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山室信一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
山室 信一
(やまむろ しんいち)
人物情報
生誕 (1951-08-23) 1951年8月23日(73歳)[1]
熊本県熊本市
学問
学派 東京大学法学部
研究分野 政治学[1]、近代法政思想史[2]
研究機関 衆議院法制局
東京大学社会科学研究所
東北大学
京都大学人文科学研究所
主要な作品法制官僚の時代』(毎日出版文化賞)
キメラ』(吉野作造賞)
思想課題としてのアジア』(アジア・太平洋賞特別賞)
憲法9条の思想水脈』(司馬遼太郎賞)
学会 日本政治学会[1]
主な受賞歴 毎日出版文化賞(1985年)
長谷川如是閑賞(1985年)
吉野作造賞(1993年)
アジア・太平洋賞特別賞(2002年)
司馬遼太郎賞(2008年)[1]
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山室 信一(やまむろ しんいち、1951年(昭和26年)8月23日 - )は、日本歴史学者政治学者。専門は、近代日本政治史・近代法政思想連鎖史。京都大学名誉教授。

経歴

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1951年、熊本県熊本市で生まれた[3]。1970年に熊本県立熊本高等学校を卒業し、東京大学法学部政治学科に進んだ。1975年に同大学を卒業。

1975年4月、衆議院法制局参事となった。1978年4月、東京大学社会科学研究所助手に採用された。1983年、東北大学文学部附属日本文化研究施設講師に転じた。1985年に助教授昇格。翌1986年に京都大学人文科学研究所助教授となった。

1998年5月、同教授に昇格。2003年、学位論文『思想課題としてのアジア:基軸・連鎖・投企』を京都大学に提出して法学博士号を取得[4]。2013年から2015年まで、同研究所所長を務めた[5]。 2017年に京都大学を定年退任し、名誉教授となった。

委員

日本国内では各種研究助成の審査委員を、海外でも様々な学術交流の委員を務めている。

受賞・栄典

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受賞
叙位・叙勲

研究内容・業績

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研究対象と方法についての自ら回顧したものとして、「史料に導かれてー連鎖視点への歩み」(『アジアの思想水脈ー空間思想学の試み』人文書院、2017年)がある。

著作

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単著

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  • 『法制官僚の時代 国家の設計と知の歴程』木鐸社、1984年12月。 
  • 『近代日本の知と政治 井上毅から大衆演芸まで』木鐸社、1985年5月。 
  • 『キメラ 満洲国の肖像』中央公論社中公新書〉、1993年7月。ISBN 4-12-101138-4 
    • 『キメラ 満洲国の肖像』(増補版)中央公論新社〈中公新書〉、2004年7月25日。ISBN 4-12-191138-5 
  • 『思想課題としてのアジア 基軸・連鎖・投企』岩波書店、2001年12月14日。ISBN 4-00-023349-1 
  • 『ユーラシアの岸辺から 同時代としてのアジアへ』岩波書店、2003年3月28日。ISBN 4-00-002352-7 
  • 『日露戦争の世紀 連鎖視点から見る日本と世界』岩波書店〈岩波新書 新赤版958〉、2005年7月20日。ISBN 4-00-430958-1 
  • Yamamuro, Shin'ichi (2005). Manchuria under Japanese Dominion: Encounters with Asia. trans. by Fogel, Joshua A.. Pennsylvania University Press. ISBN 0-8122-3912-1 
  • 『憲法9条の思想水脈』朝日新聞社朝日選書 823〉、2007年6月20日。ISBN 978-4-02-259923-0 
  • 『複合戦争と総力戦の断層 日本にとっての第一次世界大戦』人文書院〈レクチャー第一次世界大戦を考える〉、2011年1月15日。ISBN 978-4-409-51113-8 
  • 『アジアの思想史脈 空間思想学の試み』(人文書院、2017年4月)
  • 『アジアびとの風姿 環地方学の試み』(人文書院、2017年4月)
  • 『モダン語の世界へ 流行語で探る近現代』岩波書店〈岩波新書 新赤版〉、2021年4月。ISBN 978-4-00-431875-0 
  • 『アジアはいかに作られ、モダンはいかなる変化を生んだのか?ー空間アジアの形成と生活世界の近代・現代』(日本語版・中文版)2022年6月。SGRA REPORT.No.98.ATSUMI INTERNATIONAL FOUNDATION.
  • 『モダンの衝撃とアジアの百年ー異中同あり、通底・反転するグローバリゼーション』(日本語版・中文版)2023年6月。SGRA REPORT.No.102.ATSUMI INTERNATIONAL FOUNDATION.

共著

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  • 『「戦後80年」はあるのか』集英社(集英社新書)、2016年8月
  • 『本当は怖い自民党改憲草案』法律文化社、2017年7月。ISBN 978-4-589-03859-3 
  • 『大正=歴史の踊り場とは何か 現代の起点を探る』講談社〈講談社選書メチエ〉、2018年5月。ISBN 978-4-06-511639-5 
  • 『唱歌の社会史 なつかしさとあやうさと』メディアイランド、2018年6月。ISBN 978-4-904678-58-9 
  • 『世界史としての第一次世界大戦』宝島社〈宝島社新書〉、2020年1月。ISBN 978-4-299-00239-6 

編著

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共編・校注

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青木保小杉泰坂元ひろ子莫邦富・山室信一・吉見俊哉四方田犬彦 編集委員
  1. 空間 アジアへの問い』 第1巻、2002年11月8日。ISBN 4-00-026831-7http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/7/0268310.html 
  2. 歴史 アジアの作られかた・作りかた』 第2巻、2003年1月8日。ISBN 4-00-026832-5http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/5/0268320.html 
  3. アイデンティティ 解体と再構成』 第3巻、2002年12月6日。ISBN 4-00-026833-3http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/3/0268330.html 
  4. 幸福 変容するライフスタイル』 第4巻、2003年2月7日。ISBN 4-00-026834-1http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/1/0268340.html 
  5. 市場 トランスナショナル化する情報と経済』 第5巻、2003年3月7日。ISBN 4-00-026835-Xhttp://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/X/0268350.html 
  6. メディア 言論と表象の地政学』 第6巻、2003年4月11日。ISBN 4-00-026836-8http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/8/0268360.html 
  7. パワー アジアの凝集力』 第7巻、2003年5月29日。ISBN 4-00-026837-6http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/6/0268370.html 
  8. 構想 アジア新世紀へ』 第8巻、2003年7月11日。ISBN 4-00-026838-4http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/4/0268380.html 
  • 『東アジア近現代通史』(全10巻,別巻1) 岩波書店
和田春樹・後藤乾一・木畑洋一・山室信一・趙景達・中野聡・川島真編集委員
  • 『東アジア近現代通史』岩波書店 2014年

論文

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  • 国民国家と国民帝国への眼差し」徐興慶編『近代東アジアのアポリア』臺大出版中心, 2014
  • 橘樸:日中そしてアジアと世界のありうべき途を求めて」趙景達ほか編『東アジアの知識人4』有志舎, 2014
  • 「思想連鎖のなかの「人の支配」と立憲主義」『法律時報』86巻8号, 2014年7月
  • 「東アジア史における第一次世界大戦」『思想』1086号, 2014年10月
  • 「日本とアジア・西洋」黒住真ほか編『方法』(日本思想史講座 5) ぺりかん社, 2015
  • 「未完の『東洋平和論』」李泰鎮ほか編『安重根と東洋平和論』日本評論社、2016[8]
  • 「国民帝国とナショナル・アイデンティティの逆説」川田順造編『ナショナル・アイデンティティを問い直す』山川出版社, 2017
  • 「歴史戦争と歴史和解の間で-戦士と調停者の二重性をめぐって」橋本伸也編『紛争化させられる過去』岩波書店, 2018
  • 唱歌と空間心性そして植民地」『唱歌の社会史』メディアイランド, 2018
  • 「民生」「がーる」「サラリーマン・職業婦人・専業主婦」「地方学」鷲田清一編『大正=歴史の踊り場とは何か』講談社, 2018
  • 総力戦体制と満洲国そして石井部隊」吉中丈志編『七三一部隊と大学』京都大学出版会, 2022
  • 「ロシアのウクライナ侵略戦争と日本の近代史」『人権と部落問題』962号, 2022
  • ウクライナ戦争は何を教えるのか:「過去と現在の対位思考」と「百年視点」」『じっきょうー地歴・公民科資料』97号, 2023

海外で刊行された著作物

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英文
  • Manchuria Under Japanese Dominion; Encounters with Asia, Joshua A. Fogel(trans), Pennsylvania University Press.
  • The Philosophy and Possibilities of An Chunggun's Unfinished On Peace in the East,in Yi Tae-Jin; Eugene Y. Park and Kirk W. Larsen eds.Peace in the East:An Chunggun's Vision for Asia in the Age of Japanese Imperialism, Lexington Books,2017.
  • Form and Function of the Meiji State in Modern East Asia,Zinbun,No.34-1,2001
  • The First World War in East Asian Thought: As Seen from Japan. in Jan Schmidt,Katja Schmidtpott (eds.) The East Asian Dimension of the First World War: Global Entanglements and Japan, China and Korea, 1914-1919 ,Eigene Und Fremde Welten.2018.
中国文
  • 「日中关系史中憧憬和不信任的反复」『日本研究』第180期, 2022
  • 「憲法九條:非戰思想的水脈與脆弱的和平」八旗文化・台北
  • 「滿洲國的實相與幻象」八旗文化・台北
  • 「近代日本的東北亜区域秩序構想」中央研究院東北亜区域研究・台北
  • 「國民帝國日本的異法域統合與差別」『臺湾史研究』16巻2期, 2009
  • 「“多而合一”的秩序原理与亜洲価値論」呉志攀・李玉編『東亜的価値』北京大学出版社, 2010
  • 「対亜洲的思想史探索及其視角」『台湾東亜文明研究学刊』10巻2期, 2013
  • 「日本帝國形成的學知與心性」『思想41・新冠啓示録』台湾・聯経, 2020
ハングル
  • 「사상과제로서의 아시아・그이후(思想課題としてのアジア、その後)」ソウル・J&C.
  • 『사상과제로서의 아시아』정선태・윤대석訳, 소명출판, 2018.
  • 憲法9条の思想水脈」朴東誠訳, 東北亜歴史財団
  • 日露戦争の世紀:連鎖視点から見る日本と世界」鄭在貞訳, ソウル・小花
  • 「キメラ:満洲国の肖像」尹大石訳, ソウル・スミョン出版
  • 「多にして一のアジア」任城模訳, ソウル・チャンギ出版
  • 「아시아의 시점에서 입헌주의를 생각한다(アジアの視点から立憲主義を考える)」『말과활馬と弓』11号
  • 「만다라 로서의 중국(曼荼羅としての中国)」동북아재단편『연동하는 동아시아 문화(連動する東アジア文化)』  역사공간 
  • 『동아시아 근현대통사:화해와 협력을 위한 역사인식(東アジア近現代通史:和解と協力のための歴史認識)』한철호・이규태・심재욱訳, ソウル:책과함께, 2017[9]
  • 「역사학과 인문 · 사회과학의 현재, 그리고 기대의 지평으로(歴史学科人文・社会科学の現在、そして期待の地平に)」『東方學志』178, 2017.
  • 『일본 헌법 9조와 비폭력 사상(日本憲法9条非暴力思想)』図書出版, 2021.
フランス語
  • La Première Guerre mondiale dans l’histoire de l’Asie orientale: un regard japonais, EbisuNo.53 [「東アジア史における第一次世界大戦:日本人の視点」]
  • L’empire du Japon et choc de la Premiére Guerre mondiale,Revue D’histoireNo.249, 2013. [「大日本帝国と第一次世界大戦の衝突」] 
ドイツ語
  • Der Erste Weltkrieg und das japanische Empire, Bochumer Jahrbuch Zur'Ostasienforshung,No34, 2010. [「世界大戦と大日本帝国」]

外部リンク

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脚注

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  1. ^ a b c d 教育研究活動データベース
  2. ^ 人文科学研究所所員紹介
  3. ^ 山室信一教授略年譜(『人文学報』第112号)
  4. ^ CiNii(学位論文)
  5. ^ 歴代所長(京都大学人文科学研究所HP)
  6. ^ 紫綬褒章受章者一覧”. 京都大学. 2023年6月27日閲覧。
  7. ^ 岩波書店
  8. ^ ハングル版は2016年以前に刊行済であった。
  9. ^ 和田春樹・山室信一ほか著『東アジア近現代通史』の韓国語訳版。

関連項目

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