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山梨県道20号甲斐早川線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
主要地方道
山梨県道20号標識
山梨県道20号 甲斐早川線
主要地方道 竜王芦安線
制定年 1977年(昭和52年)
起点 甲斐市竜王【北緯35度39分55.3秒 東経138度30分51.0秒 / 北緯35.665361度 東経138.514167度 / 35.665361; 138.514167 (県道20号起点)
終点 南巨摩郡早川町奈良田

北緯35度37分06.0秒 東経138度18分45.9秒 / 北緯35.618333度 東経138.312750度 / 35.618333; 138.312750 (県道20号終点)

接続する
主な道路
記法
国道20号
国道52号
都道府県道42号標識
山梨県道42号韮崎南アルプス富士川線
都道府県道12号標識
山梨県道12号韮崎南アルプス中央線
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

山梨県道20号甲斐早川線(やまなしけんどう20ごう かいはやかわせん)は、山梨県甲斐市から同県南巨摩郡早川町に至る主要地方道山梨県道)である。別名、南アルプス街道[注釈 1]

概要

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起点は交通量の多い国道20号竜王立体となる。県道は西の山側へ向うが、県道とは逆側の甲府方面へ国道52号が延びる。この接続する道路はユーザーにとっては一本の道路として見なされ、南アルプス市側からは竜王方面や甲府方面にアクセスする場合に多く用いられている路線である。

古くからある大型パチンコ店から、1990年代から釜無川に架かる信玄橋まで順次拡張工事が行われた区間を走行する。信玄橋手前は両端区間が付け替え前は狭隘な区間であったが、現在は改良された区間となっている。信玄橋は旧橋の北側に1992年に架け替えられ、両側に歩道を持つ幅の広い橋となったが、旧橋は2車線とはいえ車線幅が狭かった上に芦安方面から間断なく通行するダンプ等大型車で路面の磨耗が激しく、通行に支障をきたしていた。トラス橋であったため拡幅は難しく、架け替えとなった[注釈 2]

信玄橋を渡ると旧八田村区間となり、徐々に御勅使川の作った扇状地を高度を上げて登っていく。2006年に釜無川西岸へ移転し、放置された状態の旧山梨県運転免許センターを通過し、国道52号バイパス甲西道路および中部横断自動車道と交差すると旧白根町区間に入る。

旧白根町区間に入ると、路線はひたすら直線で西へ扇状地を緩やかに登る形となる。この道路は御勅使川が作り出した旧流路をそのまま道路に転用したものである。また交通量が比較的多く、オギノサンロードなどの店舗が多い区間となる。六科交差点で国道52号と直交した後、徳島堰まで直線となるがこのまま芦安や韮崎方面へ向かう多くのユーザーはここで県道を離れ、右折して山梨県立わかば支援学校手前で90度カーブする道へ入る。この道は芦安入口交差点で山梨県道12号韮崎南アルプス中央線と直交し、再び県道20号となる。

山梨県道20号は「南アルプス街道」の愛称があるが、このわずかな区間の部分のみ愛称の指定区間が県道を外れ、この道が「南アルプス街道」の愛称を指定されている。現道はそのまま少し南へ折れる形で直進し、源のT字交差点で北へ曲がり、少しの間に県道12号と共有区間となる。芦安入口交差点で県道12号と別れ、再び西へ向かいしばらくすると旧芦安村区間となる。

旧芦安村区間に入ると御勅使川と併走する形となる。上流に入ると走路を川の北縁南縁へと何度か変え、芦安小学校付近で2車線区間が終了すると、現時点での終点となる。県告示における終点である早川町までは2024年の時点では未開通区間となっている。

なお、山梨交通JR甲府駅から国道52号および県道20号に完全に添う形で定期バスを運行しているが、夏の登山シーズンのみ県道20号を越えて更に奥の夜叉神峠広河原方面へ向う路線を設定している。県道20号より奥の夜叉神峠へ向う区間は一般車通行禁止となっており、この路線バスが唯一の交通機関となる。

路線データ

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全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML

歴史

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本路線は、道路法(昭和27年法律第180号)第7条の規定に基づき、一般県道として1958年昭和33年)に中巨摩郡芦安村芦倉から同郡竜王町に至る一般県道として認定された芦倉竜王線[3](整理番号19)を起源とする。

1976年(昭和51年)の主要地方道指定に伴い1977年(昭和52年)に起終点を入れ替えて竜王芦安線(整理番号20)に改称。

2003年平成15年)に終点の芦安村が合併に伴って南アルプス市となった際には特段の変更は加えられなかったが、2004年(平成16年)9月1日に起点である山梨県中巨摩郡竜王町の合併により甲斐市となったことに伴って路線名が甲斐芦安線に変更されるなどの変更を経てきた。

沿線自治体では、終点である南アルプス市芦安芦倉(かつての中巨摩郡芦安村芦倉)から南巨摩郡早川町奈良田の山梨県道37号南アルプス公園線にかけてを結ぶ「南アルプス周遊道路」の整備を求める声が少なくとも2008年(平成20年)より挙がっており[4]2014年(平成26年)にトンネルを中心とした道路改良事業である「早川・芦安連絡道路」として事業化され[5][6]2015年(平成27年)4月1日には甲斐芦安線を一旦廃止[7]し、同日、新たに甲斐早川線として認定した[8]

早川・芦安連絡道路の整備

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前述の通り、2014年に事業化された。事業の背景として昭和時代からの構想があり、2001年に当時の峡南・峡西自治体11町村[注釈 3]により「南アルプス周遊自動車道路整備促進期成同盟会」が設立されている。ただし、規模の大きさから財源の確保が課題とされてきたが、リニア中央新幹線の工事に伴う発生土をトンネル前後の周辺道路の盛土として活用する事でコストの縮減が見込まれることに加え、リニア新幹線を整備するJR東海による一定の財源補填を見込める見通しが立ったことから、整備を決断したとされる[9][10]

想定規模として、延長は早川町奈良田のカッパ沢付近(山梨県道37号線交点)から南アルプス市芦安芦倉の曽根沢付近を結ぶ約4~5km(うちトンネル約3~4km)で構成され、2車線で整備を想定する。事業費規模は約70~80億円としている[10]

整備効果として、特に早川町の奈良田地区は県道37号線で身延方面から北上するルートに限られており、災害時には孤立しやすいリスクが伴っていた。また、現状は県道37号線は奈良田以北は例年11月から6月までは冬季閉鎖の上に、シーズン中もマイカー通行規制が敷かれるため、実質的に通年で一般車の北上ができない。同様に芦安側から山梨県営南アルプス林道広河原まで通じているが、こちらも冬季閉鎖の上にマイカー通行規制により、奈良田・芦安間の移動は実質通年にわたって中部横断自動車道国道52号経由で約70kmも迂回する必要が生じている[11]

この道路が開通する事により、早川・芦安の両地区が約4kmの道路で直結され、地域連携や災害時の救助物資の輸送、救急医療体制の確立が図られる。また、南アルプスを周遊する観光ルートが確立し、奈良田温泉や広河原などへのアクセスが容易になる事での観光振興などの効果が見込まれる[10]

なお、2026年度の開通予定だったが、難工事が予想されトンネル掘削に時間を要すことから、現在は2033年度に延期されている。一部の道路改良工事は2021年度から始まっており、トンネル工事は2025年度から着手する予定である[11]

路線状況

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重複区間

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地理

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通過する自治体

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交差する道路

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沿線にある施設など

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脚注

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注釈

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  1. ^ 県道20号甲斐芦安線 - 南アルプス林道 - 県道37号南アルプス公園線(南アルプス市国道52号交点 - 広河原経由 - 身延町下山国道52号交点)の山梨県道路愛称名[1]
  2. ^ 上流にある武田橋も同様の状況だったが、通常の桁橋だったため拡幅工事のみで架け替えにはならなかった。
  3. ^ 中巨摩郡櫛形町若草町白根町甲西町八田村芦安村(以上、現在の南アルプス市)、南巨摩郡増穂町鰍沢町(以上、現在の南巨摩郡富士川町)、身延町・中富町西八代郡下部町(以上、現在の南巨摩郡身延町

出典

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  1. ^ 山梨全域道路愛称名対象路線及び愛称名” (PDF). 山梨県県土整備部道路管理課. 2013年4月9日閲覧。
  2. ^ a b c 平成27年山梨県告示第129号 (PDF)”, 山梨県公報 (山梨県) 号外第26号: p. pp.1-2, (2015年4月1日) 
  3. ^ 県道の路線認定”. 山梨県. 2019年8月4日閲覧。
  4. ^ 南アルプス周遊道路を完成させよう”. 南アルプス周遊自動車道整備促進期成同盟会. 2019年8月4日閲覧。
  5. ^ 平成26年度 公共事業事前評価調書”. 山梨県. 2019年8月4日閲覧。
  6. ^ 平成29年度 公共事業事前評価調書”. 山梨県. 2019年8月4日閲覧。
  7. ^ 平成27年山梨県告示第126号 (PDF)”, 山梨県公報 (山梨県) 号外第26号: p. p.1, (2015年4月1日) 
  8. ^ 平成27年山梨県告示第127号 (PDF)”, 山梨県公報 (山梨県) 号外第26号: p. p.1, (2015年4月1日) 
  9. ^ 平成26年度 公共事業事前評価調書 (PDF)
  10. ^ a b c 「早川・芦安連絡道路」説明会資料 - 山梨県道路整備課 (PDF)
  11. ^ a b 70kmの距離がたった“4km”に!? 南アルプスの「超ショートカットトンネル」計画とは リニア工事の副産物を活用 - 乗りものニュース 2024年1月13日

関連項目

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