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太田陽子 (地理学者)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

太田 陽子(おおた ようこ、1928年 - 2024年3月30日[1])は、日本地理学者横浜国立大学名誉教授、国立台湾大学特任教授。専門は、変動地形学であり、漆原和子とともに日本の地形学における女性研究者の草分け的な存在として知られている[2]

経歴

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東京に生まれ、東京文理科大学地理学科を卒業し、東京教育大学大学院理学研究科地理学専攻を修了した。

横浜国立大学教育学部教授を経て、1994年に専修大学文学部教授となる[3]。横浜国立大学名誉教授となっている[4]

この間、1960年代から活褶曲活断層海成段丘などの調査に数多く参加し、特に、国内外各地の現地調査を踏まえた海成段丘の高度分布を手がかりにした最終間氷期以降の地殻変動の研究を展開して、国際的に評価された[5]。また、国内各地や台湾[5]ニュージーランドなどにおける活断層調査で中心的役割を果たした[6]

その後、国立台湾大学に招かれ、2000年2008年以降に特任教授として活動している[7]

社会地理学者の太田勇は夫であったが、1996年に先立たれた[8]

日本人初のニュージーランド王立協会名誉会員[9]

おもな著書

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単著

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  • 変動地形を探る(全2巻)、古今書院、1999年
    • 1 日本列島の海成段丘と活断層の調査から
    • 2 環太平洋地域の海成段丘と活断層の調査から
  • 情熱の人:太田勇 - 地理学の探究者、文芸社、2004年

共著

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共編著

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  • 島崎邦彦との共編著)古地震を探る、古今書院、1995年
  • 大竹政和平朝彦との共編著)日本海東縁の活断層と地震テクトニクス、東京大学出版会、2002年

翻訳

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  • クリフ・オリエル 著、火山、古今書院、1991年
  • 吾妻崇との共訳) ロバート・S・イーツ 著、多発する地震と社会安全:カリフォルニアにみる予防と対策、古今書院、2009年

受賞歴

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脚注

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  1. ^ 渡辺満久「太田陽子先生のご逝去を悼む」『地理学評論』第97巻第4号、2024年、260-261頁。 
  2. ^ JGU夏の学校2013”. JGU夏の学校事務局. 2017年11月5日閲覧。
  3. ^ 専修大学文学部50年少史”. 2017年11月6日閲覧。
  4. ^ 名誉教授”. 横浜国立大学. 2017年11月5日閲覧。
  5. ^ a b c 2009年度活断層学会学会賞”. 日本活断層学会. 2017年11月5日閲覧。
  6. ^ 太田陽子. “日本地理学会災害対応委員会HP「2011 ニュージーランド地震緊急報告」ニュージーランドの活断層とカンタブリー地震について” (PDF). 日本地理学会. 2017年11月5日閲覧。
  7. ^ 太田陽子「台湾における活断層の地形学的研究と課題 −最近10年にかかわってきた研究を中心に−」『活断層研究』第32号、2010年、58頁。「... 以降,台湾から度々活断層調査に招へいされました.2000年および2008年以降は国立台 湾大学の特任教授として,変動地形学(ちなみにtectonic geomorphologyは構造地形学と呼ばれています)の講義と研究に没頭しています.」  NAID 130005091744
  8. ^ “太田勇氏死去”. 朝日新聞/・朝刊: p. 31. (1996年2月5日)  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  9. ^ 「地震研究の太田陽子教授 ニュージーランド王立協会 日本人初の名誉会員に」『ニュース専修』1999年(平成11年)1月15日発行第340号2面掲載、専修大学広報課発行(2019年2月14日確認)
  10. ^ 学会賞学術貢献部門”. 2017年11月8日閲覧。
  11. ^ 平成26年秋の叙勲 瑞宝中綬章受章者”. 内閣府. p. 4 (2014年11月3日). 2017年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月18日閲覧。

外部リンク

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