女房三十六歌仙
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女房三十六歌仙(にょうぼうさんじゅうろっかせん)は、日本の鎌倉中期に成立した『女房三十六人歌合』に歌を採られた女性歌人三十六人を指す。この歌合は、藤原公任の「三十六人撰」に模して作られ、平安時代前期から鎌倉時代中期の女性歌人36人を、18人ずつ左方・右方の2組に分け、左方に小野小町から相模までの中古歌人を、右方に式子内親王から藻璧門院少将までの中世初頭の歌人を配し、一人三首ずつ番わせた紙上の歌合である[* 1]。
概要
[編集]平安期から鎌倉期にかけての主要な女性歌人[* 2]とその代表作が網羅されている。中古歌人のうち、小野小町・伊勢・中務・斎宮女御・小大君(三条院女蔵人左近)は「三十六人撰」、右大将道綱母・馬内侍・赤染衛門・和泉式部・紫式部・伊勢大輔・清少納言・相模は中古三十六歌仙と重複し、鎌倉期の歌人のうち八条院高倉・俊成卿女・宮内卿・藻璧門院少将は、「新三十六歌仙」に撰ばれている。「三十六人撰」に比べて知名度は低いため、美術資料の遺作は少ない。
その一方で女性歌人の肖像として網羅性があるため、素材として活用される機会が多いという[1]。斎宮歴史博物館蔵 『女房三十六歌仙図屏風』(江戸前期)、『女房三十六歌仙図屏風』(江戸中期)、三井記念美術館蔵 土佐光起筆 『女房三十六歌仙帖』 江戸時代(17世紀)[2] 、東洋文庫蔵 花形義融編 鳥文斎栄之・葛飾北斎画 『錦摺女三十六歌仙』(1801年(寛政13年))[3]等がある。
女房三十六人歌合
[編集]【1】 | 【2】 | 左 | 【3】 | 右 | 【4】 | 【5】 | |
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○ | 小野小町 | ○ | ○ | 式子内親王 | ○ | ○ | |
○ | 伊勢 | ○ | 宮内卿 | ○ | ○ | ||
○ | 中務 | ○ | 周防内侍(平仲子) | ||||
○ | 斎宮女御 | 俊成卿女 | ○ | ○ | |||
右近 | ○ | ○ | 待賢門院堀河 | ||||
○ | 右大将道綱母 | ○ | 宜秋門院丹後 | ○ | |||
○ | 馬内侍 | 嘉陽門院越前 | |||||
○ | 赤染衛門 | ○ | ○ | 二条院讃岐 | ○ | ||
○ | 和泉式部 | ○ | 小侍従 | ○ | |||
○ | 三条院女蔵人左近(小大君) | 後鳥羽院下野 | |||||
○ | 紫式部 | ○ | 弁内侍 | ||||
小式部内侍 | ○ | 少将内侍 | |||||
○ | 伊勢大輔 | ○ | ○ | 殷富門院大輔 | ○ | ||
○ | 清少納言 | ○ | 土御門院小宰相 | ||||
大弐三位(藤原賢子) | ○ | 八条院高倉 | ○ | ||||
高内侍(儀同三司母) | ○ | 後嵯峨院中納言典侍(典侍藤原親子) | |||||
一宮紀伊(祐子内親王家紀伊) | ○ | 式乾門院御匣 | |||||
○ | 相模 | ○ | 藻璧門院少将 | ○ |
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]- 『群書類従』 516 和歌部 216巻
- 若杉準治 解説 『女房三十六人歌合』 1990年4月 ふたば書房 ISBN 4-89320-127-1
- 田中阿里子 『女房三十六歌仙の抒情』 1993年10月 京都新聞出版センター ISBN 978-4763803375
- 大伏春美 『女房三十六人歌合の研究』 (新典社研究叢書) 1997年10月17日 新典社 ISBN 978-4787941091
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 斎宮歴史博物館蔵 『女房三十六歌仙図屏風』 江戸前期 紙本著色 六曲一双
- 斎宮歴史博物館蔵 『女房三十六歌仙図画帖』 江戸中期 紙本著色 画帖
- 東洋文庫 Online Library 『「錦摺女三十六歌仙』 小野小町 寛政13年春刊 彩色摺絵本
- 三井記念美術館 『女房三十六歌仙帖』 小野小町 江戸時代(17世紀) 紙本著色 画帖