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国鉄シキ140形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国鉄シキ140形貨車
国鉄シキ140形シキ140B 1986年5月25日、日立駅
国鉄シキ140形シキ140B
1986年5月25日、日立駅
基本情報
車種 大物車
運用者 日本国有鉄道
所有者 日立製作所
製造所 日立製作所
製造年 1954年(昭和29年)
製造数 1
消滅 1984年(昭和59年)
常備駅 日立駅常陸多賀駅
主要諸元
車体色 +黄1号の帯
軌間 1.067
全長 34,900 mm(A)、27,400 mm(B)
全幅 2,131 mm(A)、2,200 mm(B)
全高 2,181 mm(A)、3,235 mm(B)
荷重 135 t(A)、150 t(B)
自重 77.1 t(A)、63.3 t(B)
換算両数 積車 17.0(A)、17.0(B)
換算両数 空車 7.5(A)、6.5(B)
台車 4-4軸複式ボギー
最高速度 65
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国鉄シキ140形貨車(こくてつシキ140がたかしゃ)は、1954年(昭和29年)6月9日に日立製作所で1両のみ製作された、日本国有鉄道に車籍を有した150トン積み吊り掛け式大物車である。

概要

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日立製作所所有の私有貨車で、製作された1954年当時、世界最大の貨車として同年開催されたアジア極東経済委員会(ECAFE)鉄道委員会に出品展示された[1]。当初の常備駅は日立駅1965年(昭和40年)11月から常陸多賀駅となった。

1959年(昭和34年)2月に追加で低床式の梁が製作され、135トン積み低床式大物車としても使えるようになった。

吊り掛け式の梁はシキ140Bと称し、日立では最初の吊り掛け式であった。四軸ボギー台車を合計4台備えた、4台車16軸の車両で、2つの台車に跨るように枕枠を載せて、その上に荷受梁が載せられていた。荷受梁は、低床式の荷受梁の設計を受け継いだもので、縦に4本のプレート上の梁が入った構造であった。この設計は後の吊り掛け式大物車には受け継がれず、他社製造の吊り掛け式大物車のようにトラス構造に移行している。空車時の全長は26,500 mmで、貨物の最大長さは8 mとされていた。

低床式の梁はシキ140Aと称し、全長34,000 mm、低床部の長さは5,400 mm、低床部のレール面上高さは900 mmであった。吊り掛け式とは、枕枠より下部を共用し、荷受梁だけを交換して使用できるようになっていた。1958年(昭和33年)にシキ280形に脱線事故が発生し、その対策として1960年(昭和35年)に改造を受けて、台車の心皿をかさ上げするなどした。これにより低床部高さは925 mmに上昇している。

1984年(昭和59年)1月31日に廃車となった。

脚注

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  1. ^ 「車両と機器の展示会 エカフェ記念に大井工場で」『日本経済新聞』昭和26年10月17日 3面

参考文献

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  • 鉄道公報
  • 吉岡心平『大物車のすべて 中』(初版)ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 92〉、2007年4月1日。ISBN 978-4-7770-5196-0 
  • 吉岡心平『大物車のすべて 下』(初版)ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 93〉、2007年5月1日。ISBN 978-4-7770-5200-4 
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)
  • 長谷川茂「150トン積8軸ボギー大物車(シキ140号)によるかつ大貨物の輸送について」『車両と電気』 5巻、8(56)、1954年8月、8-10頁。doi:10.11501/2322722https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2322722/6 
  • シキ140号車の出現 電気機器の輸送に活躍」『車輛工学』 23巻、9号、1954年9月、40-41頁。doi:10.11501/3270635https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3270635/22 
  • かつかも便り 心皿けん引式大物車の死重」『車輛工学』 28巻、3号、1959年3月、13-14頁。doi:10.11501/3270689https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3270689/9  シキ130,140,160,170,300のスペック比較の表がある