第5巻、付録「自作を語る」。
- ^ 6作目の「BMWの窓ガラスの形をした純粋な意味での消耗についての考察」は単行本には収録されなかった。