コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

女子美術大学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
女子美術専門学校から転送)
女子美術大学
女子美術大学(相模原校舎正門)
大学設置 1949年
創立 1900年
学校種別 私立
設置者 学校法人女子美術大学
本部所在地 東京都杉並区和田一丁目49番8号
北緯35度41分36.9秒 東経139度39分44.5秒 / 北緯35.693583度 東経139.662361度 / 35.693583; 139.662361座標: 北緯35度41分36.9秒 東経139度39分44.5秒 / 北緯35.693583度 東経139.662361度 / 35.693583; 139.662361
キャンパス 相模原(神奈川県相模原市南区
杉並(東京都杉並区)
学部 芸術学部
短期大学部
研究科 美術研究科
ウェブサイト https://www.joshibi.ac.jp/
テンプレートを表示

女子美術大学(じょしびじゅつだいがく、英語: Joshibi University of Art and Design)は、東京都杉並区和田一丁目49番8号に本部を置く日本私立大学1900年創立、1949年大学設置。大学の略称は「女子美(じょしび)」。

東京5美術大学多摩美術大学武蔵野美術大学東京造形大学日本大学芸術学部)の一校である。

概要

[編集]

大学全体

[編集]

1900年、当時は男子校で女学生の入学を認めていなかった東京美術学校に対峙して創設された「私立女子美術学校」が前身。私立美術学校としては最も歴史が長く、多くの女性美術家やデザイナー、クリエーターを輩出している。

女子美術専門学校を経て1949年新制大学として発足。1994年大学院課程を設置。大学院課程は男女共学。

美術大学としては唯一の首都圏西部大学単位互換協定会協定校。美術系大学連絡協議会参加校。

日本で唯一の美術大学付属校として女子美術大学付属高等学校・中学校を併設している。

地方自治体などとの連携に積極的で、対象は多岐にわたる[1]キャンパスがある杉並区[2]神奈川県相模原市[3]のほか同県横浜市[4]千葉県佐倉市[5]山梨県韮崎市[6]東京理科大学[7]沖縄県立芸術大学[8]東京工業大学[9]学校法人北里研究所[10]学校法人順天堂[11][12]水産総合研究センター[13]などと、社会実践的アート活動を展開している。連携機関内には女子美術大学の学生や教員の作品が展示・設置されている。

建学の精神(校訓・理念・学是)

[編集]
  1. 芸術による女性の自立
  2. 女性の社会的地位向上
  3. 女子芸術教育者の育成

沿革

[編集]
  • 1900年(明治33年) - 私立女子美術学校設立。発起人は横井玉子藤田文蔵他2名。藤田は工部美術学校卒の彫刻家で、東京美術学校の教授であり、牛込教会の長老でもあった[14]八咫鏡の中央に「美」を配した校章も藤田が考案した[14]
  • 1901年 - 4月1日に東京市本郷区本郷弓町(現在の東京都文京区本郷)の弓町校地で開校し、校舎は隣接の前田利鬯子爵邸内の桜林を開拓して新設された[14]。日本画、西洋画、彫刻、刺繍、蒔絵、編物、造花、裁縫の8学科に、それぞれ本科普通科、本科高等科、選科普通科、選科高等科を設け、初代校長に藤田文蔵、教員には島田友春岩村透紀淑雄、尺秀三郎、磯野吉雄らが就いたが、生徒不足により資金難となり、さらに発起人2名の不正が発覚して辞職する騒ぎが起こる[14][15]。経営難から順天堂院長佐藤進 (軍医)の妻佐藤志津佐藤尚中の娘)の後援を受け、横井と藤田が発起人を辞任して権利を譲り、佐藤が校主となった[14]
  • 1902年 ‐ 島田友春の代わりに河鍋暁翠が日本画教授に就任(島田は翌年私立日本女子美術学校を設立)。
  • 1903年 ‐ 横井玉子死去。
  • 1904年 ‐ 佐藤志津、第2代校長に就任。
  • 1908年 - 弓町校地が火災により焼失。
  • 1909年 - 本郷菊坂町に菊坂校地が落成し、弓町より移転。
  • 1915年(大正4年) - 私立女子美術学校付属高等女学校開校。
  • 1916年 - 私立女子美術学校付属高等女学校を私立佐藤高等女学校へ改称。
  • 1917年 - 設置母体を財団法人私立女子美術学校へ改称(同年2月)。私立女子美術学校同窓会(現・女子美術大学同窓会)を設立。
  • 1919年 - 私立女子美術学校を女子美術学校へ改称。佐藤志津死去し、夫の佐藤進が第3代校長に就任。
  • 1928年(昭和3年) - 菊坂校舎の老朽化と狭隘化により新校地を東京府豊多摩郡和田堀町和田に取得(同年6月)[16][17]
  • 1929年 - 旧制専門学校に昇格。女子美術専門学校へ改称。
  • 1935年 - 杉並校地が落成し、女子美術専門学校が和田本町(現在の和田)へ移転[16]
  • 1945年 - 太平洋戦争下の空襲により菊坂校地が全焼。私立佐藤高等女学校が杉並校地へ移転[16]
  • 1947年 - 学制改革により新制佐藤中学校開設。
  • 1948年 - 新制佐藤高等学校発足。
  • 1949年 - 女子美術大学発足。
  • 1950年 - 財団法人女子美術大学を学校法人女子美術大学へ組織変更(同年3月)。女子美術大学短期大学部を併設し服飾科を設置(同年4月)。
  • 1951年 - 佐藤高等学校・中学校を女子美術大学付属高等学校・中学校へ改称。
  • 1960年 - 創立60周年記念祭挙行。
  • 1961年 - 和田寮が落成。
  • 1962年 - 女子美術短期大学部を女子美術短期大学へ改称。
  • 1965年 - 神奈川県茅ヶ崎市に茅ヶ崎校地を建設[18]
  • 1966年 - 芸術学部美術学科を絵画科・産業デザイン科・芸術学科に改組。高円寺寮が落成。
  • 1967年 - 茅ヶ崎校地が落成し短期大学専攻科絵画専攻科を設置[18]。高円寺寮2階に女子美術大学画廊を設置。
  • 1968年 - 茅ヶ崎校地に女子美術大学付属幼稚園を開園[16]
  • 1980年 - 創立80周年記念式典挙行。『女子美術大学八十年史』を発行。
  • 1989年 - 相模原校地の開校に伴い茅ヶ崎校地閉鎖を決定。付属幼稚園の園児募集を停止[18]
  • 1990年 - 相模原校地が開校。茅ヶ崎校地の売却に伴い付属幼稚園を閉園。専攻科絵画専攻科は杉並校地へ移転[18]。創立90周年記念式典を挙行。
  • 1991年 - 高円寺寮を閉寮[19]
  • 1994年 - 大学院美術研究科前期博士課程を相模原校地に設置。
  • 1996年 - 大学院美術研究科後期博士課程を相模原校地に設置し杉並校地に「ガレリア ニケ」を開設。
  • 2000年 - 創立100周年記念式典挙行。『女子美術大学百年史』を発行。
  • 2001年
    • 芸術学部に立体アート学科、メディアアート学科、ファッション造形学科を設置。
    • 創立100周年記念棟完成。
    • 相模原校地に女子美術大学美術館(女子美アートミュージアム)落成。
  • 2005年 - 大学院美術研究科芸術文化専攻を設置。
  • 2007年
    • 杉並校地の整備事業を開始。「ガレリア ニケ」を閉廊し、学外ギャラリー「女子美ガレリア ニケ」を設置。
    • 芸術学部1年次(杉並校地)を相模原校地へ移設し、芸術学部の完全移転が完了。
  • 2008年 - 「女子美ガレリア ニケ」を銀座に移設し学外ギャラリー「銀座gallery女子美」へ改称。
  • 2009年 - 和田寮を閉寮(同年3月)。同窓会運営母体を法人格へ昇格させ、一般社団法人女子美術大学同窓会を新設(同年6月)。
  • 2010年
    • 芸術学部の学科・専攻課程を再編し杉並校地にアート・デザイン表現学科を設置。 
    • 創立110周年記念式典を挙行。
  • 2012年
    • 銀座gallery女子美」を閉廊して杉並校地へ移設。「女子美ガレリア ニケ」へ再改称。
    • 「Joshibi Art Gallery」を中華人民共和国上海に開廊。
    • 芸術学部美術学科美術教育専攻を設置。
  • 2013年 - 杉並校地の整備事業を完了。学校法人女子美術大学と一般社団法人女子美術大学同窓会が連携協働に関する協定を締結[20]
  • 2014年 - 芸術学部美術学科芸術文化専攻の設置に伴い芸術表象専攻の募集を停止。杉並校地に大学院美術研究科デザイン専攻アートプロデュース(AP)研究領域を設置。
  • 2015年 - 女子美術大学付属高等学校・中学校創立100周年記念式典を挙行。
  • 2023年 - 共創デザイン学科を杉並校地に開設[21]

学部・学科

[編集]
芸術学部

大学院

[編集]
美術研究科

奨学金

[編集]
大学院(給付型)
  • 女子美大学院研究奨学金
  • 創立者横井・佐藤記念特別奨学金
  • 女子美外国人留学生奨学金
大学(短大生含む)(給付型)
  • 女子美奨学金
  • 創立者横井・佐藤記念特別奨学金
  • 女子美同窓会奨学金
  • 女子美術大学・女子美術大学短期大学アイシス奨学金
  • 女子美外国人留学生奨学金

大学関係者一覧

[編集]

キャンパス

[編集]
女子美術大学杉並キャンパス正門
相模原キャンパス - 隣接する相模原麻溝公園からの眺め
  • 杉並キャンパス
    (短期大学部、芸術学部アート・デザイン表現学科、大学院美術研究科デザイン専攻、付属高等学校・中学校、法人本部、同窓会本部、女子美ガレリア ニケ):
    〒166-8538 東京都杉並区和田一丁目49番8号
  • 相模原キャンパス
    (芸術学部美術学科、芸術学部デザイン・工芸学科、大学院美術研究科、女子美アートミュージアム):
    〒252-8538 神奈川県相模原市南区麻溝台1900番地

交通

[編集]

関連校・付属施設

[編集]

美術館・ギャラリー

[編集]
女子美アートミュージアム(相模原キャンパス)
女子美ガレリア ニケ(杉並キャンパス)
  • 女子美アートミュージアム(略称「JAM」、相模原キャンパス)
大久保婦久子片岡球子郷倉和子多田美波三岸節子をはじめとした女子美術大学出身の作家や、女子美術大学にゆかりの深い美術家の作品を中心に収集。2009年に旧カネボウコレクションの一部を所蔵したことにより、収蔵品は約15,000点となった。特に染織品は古代から現代までの世界の染織品を網羅した国内最大級のコレクション数を誇る。大学院生や教員作品の展示、美術館収蔵の歴史的資料の展示も行われる。
  • 女子美ガレリア ニケ(Joshibi Galleria nike、杉並キャンパス)
社会に開かれたギャラリーを目的に開設されたギャラリー。杉並キャンパス整備計画に伴い2012年に再設置された。ギャラリー内には女子美術大学開校115年の歴史と人物を紹介する「歴史資料展示室」を併設している。年間を通して実践的アート企画展を開催している。
2012年11月に日中国交正常化40周年を記念し、上海市蘇州河沿いにある芸術家街「莫干山路50号(M50)に開設されたギャラリー。日本の美術大学としては初となる海外常設ギャラリーである。女子美術大学卒業生を中心に若手アーティストや海外アーティストと連携した作品を一般公開している。

関連項目

[編集]
YSPS女子美術大学店(相模原市・北緯35度31分39.5秒 東経139度23分25.4秒

脚注

[編集]
  1. ^ 社会との連携 女子美術大学(2023年2月15日閲覧)
  2. ^ 杉並区生活ガイド 女子美術大学との連携・共働 Archived 2011年8月8日, at the Wayback Machine.
  3. ^ 学校法人女子美術大学と相模原市との包括連携に関する協定書[リンク切れ]
  4. ^ 横浜市水道局[リンク切れ]
  5. ^ 千葉・佐倉市が教育や文化面などで女子美大と協定[リンク切れ]朝日新聞(電子版)2012年5月21日
  6. ^ 韮崎市と本学との連携協働に関する協定書調印について[リンク切れ]女子美術大学(2014年11月13日)
  7. ^ 東京理科大学と包括協定[リンク切れ]女子美術大学
  8. ^ 沖縄県立芸術大学との教育・学術交流に関する協定について[リンク切れ]女子美術大学
  9. ^ おしらせ詳細[リンク切れ]女子美術大学
  10. ^ 学校法人北里研究所との連携・協力に関する協定の締結[リンク切れ]女子美術大学
  11. ^ 学校法人順天堂と連携・協力に関する協定を締結[リンク切れ]女子美術大学
  12. ^ 学校法人順天堂と学校法人女子美術大学が連携・協力に関する基本協定を締結 学校法人順天堂(2015年5月20日)2023年2月15日閲覧
  13. ^ 女子美と水産総合研究センターが包括連携協定を締結[リンク切れ]女子美術大学
  14. ^ a b c d e 明治後期に興った女子の専門学校 ( 4 2 )女子美術学校創設の人々長本裕子、広島大学『月刊ニューズレター 現代の大学問題を視野に入れた教育史研究を求めて』 第87号 2022年3月15日
  15. ^ 東京女子美術学校内部の乱脈(二)『新聞集成明治編年史 第十一卷』林泉社、1940
  16. ^ a b c d 『女子美術大学歴史資料室ニューズレター 第4号』8頁
  17. ^ 『女子美術大学略史』64頁
  18. ^ a b c d 『女子美術大学歴史資料室ニューズレター 第4号』6頁
  19. ^ 女子美術大学歴史展示室(編集)『女子美術大学の歴史』
  20. ^ 一般社団法人女子美術大学同窓会連携協働に関する協定[リンク切れ]女子美術大学
  21. ^ [キャンパス訪問]女子美術大・共創デザイン学科 新校舎:使い方さまざま、自由度高い空間産経新聞』朝刊2023年2月15日18面(同日閲覧)
  22. ^ アートプロデュース表現領域による学外スタジオ&ギャラリー「co-umelab.」の開所式が開催[リンク切れ]女子美術大学
  23. ^ 「一般利用OK 女子美店オープン」タウンニュースさがみはら南区版(2012年10月11日号)2023年2月15日閲覧

公式サイト

[編集]