国鉄ワ16000形貨車
国鉄ワ16000形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | 有蓋車 |
運用者 | 鉄道省 |
所有者 | 鉄道省 |
改造年 | 1943年(昭和18年) |
改造数 | 5両 |
消滅 | 1948年(昭和23年) |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
軌間 | 1,067 mm |
荷重 | 8 t |
国鉄ワ16000形貨車(こくてつワ16000がたかしゃ)は、かつて鉄道省に在籍した8 t 積みの有蓋車である。
本形式と同時に誕生したワフ24000形、又同時期に同様の経緯にて誕生したワ21600形についても本項目で解説する。
概要
[編集]1943年(昭和18年)8月1日に北海道鐵道が買収され、それに伴い北海道鐵道に在籍していた有蓋車26両(ワ1000 - ワ1004,ワム1 - ワム9,ワフ1 - ワフ7,ワフ2000 - ワフ2004)が鉄道省に編入され、形式名ワ16000形、ワフ24000形が付与された。(一部の車両はワム1形、ワム3500形へ編入された。)当時多くの私鉄が国有化され、多くの貨車が鉄道省車籍に編入されたが、この際鉄道省形式に改番された車両と、改番されずに私鉄時代の形式番号のまま運用された車両の2種類が存在した。鉄道省形式が付与されなかった理由は、形式両数が少なかった、積載荷重10 t 以下の小型車であった、車両の構造が鉄道省貨車に対して差異が大きかったなどがある。改番されずに私鉄時代の形式番号のまま運用された車両は、運用制限車(地域限定運用車)となり数年で廃車又は他形式へと改造され形式消滅した。
ワ16000形
[編集]前述のワ1000 - ワ1004は形式名ワ16000形(ワ16000 - ワ16004)と定められた。本形式は8 t 積み車であり形式車両数も少なかったが鉄道省形式が付与された。種車は1922年(大正11年)から1924年(大正13年)にかけて鉄道省より払い下げを受けた車両であり、再度鉄道省車籍に編入される事になった。
車籍上では戦後まで在籍したが実車と台帳記録がかみ合わず1948年(昭和23年)調査で全車廃車が確認された。
ワフ24000形
[編集]前述のワフ2000 - ワフ2004は形式名ワフ24000形(ワフ24000 - ワフ24004)と定められた。本形式は8 t 積み車であり形式車両数も少なかったがワ16000形同様鉄道省形式が付与された。種車は1928年(昭和3年)に汽車製造東京支店にて製作された車両である。
戦後複数回行われた形式廃車には一度も該当せずに運用され、最後まで在籍した車両が1965年(昭和40年)に廃車となり同時に形式消滅となった。
ワ21600形
[編集]1944年(昭和19年)5月1日に南海鉄道山手線(現・阪和線)が買収され、それに伴い南海鉄道に在籍していたワ150形(ワ151 - ワ165)、ワ200形(ワ201 - ワ217)合計32両が運輸通信省鉄道総局に編入され、形式名ワ21600形(ワ21600 - ワ21631)が付与された。
戦後の1950年(昭和25年)5月に「第二次貨車特別廃車」の対象形式に指定され(当時の在籍車数は28両であった)順次廃車が進められ同年に形式消滅となった。
1952年(昭和27年)4月に三岐鉄道へ9両(ワ21606,ワ21614,ワ21617,ワ21622 - ワ21626,ワ21630→ワ1形 ワ38 - ワ46)、翌1953年(昭和28年)4月に夕張鉄道へ2両(ワ21621,ワ21629→ワ100形 ワ101,ワ102)がそれぞれ譲渡された。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 車輛形式図 貨車上巻 鉄道省工作局 復刻 鉄道史資料保存会
- 貨車技術発達史編纂委員会 編「日本の貨車―技術発達史―」2008年、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊
- 南野哲志・加納俊彦 『RM LIBRARY62 三岐鉄道の車輌たち -開業からの50年-』 ネコ・パブリッシング 2004年10月 ISBN 4-7770-5068-8
- 澤内一晃・星良助「北海道の私鉄車両」2016年、北海道新聞社刊 ISBN 978-4-89453-814-6