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オーバーフロー (ブランド)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大沼明夫から転送)
Overflow
ジャンル ゲーム
企業名 有限会社スタック
審査 ソフ倫
主要人物 メイザーズぬまきち
デビュー作 ら〜じ・PonPon
1999年11月26日
最終作 Strip Battle Days 2
2016年4月28日
公式サイト Overflow OFFICIAL WEB SITE
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オーバーフロー (Overflow) は、有限会社スタックのアダルトゲームブランド[1]

本項では、有限会社スタックおよび代表のメイザーズぬまきちについても記載する。

オーバーフロー

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概要

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代表はメイザーズぬまきち。ブランド名の英字表記はOverflowだが、しばしば0verflow(1文字目が数字のゼロ)と書かれる。これはドメイン「Overflow.com」が他社により使用されていたため、機転を利かせて「0verflow.com」を取得したことが発端となっている。なお、ロゴもそれに倣っている。

マスコットキャラクターは「マヨちゃん」。

沿革

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1999年に自主制作物のブランド名をオーバーフローに定め、『ら〜じ・PonPon』でデビュー。8作目の『School Days』では、メロドラマのような壮絶な愛憎劇と凄惨なバッドエンドの存在、そして全編がフルアニメーションで描かれたということで話題となり、2005年アダルトゲームの上半期セールス2位・年間7位の約3万2千本のセールスを叩き出すという大成功を収め、いきなり注目ブランドに躍り出る。また、同作は2007年7月にTVアニメ化されて再び注目を集めた上、オーバーフロー作品としては初めてコンシューマ化され、2008年1月17日ガンホー・ワークスからPlayStation 2版『School Days L(-エルアンドエイチ、Love and Hate)』のタイトルで発売された。

2012年2月10日の『ニコニコ生放送』において、同年4月発売の『SHINY DAYS』を最後にブランド活動を終了することを発表した[2]

ブランドカラー

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  • アージュニトロプラスと共に、千代田区連合(ちよれん)を構成している。正会員のアージュには斉藤K、ニトロプラスにはジョイまっくす、準会員扱いのCIRCUSにはらまマンという名物広報がいるが、オーバーフローだけは代表のメイザーズぬまきち自身がプロモーションの先頭に立ち、イベントでは軽快なトークを飛ばす。
  • シナリオで通信機器の機能に物語性を持たせる、物語の中におまじない都市伝説など、言い伝えが多いという特徴がある(『PureMail -ピュアメール-』ではチャットやメール、『School Days』では携帯電話)。
  • ほとんどの作品は世界が共通しており、その中でもファミレスチェーン「ラディッシュ」を舞台としたシリーズが設定の主軸となっている。世界観が一定しているため、別作品の主要人物のその後が語られることも多い。
  • ほとんどの主要人物に血縁関係を持たせており、『オーバーフロー プレミアム・トリロジーBOX』付属のデータブックには、一部の人物相関図が掲載されている(一部誤表記あり)。『Snowラディッシュバケーション!!』の主人公・沢越止(さわこえ とまる)を基点とし(更に正確さを出せば、止の父親の伊能上(いのう じょう)が基点となるが、上の子孫は孫世代以降が全て、止を経由している)、各作品の主人公はその息子であることが多い。代表的な息子の主人公達は、以下のとおり。
  • 上記の別作品での後日談や人物相関図を紐解くと、作中の男女関係はほとんどが近親相姦であり、登場人物もほとんどが近親相姦による子供(であると確定する者・しない者・可能性が高い者がいる)となっている。これらは複数作品をプレイした上で発見することができる裏設定であるために、作中にインセスト・タブーが前面に押し出されることはない。ただし、後代の作品では単体のプレイでもある程度の近親相姦があることは、明白となっている。
  • 孕ませ妊婦寝取られが大きく扱われることが多く、作品世界が繋がっているため、妊娠エンドを迎えたヒロインが別の作品で妊婦や母親になって登場することも(複数の人物に孕まされる場合は両方産むことになるか、どちらか一方の子を産んだことにされる)。子供が別の作品のヒロインとなったり、主人公が別の作品の寝取り担当となったり、ヒロインが寝取り担当の娘であることも多い。『Cross Days』では、それらの要素に加えて男性の同性愛(女装した男性も含む)や、筋肉質の女性とのセックスなども盛り込まれている。

「修正パッチ」と「自主回収」

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2作目『PureMail』では10回、8作目『School Days』では11回、9作目『Summer Days』では9回の修正パッチが公開された更に『Summer Days』では修正ファイル総容量が2.3GBまで達し、初回版では完全にバグが解決することなく修正パッチのリリースが停止。発売から約4か月後には、リニューアルパッケージ版が発売されるという事態にまで発展した(詳細は巨大修正ファイル配布と自主回収、そしてリニューアル版を参照)。 また、『Summer Days』はボツになった無修正CGファイルをDVD-ROMに入れてしまったため、『School Days』のドラマCDはプレス時のミスにより再生時の音声の速度異常が発生したため、一旦回収され修正されている。 『School Days』以降にパッチを当てていないとまともにゲームをプレイすることすら不可能なバグが多発した理由として、メイザーズぬまきちは、『Summer Days』製作中にプログラマーが病気などにより離脱したことや、一部のスタッフによる会社の輪を乱す行為や職務怠慢などが原因であると語っている[3]

エイプリルフール企画

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制作する年にはこのためだけに多大なコストを投入し、専用ページやショートムービーなどを公式サイトで公開している。また、それだけに留まらず、2002年の『Summerラディッシュバケーション!!』や2007年の『マジカルハート☆こころちゃん』のように、後で製品化されたものも存在する(前者はパッケージ版が制作され、2003年4月1日のイベント当日限定で発売された後、アップデート版『Summerラディッシュバケーション!!1.1』が続編『Summerラディッシュバケーション!!2』と同時発売された。後者の詳細は、School Days (アニメ)#マジカルハート☆こころちゃんを参照)。

2020年にはブランド活動の終了から8年ぶりに企画『Mother Days』を公開した[4]

作品一覧(オーバーフロー)

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※『マジカル☆ユニティー』を除き、各作品は世界観を共有している。

有限会社スタック

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有限会社スタック
STACK
種類 有限会社
本社所在地 日本の旗 日本
101-0052
東京都千代田区神田小川町2丁目4番地5号 杉商ビル9階
設立 1997年(平成7年)3月
業種 情報・通信業
事業内容 モーションキャプチャー受託、コンピュータゲームソフト開発・販売、デジタルコンテンツ制作、デジタルアニメーション制作
代表者 代表取締役 大沼明夫
従業員数 12名
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1997年3月に、コンピュータゲームデジタルアニメなどの開発請負会社として設立された。一般向けの「STACK software」とアダルトゲーム用の「オーバーフロー」の2つのブランドを有する。その各公式サイトで公開している求人情報のプログラマ部門では、バーチャルリアリティ機器のドライバ作成、群衆シミュレーション作成、行政向けの業務システムを開発の履歴として挙げており、ゲーム以外にも多岐に渡る業務を行っている。

沿革(有限会社スタック)

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  • 1997年3月 東京都目黒区青葉台3-21-1に有限会社スタック設立。
  • 1997年5月 東京都千代田区神田神保町1-29 山村ビルに移転。
  • 1998年1月 TV放映用デジタルアニメーション彩色を開始。
  • 2001年5月 東京都千代田区神田小川町2-4-5 杉商ビルに移転。
  • 2008年2月 モーションキャプチャースタジオ開設
  • 2008年4月 川口第二開発室開設。

作品一覧 (STACK software)

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※PS:PlayStation、SS:セガサターン、DC:ドリームキャスト、DS:ニンテンドーDS、PC:パーソナルコンピュータ

メイザーズぬまきちの経歴

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1972年生まれ、札幌市出身。リバーヒルソフトフライト・プランなどの家庭用ゲーム機のソフトハウスを経て有限会社スタックを設立[5]

2010年5月30日には、東京大学本郷キャンパス 工81講義室(工学部8号館)で開催された『メイザーズぬまきち講演会「R-18ゲームは、現実社会といかに共鳴しえるか?」』に出演。同じく出演者である吉田正高昼間たかしと共に、アダルトゲームとそれを巡る問題について議論を行った[5][6]

脚注

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外部リンク

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