大韓民国の地震一覧
大韓民国の地震一覧(だいかんみんこくのじしんいちらん)は、大韓民国での地震を一覧にする。
解説
[編集]朝鮮半島は、地震の発生が比較的少なく、津波記録もほとんどないと言われている。しかし、実際には古くからの地震の記録が存在し、最古のものとしては『三国史記』に2年に発生した地震の記述が見られる。以下被害記録があるものとして27年、34年、37年、89年などと、京畿道広州における大地震、家屋倒壊および液状化の記録がある[1]。『三国史記』や『高麗史』『朝鮮王朝実録』に記された被害内容などからマグニチュード6.0以上と推定されるものもあって[2]、16世紀から17世紀にかけて比較的多くの地震が発生している。史上最大規模とされる地震は1681年6月28日に発生した、江原道、襄陽郡・三陟の地震(襄陽地震)とされ、推定されるマグニチュードは7.0〜7.5で海震や津波と見られる記述もあるという[2]。
地震一覧
[編集]1905年以前の歴史地震
[編集]地震名 | 年 | 規模 | 備考 |
---|---|---|---|
慶州地震 | 779年 | Mw 6.7–7.0 | |
ソウル地震 | 1518年 | Mw 6.7 | |
蔚山地震 | 1643年 | Mw 6.7–7.4 | 大韓民国および朝鮮半島史上2番目に規模が大きい地震[3] |
襄陽地震 | 1681年 | Mw 7.5 | 大韓民国および朝鮮半島で発生した史上最大級の地震[2][3] |
1905年から1978年までの初期観測地震
[編集]以下は、1905年から1945年まで朝鮮総督府、1963年から1978までアメリカ地質調査所が観測したか、韓国地質資源研究院が当代資料を取りまとめて推定した大韓民国および朝鮮半島で発生したマグニチュード5.5以上の地震の一覧である。
名称 | 発生日 | 震央 | 規模 | USGSリンク |
---|---|---|---|---|
仁川海域の地震 | 1906年4月6日 | 正確な震央位置不明 | Ml 6.1 | |
新安海域の地震 | 1917年8月13日 | 正確な震央位置不明 | Ml 5.5 | |
浦項東南部海域地震 | 1943年7月1日 | 正確な震央位置不明 | Ml 6.1 | |
鴨緑河口地震 | 1944年12月19日 | 平安北道新義州市鴨緑川辺 北緯39度54分 東経124度06分 / 北緯39.9度 東経124.1度 |
Mw 6.6, Mj 6.8 | M 6.6 - China-North Korea border region |
江西地震 | 1952年3月19日 | 平安南道南浦特別市江西区域 北緯38度52分19秒 東経125度50分02秒 / 北緯38.872度 東経125.834度 |
Mw 6.3 | M 6.3 - 3 km ENE of Chunghwa, North Korea |
銀泉地震 | 1952年4月24日 | 黄海南道銀泉郡 北緯38度35分46秒 東経125度35分20秒 / 北緯38.596度 東経125.589度 |
Mw 5.6 | M 5.6 - 12 km NE of Anak, North Korea |
盈徳・浦項海域地震前震 | 1963年9月6日 | 慶尚北道浦項市東北東121km 北緯36度20分28秒 東経130度39分54秒 / 北緯36.341度 東経130.665度 |
Mw 5.8(USGS), Mj 6.0(JMA), Ml 6.3(NK) | M 5.8 - 121 km ENE of Heunghae, South Korea |
盈徳・浦項海域地震本震 | 1963年9月7日 | 慶尚北道浦項市東北東111km 北緯36度09分47秒 東経130度31分26秒 / 北緯36.163度 東経130.524度 |
Mw 5.8(USGS), Mj 6.2(JMA), Ml 6.3(NK), Mw 6.6(KIGAM) | M 5.8 - 111 km ENE of Heunghae, South Korea |
1978年以降の地震
[編集]以下は、大韓民国気象庁が「中央観象台」時代に観測を始めた1978年以降に、大韓民国で発生したマグニチュード4.5以上の地震の一覧である[4][5]。括弧で示した地震は朝鮮民主主義人民共和国の領域で起きたもの。
津波一覧
[編集]以下は、大韓民国および朝鮮半島で発生した高さ20cm以上の津波の一覧である。朝鮮時代の歴史地震によるものが5件、大韓民国気象庁による地震観測が始まった1978年以降に発生した地震によるものが5件である。
地震名 | 年 | 規模 | 高さ |
---|---|---|---|
蔚山地震 | 1643年6月9日 | Mw 6.7–7.4 | 1 m |
鉄山地震 | 1668年6月23日 | 不明 | 1 m |
襄陽地震 | 1681年5月11日 | Mw 7.5 | 3 m |
江原道地震 | 1702年7月4日 | 不明 | 2 m |
寛保津波 | 1741年6月7日 | 不明 | 2 m |
積丹半島沖地震 | 1940年8月2日 | Mw 7.4-7.6 | 墨湖港 1.2 m, 羅津港 0.5 m |
新潟地震 | 1964年6月16日 | Mw 7.6 | 釜山広域市 0.32 m, 蔚山広域市 0.39 m |
日本海中部地震 | 1983年5月26日 | Mw 7.7-7.9 | 臨院港 4.2 m, 墨湖港 3.9 m, 束草 1.56 m, 鬱陵島 1.26 m, 浦項 0.62 m |
北海道南西沖地震 | 1993年7月12日 | Mw 7.7-7.8 | 束草 2.76 m, 墨湖港 2.03 m, 浦項 0.93 m |
能登半島地震 | 2024年1月1日 | Mw 7.5 | 墨湖 0.85 m, 厚浦 0.66 m, 束草 0.45 m, 臨院 0.33 m, 南項津 0.28 m |
脚注
[編集]- ^ 文部省震災予防評議会 『dcc大日本地震史料 増訂』 1943年 国立国会図書館サーチ
- ^ a b c 秋教昇(2005) (PDF) 秋教昇、朴昌業、都司嘉宣(2005): 韓半島で発生した最大級の地震-1681 年6 月韓国東海岸地震-, 歴史地震, 第20号, 169-182.
- ^ a b “1681년 양양 대지진 - 나무위키”. namu.wiki. 2020年10月19日閲覧。[出典無効]
- ^ 기상청 - 지진: 규모별 순위
- ^ 기상청 - 국내 지진 목록
関連項目
[編集]- 歴史地震 - 世界各国の歴史上の地震。朝鮮半島についても記載あり。