安野貴博
誕生 |
1990年12月1日(33歳) 日本・東京都 |
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職業 | SF作家、起業家、AIエンジニア |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
最終学歴 |
東京大学工学部卒業 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修了 |
ジャンル | SF |
主な受賞歴 |
第6回星新一賞優秀賞(2019年) 第9回ハヤカワSFコンテスト優秀賞(2021年) |
デビュー作 | 『サーキット・スイッチャー』(2022年) |
公式サイト | Takahiro Anno |
1990年〈平成2年〉12月1日[1] -)は、日本のSF作家、起業家、AIエンジニア。男性。日本SF作家クラブ会員[2]。
(あんの たかひろ、ボストン・コンサルティング・グループでの勤務を経て、株式会社BEDORE代表取締役、MNTSQ株式会社共同創業者などを歴任した。
来歴
[編集]生い立ち
[編集]1990年、東京都文京区出身[3]。開成中学校・高等学校卒業[4]。東京大学工学部システム創成学科で松尾豊教授の研究室(松尾研)に所属[5]。AIや機械学習を学ぶ。2014年、同学科を卒業[6]。
AIエンジニアとして
[編集]2015年、ボストン・コンサルティング・グループ入社[6][3]。
同年、Pepper(ロボット)と人間によるお笑いコンビ「ペッパーズ」にプログラム担当として参加[2][7][8]。M-1グランプリではロボットとしては史上初となる1回戦突破を果たす[6]。2016年にもM-1グランプリに出場し、2年連続で1回戦突破[9][10]。
2016年、2015年度未踏事業プロジェクト成果により未踏スーパークリエータに認定[11][6]。担当プロジェクトマネージャーは石黒浩[12]。
同年、AIチャットボットの株式会社BEDORE(現PKSHA Communication)を創業[13][14]。セブン&アイ・ホールディングス[15]や日本経済新聞社[16]が採用。同社のAIチャットボットは2023年度時点で国内シェア1位[17]。
2018年、リーガルテックのMNTSQ株式会社を共同創業[2]。長島・大野・常松法律事務所や西村あさひ法律事務所の出資を受け、三菱商事や日立製作所にAIを活用した法務サービスを提供[18]。売上高1兆円以上の国内企業の約5社に1社で利用されている[19]。
2022年、テクノロジーを活用したアートのあり方を模索するため、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アートに入学、準修士号を取得[3]。
同年、デジタル庁のデジタル関係制度改革検討会 デジタル法制ワーキンググループ構成員に選出[20]。
2023年、「アジアデジタルアートアワード福岡」インタラクティブアート部門大賞を受賞[21]。同年、第2回AIアートグランプリ優秀賞を受賞[22]。
同年5月9日、総理大臣官邸で開成高校の先輩でもある岸田文雄首相らと意見交換。生成AIを利用した岸田首相のリアルタイム声真似を披露し、「おお、すごい」と驚かれる[23][24]。
2022年12月12日、NHK「クローズアップ現代」にSF作家・AIエンジニアとしてゲスト出演[25]。
小説家として
[編集]2019年、『コンティニュアス・インテグレーション』で第6回星新一賞優秀賞を受賞。それまで小説を書いたことがなかった[26]が、素粒子物理学者の大栗博司から「文学作品としてはグランプリのレベル」と評される[27]。表彰式後に早川書房の編集者に声をかけられ、長編執筆に取り組む[28]。
2021年、自動運転をテーマにしたSF小説『サーキット・スイッチャー』で第9回ハヤカワSFコンテスト優秀賞を受賞[5]。選考委員は東浩紀ら。2022年1月19日、早川書房より刊行され、小説家としてデビュー[5]。小島秀夫がX(Twitter)で「僕は5点満点!」と絶賛し[29]、文庫化の際は推薦文を寄せた。
2022年5月22日、新川帆立、斜線堂有紀らと共に日本SF作家クラブ入会[30]。
政治活動家として
[編集]2024年東京都知事選挙に出馬した。6月6日に記者会見を開き、出馬の意思を表明[31]。7月7日の投開票で15万4,638票(速報値)を獲得[32]。小池百合子、石丸伸二、蓮舫、田母神俊雄に次ぐ5位となる健闘を見せた。この得票数は、2014年の家入一真の8万8,936票を上回り、30代の立候補者としては史上最多。2012年のドクター・中松の12万9,406票を上回り、支持組織も議員経験も無い候補としての史上最多でもあった。その一方、選挙期間中の報道量は少なく[33]、事実上は泡沫候補扱いであった。
小説
[編集]長編
[編集]短編
[編集]- コンティニュアス・インテグレーション(2019年 日本経済新聞社『日経「星新一賞」第六回受賞作品集』)
- フリーフォール(2022年 ハヤカワ文庫JA『2084年のSF』)
- 純粋人間芸術(2022年 早川書房『SFマガジン』2023年2月号)
- シークレット・プロンプト(2023年 ハヤカワ文庫JA『AIとSF』)
- ディープ・フェイカーズ(2023年 集英社『小説すばる』2023年6月号)
対談・記事
[編集]- 「AI法廷の模擬裁判」企画対談 安野貴博×竹田人造(早川書房『SFマガジン』2023年8月号)
- 音声生成AIを利用したディープフェイク攻撃から身を守る(ニュートンプレス Newton別冊『ChatGPT 徹底解説』2023年10月25日発行)
- スティーヴン・ウルフラム×安野貴博「AI、SF、そしてルリアド」(早川書房『SFマガジン』2023年12月号)
- 『攻殻機動隊 SAC_2045』劇場公開特集 「人間を超える知性」が現実になるとき(早川書房『SFマガジン』2023年12月号)
- 松尾豊×安野貴博対談(ハヤカワ新書『AIを生んだ100のSF』2024年4月24日刊行)
- SF作家はこう考える(社会評論社『創作世界の最前線をたずねて』日本SF作家クラブ編 2024年4月27日刊行)
出演
[編集]- めざまし8(2023年5月23日、フジテレビ)[34]
- ひるおび(2023年5月24日、TBS)
- サンデーモーニング(2023年5月28日、TBS)
- Nスタ(2023年5月29日、TBS)
- ワールドビジネスサテライト(2023年6月1日、テレビ東京)
- 日曜報道 THE PRIME(2023年6月4日、フジテレビ)
- モーニングショー(2023年6月6日、テレビ朝日)[35]
- 新世界 メタバースTV!!(2023年7月2日、テレビ朝日)[36]
- news zero(2023年7月28日、日本テレビ)
- 秋山と映画(2023年10月11日、テレビ朝日)[37]
- 発進!ミライクリエイター(2023年10月22日・11月12日、テレビ朝日)[38]
- クローズアップ現代(2023年12月12日、NHK)[39]
- 日テレNEWS NNN(2023年12月30日、日本テレビ)[40]
- あさイチ(2024年5月14日、NHK)
- news23(2024年7月9日、TBS)[33]
脚注
[編集]- ^ “AIゆりこは50点 都知事選戦立候補の安野貴博氏 東大出身AIエンジニアのこれが“真AI戦術””. スポニチアネックス. (2024年6月24日) 2024年6月25日閲覧。
- ^ a b c “日本SF作家クラブ 会員情報”. 日本SF作家クラブ. 2024年6月4日閲覧。
- ^ a b c “公式サイト”. 安野貴博. 2024年6月4日閲覧。
- ^ note - Anno Takahiro
- ^ a b c “Hayakawa Books & Magazines(β)”. 早川書房. 2024年6月4日閲覧。
- ^ a b c d “安野 貴博”. 松尾・岩澤研究室. 2024年7月7日閲覧。
- ^ ロボット漫才「ペッパーズ」にお話を伺いました
- ^ 相方は開成高校の同級生である吉本興業所属芸人の金子竣。
- ^ ペッパーズ コンビ情報 M-1公式サイト
- ^ ペッパーがボケ担当 「ロボット漫才」ただいま修行中 日本経済新聞
- ^ 未踏名鑑
- ^ https://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/it/2015/gaiyou_i-3.html
- ^ 自動対話領域に特化した「株式会社BEDORE」を設立
- ^ 人手不足解消の切り札、何でも答える「自動対話AI」 日経コンピュータ
- ^ セブン&アイのネットショッピングサイト『オムニ7』AIによるお客様からのお問い合わせ対応を開始
- ^ BEDORE Voice Conversationを日本経済新聞社が採用、電話問い合わせの自動応答を本格スタート
- ^ PKSHA Chatbot及びPKSHA Voicebotがデロイト トーマツ ミック経済研究所の「マーテック市場の現状と展望 2023年度版」で市場シェア1位を同時獲得
- ^ 「MNTSQ for Enterprise」の三菱商事への提供を開始
- ^ 西村あさひ法律事務所・外国法共同事業と 企業の契約業務DXを実現するMNTSQ、出資を含む戦略的協業へ
- ^ デジタル関係制度改革検討会 デジタル法制ワーキンググループ
- ^ アジアデジタルアート大賞展FUKUOKA 2023年度の受賞作品
- ^ 第二回AIアートグランプリ最終審査結果発表
- ^ “岸田首相の声まね、AIなら自由自在? 技術者らが官邸で実演”. 朝日新聞. 2024年6月4日閲覧。
- ^ “岸田首相、自分とそっくりな声に驚き AI研究者らと「車座」”. 毎日新聞. 2024年6月4日閲覧。
- ^ 世界を席巻!生成AI 共存のために必要なことは?
- ^ SF作家への登竜門に 11年目の日経「星新一賞」 日本経済新聞
- ^ 第6回 受賞作品詳細 - 星新一賞 - 日本経済新聞
- ^ SF作家への登竜門に 11年目の日経「星新一賞」 日本経済新聞
- ^ X(小島秀夫)
- ^ X(日本SF作家クラブ)
- ^ 安野たかひろ氏が東京都知事選に出馬へ 記者会見 生中継 - ニコニコ生放送、2024年6月6日
- ^ 東京都知事選挙投開票速報 - 東京都選挙管理委員会、2024年7月8日
- ^ a b “「テレビが1秒も取り上げなかった」 都知事選5位の安野貴博さんと考える“選挙報道” 不適切なポスター・政見放送…候補者として感じた課題は?【news23】”. TBS NEWS DIG (2024年7月9日). 2024年7月9日閲覧。
- ^ 「AIオレオレ詐欺」の声がそっくり! 谷原章介「だまされちゃいますよね」
- ^ 玉川徹の声をAIで再現 その完成度は?当人の感想
- ^ 7月2日(日)あさ10時〜11時 テレビ朝日『新世界 メタバースTV!!』
- ^ 「秋山と映画」バックナンバー
- ^ 「発進!ミライクリエイター」バックナンバー
- ^ 世界を席巻!生成AI 共存のために必要なことは?
- ^ 【報道局長解説】AI“巧妙進化” 2024年に訪れる危機とは 【#みんなのギモン】
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Takahiro Anno - 本人公式サイト
- 安野貴博 - 日本SF作家クラブ