四方子供曳山祭り
四方子供曳山祭り(よかたこどもひきやままつり)は富山県富山市四方地区にて、毎年4月29日に行われる四方神社の春季祭礼と、9月23日に行われる神明社の秋季祭礼である。
概要
[編集]江戸時代中期より始まったとされる曳山祭りは、獅子舞、神輿ならびに6基の曳山が曳かれていたが、1945年(昭和20年)の大火により焼失した。その後、戦後に小型の曳山を建造し子供曳山として復活したものである。現在は12町により曳山と、獅子舞、子供神輿を春季、秋季の祭礼で神社でのお祓いのあと、囃子に合わそれぞれの町内を巡行する。2018年(平成30年)春の祭礼より12基が6基2列で揃って練り歩いている[1]。
また家内安全祈願の風習として、近くの八重津浜から持ってきた砂を、各家庭の前の道路に山盛りにし、それを獅子が蹴散らし清めその後神輿が渡御する。
2006年(平成18年)には「とやまの文化財百選(とやまの祭り百選部門)」に選定されている。
曳山
[編集]曳山(山車)は高さ3〜4mの小型のもので、高岡の御車山を小型にした地車に鉾柱(心柱)を立て、鉾柱(心柱)の上部に造花で出来た花を付けた割竹を放射状に広げた花山車(花鉾山)で、鉾柱(心柱)の先端には標識(だし)といわれる鉾留があるものもある。車輪は4輪の大八車(外車)様式で、輻車(やぐるま〔スポーク式〕)または板車である。
曳山を保有する町
[編集]現在
[編集]西港町、東港町、新出町、江代町、南町、一番町、東野割町、恵比須町、田町、神明町
1945年以前
[編集]一番町、二番町、上中町、北中町、恵比須町、野割町
神輿を保有する町
[編集]西野割町
曳歌
[編集]四方子供曳山には古くから口頭で伝わる「曳歌」があり、1960年代頃まで曳山巡行のさい子供達が、「オッペケタイサンノーヤノーヤノヤ(ノーエ)」と唄いながら町内を巡行していたが、楽譜などがなく、録音音源も残っていないため廃れていった。
2019年、平成から令和に元号が替わるにあたり曳歌復活に向け、歌詞を郷土史などの文献より、旋律は地元の住民より聞き出し、四方小学校4〜6年生の児童や地元の住民によって歌のCDを制作し各町内に配布、50年以上の時をへて2019年(平成31年)の祭礼より、CDを再生しながら曳山を曳く[2]。
脚注
[編集]関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 『とやまの文化財百選シリーズ(3) とやまの祭り』(富山県教育委員会 生涯学習・文化財室)2007年(平成19年)3月発行
- 『とやま祭ガイド』(北日本新聞社)2004年(平成16年)3月31日発行 ISBN 4-906678-87-4
- 『富山県の築山・曳山・行燈行事 —大型の風流作り物の現状—』(富山県の祭り・行事活性化マスタープラン策定委員会、富山県教育委員会 文化財課)2005年(平成17年)3月発行